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検索対象: 思想 2016年第9号(第1109号)

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思想 2016年第9号(第1109号)


の 影 に 隠 れ 、 ほ と ん ど 注 目 さ れ て こ な か っ た 。 盟 ・ 交 渉 ・ 条 約 な ど を 含 む 」 ( 第 四 編 第 九 章 「 結 論 」 ) 。 と こ ろ が 近 年 、 「 戦 争 は 社 会 状 態 か ら 生 ま れ る と い う こ と 」 私 は ル ソ ー 学 者 の 永 見 文 雄 と と も に 二 〇 一 二 年 の ル ソ ー 生 と 「 戦 争 状 態 に つ い て 」 の 二 つ の 草 稿 が 、 『 戦 争 法 の 諸 原 理 』 誕 三 〇 〇 年 記 念 シ ン ポ ジ ウ ム を 準 備 す る 過 程 で 、 憲 法 学 者 の と し て ル ソ ー が 構 想 し て い た 著 作 の 一 部 を な す ま と ま っ た 論 長 谷 部 恭 男 が っ と に ル ソ ー の 戦 争 論 の 今 日 性 を 指 摘 し て い る 考 で あ る こ と が 。 フ リ ュ ノ ・ ベ ル ナ ル デ ィ と ガ プ リ エ ラ ・ シ ル の を 知 り 、 ぜ ひ こ の テ ー マ を シ ン ポ ジ ウ ム で 取 り 上 げ よ う と ヴ ェ ス ト リ ー ニ の 草 稿 研 究 で 明 ら か に な り 、 そ の 批 評 校 訂 版 思 っ た 。 同 氏 は 英 訳 版 の 「 戦 争 状 態 論 」 に 依 拠 し て で は あ る が 二 〇 〇 八 年 に パ リ の ヴ ラ ン 書 店 か ら プ レ ー ズ ・ が 、 『 憲 法 と 平 和 を 間 い な お す 』 ( ち く ま 新 書 、 二 〇 〇 四 年 ) の ら 四 人 の ル ソ ー 研 究 者 の 解 説 論 文 を 付 し て 出 版 さ れ た ( 2 ) 。 第 七 章 「 ホ ッ プ ス を 読 む ル ソ ー 」 と 『 憲 法 と は 何 か 』 ( 岩 波 新 『 戦 争 法 諸 原 理 』 Principes 。 g ミ 、 と い う 表 書 、 二 〇 〇 六 年 ) の 第 二 章 で 実 に 的 確 に ル ソ ー の 戦 争 論 の 要 題 は 、 『 社 会 契 約 論 』 ( 一 七 六 二 年 ) の 副 題 「 国 制 法 諸 原 理 」 諦 を ま と め て い る ( 4 ) 。 ホ ッ ブ ズ は 自 然 状 態 を 「 万 人 の 万 人 に 対 す る た え ざ る 闘 PrinciPes du き ト 0 = 、 e ( 3 ) と シ ン メ ト リ ッ ク な 対 称 を な す 。 『 社 会 契 約 論 』 が 人 民 の 一 般 意 志 の 表 現 で あ る 法 に よ っ 争 」 と し て 描 き 、 絶 対 的 主 権 国 家 の み が 人 間 間 の 戦 争 状 態 に て 統 治 さ れ る 共 和 国 の 形 態 を 論 じ た 理 論 書 だ と す れ ば 、 『 戦 終 止 符 を 打 っ こ と が で き る と し た が 、 ル ソ ー は そ れ を 逆 転 さ 争 法 諸 原 理 』 は 「 戦 争 」 の 定 義 か ら 始 め 、 主 権 国 家 間 の 関 係 せ 、 戦 争 の 原 因 は 自 然 状 態 に あ る の で は な く 、 主 権 国 家 の 登 論 を 「 戦 争 状 態 (étatdeguerre) 」 と し て 分 析 し 、 戦 争 を 抑 止 場 こ そ が 国 家 間 関 係 を 戦 争 状 態 に お く と し た 。 戦 争 は 国 家 と 争 戦 し う る 平 和 の 条 件 を 原 理 的 に 考 察 し た 未 完 の 書 で あ る 。 国 家 の 間 に 起 こ る の で あ っ て 、 人 間 と 人 間 の 間 に 起 こ る の で る 事 実 、 ル ソ ー は 『 社 会 契 約 論 』 の 第 三 編 第 一 五 章 の 注 で 、 は な い 。 戦 争 は 敵 国 を 成 り 立 た せ て い る 国 制 (constitution) を お 「 私 は こ の 書 物 の 続 編 に お い て 、 対 外 関 係 を 論 じ る と き 国 家 破 壊 す る こ と が 目 的 で あ っ て 、 人 間 を 一 人 も 殺 す こ と な く そ 想 Ⅲ 連 合 ( confédéra ( 一 on ) に 触 れ る こ と に な る だ ろ う 」 と 「 続 の 目 的 を 達 成 す る こ と が で き る 。 編 」 を 予 告 し て お り 、 巻 末 で は は 。 き り と 「 戦 争 法 諸 原 理 」 二 〇 一 二 年 九 月 に 中 央 大 学 と 日 仏 会 館 の 共 催 で 開 い た シ ン を 中 核 と す る 国 家 間 関 係 論 の プ ラ ン を 述 。 へ て い る 。 ポ ジ ウ ム 「 ル ソ ー と 近 代 ー ー ル ソ ー の 回 帰 ・ ル ソ ー へ の 回 の 「 国 制 法 ( dro 一 t を 一 三 que ) の 真 の 諸 原 理 を 確 定 し 、 そ れ に 基 帰 」 で ル ソ ー の 戦 争 論 を 担 当 し て も ら う べ く フ ラ ン ス か ら 招 レ ハ コ フ ェ ン で あ る 。 こ づ い て 国 家 の 創 設 に 努 力 し た あ と で 、 残 さ れ た 仕 事 は 国 家 を 聘 し た の が 、 本 論 文 の 著 者 プ レ ー ズ ・ そ の 対 外 的 諸 関 係 に よ っ て 支 え る こ と で あ る 。 こ の 問 題 は 、 の 時 の バ コ フ ェ ン 報 告 「 ル ソ ー 、 戦 争 に 関 す る 政 治 的 理 論 」 万 民 法 、 貿 易 、 戦 争 法 ( dro 一 t de la guerre) と 征 服 、 公 法 、 同 は 、 永 見 ・ 三 浦 ・ 川 出 編 『 ル ソ ー と 近 代 』 ( 風 行 社 、 二 〇 一 四

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が 〔 政 治 と 宗 教 の 二 つ の 権 力 の 間 の 分 裂 と い う 〕 悪 と そ の 治 療 薬 (lemaletle reméde ) を よ く 認 識 し え た 唯 一 の 人 で あ る 、 彼 は ワ シ の 双 頭 を 再 び 一 つ に し 、 す べ て を 政 治 的 統 一 へ 連 れ 戻 す こ と を あ え て 唱 え た 。 こ の 統 一 が な い か ぎ り 、 国 家 も 政 府 も 決 し て よ く 組 織 さ れ る こ と は な い で あ ろ う 」 。 〕 ( 引 ) ミ . p. 469. 〔 同 前 、 一 九 二 頁 。 「 呪 い に か か っ て い る 人 々 」 と は 、 排 他 的 で 不 寛 容 な 宗 教 の 信 者 を 指 す と 考 え ら れ る 。 ル ソ ー は 、 「 そ れ ぞ れ の 市 民 を し て 自 分 の 義 務 を 愛 さ し め る よ う な 宗 教 を 市 民 が も っ こ と は 、 国 家 に と っ て 実 に 重 要 な こ と で あ る 」 と 一 一 = ロ う が 、 市 民 宗 教 は 、 「 主 権 者 が そ の 項 目 を 決 め る 。 へ き 、 純 粋 に 市 民 的 な 信 仰 告 白 」 で あ っ て 、 「 そ れ は 厳 密 な 宗 教 の 教 理 で は な く 、 そ れ な く し て は よ き 市 民 、 忠 実 な 臣 民 た り え ぬ 、 社 交 性 の 感 情 (sentiments de sociabilité) 」 と し て 定 義 さ れ る 。 市 民 宗 教 の 唯 一 の 「 否 定 的 教 理 」 は 「 不 寛 容 」 で あ る と し て 、 ル ソ ー は 次 の よ う に 言 う 。 「 〔 ロ ッ ク の よ う に 〕 市 民 的 不 寛 容 と 神 学 的 不 寛 容 と を 区 別 す る 人 々 は 、 私 の 意 見 で は 間 違 っ て い る 。 こ の 二 つ の 不 寛 容 は 分 け る こ と が で き な い 。 呪 わ れ て い る 、 と わ れ わ れ が 信 じ る 人 々 と と も に 平 和 に 暮 ら す こ と は 、 で き な い 。 彼 ら を 愛 す る こ と は 、 彼 ら を 罰 す る 神 を 憎 む こ と に な る だ ろ う 。 彼 ら を 正 気 に つ れ 戻 す か 、 迫 害 す る か が 絶 対 に 必 要 で あ る 。 宗 教 的 不 寛 容 が 認 め ら れ て い る と こ ろ で は ど こ で も 、 そ れ が 〔 結 婚 な ど 〕 市 民 的 生 活 に 何 ら か の 影 響 を 与 え ず に は お か な い 。 「 : : : 」 排 他 的 な 国 民 宗 教 が 存 在 せ ず 、 も は や 存 在 し え な い 今 と な っ て は 、 市 民 の 義 務 に 反 す る も の を 何 も 含 ま ぬ か ぎ り 、 他 の 宗 教 に た い し て 寛 容 で あ る よ う な す べ て の 宗 教 に た い し て 、 寛 容 で あ る べ き だ 。 し か し 、 「 教 会 の 外 に 救 い な し 」 と 叫 ぶ 者 が あ れ ば 、 誰 で も 、 国 家 か ら 追 放 さ れ る 。 へ き で あ る 。 そ う い う 不 寛 容 な 教 理 は 、 神 政 政 府 の 下 で の み 通 用 す る が 、 そ れ 以 外 の と こ ろ で は 有 害 で あ る 」 ( 『 社 会 契 約 論 』 前 掲 、 一 九 二 ー 一 九 四 〔 1 〕 『 社 会 契 約 論 』 ジ ュ ネ ー ヴ 草 稿 と 同 じ 一 七 五 五 年 夏 か ら 五 六 年 春 の 間 に 執 筆 さ れ た と さ れ る 。 〔 2 〕 jus = ~ 、 ミ 、 、 、 s bello は 「 開 戦 法 規 / 交 戦 法 規 」 と 訳 さ れ る こ と も あ る 。 〔 3 〕 同 じ こ と を ル ソ ー は 「 戦 争 の 目 的 と 効 果 は 敵 国 の consti- tut 一 on ( 国 制 ) を 変 更 さ せ る こ と に あ る 」 ( PDG. p. 79 ) と 表 現 し て い る 。 ル ソ ー の 戦 争 論 の 慧 眼 な 読 者 で あ る 憲 法 学 の 長 谷 部 恭 男 は constitution を 「 憲 法 」 の 意 味 に 読 み か え 、 「 戦 争 と は 主 権 に 対 す る 攻 撃 で あ り 、 社 会 契 約 に 対 す る 攻 撃 で あ る 」 、 「 戦 争 と は 国 家 と 国 家 の 間 に 発 生 す る も の で あ り 、 敵 国 の 憲 法 に 対 す る 攻 撃 と い う 形 を と る 」 と 言 う ( 『 憲 法 と は 何 か 』 岩 波 新 書 、 一 一 〇 〇 六 年 、 三 九 ー 四 〇 頁 ) 。 日 本 近 現 代 史 の 加 藤 陽 子 は 、 戦 争 の ・ つ ろ こ 目 的 は 相 手 国 の 憲 法 を 変 え る こ と に あ る と い う 「 目 か ら 鱗 」 の 長 谷 部 版 ル ソ ー ・ テ ー ゼ を 使 っ て 、 太 平 洋 戦 争 に お け る ア メ リ 力 の 最 終 目 的 が 天 皇 制 を 柱 と す る 日 本 の 「 国 体 」 を 破 壊 す る こ と に あ り 、 な ぜ 戦 勝 国 が 敗 戦 国 の 憲 法 を 書 き か え る と い う 事 態 が 起 っ た か を 説 明 し て い る ( 『 そ れ で も 、 日 本 人 は 「 戦 争 」 を 選 ん だ 』 朝 日 出 版 社 、 二 〇 〇 九 年 、 四 〇 ー 四 六 頁 ) 。 〔 4 〕 Michaél Prazan. ト ミ ミ ミ 、 ). き 2 、 」 、 ミ き~ 、 ge j ミ ミ e. Seuil. 2002. Cf. M. Prazan. 《 Des Japonais l'origine du 11 septembre 》 . Les Doss ) 4 ~ 、 ミ ミ 、 ミ n0 104. 」 uillet-aoüt 2002.

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年 ) に 西 川 純 子 訳 で 収 録 さ れ て い る 。 し た が っ て バ コ フ ェ ン る か に 現 実 主 義 的 な ル ソ ー の 戦 争 論 の 核 が こ こ に あ る 。 の 来 日 は 二 度 目 で あ り 、 本 稿 は 同 じ テ ー マ を 扱 い な が ら そ の 「 人 は 一 国 の 市 民 に な っ て は じ め て 人 間 に な る 」 ( 『 社 会 契 約 後 半 は 、 来 日 の 二 カ 月 前 一 一 〇 一 五 年 一 一 月 一 三 日 の 。 ( リ 同 時 論 』 ジ 、 ネ ー ヴ 草 稿 ) 。 し か し 同 時 に 、 「 人 は 市 民 に な っ て は テ ロ を 受 け て 、 ル ソ ー の 戦 争 論 が 「 テ ロ と の 闘 い 」 と い う 一 一 じ め て 兵 士 に な る 」 ( 『 戦 争 法 諸 原 理 』 ) 。 カ ン ト は 「 世 界 共 和 一 世 紀 の 「 非 対 称 的 戦 争 」 に も 適 用 で き る か ど う か と い う 私 国 」 ( wel ( re を b 一 一 k ) を 究 極 の 目 標 と し つ つ も 現 実 的 次 善 の 策 と の ア ナ ク ロ ニ ッ ク な 問 い に 対 す る 真 摯 な 応 答 に な っ て い る 。 し て 平 和 の た め の 国 家 連 合 ( Vö 一 kerbund ) を 提 唱 し た が 、 戦 争 ル ソ ー は 「 戦 争 は 国 家 と 国 家 の 間 で 起 こ る 」 と す る か ら 、 国 の 起 源 が 主 権 国 家 の 登 場 に あ る と す れ ば 、 戦 争 を な く す に は 家 な ら ざ る テ ロ 組 織 と の 闘 い に ル ソ ー の 戦 争 論 を 援 用 し た 議 究 極 の と こ ろ 国 家 の 廃 棄 し か な い 。 こ れ が 、 ル ソ ー の 戦 争 論 論 は 私 の 知 る か ぎ り 皆 無 で あ る 。 ル ソ ー の 戦 争 論 は 日 本 の 憲 の 論 理 的 帰 結 で あ る 。 法 問 題 に と っ て だ け で な く 、 二 一 世 紀 の 対 テ ロ 戦 争 と い う ア コ レ ク シ ョ ン ( 1 ) 「 抜 粋 」 以 下 の 四 点 は 白 水 社 の ル ソ ー ク チ ュ ア ル な 問 題 に も 光 を 投 げ る の で は な い か 。 『 文 明 』 ( 二 〇 一 二 年 ) に 宮 治 弘 之 訳 で 収 め ら れ て い る 。 編 シ ン ポ ジ ウ ム に は 私 た ち は ま た 二 〇 一 三 年 一 月 に ル ソ ー 者 ・ 川 出 良 枝 の 解 説 と 合 わ せ 参 照 さ れ た い 。 来 ら れ な か っ た 指 導 的 ル ソ ー 研 究 者 。 フ リ ュ ノ ・ ベ ル ナ ル デ ィ ( 2 ) Jean-Jacques Rousseau. principes 4 き を 招 聘 し 、 来 日 講 演 集 を 『 ジ ャ ン Ⅱ ジ ャ ッ ク ・ ル ソ ー の 政 治 ミ 、 ミ Ecrits 、 Pa 洋 ト e き ミ ~ 、 ミ ド B. Bachofen et C. 哲 学 』 ( 勁 草 書 房 、 二 〇 一 四 年 ) と し て 上 梓 し た が 、 そ こ に も べ Spector (dir. ), B. Bernardi et G. SiIvestrini (éd. ), paris, ル ナ ル デ ィ の 「 『 戦 争 法 の 諸 原 理 』 と 政 治 体 の 二 重 の 本 性 」 Vrin. 2008. こ の 著 作 の 翻 訳 は 永 見 文 雄 と 三 浦 の 共 訳 で 勁 と い う 画 期 的 論 考 を 古 城 毅 ・ 川 出 良 枝 訳 で 収 録 し て い る 。 自 草 書 房 か ら 刊 行 す る 予 定 だ が 、 『 戦 争 法 諸 原 理 』 の み の 翻 訳 然 状 態 か ら 社 会 状 態 に 移 行 し た 人 間 集 団 は 原 初 の 社 会 契 約 に は す で に 坂 倉 裕 治 訳 『 人 間 不 平 等 起 源 論 付 「 戦 争 法 原 よ っ て 自 ら を 一 つ の 政 治 体 ( corps を 一 三 que ) と し て 構 築 し 国 理 」 』 ( 講 談 社 学 術 文 庫 、 二 〇 一 六 年 六 月 刊 ) に 収 め ら れ て い る 。 家 の 主 権 者 と な る 。 し か し 、 民 主 的 共 和 国 と い え ど も 、 国 家 ( 3 ) 岩 波 文 庫 版 『 社 会 契 約 論 』 ( 初 版 一 九 五 四 年 ) の よ う に 、 間 に 社 会 契 約 が 存 在 せ ず 自 然 状 態 に と ど ま る 国 家 間 関 係 に お 副 題 の Principes du droit politique を 「 政 治 的 権 利 の 諸 原 い て は 、 主 権 を 防 衛 す る た め 武 力 を 装 え た 。 ハ ワ ー (puis ・ 理 」 と 訳 す の は 重 大 な 誤 訳 で 、 単 数 形 の droit politique は sance ) た ら ざ る を 得 な い 。 こ れ が 人 民 主 権 と 対 外 主 権 と 二 つ 「 ポ リ ス の 法 」 す な わ ち 「 国 法 」 な い し 「 国 制 法 」 と 訳 す の 顔 を も っ 主 権 の パ ラ ド ク ス で あ る 。 柄 谷 行 人 が 注 目 し た の が 正 し い 「 世 界 共 和 国 」 を 統 整 的 理 念 と し て 掲 げ る カ ン ト よ り も 、 は ( 4 ) 詳 し く は 訳 注 〔 3 〕 を 参 照 。

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を 逆 転 さ せ る 。 行 為 主 体 で は な く 行 為 の 質 こ そ が 、 そ の 行 為 す る に は 破 る だ け で 十 分 で あ る よ う な 羊 皮 紙 に 書 か れ た 文 が 正 当 か 正 当 で な い か を 決 定 す る 。 国 家 が 、 自 己 保 存 の 要 請 書 で は 決 し て な い 。 そ れ は 一 般 意 志 の な か に 書 か れ て い る か ら で は な く 、 自 己 の 安 寧 と 栄 光 の 増 大 を 満 足 さ せ る た め に の で あ っ て 、 こ の 契 約 を 無 効 に す る の が 容 易 で な い の は そ 戦 争 す る と き 、 そ の 国 家 は 現 実 の と こ ろ 盗 賊 集 団 と な ん ら 変 の た め で あ る 。 ( P. G も . 78 ) わ る と こ ろ が な い 。 し か し 、 ル ソ ー が 戦 争 法 に も た ら し た も っ と も 独 創 的 な 点 究 極 の と こ ろ 、 戦 争 と は 、 攻 撃 さ れ た 国 の 人 民 に 新 し い 社 は 、 戦 争 法 の 効 力 に つ い て の 彼 の 考 え 方 で あ る 。 一 見 し た と 会 契 約 を 提 起 す る か 、 少 な く と も 現 行 の 社 会 契 約 へ の 愛 着 を こ ろ 、 戦 争 法 が ど の よ う に し て 強 制 的 拘 束 力 を も つ の か は 分 断 つ よ う 厳 し く 迫 る こ と に 存 す る 。 政 冶 体 は 、 そ の 成 員 か ら な い 。 『 戦 争 法 諸 原 理 』 の 始 め の ほ う で 、 ル ソ ー は 「 万 が 政 治 体 の 存 続 を 望 み 、 そ れ を 存 続 さ せ よ う と す る 意 志 を 共 民 法 (droit des gens) 」 ( の ち に べ ン サ ム に よ 。 て 「 国 際 法 」 と 呼 び 有 す る か ぎ り に お い て の み 存 在 し 、 「 生 き る 」 。 ル ソ ー は こ の か え ら れ た ) が ま っ た く 理 論 的 な 理 想 論 で あ っ て 、 現 実 に は 効 テ ー ゼ を 究 極 の 点 ま で 押 し 進 め る 。 彼 は 「 政 治 体 」 と 「 国 力 を も た な い と 書 く 。 「 制 裁 措 置 が な い た め 、 こ れ ら の 法 律 家 」 の 概 念 を 特 定 の 方 向 で 分 離 す る か ら で あ る 。 彼 に と っ て 、 は 自 然 法 よ り な お 弱 い 幻 想 に す ぎ な い 」 DG も . 70 ) 。 一 定 の 人 口 は 「 一 般 意 志 」 を も っ と き か ら 政 治 的 存 在 と な る 。 し か し な が ら 、 逆 説 的 に も 、 ル ソ ー に と っ て 戦 争 法 は 幻 想 ル ソ ー は 複 数 の テ キ ス ト で 、 ポ ー ラ ン ド 人 と ユ ダ ヤ 人 が 当 時 犇 で は な い 。 彼 は こ う 考 え る 。 国 家 の 「 生 命 」 は 社 会 契 約 に よ お か れ た 状 况 に 関 心 を 寄 せ て い る 。 こ れ ら 二 つ の 民 族 は 、 そ 戦 る っ て 構 成 さ れ る 。 し た が っ て 「 主 権 者 に 対 し 戦 争 す る こ と は 、 れ ぞ れ 政 治 体 と し て 略 奪 と 物 質 的 支 配 と そ の 国 家 機 構 の 破 壊 〔 政 治 体 の 根 幹 を な す 〕 公 共 の 約 束 事 ( conven ま n publique) を 攻 撃 に 抵 抗 し 、 ユ ダ ヤ 人 の 場 合 は 領 土 の 喪 失 と 離 散 に 抵 抗 し て き お す る こ と だ 」 〔 3 〕 ( PDG も . (1) 。 そ こ か ら 、 一 つ の 政 治 体 を 攻 撃 た の で 「 政 治 体 」 で あ り 、 今 も 「 政 治 体 」 で あ り 続 け る 。 な 想 思 し 、 弱 め 、 場 合 に よ 。 て は 「 殺 す 」 こ と 、 し た が 。 て 戦 争 に ぜ な ら 、 彼 ら を 「 政 治 体 」 と し て ま と め る 「 社 会 契 約 」 が 生 政 勝 っ こ と は 何 を 意 味 す る か が 演 繹 さ れ る 。 き て い る か ら だ ) 。 一 つ は 、 敵 の 政 治 体 に 対 す る 戦 争 に は 二 つ の 帰 結 し か な い 。 政 治 体 の 生 命 の 原 理 、 こ う 言 っ て よ け れ ば 国 家 の 心 臓 は 社 敵 国 の 社 会 契 約 を 破 壊 し よ う と す る 意 志 が 効 を 奏 す る 場 合 で 会 契 約 で あ っ て 、 社 会 契 約 を 傷 つ け る や 否 や 、 た ち ま ち 政 あ る 。 そ の 場 合 、 敗 戦 国 の 市 民 た ち は 政 治 体 と し て の 存 在 を 治 体 は 死 に 、 倒 れ 、 解 体 す る 。 け れ ど も こ の 契 約 は 、 破 壊 死 守 す る こ と を 断 念 す る 。 こ の 仮 説 の も と に ル ソ ー は 、 「 国

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ョ ア 的 習 俗 の 一 般 化 、 安 全 と 平 穏 と 安 寧 の 探 求 、 な か ん ず く と い う こ と は 、 宗 教 を 脱 神 学 化 し 、 宗 教 を 政 治 的 秩 序 の な か に 溶 解 す る こ と に 帰 着 す る 。 ホ ッ ブ ズ の 論 証 は 、 宗 教 的 概 念 死 の 恐 怖 に よ る 和 平 化 の 効 果 を 疑 っ て い た の で あ る 。 の 解 釈 に も と づ い て 、 超 自 然 的 救 済 の 探 求 を 現 世 的 満 足 の 追 ル ソ ー の 「 市 民 宗 教 」 の な か に 、 人 は し ば し ば 政 治 的 結 合 求 と 一 体 化 さ せ る 。 と こ ろ で ル ソ ー は 『 社 会 契 約 論 』 〔 の 巻 末 の 理 論 を 読 む が 、 市 民 宗 教 の 章 が ( 宗 教 の 違 い に 起 因 す る ) 戦 争 に 追 加 さ れ た 〕 「 市 民 宗 教 」 ( re 一 一 g 一 onc 一 v = e ) の 章 で 、 「 ホ ッ ブ ズ は や 、 政 治 体 の 弱 体 化 さ ら に は そ の 死 を 引 き 起 こ す 要 因 を 扱 っ 、 。 。 、 ト リ オ テ ィ ズ ム は 共 和 政 体 て い る の は き わ め て 意 味 深 し 悪 の 根 源 を よ く 認 識 し え た 唯 一 の 人 で あ る 」 と 書 い て い る ⑩ 。 し か し 彼 は 「 キ リ ス ト 教 の 支 配 的 精 神 は ホ ッ ブ ズ の を 支 え る 喜 ば し き 情 念 で あ り 、 ナ シ ョ ナ リ ズ ム は 帝 国 主 義 政 体 の 悲 し き 情 念 で あ り 〔 聖 、 フ ァ ナ テ ィ ズ ム は 神 の 狂 信 者 の シ ス テ ム と は 相 い れ な か っ た 」 〔 8 〕 と 付 け 加 え る 。 他 方 で ル ソ ー は 、 キ リ ス ト 教 の 「 支 配 的 精 神 」 と あ ら ゆ る 異 形 の 情 念 で あ る 。 大 い な る 情 念 な し に 政 治 は あ り え な い の 宗 教 が 潜 在 的 に 隠 し も つ 「 フ ァ ナ テ ィ ズ ム 」 を 重 視 す る ゆ え は 事 実 だ が 、 悪 は 治 療 薬 そ の も の の な か に あ る ⅱ 〕 。 ロ ッ ク の 解 決 と は 、 政 治 に 、 ロ ッ ク の 解 決 に も 納 得 し な い 。 と 神 学 を 分 離 し 、 今 日 わ れ わ れ が 「 ラ イ シ テ 」 と 呼 ぶ 市 民 的 寛 容 の 原 理 を 尊 重 す る と い う 条 件 で 、 神 学 に そ の す 。 へ て の 場 所 を 与 え る と い う も の で あ る 〔 9 〕 。 ル ソ ー が な ぜ ロ ッ ク の 解 に 納 得 し な い か と い え ば 、 「 呪 い に か か 。 て い る 、 と わ れ わ 戦 れ が 信 じ る 人 々 と と も に 平 和 に 暮 ら す こ と は で き な い 」 か ら る で あ る ( 引 ) 。 お ル ソ ー は 、 世 俗 化 が 進 ん だ 社 会 に 生 き る 近 代 人 も 「 フ ァ ナ 想 思 テ ィ ズ ム 」 か ら 自 由 で は あ り え な い こ と を 予 感 し て い た 。 フ 政 ア ナ テ ィ ズ ム は 、 純 粋 に 物 質 的 な 幸 福 の 探 求 に よ っ て 「 飼 い 一 な ら さ れ た 」 「 穏 や か な 」 情 念 の 弱 い 堤 防 を 破 壊 し か ね な い 。 ル な ぜ な ら 、 政 治 体 に そ の 力 と 実 質 を 付 与 す る の は 、 こ の よ う な 物 質 的 幸 福 追 求 の 情 念 で は な い か ら だ 。 ル ソ ー は 彼 の 時 代 に 人 々 が 大 い に 期 待 し て い た 和 平 化 の 手 段 、 す な わ ち ブ ル ジ ) PhiIippe Pons, 久 Le profil bas du Japon au Moyen- Orient 》 . Le ミ 0 . 15 décembre 2015. ( 2 ) 戦 争 で な い も の を 「 戦 争 」 と 呼 ぶ こ と を 利 益 と し 、 逆 に 別 の 理 由 か ら 戦 争 を 「 戦 争 」 と 呼 ぶ の を 拒 否 す る こ と が あ る 。 後 者 の 例 と し て 、 一 九 五 四 年 一 一 月 に 始 ま っ た ア ル ジ ェ リ ア の 人 民 解 放 闘 争 を フ ラ ン ス 政 府 は 「 戦 争 」 で は な く 「 ア ル ジ ェ リ ア 事 変 」 (événements d ・ Algérie) と 呼 び 、 警 察 の 治 安 維 持 活 動 で 鎮 圧 す べ き 内 乱 と 見 な し た 。 〔 前 者 の 例 と し て 、 昨 年 一 一 月 一 三 日 の パ リ 同 時 テ ロ を 受 け オ ラ ン ド 大 統 領 は 同 一 六 日 ヴ ェ ル サ イ ユ 宮 に 両 院 合 同 会 議 を 召 集 し 「 フ ラ ン ス は 戦 争 状 態 に あ る 」 と 宣 一 一 = ロ 、 一 九 四 五 年 四 月 三 日 の 法 律 に よ っ て 創 設 さ れ た 「 緊 急 事 態 」 ( 6 ( a ( d ・ urgence) を 強 化 し 憲 法 条 項 化 す る 意 志 を 表 明 し た 。 し か し 、 憲 法 改 正 案 は 二 重 国 籍 を も っ テ ロ 犯 罪 者 の フ ラ ン ス 国

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新 刊 案 内 に 表 示 し た 発 売 日 は 小 社 出 庫 日 で す 9-2016 ・ 8 月 日 発 売 新 た な 大 地 の ノ モ ス を 求 め て : ・ 牧 野 雅 彦 9 月 号 本 体 85 。 円 2 ー カ ー ル ・ シ ュ ミ ッ ト と 「 パ ル チ ザ ン の 理 論 」 ー さ 思 よ 9 月 号 ◆ 年 間 購 読 料 10 、 000 円 本 体 1400 円 し だ ( 税 込 ・ 、 臨 時 増 刊 号 を 除 く ) ◆ 年 間 購 読 料 概 算 22 、 200 円 、 も ホ ッ ブ ズ と セ ル デ ン : ・ 梅 田 百 合 香 金 ー 自 然 法 と へ プ ラ イ ズ ム ー 《 特 集 1 》 「 三 分 の 一 こ 後 の 政 治 課 題 フ ィ リ ッ プ ・ ラ ク ー “ ラ バ ル ト 送 政 治 的 な も の の 「 退 引 」 : ・ . シ ャ ン “ リ ュ ッ ク ・ ナ ン シ ー 時 間 か せ ぎ の 政 治 ー ー ・ 「 破 局 」 か ら 考 え る : ・ 吉 田 徹 リ バ タ リ ア ン ・ パ タ ー ナ リ ズ ム 批 判 : 橋 本 努 「 三 分 の 二 」 を 手 中 に し た 周 到 な 安 倍 戦 略 : : 北 野 和 希 ル ソ ー の 政 治 思 想 に お け る 戦 争 論 〈 ル ポ 〉 公 明 党 安 倍 派 の 誕 生 : ・ : ・ 南 彰 ー い か な る 介 入 を 正 統 化 す べ き か 田 ー ー 戦 争 す る と は 何 を す る こ と か ? ー 〈 対 談 〉 「 改 憲 」 を 打 ち 返 す 市 民 の カ : ・ 中 野 晃 一 >< 青 井 未 帆 石 井 洋 ニ 郎 〈 対 談 プ セ ン タ ー ク へ の 道 は 切 り 拓 け る か : ブ レ ー ズ ・ バ コ フ ェ ン 【 思 想 の 言 葉 】 ・ : 前 原 誠 司 >< 井 手 英 策 読 開 ・ 8 月 日 発 売 木 造 建 築 の 耐 震 性 を 考 え る : ・ 五 十 田 博 《 特 集 2 》 u.D と ユ ー ロ の 行 方 9 月 ロ 万 ド ロ ー ン か ら 見 た 熊 本 地 震 離 脱 分 断 さ れ た 社 会 は 乗 り 越 え ら れ る の か 本 体 1333 円 " 科 学 ・ : 今 井 貴 子 小 山 真 人 ・ 早 川 由 紀 夫 国 民 投 票 後 の イ ギ リ ス : ・ 話 振 ◆ 年 間 購 読 料 概 算 17 、 280 円 こ れ か ら の 緊 急 時 住 宅 を 考 え る : ・ : : : 坂 茂 ヨ ー ロ ッ パ を 引 き 裂 く 四 つ の べ ク ト ル ー ー 英 国 も 郵 離 脱 を 読 み 解 く : ・ : 鈴 木 直 特 集 一 0 一 六 年 熊 本 地 震 デ モ ク ラ シ ー か 資 本 主 義 か ? 社 外 地 殻 変 動 か ら み た 九 州 : ・ 加 藤 照 之 諫 早 湾 問 題 の 不 条 理 と ア オ コ 問 題 : ュ ル ゲ ン ・ ー マ ス 、 訳 ・ 解 説 = 三 島 憲 一 佐 藤 正 典 / 梅 原 亮 ・ 高 橋 徹 ・ 青 井 真 〈 イ ン タ ビ ュ ー 〉 プ レ グ ジ ッ ト は 有 益 な シ ョ ッ ク に な . り う る '. 割 地 震 動 の 特 徴 ・ 【 連 載 】 : シ ャ ン タ ル ・ ム フ 、 訳 ・ 解 説 = 片 岡 大 右 す 公 四 月 一 六 日 の 強 震 動 を と ら え る パ ラ サ イ ト の 惑 星 ・ 小 澤 祥 司 ・ 秦 吉 弥 ・ 後 藤 浩 之 ・ 吉 見 雅 行 戦 後 日 本 公 害 史 の 教 訓 ー ー ー 環 境 保 全 の 地 域 再 生 へ : ・ 宮 本 憲 一 深 読 み ! 「 せ い め い の れ き し 改 訂 版 」 南 海 ト ラ フ 地 震 と の 関 連 ・ ・ 堀 高 峰 ・ : 池 内 了 ・ 真 鍋 真 急 展 開 す る 研 究 者 の 軍 事 へ の 誘 導 ・ : 憲 法 か ら み た 天 皇 の 「 公 務 」 そ し て 「 生 前 退 位 」 : ・ 横 田 耕 一 し 書 ひ ず み を 評 価 に 取 り 入 れ る ・ ・ 鷺 谷 威 三 ・ 一 一 以 後 の 科 学 リ テ ラ シ ー : ・ 牧 野 淳 一 郎 み 図 象 徴 天 皇 制 の 々 次 の 代 を ・ : 原 武 史 : 須 藤 靖 明 東 京 電 力 原 発 事 故 の 情 報 公 開 : : : : ・ 木 野 龍 逸 込 阿 蘇 の 観 測 と マ グ マ 溜 ま り : 違 憲 立 法 の 既 成 事 実 化 を ど う 阻 む か : ・ : 伊 藤 真 モ ス ク ワ か ら 見 た 日 ロ 交 渉 : : 西 谷 公 明 お 料 ・ 7 月 日 発 売 読 書 丸 の 効 能 ・ 鈴 木 俊 幸 〈 イ ン タ ビ ュ ー 〉 日 本 経 済 の 大 転 換 ー ー 中 曽 根 行 革 か ら ア ベ ノ ミ ク ス ま で 7 ー 8 月 ロ 万 〔 隔 月 刊 〕 『 江 戸 春 一 夜 千 両 』 を 読 む : 棚 橋 正 博 : セ バ ス チ ャ ン ・ ル シ ュ ヴ ァ リ エ 、 聞 き 手 ⅱ 新 川 敏 光 本 体 25 。 。 円 売 料 京 伝 黄 表 紙 の 魅 力 ・ : ・ ア ダ ム ・ カ バ ッ ト 編 集 " 日 本 応 用 数 理 学 会 ー 「 八 被 般 若 角 文 字 」 の 物 語 性 を め ぐ っ て ー 特 集 = 山 東 京 伝 町 人 作 者 の 眼 ・ 石 上 阿 希 佐 藤 至 子 山 東 京 伝 艶 本 ・ 春 画 目 録 稿 : 戦 京 伝 と 九 相 詩 = 第 巻 / 第 3 号 お 応 用 数 理 は す 梅 を 紡 ぐ ー 京 伝 「 梅 花 氷 裂 」 私 案 ー : : ・ 山 本 和 明 映 画 へ / 映 画 か ら : ・ 本 体 1 。 。 。 円 川 崎 賢 子 ・ 9 月 日 発 売 ◆ 年 間 購 読 料 概 算 4320 円 : 大 高 洋 司 長 恨 歌 の 民 話 的 原 型 ・ : 上 野 英 ニ 〈 職 人 尽 〉 と 京 伝 読 本 = 定 山 東 京 伝 の 地 方 読 者 へ の ま な ざ し ・ : 小 林 ふ み 子 【 連 載 小 説 】 の お 農 業 経 済 研 究 誌 て 京 伝 合 巻 と 板 元 た ち : 桐 野 夏 生 ・ : ニ 又 淳 日 没 ( 第 一 回 ) = 本 体 1219 円 ・ 湯 浅 淑 子 ◆ 年 間 購 読 料 概 算 5268 円 ◆ 山 東 京 伝 の 紙 た ば こ 入 れ 店 : 文 学 世 界 ・ 9 月 日 発 売

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訳 者 解 題 〕 こ こ に 訳 出 し た の は 、 二 〇 一 六 年 一 月 一 五 日 に や 『 エ 、 、 ー ル 』 第 五 編 の 末 尾 な ど に 素 描 さ れ て い る の み で 、 東 京 恵 比 寿 の 日 仏 会 館 ホ ー ル で 行 わ れ た プ レ ー ズ ・ ま と ま っ た 著 述 と し て は サ ン Ⅱ ビ エ ー ル 師 の 『 永 久 平 和 論 』 = ン Blaise Bachofen の 講 演 久 Que fait-on quand on fait la ( 一 七 一 三 年 ) の 「 抜 粋 」 と そ の 「 批 判 」 が あ り 、 他 に 「 戦 争 guerre? La guerre au prisme de la pensée politique de は 社 会 状 態 か ら 生 ま れ る と い う こ と 」 や 「 戦 争 と 戦 争 状 態 に Rousseau 》 「 戦 争 す る と は 何 を す る こ と か ? ル ソ ー の 政 つ い て 」 な ど の 断 片 が 残 さ れ て い る の み だ っ た ( 1 ) 。 生 前 に 治 思 想 に お け る 戦 争 論 」 の 原 稿 で あ る 。 。 フ レ ー ズ ・ 刊 行 さ れ た の は 『 サ ン 日 ビ エ ー ル 師 の 永 久 平 和 論 抜 粋 』 ( 一 七 ン は 一 九 六 七 年 生 ま れ 、 パ リ 高 等 師 範 学 校 ( z ()n ) 出 身 の 哲 六 一 年 ) の み だ が 、 こ の 書 で 展 開 さ れ る 平 和 の た め の 国 家 連 学 ア グ レ ジ ェ ( 哲 学 教 授 有 資 格 者 ) で 、 リ 近 郊 の セ ル ジ ー 合 (confédération) の ア イ デ ア は 、 ル ソ ー の 共 和 国 論 を 媒 介 に ポ ン ト ワ ー ズ 大 学 法 学 部 櫺 教 授 。 政 治 哲 学 ・ 法 哲 学 を 専 門 と し て カ ン ト の 『 永 遠 平 和 の た め に 』 ( 一 七 九 五 年 ) に ヒ ン ト を し 、 主 著 は 博 士 論 文 の ト aC = be ミ 4 R ミ 、 ss き ド 与 え た と 思 わ れ る 。 サ ン Ⅱ ピ エ ー ル 、 ル ソ ー カ ン ト と つ づ critique des き 旁 ミ s ト 0 ミ es. Paris. P ot. 2002 で あ る 。 く ヨ ー ロ ツ 。 ハ の 永 久 平 和 論 の 系 譜 は 、 つ と に 中 江 兆 民 が 『 三 ジ ャ ッ ク ・ ル ソ ー ( 一 七 一 二 ー 一 七 七 八 ) に 戦 争 論 酔 人 経 綸 問 答 』 ( 一 八 八 七 年 ) で 「 洋 学 紳 士 」 に 語 ら せ て い る が あ る こ と は 知 ら れ て い た が 、 『 社 会 契 約 論 』 第 一 編 第 四 章 と こ ろ だ が 、 日 本 で は ル ソ ー の 戦 争 論 は カ ン ト の 永 久 平 和 論 ル ソ 1 の 政 治 思 想 に お け る 戦 争 論 戦 争 す る と は 何 を す る こ と か ? プ レ ー ズ ・ ハ コ フ ェ ン 訳 Ⅱ 三 浦 信 孝

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「 戦 争 す る 」 ( fa 一 re la guerre ) と は 何 を 意 味 す る の か 。 一 見 し 一 戦 争 は 国 家 と 国 家 の あ い だ で 起 き る た と こ ろ 、 こ の 降 い に 答 え る の は 「 和 平 す る 」 ( fa 一 re la paix) と は 何 を 意 味 す る か を 問 う よ り 単 純 で あ る 。 戦 争 と は あ る 事 数 々 の テ キ ス ト で ル ソ ー は ま さ に 以 下 の 二 重 の 問 い を 立 て 実 の 状 態 で あ る 。 一 方 的 で 野 蛮 な 暴 力 が あ る だ け で 、 ど ん な て い た 。 人 は 何 を も っ て 「 真 に 」 戦 争 と 呼 び う る の か 。 こ の 形 に せ よ 戦 争 が 存 在 す る に 十 分 で あ る 。 と こ ろ が 和 平 す る に 問 い に 対 す る 答 え か ら い か な る 紛 争 の 形 が 導 き 出 さ れ る の か 。 は 、 法 秩 序 を 確 立 し 、 当 事 国 双 方 が 受 け 入 れ 可 能 な 協 定 と そ 始 め に 『 社 会 契 約 論 』 ( 一 七 六 二 年 ) 第 一 編 第 四 章 の よ く 知 ら れ の 協 定 の 保 障 を 見 出 し 、 倫 理 的 か っ 政 治 的 理 性 を は た ら か せ た テ ー ゼ を 引 い て お こ う 。 「 戦 争 は 人 間 と 人 間 の 関 係 で は な る こ と が 前 提 条 件 に な る 。 く て 、 国 家 と 国 家 の 関 係 で あ る 。 国 家 と 国 家 の 関 係 で は 、 個 し か し 、 こ の 単 純 に 見 え る 対 立 に は ニ ュ ア ン ス を つ け る 必 人 は 、 人 間 と し て で も 市 民 と し て で も な く 、 た だ 兵 士 と し て 要 が あ る 。 あ ら ゆ る 紛 争 、 あ ら ゆ る 暴 力 が 「 戦 争 」 と は 言 え 偶 然 に も 敵 同 士 に な る の だ 」 ( 3 ) 。 さ ら に 続 け て 、 「 そ れ ぞ れ な い か ら だ 。 し て み る と 、 「 戦 争 す る 」 と は 正 確 に 何 を 意 味 の 国 家 が 敵 と す る こ と が で き る の は 、 他 の 諸 国 家 だ け で あ っ す る か を 知 ら な け れ ば な ら な い 。 戦 争 は い か な る 目 的 の も と て 、 人 間 を 敵 と す る こ と は で き な い 」 。 に 行 わ れ る の か 。 戦 争 に 勝 っ と は ど う い う こ と か 。 無 限 に 戦 ル ソ ー は 『 社 会 契 約 論 』 で は こ の テ ー ゼ を 論 証 し て お ら ず 、 争 を 繰 り 返 さ な い た め に 戦 争 す る に は ど う す れ ば い い の か 。 他 の 二 つ の 著 作 で 議 論 を 展 開 し て い る 。 そ の 一 つ は よ く 知 ら こ れ ら の 問 い は こ ん に ち 焦 眉 の 急 で あ る 。 昨 年 一 一 月 末 に れ た 『 人 間 不 平 等 起 源 論 』 ( 一 七 五 五 年 ) で あ り 、 も う 一 つ は あ ま り 知 ら れ て い な い 。 二 つ 目 の 著 作 は 、 こ れ ま で 不 完 全 な る 共 同 通 信 が 行 っ た 世 論 調 査 に よ れ ば 、 日 本 人 の 八 〇 パ ー セ ン 別 々 の 断 片 と し て 知 ら れ て い た が 、 最 近 の 草 稿 研 究 に よ っ て ト が イ ス ラ ム 過 激 派 の テ ロ が 日 本 で も 起 こ り う る と 答 え て い る ( 1 ) 。 ア メ リ カ で 最 初 に 「 テ ロ と の 戦 争 」 (War on Terror) と 首 尾 一 貫 し た 一 つ の 全 体 と し て 確 定 さ れ た 。 ル ソ ー が 『 戦 争 想 思 呼 ば れ た 「 非 対 称 的 戦 争 」 に か か わ る 間 題 が 、 い ま フ ラ ン ス 法 諸 原 理 』 の タ イ ト ル で 出 版 を 計 画 し て い た 著 作 の 人 念 に 準 ム ロ 政 で 、 世 界 中 で 大 き な 議 論 を 呼 ん で い る 。 テ ロ と の 闘 い を 軽 々 備 さ れ た 草 稿 が そ れ で あ る 〔 1 〕 。 そ の 批 評 校 訂 版 は 、 注 解 っ 一 し く 「 戦 争 」 と 呼 ぶ の は ど う で も 、 い こ と で は な い 。 戦 争 と き 共 著 と し て 二 〇 〇 八 年 に 刊 行 さ れ て い る ( 4 ) 。 い う 語 の 選 択 は テ ロ と の 闘 い の 様 態 を ど う 考 え る か に 関 わ っ 『 戦 争 法 諸 原 理 』 は の つ け か ら 戦 争 の 起 源 に つ い て 間 い か て く る ( 2 ) 。 け る 。 戦 争 は い っ か ら 、 い か な る 理 由 で 人 類 の 歴 史 に 登 場 し た の か 。 こ の 問 い は 、 ル ソ ー が 根 本 的 な 誤 り と 見 な す ホ ッ プ

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た ら さ れ る の で あ っ て 、 そ こ に 神 権 性 は な い の で あ る ( 色 。 門 に 関 し て は 、 主 と し て 新 約 聖 書 を 用 い て 解 説 し て い る と こ セ ル デ ン は 『 サ ン へ ド リ ン 』 で 、 古 代 イ ス ラ エ ル か ら 一 七 ろ が ホ ッ ブ ズ の 特 徴 で あ る ) 。 ホ ッ 。 フ ズ に よ れ ば 、 破 門 は 世 紀 ま で の 破 門 の 歴 史 的 プ ロ セ ス を 追 跡 し た が 、 ホ ッ 。 フ ズ は 破 門 さ れ た 者 ー ー 姦 淫 者 、 貪 欲 者 、 偶 像 崇 拝 者 、 飲 ん だ く れ 、 セ ル デ ン に よ る こ の 破 門 の 歴 史 を 基 本 的 に 共 有 し て い る 。 ホ ゆ す り な ど 、 不 正 を 侵 す 者 や ふ し だ ら な 生 活 の 者 ー ー と の 同 ツ ブ ズ の 破 門 に つ い て の 見 解 は 、 主 と し て 『 リ ヴ ァ イ ア サ 席 を 避 け る こ と の み を 意 味 し 、 破 門 さ れ た 者 の 生 活 態 度 を 正 ン 』 第 四 二 章 「 教 会 権 力 に つ い て 」 で 展 開 さ れ る 。 ホ ッ ブ ズ す た め に 使 用 さ れ た の で あ り 、 本 質 に お い て 処 罰 で は な は ま ず 破 門 の 原 衄 哭 ア ポ シ ナ ゴ ー ゴ ン ・ ポ イ エ イ ン ( & 冐 00U 《 ・ い ) 。 し か し 、 第 四 回 ラ テ ラ ノ 会 議 で 法 王 イ ン ノ ケ ン テ ィ yov 目 一 当 ) ) に 注 目 し 、 そ の 説 明 か ら 議 論 を 始 め る 。 ホ ッ ブ ズ ウ ス 三 世 が 王 を 破 門 し 、 廃 位 さ せ る 権 利 を 有 し て 以 来 、 法 王 の 説 明 に よ れ ば 、 こ の 用 語 は 「 シ ナ ゴ ー グ か ら 投 げ 出 す 」 と は 神 権 に 基 づ き 、 そ の 霊 的 権 力 に 世 俗 権 力 を 服 従 さ せ る 権 利 い う 意 味 で あ り 、 つ ま り 礼 拝 の 場 所 か ら 投 げ 出 す こ と で あ る 。 を も 有 す る と 称 さ れ る よ う に な っ た ( 。 こ れ は も と も と 、 伝 染 病 の 感 染 回 避 の た め 、 ら い 病 人 を 会 衆 ホ ッ ブ ズ の 聖 書 解 釈 で は 、 旧 約 聖 書 時 代 で あ れ 新 約 聖 書 時 か ら 引 き 離 す ユ ダ ヤ 人 の 慣 習 か ら 生 ま れ た 言 葉 で あ り 、 政 治 代 で あ れ 、 ユ ダ ヤ 教 で あ れ キ リ ス ト 教 で あ れ 、 政 治 的 主 権 者 権 力 が 関 わ ら な け れ ば 、 単 に 、 破 門 さ れ た 人 々 と の 交 際 は 避 が 臣 民 と 同 一 の 宗 教 の 信 徒 で あ る 場 合 に の み 、 聖 書 は 義 務 的 け る と い う 効 用 を 持 つ だ け で あ っ た と い う ) 。 こ の よ う に 、 な 規 範 す な わ ち 法 と な る 。 そ れ は 、 ユ ダ ヤ 人 に と っ て は 、 彼 破 門 と い う 語 の 由 来 に 関 し 、 ホ ッ 。 フ ズ は セ ル デ ン と ほ ば 同 様 ら の コ モ ン ウ エ ル ス が 存 在 も し く は 復 興 し た と き で あ り 、 キ の 見 解 を 持 っ て い る こ と が わ か る 。 丿 ス ト 教 徒 に と っ て は 、 キ リ ス ト 教 を 受 容 し 権 威 づ け た コ ン た だ 、 破 門 の 歴 史 に 関 し て 、 ホ ッ 。 フ ズ が 古 代 イ ス ラ エ ル に ス タ ン テ イ ヌ ス 皇 帝 以 降 の 時 代 で あ る 。 そ の よ う な 場 合 に お ン 触 れ る の は こ の 語 源 の 説 明 の み で 、 ホ ッ ブ ズ の 破 門 の 議 論 は 、 い て の み 、 破 門 は 、 主 権 者 が 制 定 し た 法 に 基 づ い て 処 罰 が 科 デ キ リ ス ト 教 の 十 二 使 徒 時 代 以 降 か ら 進 め ら れ る 。 こ の 点 は 、 さ れ う る が 、 そ う で な け れ ば 、 そ れ は た だ 、 破 門 さ れ た 者 と と 『 サ ン へ ド リ ン 』 の 非 常 に 長 い 第 七 章 で 、 ユ ダ ヤ 人 社 会 の 破 交 際 し て は な ら な い と い う 忠 告 に す ぎ ず 、 破 門 さ れ た 者 へ の ズ プ 門 に つ い て 詳 述 し た セ ル デ ン と 異 な っ て い る 。 第 四 二 章 を 含 指 導 と 教 訓 を 意 図 す る も の で し か な い 。 つ ま り 、 破 門 そ れ 自 と い 、 つ こ と で あ る ( 聞 ) 。 こ の ホ む 『 リ ヴ ァ イ ア サ ン 』 第 三 部 「 キ リ ス ト 教 の コ モ ン ウ エ ル ス 体 は 法 的 な 処 罰 を 意 味 し な い 、 に つ い て 」 全 体 で は 、 ア 。 フ ラ ハ ム と モ ー セ を 「 神 の 王 国 」 の よ う に 、 本 来 の 破 門 を 、 不 道 徳 な 者 な ど 、 共 同 体 の な か で 共 歴 史 的 原 型 と す る ホ ッ ブ ズ の 旧 約 聖 書 解 釈 が 展 開 す る が 、 破 存 す る こ と が 困 難 な あ る い は 望 ま し く な い 人 間 を そ こ か ら 排

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家 は 、 た っ た 一 人 の 人 間 も 死 ぬ こ と な く 、 殺 さ れ る こ と が あ の は 、 敗 者 は 勝 者 を た え ず 反 乱 と ゲ リ ラ の 脅 威 に さ ら す か ら り う る 」 と 書 く (PDG. や 81 ) 。 つ ま り 、 敗 戦 国 の 成 員 は 新 し で あ る ( ル ソ ー は 『 ポ ー ラ ン ド 統 治 論 』 で 「 小 さ な 戦 争 」 に つ い て い 社 会 契 約 を 採 択 す る か 、 敵 国 の 社 会 契 約 に 隷 属 す る か の ど 語 。 て い る ) 。 『 社 会 契 約 論 』 第 一 編 第 四 章 に あ る よ う に 、 「 正 ち ら か を 選 ぶ こ と に な る も う 一 つ は 、 戦 勝 国 ( な い し 自 し い 君 主 は 、 敵 国 に お い て 、 公 共 に 属 す る 財 産 は す 。 へ て 没 収 ら を 戦 勝 国 と 見 な す 国 ) が そ の 政 治 的 目 的 を 達 す る こ と が で き す る が 、 個 人 の 生 命 と 財 産 は 尊 重 す る 。 つ ま り 、 自 分 の 権 利 な い 場 合 で あ る 。 そ の 場 合 は 、 軍 事 的 勝 利 に よ っ て 略 奪 、 領 を 基 礎 づ け る 権 利 を 尊 重 す る の で あ る 」 信 ) 。 非 戦 闘 員 で あ る 土 の 荒 廃 、 奴 隷 化 が 行 わ れ て も 、 戦 争 に 勝 っ た と は 見 な さ れ 民 間 人 の 権 利 と 安 全 を 尊 重 し て 初 め て 、 交 戦 国 は 、 戦 闘 が 終 な い 。 た と え 休 戦 協 定 が 結 ば れ て も 、 敗 戦 国 の 政 治 体 は 「 生 っ た あ と の 自 ら の 正 当 性 の 基 礎 を 確 保 で き る 。 自 ら の 権 威 を き 」 続 け る 。 社 会 契 約 は 、 政 治 体 の 成 員 の 意 志 の な か に 現 実 失 墜 さ せ る よ う な 仕 方 で 戦 争 す る 国 は 、 自 分 の 力 を 強 め た っ 的 に 存 在 す る か ぎ り 、 抵 抗 し 続 け る の で あ る 。 も り で 自 分 の 力 を 弱 め る の で あ る 。 戦 争 に お け る 正 義 の 要 請 以 上 の よ う な 戦 争 に 内 在 す る 限 界 に つ い て の ル ソ ー の 概 念 は 、 し た が っ て 、 契 約 に よ る 義 務 や 道 徳 上 の 義 務 で は な く 、 は 、 抽 象 的 で 観 念 的 に 見 え る か も し れ な い が 、 歴 史 の 泡 沫 現 国 制 法 ( dro 一 t politique) に 内 在 す る 諸 原 理 に 根 ざ す 実 践 的 心 遣 象 に と ら わ れ な い か ぎ り 、 現 実 に 行 わ れ 観 察 さ れ る 戦 争 の 冷 い に 基 礎 を お い て い る 。 戦 争 に お け る 規 範 的 諸 原 理 を 尊 重 す 静 な 分 析 に よ く 耐 え る も の で あ る 。 ユ ダ ヤ 人 と ポ ー ラ ン ド 人 る 義 務 は 、 自 ら の 権 威 を 失 う ま い と す る 心 遣 い 、 さ ら に は 敗 の 例 は 、 他 に も 多 く の 例 が あ る が 、 人 類 の 歴 史 は う ま く 終 ら 戦 国 の 住 民 の 賛 同 を 得 よ う と す る 心 遣 い に も と づ く 。 戦 闘 に な か っ た 戦 争 、 勝 利 で き ず 永 遠 に 繰 り 返 さ れ る 戦 争 の 連 続 で 勝 っ か 負 け る の は 軍 人 の 運 命 だ が 、 戦 争 の 帰 趨 を 現 実 に 決 定 あ る こ と を 具 体 的 に 示 し て い る 。 軍 事 的 勝 利 が 一 見 し た と こ す る の は 国 民 の 意 志 な の だ か ら 。 『 戦 争 法 諸 原 理 』 の 草 稿 は 次 の テ ー ゼ で 終 る 。 軍 事 的 に 勝 ろ 決 定 的 勝 利 に 見 え よ う と も 、 歴 史 に お い て 何 び と っ 解 決 せ ず 、 歴 史 は た え ず 敗 れ た 戦 闘 を 数 十 年 後 、 時 に は 数 世 紀 後 に 利 し た あ と 、 勝 者 は 敗 者 に そ の 自 由 な 同 意 な し に 自 ら の 法 を 繰 り 返 す こ と に 驚 く 者 が い れ ば 、 そ の 者 は 戦 争 の 本 質 を ま っ 押 し つ け る が 、 そ れ は 現 実 に は 他 の 手 段 に よ る 戦 争 の 継 続 で た く 理 解 し て お ら ず 、 暴 力 に よ る 征 服 と 真 の 権 力 掌 握 を 取 り あ る 。 ル ソ ー は 、 古 代 ス パ ル タ に お い て 、 国 の 支 配 者 で あ る 違 え て い る 。 エ フ ォ ロ イ た ち が 奴 隷 た ち に 対 し て ふ る っ た 権 力 に つ い て 語 っ て い る 。 支 配 者 が 被 征 服 者 に ふ る う 権 力 は 征 服 に も と づ く 軍 事 力 の 優 位 だ け に も と づ く 勝 利 は 真 の 勝 利 で は な く 、 し 」 い 、 つ も の で 、 そ の 結 果 は 潜 在 的 な 永 続 的 戦 争 状 態 で し か な い 。 た が っ て 戦 勝 国 に 戦 勝 国 と し て の 権 利 を 付 与 し な い 。