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法学セミナー 2016年10月号


法 を 考 え る ヒ ン ト I キ ー ワ ー ド か ら 現 代 の 法 を 読 む 憲 法 と 家 族 【 好 評 図 書 の ご 案 内 】 法 の 意 味 、 正 し く 理 解 し て い ま す か ? キ ー ワ ー ド 基 礎 概 念 か ら 現 代 の 法 を 学 び 直 す 。 市 民 、 学 生 、 法 律 家 、 法 的 な 思 考 ・ 感 覚 を 必 要 と す る す べ て の 人 々 へ 新 し い 家 族 ・ 社 会 に み あ う 法 改 正 を 法 を 考 え る ヒ ン ト I キ ー ワ ー ド か ら 現 代 の 法 を 読 む 川 﨑 政 司 著 2016 年 6 月 刊 A5 判 396 頁 本 体 3 , 300 円 + 税 1 4 5 7 8 「 法 」 一 揺 ら ぐ 「 法 律 」 と 拡 散 す る 「 法 」 一 2 「 権 利 」 一 権 利 を め ぐ る 攻 防 ー 3 「 義 務 」 一 膨 張 ・ 拡 散 ・ 迷 走 す る 義 務 ー 「 責 任 」 一 厳 格 化 と あ い ま い 化 ー 「 人 」 一 そ の 物 語 性 と 揺 ら ぎ ー 6 「 法 人 ・ 団 体 」 一 増 す 存 在 感 ・ 影 響 力 と 個 人 と の 距 離 ー 「 家 族 」 一 多 様 化 と 家 族 制 度 の 行 方 一 「 物 」 一 「 物 」 か ら 「 も の 」 へ ー 9 「 情 報 」 一 開 示 と 保 護 と の 揺 れ 動 き 一 . 10 「 時 間 」 一 法 を め ぐ る 過 去 ・ 現 在 ・ 未 来 ー 「 正 義 」 一 正 義 論 ブ ー ム と そ の 用 い 方 ・ 論 じ 方 一 : 12 「 平 等 」 一 多 様 性 と 差 別 ・ 格 差 ー : 13 「 法 意 識 」 一 国 民 の 意 識 ・ 感 情 と 法 の 役 割 ー : 14 「 契 約 」 一 自 律 と 他 律 を め ぐ る 揺 れ 動 き 一 : 15 「 生 活 」 一 暮 ら し と 安 心 ー ・ 16 「 事 実 」 一 法 と 事 実 の は ざ ま ー : 1 1 2015 く 平 成 27 〉 年 1 2 月 1 6 日 大 法 廷 判 決 の 初 め て の 本 格 的 評 釈 ! 変 容 す る 現 代 家 族 の 問 題 を 憲 法 学 の 視 点 か ら 論 点 整 理 第 I 章 第 1 節 第 2 節 第 3 節 第 Ⅱ 章 第 1 節 第 2 節 第 Ⅲ 章 第 1 節 辻 村 み よ 子 辻 村 み よ 子 著 2016 年 4 月 刊 A5 判 上 製 396 頁 本 体 4 , 300 円 + 税 世 界 の 憲 法 か ら み た 現 代 家 族 の 変 容 : 第 2 節 家 族 を め ぐ る 憲 法 規 定 ー ー 比 較 憲 法 的 考 察 現 代 家 族 の 課 題 家 族 モ デ ル と 日 本 の 課 題 日 本 国 憲 法 と 家 族 法 規 定 日 本 国 憲 法 下 の 家 族 像 憲 法 13 条 ・ 14 条 ・ 24 条 の 内 容 と 射 程 家 族 を め ぐ る 近 年 の 重 要 判 例 婚 外 子 と 家 族 の 多 様 化 第 3 節 第 Ⅳ 章 第 1 節 第 2 節 終 章 婚 姻 の 自 由 と 夫 婦 の 同 権 親 子 関 係 改 憲 論 上 の 家 族 問 題 と 民 法 改 正 の 民 法 改 正 動 向 日 本 の 改 憲 論 の 動 向 展 望 第 日 爪 加 除 出 版 〒 171 ー 8516 東 京 都 豊 島 区 南 長 崎 3 丁 目 16 番 6 号 http://www.kajo.co.jp/ TEL ( 03 ) 3953-5642 FAX ( 03 ) 3953-2061 ( 営 業 部 )

法学セミナー 2016年10月号


LAW 062 CLASS 債 権 法 講 義 [ 各 論 ] ー 7 第 1 部 序 論 ・ 契 約 総 則 第 2 章 契 約 法 序 論 [ 第 8 節 ] 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / n0741 ・ ク [ こ こ で の 課 題 ] , 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 と 「 契 約 準 備 段 階 の 信 義 則 」 東 京 大 学 教 授 河 上 正 二 ラ 、 = ズ る 。 読 者 に は 、 事 実 の 経 緯 を 読 み 取 っ て 評 価 を 加 え る こ と の 重 要 性 を 学 ん に 目 を 向 け る 必 要 が あ る 。 煩 瑣 で は あ る が 、 や や 詳 細 に 事 実 関 係 を 紹 介 す が 主 た る 検 討 対 象 で あ る 。 裁 判 例 の 紹 介 で は 、 交 渉 の 経 緯 に つ い て の 事 実 な ど 、 比 較 的 高 額 で 複 雑 な 契 約 交 渉 の 過 程 で の 契 約 交 渉 破 棄 を め ぐ る 問 題 問 わ れ る こ と に な る 。 具 体 的 に は 、 不 動 産 取 引 、 融 資 取 引 、 企 業 間 の 合 併 か 、 義 務 違 反 に は ど の よ う な 法 的 効 果 が 付 与 さ れ る の か と い っ た 諸 問 題 が か れ た 状 況 下 で は 、 い か な る 行 為 規 範 が 存 在 す る の か 、 そ の 法 的 性 格 は 何 主 た る 舞 台 は 契 約 法 に あ る 。 契 約 が 成 立 す る ま で の 間 に 、 交 渉 当 事 者 だ 置 備 段 階 の 信 義 則 」 に つ い て 検 討 す る 。 問 題 は 既 に 民 法 総 則 で も 登 場 し た が 、 題 に 関 連 し て 論 じ ら れ る こ と の 多 い 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 法 理 と 「 契 約 準 こ で は 、 前 回 に 引 き 続 い て 、 契 約 の 締 結 過 程 あ る い は 形 成 過 程 の 諸 問 で い た だ き た い 。 1 契 約 締 結 上 の 過 失 と は ( 1 ) 意 義 (a) 契 約 上 の 過 失 理 論 の 意 義 契 約 交 渉 段 階 に 入 っ た 当 事 者 は 、 な ん ら 特 別 の 関 係 の な い 者 同 士 の 出 会 い 頭 の 関 係 と は 異 な り 、 い わ ば 契 約 成 立 に 向 け て 協 力 し 合 う パ ー ト ナ ー と し て 比 較 的 濃 密 な 関 係 に あ り 、 互 い に 、 相 手 方 に 不 要 な 出 費 や 損 害 を 与 え な い よ う に 配 慮 す べ き イ 言 義 則 上 の 義 務 に 服 し 、 自 己 の 責 め に 帰 す べ き 事 由 に よ っ て 、 そ の 義 務 に 違 反 し 、 相 手 方 に 損 害 を 生 じ さ せ た 場 合 に は 、 契 約 責 任 類 似 の 責 任 を 負 う 。 そ れ は 、 契 約 法 を 支 配 す る 信 義 則 の 契 約 前 段 階 へ の 時 間 的 拡 張 と い っ て も よ い 。 こ の 責 任 が 肯 定 さ れ る 理 論 的 根 拠 と し て 語 ら れ る も の が 、 「 契 約 締 結 上 の 過 失 ( cu ゆ 〃 c 。 厩 ん ) 」 で あ る 。 わ が 国 に は 、 契 約 準 備 交 渉 段 階 で の 過 失 あ る 行 為 に つ い て の 特 別 の 規 定 は 存 在 せ す 、 こ の 法 理 は 、 R. v. イ エ ー リ ン ク の 召 g ) の 名 と と も に 、 ド イ ツ 法 学 か ら わ が 国 に 学 説 に よ っ て 導 入 さ れ た 法 理 で あ る 。 近 時 、 そ の 法 的 性 質 や 評 価 を め ぐ っ て は 多 く の 議 言 劒 防 り 、 今 日 で は 、 む し ろ 問 題 と な る 場 面 ご と の 分 析 が 進 ん で い 第 8 節 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 と 「 契 約 準 備 段 階 の 信 義 則 」 る 。 同 様 の 問 題 は 、 わ が 国 で は 「 契 約 準 備 段 階 の 信 義 則 」 と し て 語 ら れ る こ と も 多 く 、 と り わ け 、 昭 和 50 年 代 以 降 に は 、 交 渉 破 棄 事 例 に 関 し て 、 多 く の 裁 判 例 が 集 積 さ れ て い る ( 河 上 ・ 後 掲 『 契 約 の 成 を め ぐ っ て ( 1 ・ 2 完 ) 」 、 同 「 わ が 国 裁 判 例 に み る 契 約 準 備 段 階 の 法 的 責 任 」 千 葉 大 学 法 学 論 集 4 巻 1 号 [ 1989 年 ] ) 。 さ ら に 、 既 に 見 た 、 情 報 提 供 義 務 や 説 明 義 務 、 相 手 方 の 利 益 顧 慮 義 務 、 不 当 勧 誘 行 為 に 対 す る 規 制 理 論 な ど 、 交 渉 過 程 で の 当 事 者 の 信 義 則 上 の 諸 義 務 の 源 泉 と し て も 「 契 約 締 結 過 程 の 過 失 」 カ 語 ら れ る こ と も あ る 。 契 約 が 既 に 成 立 し た 場 合 は 、 で き あ が っ た 契 約 規 範 の 「 前 倒 し 」 と 考 え る こ と も 不 可 能 で は な い が 、 契 約 が 成 立 し な い で 終 わ っ た 場 合 に は 、 そ の 法 的 性 質 は 「 契 約 類 似 の 」 特 殊 な 様 相 を 帯 び る た め 、 契 約 責 任 か 、 不 法 行 為 責 任 か 、 そ れ と も 信 義 則 に 支 配 さ れ た 第 3 カ テ ゴ リ ー の 責 任 か を め ぐ っ て 争 わ れ て き た 。 し か し 、 の 問 題 は 、 「 契 約 の 成 立 」 を 如 何 な る も の と 考 え る か に も 左 右 さ れ る 。 主 た る 給 付 の 履 行 義 務 の 確 定 的 発 生 を 基 軸 に 「 契 約 の 成 立 」 や 契 約 責 任 の 発 生 を 語 る と す れ ば 、 法 的 に は 、 不 法 行 為 責 任 の 一 種 と 考 え ざ る を 得 な い も の で あ る が 、 「 予 約 」 や 「 中 間 的 合 意 」 、 履 行 義 務 と は 異 な る 契 約 成 立 に 向 け た 誠 実 交 渉 義 務 に つ い て

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の 種 々 の 合 意 ( 「 小 文 字 の 合 意 」 と で も 呼 ば う ) を 語 る 場 合 に は 、 契 約 責 任 に 近 づ く 問 題 で も あ る ( 横 山 美 夏 坏 動 産 売 買 契 約 の 成 立 過 程 と 成 立 前 の 合 意 の 効 力 」 私 法 54 号 193 頁 [ 1992 年 ] も 示 唆 的 で あ る ) 。 英 米 法 で は 「 約 束 的 禁 反 言 」 の 適 用 問 題 と し て 論 じ ら れ て い る こ と も 示 唆 的 で あ る ( 円 谷 峻 ・ 後 掲 書 第 3 章 以 下 な ど ) 。 要 は 、 交 渉 に よ る 契 約 の 成 熟 度 や 当 事 者 の 言 動 を 勘 案 し 、 信 義 に 反 し 不 用 意 に 相 手 方 に 惹 起 し た 信 頼 を 合 理 的 理 由 な く 裏 切 る に 至 っ た 点 を と ら え て 、 交 渉 当 事 者 ( 締 約 代 理 人 を 含 む ) の 「 契 約 関 連 責 任 」 の 一 部 と し て 、 こ の 問 題 を 視 野 に 収 め て お け ば 足 り る と い う こ と か も し れ な * 【 契 約 の 成 立 時 期 】 契 約 の 成 立 に つ い て は 後 に 学 ぶ が 、 契 約 の 成 立 時 期 ・ 成 立 過 程 の 構 造 を ど の よ う に 考 え る か は 、 理 論 的 に は 難 し い 問 題 の 一 つ で あ る 。 売 買 の よ う な 「 諾 成 契 約 」 の 場 合 、 主 た る 給 付 に 関 す る 申 込 と 承 諾 の 意 思 表 示 の 合 致 の み に よ っ て 契 約 が 成 立 す る タ テ マ エ で あ り 、 極 端 な 表 現 を す れ ば 「 合 意 が な っ た 瞬 間 」 に 契 約 が 成 立 し て 効 力 ( 権 利 ・ 義 務 の 発 生 ) を 生 じ 、 あ え て 「 契 約 書 」 を 作 成 す る ま で も な い こ と に な る が 、 こ の こ と は 、 実 際 の 契 約 当 事 者 の 意 識 と は 相 当 に ず れ る 。 そ の 意 味 で は 、 「 最 終 的 契 約 締 結 意 思 」 を 措 定 す る こ と が 有 益 で あ ろ う 。 「 契 約 の 成 立 」 を め ぐ る 問 題 の 一 端 に つ い て は 、 河 上 「 「 契 約 の 成 立 』 を め ぐ っ て ( 1 ・ 2 完 ) 」 判 タ 655 号 11 頁 、 657 号 14 頁 ( 1988 年 ) 参 照 。 ま た 、 近 時 の 包 括 的 な 研 究 と し て 、 滝 沢 昌 彦 ・ 契 約 成 立 プ ロ セ ス の 研 究 ( 有 斐 閣 、 2003 年 ) 、 さ ら に 「 予 約 」 と い う 観 点 か ら の 総 合 的 研 究 と し て 、 椿 寿 夫 編 ・ 予 約 法 の 総 合 的 研 究 ( 日 本 評 論 社 、 2004 年 ) 、 有 賀 恵 美 子 「 契 約 交 渉 破 棄 の 責 任 と 予 約 」 法 律 論 叢 78 巻 4 = 5 号 1 頁 ( 2006 年 ) な ど 参 照 。 * 【 参 考 文 献 】 契 約 準 備 段 階 の 信 義 則 を め ぐ っ て は 、 さ し あ た り 、 河 上 ・ 前 掲 「 『 契 約 の 成 立 』 を め ぐ っ て 」 の ほ か 、 河 上 「 契 約 準 備 段 階 で の 信 義 則 に 基 づ く 注 意 義 務 違 反 と 賠 償 責 任 」 リ マ ー ク ス 1995 ( 上 ) 48 頁 、 同 「 銀 行 取 引 に お け る 契 約 成 立 段 階 の 諸 問 題 」 金 融 法 研 究 11 号 3 頁 以 下 ( 1995 年 ) 、 同 「 融 資 契 約 成 立 過 程 に お け る 金 融 機 関 の 責 任 」 金 法 1339 号 6 頁 ( 1994 年 ) 、 同 ・ 金 法 281 号 71 頁 ( 2014 年 ) の 判 例 解 説 な ど 参 照 。 さ ら に 、 今 西 康 人 「 契 約 準 備 段 階 に お け る 責 任 」 石 田 = 西 063 債 権 法 講 義 [ 各 論 ] 7 原 = 高 木 還 暦 ・ 不 動 産 法 の 課 題 と 展 望 ( 上 ) 所 収 ( 日 本 評 論 社 、 1990 年 ) お よ び そ こ に 掲 げ ら れ た 諸 文 献 。 近 時 の 包 括 的 な 研 究 と し て 、 潮 見 佳 男 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 新 版 注 釈 民 法 ( 13 ) 84 頁 以 下 ( 有 斐 閣 、 1996 年 ) 、 池 田 清 治 ・ 契 約 交 渉 破 棄 と そ の 責 任 ( 有 斐 閣 、 1997 年 ) 、 本 田 純 一 ・ 契 約 規 範 の 成 立 と 範 囲 ( 一 粒 社 、 1999 年 ) 、 円 谷 峻 ・ 新 ・ 契 約 の 成 立 と 責 任 ( 成 文 堂 、 2004 年 ) な ど 、 が あ る 。 約 東 的 禁 反 言 と の 関 係 で は 、 久 保 宏 之 「 契 約 締 結 交 渉 破 棄 責 任 と 約 東 的 禁 反 言 の 法 理 」 産 大 法 学 30 巻 3 = 4 号 841 頁 ( 1997 年 ) 、 有 賀 恵 美 子 「 契 約 交 渉 破 棄 事 例 に お け る 約 東 的 禁 反 言 の 適 用 ( 1 ) ~ ( 3 ・ 完 ) 」 法 律 論 叢 75 巻 2 = 3 号 117 頁 、 75 巻 4 号 41 頁 、 5 = 6 号 83 頁 ( 2002 年 ~ 2003 年 ) の 研 究 が あ り 、 債 権 法 改 正 論 議 と の 関 係 で は 、 有 賀 恵 美 子 「 契 約 交 渉 破 棄 の 責 任 ー そ の 関 連 条 文 の 明 確 化 の 必 要 性 一 」 円 谷 峻 ・ 社 会 の 変 容 と 民 法 典 ( 成 文 堂 、 2010 年 ) 293 頁 、 同 「 契 約 交 渉 段 階 」 円 谷 峻 ・ 民 法 改 正 案 の 検 討 く 第 2 巻 〉 ( 成 文 堂 、 2013 年 ) 169 頁 、 大 島 理 沙 ・ 北 大 法 学 論 集 61 巻 4 号 1346 頁 ( 2010 年 ) 、 * 【 約 束 的 禁 反 言 】 「 禁 反 言 ・ エ ス ト ッ ペ ル (est 叩 pel) は 、 英 米 法 に 由 来 す る 原 則 で 、 A が B の な し た 表 示 を 信 じ 、 そ れ に 基 づ い て 自 己 の 地 位 を 変 更 し た と き に は 、 B は 後 に な っ て 自 己 の 表 示 が 真 実 に 反 し て い た こ と を 理 由 に 、 そ れ を 翻 す こ と が 許 さ れ な い と す る 。 自 ら 作 出 し た 外 観 に 対 す る 相 手 方 の 信 頼 保 護 の 要 請 に 応 え る も の で 、 機 能 的 に は 、 大 陸 法 に お け る 「 外 観 主 義 」 と 同 様 の 作 用 を 営 む こ と が 多 い 。 こ れ が 約 東 の 世 界 で 問 題 と な る 場 合 、 「 約 東 的 禁 反 言 (promissory est 叩 (e) 」 と 呼 ば れ る 。 先 行 す る 自 己 の 振 る 舞 い に 矛 盾 す る 権 利 や 法 的 地 位 を 主 張 す こ と を 禁 す る 点 で は 、 「 行 為 に 矛 盾 す る 異 議 ( カ 川 c 。 厩 の の 禁 止 」 に 近 い 。 (b) イ エ ー リ ン ク の 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 理 論 契 約 締 結 上 の 過 失 責 任 の 基 本 的 枠 組 み は 、 関 連 す る ロ ー マ 法 源 の 分 析 を 通 し て 、 こ れ を 手 が か り に 、 イ エ ー リ ン ク に よ っ て ら 編 み 出 さ れ た も の で あ る 。 1860 年 に 発 表 さ れ た 有 名 な 彼 の 論 文 「 契 約 締 結 上 の 過 失 、 ま た は 、 契 約 無 効 な い し 未 完 成 の 場 合 の 損 害 賠 償 」 の 問 題 設 定 は 、 「 錯 誤 無 効 の 効 果 」 を め ぐ る 素 朴 な 疑 問 か ら 始 ま っ て い る 。 当 時 の 支 配 的 見 解 に よ れ ば 、 錯 誤 で 契 約 が 無 効 に な れ ば 、 契 約 と し て は 完 全 に 無 で あ る

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2016 10-11 く 法 律 〉 人 権 法 近 藤 敦 / 著 こ ん ど う あ っ し ( 名 城 大 学 法 学 部 教 授 ) A5 判 本 体 3800 円 十 税 978-4-535-52193-3 ( 好 評 発 売 中 ) 新 刊 案 内 憲 法 の 人 権 分 野 を 扱 う 教 科 書 。 日 本 国 憲 法 と 国 際 人 権 法 の 対 話 の う ち に 、 人 権 条 約 適 合 的 な 憲 法 解 釈 の あ り 方 を 考 え る 画 期 的 な 書 。 公 立 図 書 館 の 無 料 原 則 と 公 貸 権 制 度 稲 垣 行 子 / 著 い な が き ゅ き こ ( 国 際 私 法 学 会 会 員 ・ 著 作 権 法 学 会 会 員 ) A5 判 本 体 5700 円 十 税 978-4-535-52146-9 ( 好 評 発 売 中 ) 新 ・ 労 働 契 約 Q & A 会 社 で あ な た を ま も る IO 章 東 京 南 部 法 律 事 務 所 / 編 と う き よ う な ん ぶ ほ う り つ じ む し ょ A5 判 本 体 3000 円 十 税 978-4-535-52149-0 ( 好 評 発 売 中 ) 公 立 図 書 館 の 利 用 の 無 料 原 則 と 図 書 資 料 の 著 作 者 の 権 利 と の 調 整 の 間 題 を 、 国 民 の 知 る 権 利 自 由 の 視 点 か ら 精 緻 に 考 察 す る 。 賃 金 、 労 働 時 間 か ら 人 事 、 労 働 強 化 ま で 会 社 で 働 く 人 に か か わ る 労 働 条 件 と 権 利 を 内 容 別 に わ か り や す く 解 説 。 最 新 の 法 改 正 を 踏 ま え て 新 版 化 。 論 点 解 説 情 報 公 開 ・ 個 人 情 報 保 護 審 査 会 答 申 例 森 田 明 / 著 も り た あ き ら ( 弁 護 士 、 元 内 閣 府 情 報 公 開 ・ 個 人 情 報 保 護 審 査 会 常 勤 委 員 ) A5 判 本 体 5500 円 十 税 978 ー 4-535-52171-1 ( 好 評 発 売 中 ) 伊 藤 真 の 刑 事 訴 訟 法 人 門 [ 第 5 版 ] ー 神 戸 学 院 大 学 法 学 研 究 叢 書 A5 判 本 体 1700 円 十 税 978-4-535-52163-6 ( 好 評 発 売 中 ) い と う ま こ と ( 伊 藤 塾 塾 長 、 弁 護 士 ) 伊 藤 真 / 著 ー ー 講 義 再 現 版 情 報 の 開 示 ・ 不 開 示 を 分 け る も の は 何 か 。 元 審 査 会 委 員 が 、 重 要 論 点 ご と の 審 査 会 の 判 断 基 準 を 主 な 答 申 例 か ら 読 み 解 き 、 課 題 を 示 す 。 要 問 題 も コ ラ ム で わ か り や す く 解 説 。 ん だ 定 番 人 門 書 の 改 訂 版 。 新 し い 刑 訴 法 の 重 い ち 早 く 平 成 28 年 刑 訴 法 改 正 の 解 説 を 織 り 込 市 場 支 配 カ 濫 用 規 制 法 理 の 展 開 田 中 裕 明 / 著 た な か ひ ろ あ き ( 神 戸 学 院 大 学 法 学 部 教 授 ) A5 判 本 体 5200 円 十 税 978-4-535-05819-4 ※ 表 示 価 格 は 本 体 価 格 で す 。 別 途 消 費 税 が か か リ ま す 。 ( 好 評 発 売 中 ) ド イ ツ 法 ・ EU 法 に 共 通 す る 事 業 者 の 市 場 支 配 カ 濫 用 規 制 の 法 理 を 探 究 す る 労 作 。 わ が 国 独 禁 法 の 「 私 的 独 占 の 禁 止 」 の 法 理 も 探 る 。

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社 会 保 障 か ら 安 保 ま で 、 憲 法 学 の 課 題 を 切 り 拓 く 一 憲 法 学 に 関 わ る 理 論 的 な 問 題 や 憲 法 学 の ゆ く え 現 下 の 切 迫 し た 問 題 を め ぐ っ て 、 気 鋭 の 憲 法 学 者 3 人 と 各 法 分 野 の 専 門 家 が 集 い 、 対 話 を 繰 り 広 げ る 。 諸 法 と の 対 話 で 切 り 拓 く 新 た な 地 平 六 F 常 寿 ・ 曽 我 音 真 裕 ・ 山 本 音 巨 彦 / 編 0SBN978-4-535-52184-1 〇 A5 判 = 本 体 4,800 円 + 税 【 1 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 本 龍 彦 【 5 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン 一 ・ ・ ・ 曽 我 部 真 裕 [ 基 調 報 告 ] 憲 法 と 刑 事 法 の 交 錯 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 亀 井 源 太 郎 [ 基 調 報 告 ] ア ー キ テ ク チ ャ に よ る 規 制 と 立 憲 主 義 の 課 題 [ 座 談 会 ] 憲 法 と 刑 事 法 の 交 錯 ・ ・ ・ 松 尾 陽 ・ ・ ・ 亀 井 源 太 郎 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 [ 座 談 会 ] ア ー キ テ ク チ ャ に よ る 規 制 と 立 憲 主 義 の 課 題 【 2 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ 曽 我 部 真 裕 ・ ・ 松 尾 陽 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 [ 基 調 報 告 ] 憲 法 学 と 司 法 政 治 学 の 対 話 【 6 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ 宍 戸 常 寿 ー ー 違 憲 審 査 制 と 憲 法 秩 序 の 形 成 の あ り 方 を め ぐ っ て [ 基 調 報 告 ] 憲 法 学 と 国 際 法 学 と の 対 話 に 向 け て ・ ・ ・ 見 平 典 ・ ・ ・ 森 肇 士 [ 座 談 会 ] 憲 法 学 と 司 法 政 治 学 の 対 話 [ 座 談 会 ] 憲 法 学 と 国 際 法 学 と の 対 話 に 向 け て ・ ・ ・ 見 平 典 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 ・ ・ ・ 森 肇 志 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 【 3 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ 宍 戸 常 寿 【 7 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 本 龍 彦 [ 基 調 報 告 ] 憲 法 学 に お け る 財 政 ・ 租 税 の 位 置 [ 基 調 報 告 ] 憲 法 と 社 会 保 障 法 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 笠 木 映 里 ・ ・ ・ 藤 谷 武 史 [ 座 談 会 ] 憲 法 と 社 会 保 障 法 ー ー ー 対 話 の 新 た な 地 平 [ 座 談 会 ] 憲 法 学 に お け る 財 政 ・ 租 税 の 位 置 ・ ・ ・ 笠 木 映 里 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 ・ ・ ・ 藤 谷 武 史 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 【 8 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ 曽 我 部 真 裕 【 4 】 イ ン ト ロ ダ ク シ ョ ン ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 本 龍 彦 [ 基 調 報 告 ] 行 政 学 か ら 見 た 日 本 国 憲 法 と 憲 法 学 [ 基 調 報 告 ] 憲 法 上 の 財 産 権 保 障 と 民 法 ・ ・ ・ 水 津 太 郎 執 政 権 説 の 検 討 を 中 心 に ・ ・ ・ ・ ・ ・ 伊 藤 正 次 [ 座 談 会 ] 憲 法 上 の 財 産 権 保 障 と 民 法 [ 座 談 会 ] 行 政 学 か ら 見 た 日 本 国 憲 法 と 憲 法 学 ・ ・ ・ 水 津 太 郎 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 ・ ・ ・ 伊 藤 正 次 ・ 宍 戸 常 寿 ・ 曽 我 部 真 裕 ・ 山 本 龍 彦 〒 170-8474 東 京 都 豊 島 区 南 大 塚 3 ー 12-4 TEL : 03-3987-8621 /FAX : 03-3987-8590 ( 基 ) 日 本 言 平 論 ネ 土 こ 注 文 は 日 本 評 論 社 サ ー ビ ス セ ン タ ー へ TEL : 049-274-1780/FAX . 049-274-1788 https://www.nippyo.co ・ jp/ 清 立 月 。 燾 法 判 例 か ら み る 目 本 新 な な 日 本 の す が た が み え て 奄 。 憲 法 判 例 は 、 法 学 の 外 か ら み る と 第 も し ろ い を 当 ・ 本 書 の 内 容 ・ 東 大 ポ ポ ロ 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 中 島 宏 ・ 荒 井 英 治 郎 「 宴 の あ と 」 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 田 哲 史 ・ 日 比 嘉 高 朝 日 訴 訟 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 武 田 芳 樹 ・ 山 下 慎 ー 非 嫡 出 子 相 続 分 最 高 裁 違 憲 決 定 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 白 水 隆 ・ 宇 野 文 重 森 林 法 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 本 龍 彦 ・ 出 口 雄 一 「 一 票 の 較 差 」 判 決 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 徳 永 貴 志 ・ 砂 原 庸 介 苫 米 地 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 植 松 健 一 ・ 小 堀 眞 裕 猿 払 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 水 谷 瑛 嗣 郎 ・ 清 水 唯 一 朗 砂 川 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 奥 村 公 輔 ・ 中 島 信 吾 ・ 吉 田 真 吾 君 が 代 起 立 斉 唱 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 堀 ロ 悟 郎 ・ 奥 中 康 人 津 地 鎮 祭 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 石 塚 壮 太 郎 ・ 藤 本 頼 生 9 月 中 旬 刊 行 予 定 東 京 都 公 安 条 例 事 件 判 決 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 岩 切 大 地 ・ 中 澤 俊 輔 ・ 本 体 2500 円 十 税 / A5 判 薬 局 開 設 距 離 制 限 事 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 山 本 真 敬 ・ 小 石 川 裕 介 ・ ISBN 978 ー 4 ー 535 ー 5221 ・ 1 ー 4 FAX : 03-3987-8590 ( 当 ) 日 本 言 平 言 侖 ネ 土 〒 170-8474 東 京 都 豊 島 区 南 大 塚 3 ー 1 2 ー 4 TEL : 03-3987-8621 こ 注 文 は 日 本 評 論 社 サ ー ヒ ス セ ン タ ー へ TEL: 049-274-1780 FAX : 049-274-1788 https://www.nippyo・ co ・ jp/

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068 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / no. 741 れ た が ( 第 23 「 契 約 の 交 渉 段 階 」 ) 、 議 論 の 射 程 や 賠 償 範 囲 、 ら す 利 益 状 態 = 履 行 利 益 の 確 保 ) を 、 相 手 方 に 義 務 づ け ら 他 の 制 度 と の 関 係 等 が 詰 め 切 れ す 、 な お 生 成 途 上 の 法 れ る こ と に ほ か な ら な い 。 か り に 、 侵 害 さ れ た 「 期 待 利 益 」 が 「 履 行 利 益 」 に 相 当 す る 状 態 に あ る と す れ ば 、 理 と し て 、 結 局 、 法 案 に は 至 ら な か っ た 。 そ れ は ま さ し く 「 契 約 が 成 立 し た 状 態 」 に ほ か な ら ず 、 2 契 約 交 渉 破 棄 に 関 す る 応 用 問 題 契 約 成 立 前 に 契 約 の 成 立 と 同 等 の 法 的 効 果 を 付 与 す る こ と は 、 契 約 の 成 立 に 関 す る 基 本 ル ー ル を 無 視 す る 結 問 題 の 所 在 を 具 体 化 す る た め に 、 以 下 で は 、 代 表 的 な 問 題 状 況 を 裁 判 例 を 素 材 に 紹 介 し て お こ う 。 果 と な る 。 な る ほ ど 、 「 契 約 カ 陏 効 に 成 立 す る と 信 じ た こ と に よ っ て 被 っ た 損 失 」 と 、 「 契 約 が 有 効 に 成 立 し た こ と に よ っ て も た ら さ れ る 利 益 の 喪 失 」 は 観 念 的 ( 1 ) 不 動 産 取 引 交 渉 ( 福 岡 高 判 平 成 5 ・ 6 ・ 30 判 時 1483 号 52 頁 = 河 上 ・ 私 法 判 例 リ マ ー ク ス 1 0 号 48 頁 ) な 区 別 で あ っ て 、 損 害 原 因 事 実 を 起 点 と し て 因 果 関 係 に よ っ て 定 め ら れ る 原 状 回 復 の 方 向 の 違 い を 意 味 す る X は 、 不 動 産 取 引 お よ び 同 開 発 コ ン サ ル タ ン ト に 過 ぎ ず 、 要 は 、 交 渉 不 当 破 棄 に よ っ て も た ら さ れ る 業 務 等 を 目 的 と す る 会 社 で あ り 、 平 成 元 年 8 月 頃 、 「 損 害 」 に 関 す る 相 当 因 果 関 係 の 判 断 に 帰 着 す る 問 題 ス ポ ー ッ セ ン タ ー を 建 設 す る た め 、 仲 介 業 者 を 通 で は あ る 。 さ し あ た っ て 、 契 約 カ 陏 効 に 成 立 し た と 信 じ て Y ら か ら 、 本 件 土 地 を 39 億 6000 万 円 で 購 入 す 頼 し た こ と に よ っ て 被 っ た 損 害 を 、 い わ ゆ る 「 信 頼 損 る こ と と し た 。 同 年 9 月 7 日 に は X が 「 不 動 産 売 害 」 と 呼 ぶ と し て も 、 そ れ は 履 行 利 益 を 上 限 と す る も 渡 に 対 す る 請 書 」 を 、 9 月 23 日 に は 仲 介 業 者 が 「 不 の で な け れ ば な る ま い 。 動 産 買 受 け 申 込 み に 対 す る 請 書 」 を 交 付 、 さ ら に 、 (vi) 契 約 を 成 立 さ せ る 義 務 、 あ る い は 「 な し 崩 し 的 」 9 月 25 日 に は 市 長 に 対 し 国 土 利 用 計 画 法 23 条 に よ 契 約 成 立 ? る 届 出 を な し 、 10 月 11 日 に は こ れ に つ い て の 不 勧 外 形 上 合 意 カ 定 的 に 成 立 し て い た も の が 事 後 に 失 告 通 知 書 を 受 領 し た 。 か く て XY 間 で は 、 売 買 代 効 し た よ う な 局 面 で は 、 当 該 内 容 の 実 現 可 能 性 ・ 期 待 金 額 も 確 定 し 、 平 成 元 年 10 月 20 日 に 所 有 権 移 転 登 利 益 取 得 の 蓋 然 性 な い し 損 害 の 現 実 性 の 程 度 等 が 、 そ 己 と 代 金 支 払 を 一 括 決 済 す る こ と と な っ た 。 し か こ で の 実 質 的 判 断 要 素 と な り う る 。 し か し 、 取 引 が 未 し 、 決 済 日 前 日 に 、 Y ら は 土 地 の 権 利 証 が な い こ と に 気 づ き 、 協 議 の 結 果 、 保 証 書 を も っ て 登 記 す だ 「 交 渉 段 階 に あ る 」 場 合 、 当 事 者 は な お 契 約 不 成 立 る こ と に し た が 、 そ の 際 、 本 件 土 地 に X が 抵 当 権 の 可 育 尉 生 を 常 に 覚 す べ き で あ り 、 原 則 と し て 、 自 己 を 設 定 す る こ と を 条 件 と し て 代 金 先 払 い す る も の の リ ス ク に お い て 交 渉 費 用 を 負 担 す べ き で あ る 。 契 約 と し た 。 決 済 日 に 、 X は 売 買 代 金 額 に 相 当 す る 銀 の 成 立 カ 実 視 さ れ た に も か か わ ら ず 相 手 が 正 当 な 理 行 振 出 の 小 切 手 を 持 参 し て 調 印 に 臨 ん だ が 、 直 前 由 な く 信 義 則 に 反 し て 交 渉 を 破 棄 し た よ う な 場 合 に 限 に な り 、 売 主 で あ る Y ら の 一 人 が 抵 当 権 設 定 契 約 り 、 そ れ に よ っ て 無 駄 に な っ た 投 下 費 用 が 、 「 通 常 生 書 と 委 任 状 に 署 名 押 印 す る こ と は 保 証 人 と な る 可 ず べ き 損 害 」 と 観 念 さ れ 、 損 害 賠 償 の 対 象 と な る 。 さ 能 性 が あ る と し て 契 約 書 作 成 に 難 色 を 示 し た 。 そ も な け れ ば 、 交 渉 過 程 に 身 を 置 い た と た ん 、 す べ か ら こ で 、 XY は 、 保 証 書 に よ る 所 有 権 移 転 登 記 手 続 く 当 事 者 は 契 約 締 結 に 向 け て 何 ら か の 拘 東 を 受 け る に の 際 に 、 法 務 局 か ら 売 主 に 送 付 さ れ る 確 認 申 出 書 等 し い 結 果 と な り 、 自 己 に 適 合 的 な 合 意 内 容 の 可 育 生 の 交 付 と 代 金 支 払 を 同 時 に す る こ と と し 、 あ ら た を 探 っ て 交 渉 を す れ ば す る ほ ど 、 契 約 的 桎 梏 か ら 逃 れ め て 、 確 認 申 出 書 が 到 着 す る で あ ろ う 日 の 翌 日 で ら れ な く な る と い う 不 合 理 な 結 論 と な る 。 こ の 場 合 、 あ る 10 月 24 日 を 決 済 日 と 定 め た 。 し か し 、 24 日 に 、 契 約 の 成 立 の 「 蓋 然 性 」 の 程 度 に よ っ て 、 履 行 利 益 の Y ら は X に 売 買 を 白 紙 に 戻 し た い 旨 を 伝 え 、 所 定 何 割 か を 賠 償 額 と す る よ う な 見 解 は 、 い わ ば 契 約 の 「 な 期 間 内 に 登 記 申 請 の 間 違 い な い こ と の 申 出 も し な し 崩 し 的 」 成 立 を 語 る も の で 、 社 会 学 的 に は と も か く 、 か っ た た め 、 所 有 権 移 転 登 記 申 請 は 却 下 さ れ た 。 法 律 論 と し て は 不 適 切 で あ る 。 こ の 間 、 X は 、 資 金 繰 り の た め に 国 内 信 販 に 44 億 円 の 融 資 申 込 を し 、 10 月 20 日 に は 銀 行 振 出 の 小 切 (c) 債 務 法 改 正 で の 議 論 手 を 用 意 さ せ る な ど し て い た た め 、 手 数 料 等 の 支 債 権 法 改 正 で は 、 中 間 的 論 点 整 理 ま で は 、 契 約 の 不 払 を 余 儀 な く さ れ た 。 当 破 棄 に 関 す る 責 任 の 規 定 化 が 問 題 と し て 取 り 上 げ ら 一 三 ロ

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日 本 評 論 社 ) 刊 行 書 案 内 201610-11 オ ー プ ン ダ イ ア ロ ー グ を 実 践 す る 臨 床 ア ー ト セ ラ ヒ 。 ー 司 法 権 の 法 哲 学 的 研 究 / 人 権 擁 護 50 年 ( 仮 題 ) 司 法 書 士 一 問 一 答 合 格 の 肢 1 民 法 ー 2017 年 版 司 法 書 士 一 問 一 答 合 格 の 肢 2 民 法 ll 2017 年 版 司 法 書 士 一 問 一 答 合 格 の 肢 3 不 動 産 登 記 法 2017 年 版 司 法 書 士 一 問 一 答 合 格 の 肢 4 会 社 法 ・ 商 法 ・ 商 業 登 記 法 2017 年 版 司 法 書 士 一 問 一 答 合 格 の 肢 5 民 事 訴 訟 法 ・ 民 事 執 行 法 ・ 民 事 保 全 法 ・ 司 法 書 士 法 2017 年 版 司 法 書 士 一 問 一 答 合 格 の 肢 6 憲 法 ・ 刑 法 ・ 供 託 法 2017 年 版 私 た ち は 宇 宙 か ら 見 ら れ て い る ? ( 仮 題 ) 時 代 が 締 め 出 す こ こ ろ ー 精 神 科 外 来 シ リ ー ズ 佐 藤 隆 三 著 作 集 4 経 済 成 長 の 理 論 法 律 時 報 10 月 号 特 集 = 民 法 と 戸 籍 制 度 特 集 = 市 民 の 政 治 的 表 現 の 自 由 と プ ラ イ バ シ ー 経 済 セ ミ ナ ー 10 ・ 11 月 号 特 集 = マ イ ナ ス 金 利 政 策 と 日 本 経 済 数 学 セ ミ ナ ー 11 月 号 特 集 = リ ー マ ン が 目 指 し た も の こ こ ろ の 科 学 NO. 189 特 別 企 画 = LGBT と 性 別 違 和 そ だ ち の 科 学 27 号 特 集 = 「 子 ど も 虐 待 」 は な ぜ な く な ら な い の か 司 法 試 験 の 問 題 と 解 説 2016 別 冊 法 学 セ ミ ナ ー 速 報 判 例 解 説 v 。 い 9 新 ・ 判 例 解 説 Wat ( h 法 学 セ ミ ナ ー 増 刊 新 基 本 法 コ ン メ ン タ ー ル 相 続 別 冊 法 学 セ ミ ナ ー 進 化 す る 経 済 学 の 実 証 分 析 経 済 セ ミ ナ ー 増 刊 中 高 生 か ら の ラ イ フ & セ ッ ク ス サ バ イ バ ル ガ イ ド こ こ ろ の 科 学 増 刊 統 合 失 調 症 の ひ ろ ば No. 8 こ こ ろ の 科 学 増 刊 と Wi と と 0 ア カ ウ ン ト : nippyo 人 権 法 / コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン カ が 上 が る ! 伝 わ る 声 の つ く り 方 楽 し も う 射 影 平 面 / 丸 山 眞 男 『 日 本 政 治 思 想 史 研 究 』 を 読 む 佐 藤 隆 三 著 作 集 1 文 化 ・ 社 会 の 日 米 比 較 公 立 図 書 館 の 無 料 原 則 と 公 貸 権 制 度 / 新 ・ 労 働 契 約 Q & A 論 点 解 説 情 報 公 開 ・ 個 人 情 報 保 護 審 査 会 答 申 例 不 登 校 ・ ひ き こ も り に 効 く プ リ ー フ セ ラ ピ ー キ ュ ー ネ ン 数 学 基 礎 論 講 義 / 伊 藤 真 の 刑 事 訴 訟 法 入 門 [ 第 5 版 ] 祈 り と 救 い の 臨 床 vol.2 N 。 .1 市 場 支 配 カ 濫 用 規 制 法 理 の 展 開 ■ 神 戸 学 院 大 学 法 学 研 究 叢 書 実 践 オ ル タ ナ テ イ プ 投 資 戦 略 公 教 育 を イ チ か ら 考 え よ う / テ ィ ズ ニ ー を 目 指 し た 男 大 川 博 オ ー ス ト ラ リ ア 移 民 法 解 説 佐 藤 隆 三 著 作 集 2 米 国 か ら 見 た 日 本 経 済 辺 野 古 訴 訟 と 法 治 主 義 / 中 国 人 民 陪 審 員 制 度 研 究 「 人 生 案 内 」 に み る 女 性 の 生 き 方 / [ 新 版 ] 4 次 元 の ト ボ ロ ジ ー 思 春 期 こ こ ろ の い る 場 所 ■ 精 神 科 外 来 シ リ ー ズ 消 費 者 法 の 現 代 化 と 集 団 的 権 利 保 護 ー 龍 谷 大 学 国 際 社 会 文 化 研 究 書 叢 書 人 生 案 内 心 の 悩 み 心 の 不 調 に 答 え ま す ス ー バ ー 望 遠 鏡 「 ア ル マ 」 が 見 た 宇 宙 進 化 す る 符 号 理 論 / 気 骨 ー ー あ る 裁 判 官 の 足 跡 ■ ERCJ 選 書 入 門 自 然 資 源 経 済 学 / 折 る 幾 何 学 数 学 オ リ ン ピ ッ ク 2012-2016 金 融 論 [ 第 2 版 ] ■ シ リ ー ズ 新 エ コ ノ ミ ク ス 天 に 向 か っ て 続 く 数 / 法 の 科 学 第 47 号 / 年 報 医 事 法 学 31 号 地 域 分 散 型 エ ネ ル ギ ー シ ス テ ム / 密 教 大 楽 に 生 き る ワ サ 植 物 の 和 名 ・ 漢 名 と 伝 統 文 化 / ア ク チ ュ ア リ ー 数 学 入 門 [ 第 4 版 ] “ お 理 工 さ ん ” の 微 分 積 分 / 数 か ら 始 め る 代 数 学 佐 藤 隆 三 著 作 集 3 日 本 企 業 と 大 学 の 実 態 我 妻 ・ 有 泉 コ ン メ ン タ ー ル 民 法 ー 総 則 ・ 物 権 ・ 債 権 一 [ 第 4 版 ] 原 因 を 探 ら ず に 治 す ア ト ピ ー / 新 ・ 判 例 ハ ン ド ブ ッ ク 刑 法 総 論 , 各 論 物 権 法 / 民 法 で み る 商 法 ・ 会 社 法 / 憲 法 学 の ゆ く え 憲 法 判 例 か ら み る 日 本 / 戦 後 日 本 の 放 送 規 制 発 展 す る ア ジ ア の 政 治 ・ 経 済 ・ 法 / 相 続 税 申 告 業 務 の 基 礎 と 実 務 女 性 宗 教 改 革 者 ア ル ギ ュ ラ ・ フ ォ ン グ ル ム バ ッ ハ の 異 議 申 立 て 安 重 根 と 東 洋 平 和 論 / 数 学 文 化 第 26 号 子 と 親 の 臨 床 ■ こ こ ろ の 科 学 叢 書 マ ン ガ で わ か る ! 統 合 失 調 症 ( 家 族 の 対 応 編 ) 10 月 ー 定 期 雑 誌 , 増 刊 を 別 冊 特 集 号 www.nlPPYO ・ CO.JP 〒 170-8474 東 京 都 豊 島 区 南 大 塚 3-12-4 003-3987-8621 [ 販 売 直 通 ] 郵 便 振 替 00100-3-16 日 本 評 論 社 サ ー ビ ス セ ン タ ー : 〒 354-8790 埼 玉 県 入 間 郡 三 芳 町 北 永 井 宮 本 879-7 0049-274-1780 ※ 表 示 価 格 は す べ て 本 体 価 格 で す 。 ま た 、 刊 行 時 期 、 予 価 な ど は 予 告 な く 変 更 す る 場 合 が あ り ま す 。 ※ ISBN コ ー ド 掲 載

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064 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / no. 741 か ら 、 も は や 契 約 上 の 責 任 を 論 ず る 余 地 な く 、 契 約 関 係 に 由 来 す る い か な る 損 害 賠 償 も 否 定 さ れ て い た 。 し か し 、 イ エ ー リ ン ク は 、 「 ( 契 約 カ 誤 無 効 に な っ た と き ) 錯 誤 者 は 、 相 手 方 に 対 し て 、 彼 の 落 ち 度 で 相 手 に 発 生 さ せ た 損 害 に つ い て 責 任 を 負 わ な く て い い の か 」 、 も し 責 任 を 負 わ な い と す れ ば 「 そ れ は 、 無 辜 の 者 カ 也 人 の 過 失 ( 翩 ゆ あ の 犠 牲 に な る と い う こ と で は な い か ] と い う 直 感 的 な 疑 問 を 出 発 点 と し た 。 彼 は 、 関 連 し そ う な ロ ー マ 法 の 断 片 を 徹 底 的 に 吟 味 し 、 背 後 に あ る 「 共 通 原 理 」 を 汲 み 上 げ 、 実 践 的 目 的 の た め に 理 論 を 再 構 成 す る と い う 形 で 、 こ の 法 理 を 抽 出 し た ( 詳 し く は 、 河 上 ・ 歴 史 の 中 の 民 法 [ 日 本 評 論 社 、 2001 年 ] 287 頁 以 下 参 照 ) 。 イ エ ー リ ン ク は 、 そ の 結 果 、 吟 味 す べ き 次 の 4 つ の 要 件 基 準 を 抽 出 し 、 そ の 後 の 学 説 を リ ー ド し て き て い る 。 第 1 に 、 契 約 が 、 外 形 上 、 当 事 者 に よ っ て 締 結 さ れ て い る こ と 、 第 2 に 、 契 約 が 、 何 ら か の 理 由 ( 目 的 物 不 存 在 や 取 引 不 適 合 な ど ) で 無 効 で あ る こ と 、 第 3 に 、 契 約 を 無 意 味 に し た 瑕 疵 が 、 売 主 側 の ミ ス ・ リ ー ド に よ る こ と 、 第 4 に 、 売 主 の 側 で 、 そ の 瑕 疵 に つ い て 、 知 ら な か っ た ( 善 意 で あ っ た ) こ と 、 で あ る 。 そ し て 、 そ の 法 律 効 果 は 、 契 約 が 有 効 で あ る と 信 じ た こ と に よ っ て 生 じ た 費 用 な ど の い わ ゆ る 「 信 頼 利 益 」 の 損 害 賠 償 で あ り 、 こ れ は 契 約 上 の 訴 権 朝 ) に よ っ て 基 礎 づ け ら れ る 。 イ エ ー リ ン ク が 、 そ の 検 討 を 通 じ て 、 ロ ー マ 法 源 か ら 更 に 引 き 出 し た の は 、 「 契 約 上 の 注 意 ( 市 / 洳 〃 を 尽 く せ と い う 要 請 は 、 既 に 出 来 上 が っ た 契 約 関 係 に つ い て と 同 様 、 出 来 つ つ あ る 契 約 関 係 に つ い て も 妥 当 し 、 そ の 違 反 は 、 後 者 に お い て も 、 前 者 に お け る と 同 様 に 、 損 害 賠 償 を 求 め る 契 約 上 の 訴 権 を 基 礎 づ け る も の で あ る 。 こ れ が 、 彼 が ロ ー マ 法 に よ っ て 理 論 的 に 基 礎 づ け よ う と し た 原 理 で あ っ た 。 彼 は 、 そ の 必 要 性 と 理 由 を 次 の よ う に 述 べ た 。 す な わ ち 、 「 契 約 を す る 者 は 、 契 約 外 の 関 係 で の 純 粋 な 消 極 的 義 務 領 域 を 出 て 、 積 極 的 な 契 約 領 域 へ と 立 ち 入 る 、 つ ま り 単 な る 作 為 上 の 過 失 朝 加 翫 〃 面 ) か ら 不 作 為 に お け る 過 失 ( / 加 加 〃 - 漑 ) 、 積 極 的 な 注 意 深 さ ( 市 / 洳 浦 4 ) が 問 題 と な る の で あ っ て 、 そ れ に よ っ て 当 事 者 が 引 き 受 け る 第 一 の 、 最 も 一 般 的 義 務 は 、 既 に 契 約 締 結 す る に 際 し て 必 要 な 注 意 を 払 う と い う こ と で あ る 。 単 に 、 既 存 の 契 約 関 係 の み な ら ず 、 生 じ つ つ あ る 契 約 関 係 が 、 過 失 に つ い て の ル ー ル の 保 護 下 に お か れ る べ き で あ っ て 、 も し 、 契 約 的 交 渉 関 係 が 、 こ の よ う に 処 理 さ れ な い な ら ば 、 各 契 約 当 事 者 は 、 他 人 の 不 注 意 の 犠 牲 に な る 危 険 に 、 身 を さ ら さ れ る こ と に な る 。 」 ( 2 ) 理 論 的 展 開 (a) ド イ ツ 法 の 議 論 ( i ) ド イ ツ 法 で 論 じ ら れ て き た 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 は 、 主 と し て 「 信 義 則 に 基 礎 づ け ら れ た 特 殊 な 契 約 類 似 の 法 定 責 任 」 で あ り 、 と り わ け 、 契 約 成 立 「 前 」 の 段 階 に あ る 当 事 者 の 社 会 的 諸 関 係 に ま で 「 契 約 ( 類 似 の ) 責 任 」 を 拡 張 し 、 そ こ で の 当 事 者 に 契 約 に 準 じ た 注 意 義 務 や 責 任 ( 通 常 は 「 信 頼 利 益 」 の 賠 償 ) を 導 こ う と す る も の で あ っ た 。 そ の 核 心 に は 、 取 引 的 関 係 に 入 っ た も の は 、 ( 契 約 の 成 否 に 関 わ ら ず ) 相 互 に 契 約 類 似 の 信 頼 関 係 に 置 か れ 、 互 い に 相 手 の 利 益 を 不 当 に 害 さ な い よ う 配 慮 す べ き 義 務 を 負 う と い う 基 本 原 理 へ の 共 感 で あ る 。 ー こ に は 、 い く つ か の 問 題 類 型 が 含 ま れ て い る 。 ( ⅱ ) メ デ ィ ク ス (Medicus D. ) に よ る 『 債 務 法 改 正 鑑 定 意 見 書 』 は 、 問 題 群 を 「 契 約 外 の 法 益 に 関 す る 義 務 」 と 「 締 結 さ れ る 契 約 自 体 に 関 す る 義 務 」 に 分 け て 、 次 の よ う に 整 理 し て い る 。 ① 契 約 「 外 」 の 法 益 に 関 す る 義 務 に つ い て は 、 契 約 の 成 否 に 関 わ ら ず 、 と く に 一 方 の 契 約 当 事 者 の 支 配 空 間 内 に お い て 生 じ た 他 方 の 生 命 ・ 身 体 ・ 所 有 権 の 侵 害 が 問 題 と な る 。 具 体 的 に は 、 ス ー パ ー の 食 品 売 り 場 で バ ナ ナ の 皮 や 野 菜 の 葉 に す べ っ て 客 か 転 倒 ・ 負 傷 し た よ う な 場 合 や 、 購 入 予 定 の 自 動 車 の 試 運 転 中 に 客 カ 故 を 起 こ し て 怪 我 を し た よ う な 場 合 、 売 場 の 壁 に た て か け て あ っ た 絨 毯 が 倒 れ て 客 が 負 傷 し た 場 合 、 購 入 し た 家 具 を 家 の 中 に 設 置 す る 際 に 配 達 人 の ミ ス で 近 く に あ っ た 花 瓶 を 壊 し て し ま っ た よ う な 場 合 等 が 含 ま れ る ( 最 後 の ケ ー ス は 、 契 約 が 成 立 し て い る の で 契 約 上 の 付 随 的 注 意 義 務 違 反 と し て 「 積 極 的 債 権 侵 割 と 呼 ば れ る ) 。 ② 締 結 さ れ る 契 約 自 体 に 関 す る 義 務 に つ い て は 、 と く に 契 約 交 渉 の 中 通 坐 折 の 場 合 が 注 目 さ れ る が 、 こ れ に は 、 ( a ) 当 事 者 の 一 方 が 、 正 当 な 理 由 な く 一 方 的 に 交 渉 を 打 ち 切 っ た こ と に よ り 契 約 カ 坏 成 立 と な り 、 そ の た め 、 他 方 が そ の 成 立 を 確 実 な も の と 信 頼 し て 支 出 し た 費 用 な ど の 損 害 を 被 っ た よ う な 場 合 と 、 ( 田 契 約 が 、 合 意 に よ っ て 特 定 の 形 式 上 の 要 件 ( 官 庁 の 認 可 申 請 や 公 正 証 書 の 作 成 な ど ) を 備 え る べ き 場 合 に 、

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学 者 の 本 棚 ] バ ラ ダ イ ム の 転 換 小 西 聖 子 『 犯 罪 被 害 者 の 心 の 傷 〔 増 補 新 版 〕 』 [ ロ ー ・ ジ ャ ー カ 切 「 忘 れ ら れ る 権 利 」 に つ い て 考 え る 平 成 28 年 7 月 12 日 東 京 高 裁 決 定 を 受 け て [ ロ ー ・ ア ン グ レ ] 恋 の 法 廷 式 7 隠 さ れ た 恋 愛 感 情 わ た し の 仕 事 、 法 つ な が り [ ひ ろ が る 法 律 専 門 家 の 仕 事 編 ] 17 ・ 私 が 考 え る 法 律 ( 学 ) ー ー 福 島 の 山 村 で の 出 来 事 を 例 に し て [ ロ ー ・ ク ラ ス ] 公 共 空 間 を 考 え る - ー ー 技 術 者 と し て 法 を 語 る 7 ・ 放 送 大 学 試 験 問 題 文 削 除 事 件 プ ラ ス ア ル フ ア に つ い て 考 え る 基 本 民 法 19 賃 貸 借 に お け る 法 律 関 係 ・ そ の 1 ー ー 当 事 者 の 交 代 債 権 法 講 義 [ 各 論 ] 7 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 と 「 契 約 準 備 段 階 の 信 義 則 」 ・ ・ ・ 北 尾 ト ロ 足 立 龍 太 ・ 佐 藤 康 宏 ・ 武 川 幸 嗣 ・ ・ 河 上 正 ニ ・ 久 保 田 安 彦 ・ 大 塚 裕 史 ・ 内 田 幸 隆 ・ 斎 藤 司 ・ 柑 本 美 和 ・ 宮 下 紘 01 0 050 078 084 094 扉 001 007 056 062 1 02 [ 最 新 判 例 演 習 室 ] 憲 法 / 堀 ロ 悟 郎 110 行 政 法 / 桑 原 勇 進 111 民 法 / 中 川 敏 宏 112 商 法 / 鳥 山 恭 一 113 民 事 訴 訟 法 / 川 嶋 四 郎 114 刑 法 / 豊 田 兼 彦 115 刑 事 訴 訟 法 / 中 島 宏 116 労 働 法 / 山 下 昇 117 ラ イ プ ラ リ 三 新 刊 ガ イ ド 119 [ ロ ー ・ フ ォ ー ラ ム ] 最 新 立 法 イ ン フ ォ メ ー 裁 判 と 争 点 012 立 法 の 話 題 013 [ コ ラ ム ] シ ョ ン 120 株 式 会 社 法 の 基 礎 13 市 場 価 格 の な い 株 式 の 評 価 方 法 応 用 刑 法 I ー 総 論 13 ・ 正 当 防 衛 ( 3 ) ー ー ー 防 衛 行 為 の 相 当 性 財 産 犯 バ ト ル ロ イ ヤ ル 22 ・ 現 金 が な く て も イ イ ん で す ! ー ー ー ク レ ジ ッ ト カ ー ド の 不 正 使 用 ( そ の 2 ) 刑 事 訴 訟 法 の 思 考 プ ロ セ ス 7 令 状 主 義 の 趣 旨 と 逮 捕 に 伴 う 無 令 状 捜 索 ・ 差 押 え に 対 す る 法 的 規 律 司 法 書 士 の 生 活 と 意 見 055 弁 護 士 事 件 フ ァ イ ル 109 判 事 補 メ モ 038

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074 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / no. 741 ① [ 消 極 ] 。 「 Y ら 及 び X は 、 本 件 基 本 合 意 時 に お い て 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 を 締 結 す る 義 務 を 負 っ て い た と は い え す 、 本 件 基 本 契 約 な い し 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 を 締 結 す る ま で は 、 こ れ ら の 契 約 を 締 結 す る か 否 か の 自 由 を 有 し て い る の で あ る か ら 、 こ れ ら の 契 約 を 締 結 す る 義 務 を 負 う も の で な い 」 。 ② [ 消 極 ] 。 「 民 法 130 条 は 、 契 約 が 有 効 に 成 立 し て い る こ と を 前 提 と し て 、 そ の 効 力 の 発 生 に つ き 条 件 が 付 さ れ て い る 場 合 に 、 故 意 に そ の 条 件 の 成 就 を 妨 げ た と き に そ の 成 就 を 擬 制 す る こ と が で き る こ と を 定 め た も の で あ る 。 こ れ に 対 し 、 本 件 基 本 合 意 に お い て は 、 本 件 基 本 契 約 及 び 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 の 内 容 が 確 定 し て お ら ず 、 こ れ ら が 有 効 に 成 立 し て い な い の で あ る か ら 、 同 条 の 適 用 又 は 類 推 適 用 の 前 提 を 欠 く 」 ③ [ 積 極 ] 。 本 件 基 本 合 意 書 12 条 後 段 に よ り 、 「 各 当 事 者 は 、 直 接 又 は 間 接 を 問 わ ず 、 第 三 者 に 対 し 又 は 第 三 者 と の 間 で 本 基 本 合 意 書 の 目 的 と 抵 触 し う る 取 引 等 に か か る 情 報 提 供 ・ 協 議 を 行 わ な い 」 義 務 を 負 い 、 ま た 、 同 8 条 1 項 は 、 「 Y ら 及 び X が 本 件 協 働 事 業 化 に 向 け て 誠 実 に 協 議 す べ き 法 的 義 務 を 相 互 に 負 う こ と を 定 め た も の で あ る と 解 さ れ る 」 。 ④ [ 消 極 ] 。 「 本 件 基 本 合 意 後 、 Y ら と X が 協 議 、 交 渉 を 重 ね て も 、 社 会 通 念 上 、 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 成 立 す る 可 能 性 が な い と 判 断 さ れ る に 至 っ た 場 合 に は 、 本 件 基 本 合 意 に 基 づ く 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 も 消 滅 す る 」 。 し か し 、 Y ら の 白 紙 撤 回 の 申 し 入 れ は 「 い わ ば 一 方 的 か っ 突 然 の 白 紙 撤 回 の 通 告 で あ 」 り 、 「 平 成 16 年 7 月 13 日 当 時 、 Y ら と X が 協 議 、 交 渉 を 重 ね て も 、 社 会 通 念 上 、 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 成 立 す る 可 能 性 が な か っ た と ま で は 断 定 で き ず 、 Y ら の 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 が 消 滅 し た と は 認 め ら れ な い 」 。 し た が っ て 、 「 Y ら は 、 平 成 16 年 7 月 13 日 及 び 14 日 当 時 、 本 件 基 本 合 意 に 基 づ く 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 を 負 っ て い た に も か か わ ら ず 、 ・ ・ ・ ・ ・ ・ X に 対 し 、 一 方 的 に 本 件 協 働 事 業 化 の 白 紙 撤 回 を 通 告 す る と と も に 、 本 件 基 本 合 意 の 解 約 を 申 し 入 れ 、 そ の 後 X が 本 件 協 働 事 業 化 の 実 現 を 望 ん で い た に も か か わ ら ず 、 そ の 実 現 に 向 け た 協 議 、 交 渉 を 一 方 的 に 拒 絶 し て こ れ を 一 切 行 わ な か っ た ば か り か 、 同 月 14 日 、 A グ ル ー プ に 対 し て 本 件 対 象 営 業 等 も 含 め た 経 営 統 合 の 話 を 持 ち か け た と い う の で あ る か ら 、 Y ら が 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 に 違 反 し た こ と は 明 ら か で あ り 、 Y ら に は こ れ ら の 義 務 違 反 に よ る 債 務 不 履 行 責 任 が あ る 」 と い う べ き で あ る 。 ⑤ [ 消 極 ] 。 「 Y ら が 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 を 履 行 し 原 告 と の 間 で 本 件 協 働 事 業 化 に 向 け て 協 議 、 交 渉 を 継 続 し て い た と し て も 、 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 成 立 し て い た こ と が 客 観 的 に 確 実 又 は 高 度 の 蓋 然 性 が あ っ た と は 認 め ら れ な い し 、 ま た 、 Y ら と X と の 間 で は 、 そ の 事 務 局 な い し 担 当 者 レ ベ ル に お い て す ら 、 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 の 内 容 も 具 体 的 に 確 定 し て い な か っ た の で あ り 、 そ の 契 約 の 成 立 を 前 提 と す る 履 行 利 益 と い う も の を 観 念 す る こ と が で き な い か ら 、 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 締 結 さ れ て い れ ば 原 告 が 得 ら れ た で あ ろ う 利 益 相 当 額 は 、 Y ら の 独 占 交 渉 義 務 違 反 及 び 誠 実 協 議 義 務 違 反 と 相 当 因 果 関 係 に あ る 損 害 と い う こ と は で き な い 。 」 ま た 、 「 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 成 立 し た 場 合 に 想 定 さ れ る 利 益 に Y ら が 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 を 履 行 し て い れ ば 最 終 契 約 が 成 立 し て い た で あ ろ う 客 観 的 可 能 性 を 乗 じ た 額 を も っ て 、 Y ら の 債 務 不 履 行 と 相 当 因 果 関 係 の あ る 損 害 と 認 め る こ と は で き な い 」 。 わ が 国 に お い て 、 M & A に か か る 交 渉 上 の 責 任 が 司 法 の 場 で 論 じ ら れ た 先 例 は 乏 し く 、 本 件 は 、 そ の 草 分 け 的 事 件 で あ る 。 本 判 決 は 、 要 す る に 、 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 成 立 し て い な い 上 、 Y ら カ 融 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 を 履 行 し て い た と し て も 、 同 契 約 の 成 立 カ 実 で あ っ た と は い え ず 、 ま た 、 同 契 約 の 内 容 も 具 体 的 に 確 定 し て い な か っ た 本 件 に で は 、 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 が 成 立 し た 場 合 の 得 べ か り し 利 益 ( = 履 行 利 益 ) は 、 独 占 交 渉 義 務 違 反 及 び 誠 実 協 議 義 務 違 反 と 相 当 因 果 関 係 が あ る と は 認 め ら れ ず 、 X は 、 Y ら に 対 し 、 最 終 契 約 の 成 立 を 前 提 と す る 履 行 利 益 相 当 額 の 損 害 賠 償 を 求 め る こ と が で き な い と し た も の で あ る 。 そ し て 、 「 Y ら は 、 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 の 債 務 不 履 行 と 相 当 因 果 関 係 の あ る 損 害 に つ い て 賠 償 す る 義 務 を 負 う 」 と し つ つ 、 「 X は 、 本 件 に お い て 、 -- ヒ 記 債 務 不 履 行 と 相 当 因 果 関 係 の な い 履 行 利 益 相 当 額 の 損 害 な い し こ れ を 基 準 に 算 出 し た 損 害 額 に つ い て の み 主 張 し 、 そ れ 以 外 の 損 害 に つ い て 、 何 ら