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検索対象: ジュリスト 2016年 9月号

ジュリスト 2016年 9月号から 156件ヒットしました。

ジュリスト 2016年 9月号


図 IDCF 事 件 の 概 略 図 ① 平 成 21 年 2 月 2 日 本 件 分 割 (IDCS に よ る IDCF の 新 設 分 割 ) 42 % ソ フ ト パ ン ク ヤ フ ー 未 処 理 欠 損 金 約 100 億 円 ( 平 成 21 年 3 月 末 償 却 期 限 ) 譲 渡 益 約 1 OO 億 円 の 発 生 IDCS 本 件 分 割 ( 分 割 資 産 等 約 15 億 円 に 対 し IDCF 株 式 1 15 億 円 ) ( ※ ) IDCF 資 産 調 整 勘 定 約 1 OO 億 円 の 発 生 ( ※ ) こ の 時 点 で ② の 本 件 譲 渡 1 が 計 画 さ れ て い た こ と に よ り , 適 格 分 割 の 要 件 で あ る 完 全 支 配 継 続 見 込 み 要 件 を 欠 く 状 態 と な り , 非 適 格 分 割 と な っ た 。 そ の 結 果 , IDCS に 譲 渡 益 が 発 生 し , IDCF に 譲 渡 損 に 対 応 す る 資 産 調 整 勘 定 が 発 生 し た 。 ② 平 成 21 年 2 月 20 日 本 件 譲 渡 1 (IDCS → ヤ フ ー IDCF の 発 行 済 株 式 全 部 の 譲 渡 ) 42 % ソ フ ト バ ン ク ヤ フ ー IDCF IDCS IDCF 本 件 譲 渡 1 資 産 調 整 勘 定 約 1 OO 億 円 0 、 0 浦 0 0 第 》 0 ) 0X3 : を ・ 込 を 、 ・ を を 、 を み 92 [ Jurist ] September 2016 / Number 1497

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最 高 裁 時 の 判 例 ③ 平 成 21 年 2 月 24 日 本 件 譲 渡 2 ( ソ フ ト バ ン ク → ヤ フ ー IDCS の 発 行 済 株 式 全 部 の 譲 渡 ) 42 % ー ソ フ ト パ ン ク ヤ フ ー 本 件 譲 渡 2 1 OO% IDCF 資 産 調 整 勘 定 約 100 億 円 ④ 平 成 21 年 3 月 30 日 本 件 合 併 ( ヤ フ ー に よ る IDCS の 吸 収 合 併 ) 42 % ソ フ ト バ ン ク ヤ フ ー ( 十 IDCS) 本 件 合 併 1 OO% 0 X ) X 0 、 ) 0 ト 0 第 、 0 滝 X 旧 CF IDCS X 、 0 、 ◆ 》 第 X 0X0 ) 、 0X0 資 産 調 整 勘 定 約 1 OO 億 円 93 [ Jurist ] September 2016 / Number 1497

ジュリスト 2016年 9月号


出 さ れ る 前 に , 東 京 都 知 事 が , 徴 収 し よ う と す る 徴 収 で は な い 財 産 と し て , C 信 託 銀 行 株 式 会 社 に 対 す る 約 金 の 額 を 大 幅 に 上 回 る 約 68 億 円 に も 上 る 本 件 預 託 金 68 億 円 に 及 ぶ 本 件 預 託 金 の 返 還 請 求 権 を 有 し て い た の 返 還 請 求 債 権 に つ い て , 滞 納 処 分 ( 差 押 え ) を す る と い う の で あ る 。 そ し て , B 社 に つ い て 上 記 の 破 産 手 続 開 始 の 決 定 が さ れ , 破 産 管 財 人 が 選 任 さ れ た こ と に 機 会 が あ り , そ れ を す る こ と が で き た に も か か わ ら ず , そ れ を し な か っ た こ と は , 著 し く 不 合 理 で あ る と よ り , B 社 の 財 産 が 破 産 管 財 人 の 管 理 下 に 置 か れ て い い う の で あ る か ら , こ の よ う な 場 合 に つ い て は , 『 滞 た こ と に 照 ら す と , 本 件 納 付 告 知 の 前 後 に お い て そ の 納 処 分 を し て も な お そ の 徴 収 す べ き 額 に 不 足 す る と 認 財 産 に 大 幅 な 変 動 が あ っ た も の と は 考 え 難 い 。 め ら れ る 場 合 』 に は 当 た ら な い と い う べ き で あ る 。 」 ま た , 東 京 都 知 事 は , 平 成 21 年 6 月 4 日 か ら 同 年 7 月 31 日 に か け て , 本 件 徴 収 金 の 全 額 を 財 団 債 権 と こ れ に 対 し て , Y が 上 告 し た 。 し て 交 付 要 求 し , 同 22 年 9 月 30 日 , 破 産 管 財 人 か 判 旨 ら 上 記 の 財 団 債 権 に 対 す る 弁 済 と し て 9 億 6000 万 3675 円 の 納 付 を 受 け た ほ か , 同 年 11 月 25 日 ま で の 上 告 棄 却 。 「 4 ( 1 ) 地 方 税 法 11 条 の 8 は , 滞 納 者 で あ る 本 来 間 に 上 記 の 納 付 を 含 め B 社 の 財 産 か ら 合 計 14 億 の 納 税 義 務 者 が , そ の 地 方 団 体 の 徴 収 金 の 法 定 納 期 限 0792 万 2463 円 を 徴 収 し て B 社 の 滞 納 に 係 る 本 税 を の 1 年 前 の 日 以 後 に そ の 財 産 に つ い て 無 償 又 は 著 し 全 額 回 収 し て お り , 残 余 の 延 滞 金 に つ い て も そ の 後 担 く 低 い 額 の 対 価 に よ る 譲 渡 , 債 務 の 免 除 そ の 他 第 三 者 保 不 動 産 競 売 事 件 か ら の 配 当 を 受 け て い る 。 に 利 益 を 与 え る 処 分 を 行 っ た た め に , 本 来 の 納 税 義 務 以 上 に 鑑 み る と , 本 件 納 付 告 知 の 時 点 に お い て , B 社 の 財 産 で 交 付 要 求 等 を 含 む 滞 納 処 分 に よ り 徴 収 す る 者 に 対 し て 滞 納 処 分 を 執 行 し て も な お 徴 収 す べ き 額 に こ と の で き る も の の 価 額 が 本 件 徴 収 金 の 総 額 に 満 た な 不 足 す る と 認 め ら れ る と き は , こ れ ら の 処 分 に よ り 権 利 を 取 得 し , 又 は 義 務 を 免 れ た 第 三 者 に 対 し , こ れ ら い と 客 観 的 に 認 め ら れ る と は い え ず , 本 件 納 付 告 知 の 処 分 に よ り 受 け た 利 益 が 現 に 存 す る 限 度 に お い て , は , 地 方 税 法 11 条 の 8 に い う 『 滞 納 者 の 地 方 団 体 の 本 来 の 納 税 義 務 者 の 滞 納 に 係 る 地 方 団 体 の 徴 収 金 の 第 徴 収 金 に つ き 滞 納 処 分 を し て も な お そ の 徴 収 す べ き 額 二 次 納 税 義 務 を 課 し て い る 。 に 不 足 す る と 認 め ら れ る 場 合 』 に お い て さ れ た も の と こ の よ う に , 同 条 に 定 め る 第 二 次 納 税 義 務 が , 上 記 は い え な い と い う べ き で あ る 。 5 そ う す る と , 原 判 決 に は そ の 説 示 に お い て 必 ず の よ う な 関 係 に あ る 第 三 者 に 対 し て 本 来 の 納 税 義 務 者 か ら の 徴 収 不 足 額 に つ き 補 充 的 に 課 さ れ る 義 務 で あ る し も 適 切 で な い と こ ろ が あ る が , 本 件 納 付 告 知 が 違 法 こ と に 照 ら す と , 同 条 に い う 『 滞 納 者 の 地 方 団 体 の 徴 で あ る と し て こ れ を 取 り 消 す べ き も の と し た 原 審 の 判 収 金 に つ き 滞 納 処 分 を し て も な お そ の 徴 収 す べ き 額 に 断 は 是 認 す る こ と が で き る 。 」 不 足 す る と 認 め ら れ る 場 合 』 と は , 第 二 次 納 税 義 務 に 平 釈 係 る 納 付 告 知 時 の 現 況 に お い て , 本 来 の 納 税 義 務 者 の 財 産 で 滞 納 処 分 ( 交 付 要 求 及 び 参 加 差 押 え を 含 む 。 ) I . 本 判 決 の 意 義 そ の 1 : に よ り 徴 収 す る こ と の で き る も の の 価 額 が , 同 人 に 対 「 客 観 的 に 認 め ら れ る 場 合 」 す る 地 方 団 体 の 徴 収 金 の 総 額 に 満 た な い と 客 観 的 に 認 め ら れ る 場 合 を い う も の と 解 さ れ る 。 本 判 決 は , 第 1 に , 「 無 償 又 は 著 し い 低 額 の 譲 受 人 ② 前 記 2 の 事 実 関 係 等 に よ れ ば , 本 件 納 付 告 知 等 の 第 二 次 納 税 義 務 」 を 定 め る 地 方 税 法 11 条 の 8 に が さ れ た 平 成 21 年 8 月 4 日 の 時 点 に お け る 本 件 徴 収 い う 「 滞 納 者 の 地 方 団 体 の 徴 収 金 に つ き 滞 納 処 分 を し 金 の 額 は 合 計 16 億 4994 万 0927 円 で あ っ た と こ ろ , て も な お そ の 徴 収 す べ き 額 に 不 足 す る と 認 め ら れ る 場 同 年 4 月 21 日 に 破 産 手 続 開 始 の 決 定 が さ れ た 時 点 に 合 」 の 意 義 を 明 ら か に し た 。 す な わ ち , そ れ は , 「 第 お い て , B 社 に は 別 除 権 の 対 象 で は な い 76 億 5449 二 次 納 税 義 務 に 係 る 納 付 告 知 時 の 現 況 に お い て , 本 来 万 8687 円 の 清 算 価 値 の 資 産 が あ る と さ れ , 同 年 10 の 納 税 義 務 者 の 財 産 で 滞 納 処 分 ( 交 付 要 求 及 び 参 加 差 月 20 日 の 時 点 に お け る 破 産 財 団 の 現 在 高 は 37 億 押 え を 含 む 。 ) に よ り 徴 収 す る こ と の で き る も の の 価 9107 万 7301 円 に 上 っ て お り , さ ら に , B 社 は , こ れ 額 が , 同 人 に 対 す る 地 方 団 体 の 徴 収 金 の 総 額 に 満 た な と は 別 に , 本 件 納 付 告 知 時 よ り 前 か ら , 別 除 権 の 対 象 い と 客 観 的 に 認 め ら れ る 場 合 を い う 」 こ と を 明 ら か に 132 [ Jurist ] september 2016 / Number 1497

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最 高 裁 時 の 判 例 図 ヤ フ ー 事 件 の 概 略 図 ① 平 成 20 年 1 2 月 26 日 本 件 副 社 長 就 任 井 上 社 長 42 % ソ フ ト バ ン ク ヤ フ ー 本 件 副 社 長 就 任 未 処 理 欠 損 金 543 億 円 ② 平 成 21 年 2 月 24 日 本 件 買 収 ( ソ フ ト バ ン ク → ヤ フ ー IDCS の 発 行 済 株 式 全 部 の 売 却 ) 井 上 社 長 42 % ソ フ ト バ ン ク IDCS ヤ フ ー 本 件 買 収 1 OO% IDCS 未 処 理 欠 損 金 543 億 円 ③ 平 成 21 年 3 月 30 日 本 件 合 併 ( ヤ フ ー に よ る 旧 CS の 吸 収 合 併 ) 井 上 社 長 ヤ フ ー ( 十 IDCS) 未 処 理 欠 損 金 543 億 円 ( ※ ) ( ※ ) ヤ フ ー は , 本 件 合 併 ( 適 格 合 併 ) に つ き 特 定 役 員 引 継 要 件 が あ る と し て , IDCS の 未 処 理 欠 損 金 543 億 円 を ヤ フ ー の 損 金 と み な し て 損 金 算 入 未 処 理 欠 損 金 543 億 円 42 % ソ フ ト パ ン ク 本 件 合 併 ( ※ ) 1 OO% 4 IDCS ! 真 藤 社 長 井 上 副 社 長 ! み み 滝 [ Jurist ] September 2016 / Number 1497

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Number 租 税 判 例 研 究 524 地 方 税 法 Ⅱ 条 の 8 に い う 徴 収 不 足 要 件 の 意 義 神 戸 大 学 教 授 租 税 判 例 研 究 会 渕 圭 吾 Fuchi Keigo 最 高 裁 平 成 27 年 11 月 6 日 第 二 小 法 廷 判 決 平 成 26 年 ( 行 ヒ ) 第 71 号 , 東 京 都 対 株 式 会 社 IBF, 第 二 次 納 税 義 務 告 知 処 分 取 消 等 請 求 事 件 / 民 集 69 巻 7 号 17 頁 / 参 照 条 文 : 地 方 税 法 11 条 の 8 事 実 財 産 の う ち 換 価 未 了 の も の に 係 る 配 当 見 込 額 ( 約 4 せ て 約 16 億 5000 万 円 ) が 差 し 押 さ え て い た B 社 の 金 ( 以 下 , 「 本 件 徴 収 金 」 ) の 額 ( 本 税 と 延 滞 金 を 合 わ 東 京 都 知 事 は , B 社 を 滞 納 者 と す る 都 税 に 係 る 徴 収 が さ れ , 破 産 管 財 人 が 選 任 さ れ た 。 令 が さ れ た 後 , 同 年 4 月 21 日 に は 破 産 手 続 開 始 決 定 が , 同 年 3 月 に は 再 生 手 続 廃 止 決 定 , 包 括 的 禁 止 命 は , 平 成 21 年 2 月 に 再 生 手 続 開 始 の 決 定 が さ れ た す る 抵 当 権 設 定 登 記 の 抹 消 を 受 け た 。 B 社 に つ い て 譲 り 受 け た 複 数 の 不 動 産 に つ い て B 社 を 抵 当 権 者 と ま た , 同 年 11 月 か ら 翌 年 2 月 に か け て 別 の 会 社 か ら が 吸 収 合 併 ) は , B 社 か ら 複 数 の 不 動 産 を 譲 り 受 け , 平 成 20 年 12 月 , A 社 ( 平 成 25 年 1 月 1 日 に X 億 5000 万 円 ) を 上 回 り , ま た , B 社 が 前 記 の 各 不 動 産 の 譲 渡 等 を し た た め に 同 社 に 対 し て 滞 納 処 分 を し て も 本 件 徴 収 金 の 額 に 不 足 す る こ と と な っ た と 判 断 し , 平 成 21 年 8 月 4 日 付 け で , A 社 に 対 し て 地 方 税 法 11 条 の 8 に 基 づ く 第 二 次 納 税 義 務 の 納 付 告 知 ( 以 下 , 「 本 件 納 付 告 知 」 な い し 「 本 件 告 知 処 分 」 と い う ) を つ い て も 滞 納 処 分 ( 差 押 え ) を す る こ と は で き な か っ 出 さ れ た 時 以 降 に お い て は 本 件 預 託 金 返 還 請 求 債 権 に は 5 億 円 に 満 た な か っ た し , 本 件 包 括 的 禁 止 命 令 が い た 財 産 の 見 積 価 額 ( 一 部 徴 収 済 み の も の を 含 む 。 ) 分 を す る と き の 現 況 に お い て , 実 際 に 滞 納 処 分 を し て 社 の 請 求 を 認 容 し た 。 「 東 京 都 知 事 が 本 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 告 知 処 す る 一 般 論 は 維 持 し つ つ も , 次 の よ う に 述 べ て , A こ れ に 対 し て , 控 訴 審 は , 地 方 税 法 11 条 の 8 に 関 あ っ た も の と は 認 め 難 い 」 。 つ い て も , そ の 裁 量 権 の 範 囲 か ら の 逸 脱 又 は 濫 用 が 知 事 が 本 件 ・ ・ ・ ・ ・ ・ 告 知 処 分 を す る こ と と 判 断 し た 時 期 に 件 を 満 た し て い た も の と 認 め ら れ る 。 「 ま た , 東 京 都 ・ ・ ・ 告 知 処 分 を す る と き の 現 況 に お い て 」 徴 収 不 足 要 「 本 件 に お い て は , 東 京 都 知 事 が 原 告 に 対 し て 本 件 の と 解 さ れ る 。 」 認 定 さ れ た 諸 事 情 を 前 提 に す れ ば , す る 徴 収 金 の 額 に 不 足 す る と 認 め ら れ る 場 合 を い う も る 滞 納 者 の 財 産 の 見 積 価 額 等 の 総 額 が , 徴 収 し よ う と 現 況 に お い て , 差 押 え 等 の 滞 納 処 分 を す る こ と が で き 二 次 納 税 義 務 を 負 わ せ る こ と に 係 る 告 知 を す る と き の 徴 収 す べ き 額 に 不 足 す る と 認 め ら れ る 場 合 』 と は , 第 方 税 法 11 条 の 8 の 「 滞 納 処 分 を 執 行 し て も な お そ の は , 次 の よ う に 述 べ て , A 社 の 請 求 を 棄 却 し た 。 「 地 件 納 付 告 知 処 分 の 取 消 し を 求 め て 出 訴 し た 。 第 1 審 A 社 は , 異 議 申 立 手 続 を 経 て , 平 成 22 年 7 月 , 本 金 に つ い て も そ の 全 額 を , そ れ ぞ れ 徴 収 し た 。 て 平 成 22 年 11 月 ま で に 本 税 の 全 額 を , そ の 後 延 滞 知 事 は , 前 記 交 付 要 求 に 係 る 財 団 債 権 の 弁 済 等 を 通 じ い た こ と が 明 ら か に な っ た 。 ま た , 実 際 に も , 東 京 都 象 で は な い 約 68 億 円 の 預 託 金 返 還 請 求 権 が 存 在 し て 約 76 億 5000 万 円 の 財 産 の ほ か , や は り 別 除 権 の 対 21 年 4 月 21 日 現 在 , B 社 に は 別 除 権 の 対 象 で は な い と こ ろ が , そ の 後 , 破 産 管 財 人 の 調 査 に よ り , 平 成 て 交 イ 寸 要 求 し て い た 。 破 産 管 財 人 に 対 し て , 本 件 徴 収 金 の 額 を 財 団 債 権 と し 処 分 を 行 っ た ) 。 な お , こ れ に 先 立 ち , 東 京 都 知 事 は 行 っ た ( そ の 後 , 平 成 22 年 4 月 6 日 付 け で 減 額 更 正 た の で あ る が , 上 記 の と お り , 本 件 包 括 的 禁 止 命 令 が [ Jurist ] September 2016 / Number 1497 131

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、 。 。 ~ 。 有 斐 閣 ・ 出 版 案 内 ・ 〒 101 ー 開 51 東 京 都 千 代 田 区 神 田 神 保 町 2 ー 17 Tel : 03 ー 3265 ー 6811 http://www.yuhikaku.co.jp/ ※ 表 示 価 格 は 税 別 。 消 費 税 込 み の 金 額 が 定 価 で す 。 数 理 法 務 の 技 法 を 究 め る ! く さ の こ う い ち 草 野 耕 一 著 弁 護 士 , 西 村 あ さ ひ 法 律 事 務 所 代 表 パ ー ト ナ ー 数 理 法 務 の す す め A5 判 上 製 カ バ ー 付 350 頁 予 価 3 , 800 円 + 税 978 ー 4 ー 641 ー 12588 ー 9 ( 9 月 上 旬 発 売 予 定 ) 「 法 の 行 動 分 析 」 「 法 の 統 計 分 析 」 「 法 の 財 務 分 析 」 の 実 務 上 有 用 性 が 高 い テ ー マ に つ い て , 数 学 的 議 論 を 厳 密 に 行 い つ つ も , 具 体 的 な 事 例 を 用 い て 解 説 す る こ と で 読 み や す さ , わ か り や す さ と の 両 立 を 実 現 。 数 理 法 務 の 実 践 力 が 身 に つ き , 法 律 家 と し て の 技 量 を 高 め る 1 冊 。 目 次 第 1 章 行 動 分 析 ( 1 ) 事 実 認 定 主 観 確 率 と は 何 か / 主 観 確 率 の 基 本 的 な 計 算 方 法 と 捜 査 官 の 誤 謬 / べ イ ズ の 公 式 と 検 察 官 の 誤 謬 / べ イ ズ 更 新 と 弁 護 人 の 誤 謬 第 2 章 行 動 分 析 ( 2 ) 意 思 決 定 決 定 の 木 の 作 り 方 / リ ス ク 中 立 的 な 行 為 者 / 情 報 の 価 値 / リ ス ク 回 避 的 な 行 為 者 / 戦 略 的 行 動 第 3 章 統 計 分 析 ( 1 ) 母 数 の 推 定 母 集 団 と 標 本 / 推 測 統 計 の 技 法 / 仮 説 検 定 / 検 定 力 と 第 2 種 の 誤 り / 因 果 関 係 の 証 明 第 4 章 統 計 分 析 ( 2 ) 相 関 と 回 帰 社 会 福 祉 行 政 の 基 礎 力 を 修 得 す る 相 関 関 係 / 相 関 係 数 / 最 小 二 乗 法 / 回 帰 分 析 の 精 度 / 重 回 帰 分 析 第 5 章 財 務 分 析 ( 1 ) 資 産 の 評 価 序 論 ー ー な ぜ 法 律 家 が フ ァ イ ナ ン ス 理 論 を 学 ぶ の か / 諸 概 念 の 定 義 と 2 つ の 基 本 定 理 / 利 子 率 と 期 待 収 益 率 / 分 散 投 資 理 論 / 資 本 資 産 価 格 モ デ ル (CAPM) / 複 数 の 時 期 に 収 益 を 生 み 出 す 資 産 / オ プ シ ョ ン の 価 値 第 6 章 財 務 分 析 ( 2 ) 会 社 の 政 策 会 社 経 営 の 目 的 / 投 資 政 策 / 資 本 政 策 / 配 当 政 策 / 多 角 化 政 策 / 非 営 利 政 策 ( 9 月 中 旬 発 売 予 定 ) や ま ぐ ち み ち あ き 山 口 道 昭 著 立 正 大 学 教 授 き た む ら よ し の ぶ や ま ぐ ち み ち あ き い ず い し み の る 北 村 喜 宀 ・ 山 口 道 昭 ・ 出 石 稔 編 上 智 大 学 教 授 ・ 立 正 大 学 教 授 ・ 関 東 学 院 大 学 教 授 福 祉 行 政 の 基 礎 四 六 判 並 製 カ バ ー 付 300 頁 予 価 2 , 100 円 + 税 地 方 自 治 ・ 実 務 入 門 シ リ ー ズ 978 ー 4 ー 641 ー 22709 ー 5 分 権 時 代 の 地 方 自 治 実 務 の バ ッ ク ポ ー ン と な る よ う な 基 礎 知 識 を 提 供 す る 書 籍 シ リ ー ズ の 第 一 弾 。 本 書 で は , 社 会 福 祉 行 政 に 焦 点 を し ぼ り , 主 要 な 福 祉 関 連 法 や 行 政 手 法 を 紹 介 す る と と も に , 行 政 学 的 な 視 点 も 交 え つ つ , 多 岐 に わ た る 「 福 祉 行 政 」 を 簡 明 に 示 す 。 主 な 次 第 一 章 第 ニ 章 第 三 章 第 四 章 第 五 章 第 六 章 第 七 章 第 八 章 社 会 福 祉 と 行 政 法 社 会 福 祉 に 関 す る 行 政 手 法 社 会 福 祉 行 政 法 の 種 類 社 会 福 祉 行 政 の 動 向 社 会 福 祉 行 政 と 地 方 分 権 社 会 福 祉 行 政 と 住 民 参 加 日 本 の 社 会 福 祉 の 特 徴 社 会 福 祉 を 支 え る 自 治 体 職 員 , 行 政 組 織

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Yanaga Masao ロ 筑 波 大 学 教 授 弥 永 真 生 会 社 法 判 例 速 報 ロ 東 京 高 判 平 成 28 年 1 月 21 日 平 成 27 年 ( ネ ) 第 4964 号 , 株 式 会 社 X 対 YI 株 式 会 社 , 損 害 賠 償 請 求 控 訴 事 件 , 判 例 集 未 登 載 事 実 役 員 に 準 ず る 者 に つ い て も , 役 員 で は な い が そ の よ う A は , 売 上 げ を 第 4 期 ( 平 成 18 年 7 月 1 日 か ら 同 な 義 務 を 負 う 立 場 に あ る 者 を い う と 解 す る べ き で あ 19 年 6 月 30 日 ) に 前 倒 し す る 一 方 で , そ の 外 注 費 は り , 単 に , 提 出 会 社 の 大 株 主 で あ る と か , 大 株 主 の 第 5 期 ( 平 成 19 年 7 月 1 日 か ら 同 20 年 6 月 30 日 ) オ ー ナ ー ま た は 代 表 者 で あ る と い う だ け で は 役 員 に 準 に 繰 り 延 べ る と い う 粉 飾 操 作 ( 本 件 粉 飾 ) を 行 っ た 。 ず る 者 に あ た る と は い え な い 」 と し て , YI の X に 対 す る 金 商 法 24 条 の 4 等 に も と づ く 賠 償 責 任 の 成 立 は 本 件 粉 飾 が 行 わ れ な け れ ば , A の 第 4 期 の 売 上 高 は 5 億 3000 万 円 弱 , 売 上 総 利 益 は 1 億 4000 万 円 弱 , 営 認 め な か っ た 。 他 方 , Y5 は , Y2 に 対 し , 正 常 な 取 引 業 損 失 6400 万 円 強 , 経 常 損 失 8400 万 円 強 と な る と に よ る 黒 字 化 の 方 法 が な い 場 合 に は , 形 式 的 な 取 引 で こ ろ , 第 4 期 有 価 証 券 報 告 書 ( 第 4 期 報 告 書 ) に は , 売 上 げ を 計 上 す る よ う な 方 法 を と っ て 黒 字 決 算 と す る 売 上 高 8 億 3000 万 円 強 , 売 上 総 利 益 2 億 6000 万 円 こ と も 容 認 す る 趣 旨 で , 赤 字 は 許 さ な い と の 発 言 を 強 , 営 業 利 益 5900 万 円 強 , 経 常 利 益 3900 万 円 強 と し , Y2, Y3 お よ び Y4 は , Y5 の そ の 趣 旨 を 体 現 す る 己 載 さ れ た ( 本 件 虚 偽 記 載 ) 。 べ く , 本 件 粉 飾 お よ び 本 件 虚 偽 記 載 を 行 っ た と み る の そ こ で , A の 株 式 を 取 得 し た X が , A が 有 価 証 券 が 相 当 で あ る か ら , Y5 は , 本 件 粉 飾 お よ び 本 件 虚 偽 報 告 書 に 虚 偽 の 記 載 を し た た め に 損 害 を 被 っ た と 主 張 記 載 を 教 唆 し た も の と し て , A 株 式 を 取 得 し た X が 本 件 虚 偽 記 載 に よ り 被 っ た 損 害 を 賠 償 す る 責 任 を 負 う し て , YI ら に 対 し , 民 法 709 条 お よ び 金 融 商 品 取 引 法 ( 金 商 法 ) 24 条 の 4 , 22 条 , 21 条 1 項 1 号 に も と と し た 。 そ の う え で , YI が , 組 織 的 に A に 粉 飾 決 算 づ き , ま た は 民 法 709 条 に も と づ い て 損 害 賠 償 を 求 を 行 わ せ て で も A の 第 4 期 決 算 の 黒 字 化 を さ せ よ う め て 訴 え を 提 起 し た の が 本 件 で あ る 。 と し て い た と い う 証 拠 は な い が , Y5 に と っ て , A が な お , 第 4 期 報 告 書 の 提 出 当 時 , Y2 お よ び Y6 は 赤 字 決 算 の 公 表 を 免 れ る こ と は , 個 人 と し て 保 有 す る 株 式 だ け で な く , YI が 保 有 す る 株 式 に つ い て も 価 値 A の 代 表 取 締 役 で あ り , Y3 お よ び Y4 は A の 取 締 役 で あ っ た 。 ま た , A は , YI が 100 % 子 会 社 と し て 設 の 低 下 を 免 れ る こ と を 意 味 し て お り , YI の 代 表 取 締 立 し た 会 社 で あ り , 第 3 期 ま で は YI の 連 結 子 会 社 で 役 の 立 場 に あ る Y5 が , YI の 利 益 に 通 じ る 言 動 を , あ っ た が , 第 4 期 中 に YI が A 株 式 の 一 部 を 順 次 売 YI の 持 分 法 適 用 関 連 会 社 た る A の 代 表 取 締 役 で あ る 却 し , ま た A が 公 募 増 資 を 行 っ た 結 果 , 第 4 期 末 の Y2 に 対 し て 行 っ た こ と に は , YI の 代 表 取 締 役 の 職 務 YI の 所 有 株 式 比 率 は 23.82 % と な り , 第 4 期 お よ び 第 と し て の 一 面 も あ る と い う べ き で あ る と し Y5 が 職 5 期 第 1 四 半 期 に お い て YI の 持 分 法 適 用 関 連 会 社 で 務 と し て 行 っ た 不 法 行 為 に つ い て , 会 社 法 350 条 に も と づ き , ー ー A 株 式 を 取 得 し た X が 本 件 虚 偽 記 載 に よ あ っ た 。 YI は , 平 成 19 年 12 月 21 日 , 保 有 す 一 る 一 A ー ー ー ー ー 株 式 の 全 部 を 売 却 し た 。 A の 第 4 期 末 時 点 に お い て , り 被 っ た 損 害 を 賠 償 す る 責 任 を YI は 負 う と し た 。 YI の 代 表 取 締 役 で あ っ た Y5 は A の 発 行 済 株 式 の 判 旨 4.41 % , C の 発 行 済 株 式 の 4.35 % を 所 有 し て い た が , C は YI の 連 結 子 会 社 で あ っ た 。 控 訴 棄 却 。 原 判 決 ( 東 京 地 判 平 成 27 ・ 8 ・ 28 〔 平 成 23 年 ( ワ ) 「 YI は , 金 商 法 21 条 1 項 1 号 の 「 取 締 役 第 37937 号 〕 ) は , 金 商 「 法 が 虚 偽 記 載 の あ る 有 価 証 ・ ・ ・ に 準 ず る 者 』 に 該 当 し な い か ら , 金 商 法 券 報 告 書 の 提 出 会 社 の 役 員 が , 虚 偽 記 載 に よ り 生 じ た 24 条 の 4 , 22 条 , 21 条 1 項 1 号 に 基 づ く 損 害 賠 償 責 損 害 を 賠 償 す る 責 任 を 負 わ せ た の は , 提 出 会 社 の 役 員 任 を 負 わ な い 」 。 は , 虚 偽 記 載 の な い 有 価 証 券 報 告 書 を 作 成 す る 義 務 を 「 Y5 は , 上 場 直 後 の A の 株 式 市 場 等 に お け Ⅱ 負 う と と も に , 万 が 一 提 出 会 社 内 で そ れ が 行 わ れ よ う る 評 価 が 低 下 す る こ と を 回 避 す る た め , A の と し て い る 場 合 に は , 相 当 な 注 意 を 用 い て そ れ を 防 止 代 表 取 締 役 で あ っ た Y2 に 対 し 本 件 粉 飾 及 び 本 件 虚 偽 す る 義 務 を 負 っ て い る か ら で あ る と 考 え ら れ る か ら , 己 載 を 教 唆 し , こ れ は YI ( 当 時 , A の 発 行 済 株 式 の 一 三 ロ 第 = = ロ 〔 Jurist ] September 2016 / Number 1497 2

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て , 同 条 の 不 当 性 要 件 の 判 断 に 関 す る 議 論 の 基 礎 と な る も の で あ る こ と か ら , 第 一 小 法 廷 ( ヤ フ ー 事 件 最 判 ) と 第 二 小 法 廷 ( 本 判 決 ) の 説 示 の 相 違 に 係 る 解 釈 上 の 議 論 が 生 じ る こ と は 望 ま し い こ と で は な く , 判 旨 I の 内 容 が 上 記 の と お り 統 一 さ れ た こ と は , 納 税 者 の 予 見 可 能 性 及 び 法 的 安 定 性 の 確 保 と い う 観 点 や , 下 級 審 に お け る 無 用 な 議 論 の 回 避 等 の 観 点 に 照 ら し , 望 ま し い こ と で あ っ た よ う に 思 わ れ る 。 な お , 本 判 決 の 判 旨 I と ヤ フ ー 事 件 最 判 の 判 旨 I は , 内 容 的 に は 同 一 で あ る も の の , 第 一 小 法 廷 と 第 二 小 法 廷 に お い て そ れ ぞ れ 審 議 さ れ た 結 果 と し て 同 様 の 判 断 が さ れ た も の と 解 さ れ る た め ( す な わ ち , 一 方 の 判 決 が も う 一 方 の 判 決 を 引 用 又 は 参 照 し て い る 関 係 に は な い ) , そ の 判 例 と し て の 意 義 や 重 要 性 に お い て 優 劣 は な い も の と 考 え ら れ る ( 以 上 の 点 は , ヤ フ ー 事 件 最 判 の 判 旨 Ⅲ と 同 じ 内 容 で あ る 本 判 決 の 判 旨 Ⅲ に つ い て も , 同 様 で あ る ) 。 判 旨 I の 判 断 が さ れ る に 至 っ た 経 緯 や そ の 具 体 的 内 容 等 に つ い て は , ヤ フ ー 事 件 最 判 の 解 説 に お い て , 既 に そ の 詳 細 を 説 明 し て い る こ と か ら , そ ち ら を 参 照 さ れ た い 。 Ⅱ . 本 件 計 画 を 前 提 と す る 本 件 分 割 は 法 132 条 の 2 の 不 当 性 要 件 に 該 当 す る か ( 判 旨 Ⅱ ) に つ い て 1 本 判 決 は , 法 132 条 の 2 の 不 当 性 要 件 に 係 る 当 て は め の 前 提 と し て , ① 組 織 再 編 税 制 の 基 本 的 な 考 え 方 ( 法 62 条 ・ 62 条 の 2 等 ) 及 び そ の 趣 旨 , ② 譲 渡 損 益 の 計 上 を 繰 り 延 べ る 適 格 分 割 の 要 件 と し て , 完 全 支 配 継 続 見 込 み 要 件 が 設 け ら れ て い る 趣 旨 ( 施 行 令 4 条 の 2 第 6 項 ) に つ い て 説 明 し て い る 。 不 当 性 要 件 該 当 性 の 判 断 に 当 た っ て は , 判 旨 I の と お り , 「 組 織 再 編 税 制 に 係 る 各 規 定 の 本 来 の 趣 旨 及 び 目 的 か ら 逸 脱 す る 態 様 で そ の 適 用 を 受 け る も の 又 は 免 れ る も の と 認 め ら れ る か 否 か 」 が 問 題 と な る の で あ る か ら , 具 体 的 な 当 て は め の 前 提 と し て , 問 題 と な っ て い る 各 規 定 の 「 本 来 の 趣 旨 及 び 目 的 」 を 明 確 に し て お く こ と は 必 要 か つ 重 要 で あ る と 96 [ Jurist ] September 2016 / Number 1497 考 え ら れ よ う 。 と こ ろ で , 組 織 再 編 税 制 で 課 税 上 の 取 扱 い が 異 な る の は , ま ず 第 一 に , そ の 組 織 再 編 成 が 適 格 か 非 適 格 か と い う 点 に あ る 。 す な わ ち , 適 格 組 織 再 編 成 の 場 合 に は , そ の 移 転 資 産 等 に つ い て 帳 簿 価 額 に よ る 引 継 ぎ を し た も の と さ れ , 譲 渡 損 益 の い ず れ も 生 じ な い ( 法 62 条 の 2 以 下 ) の に 対 し , 非 適 格 組 織 再 編 成 の 場 合 に は , そ の 移 転 資 産 等 を 時 価 に よ り 譲 渡 し た も の と さ れ , 譲 渡 損 益 を 益 金 又 は 損 金 の 額 に 算 入 し な け れ ば な ら な い ( 法 62 条 ) 。 し た が っ て , 組 織 再 編 成 に お け る 租 税 回 避 で ま ず 想 定 さ れ る の は , 不 当 な 行 為 又 は 計 算 に よ り , 本 来 は 非 適 格 組 織 再 編 成 で あ る も の を 適 格 組 織 再 編 成 と し ( 適 格 作 り ) , あ る い は , 本 来 適 格 組 織 再 編 成 で あ る も の を 非 適 格 組 織 再 編 成 と す る ( 適 格 外 し ) 場 合 で あ る 。 そ し て , 組 織 再 編 税 制 の 立 案 担 当 者 に よ る 平 成 13 年 当 時 の 講 演 録 等 か ら も , 「 適 格 外 し 」 に つ い て , 法 132 条 の 2 の 典 型 的 な 適 用 場 面 の 一 つ で あ る と 考 え ら れ て い た こ と が う か が わ れ る ( 日 本 租 税 研 究 協 会 ・ 企 業 組 織 再 編 成 に 係 る 税 制 に つ い て の 講 演 録 集 70 頁 [ 朝 長 英 樹 ] 等 参 照 ) 。 本 件 は , 後 述 の と お り , IDCS の 未 処 理 欠 損 金 額 の う ち 約 100 億 円 を IDCF の 資 産 調 整 勘 定 の 金 額 に 転 化 さ せ る た め , 本 来 は 適 格 分 割 で あ る も の を 非 適 格 分 割 と す る べ く , 適 格 分 割 の 要 件 を 満 た さ な い こ と と な る よ う に 事 実 関 係 が 殊 更 に 作 出 さ れ た 事 案 で あ る と い う こ と が で き , 法 132 条 の 2 の 適 用 場 面 と し て 立 法 時 か ら 想 定 さ れ て い た 「 適 格 外 し 」 が 実 際 に 行 わ れ た 事 案 で あ る と い う こ と が で き よ う 。 2 具 体 的 な 考 慮 事 情 に つ い て み る と , 本 判 決 は , 不 当 性 要 件 該 当 性 の 当 て は め に お い て , ま ず 次 の ( 1) 及 び ② の 点 を 指 摘 し て い る 。 ( 1 ) 本 件 の 一 連 の 組 織 再 編 に 係 る 行 為 の 意 図 等 本 件 の 一 連 の 組 織 再 編 に 係 る 行 為 は , IDCS が 有 し て い た 未 処 理 欠 損 金 額 の う ち 平 成 22 年 3 月 期 以 降 は 損 金 に 算 入 す る こ と が で き な く な る 約 124 億 円 を 余 す と こ ろ な く 活 用 す る た め ,

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、 ~ 、 。 有 斐 閣 〒 101 ー 開 51 東 京 都 千 代 田 区 神 田 神 保 町 2 ー 17 Tel : 03 一 3265 一 6811 http://www.yuhikaku.co.jp/ ・ 出 版 案 内 ・ ※ 表 示 価 格 は 税 別 。 消 費 税 込 み の 金 額 が 定 価 で す 。 金 融 商 品 取 引 法 第 一 人 者 に よ る 体 系 書 く ろ ぬ ま え つ ろ う 黒 沼 悦 郎 著 早 稲 田 大 学 教 授 A 5 判 上 製 カ ハ ー 付 800 頁 予 価 8 , OOO 円 + 税 978 ー 4 ー 641 ー 13693 ー 9 ( 9 月 下 旬 発 売 予 定 ) 金 融 商 品 取 引 法 は , 企 業 の 資 金 調 達 と 国 民 の 資 産 形 成 ・ 連 用 に 資 す る た め , 資 本 市 場 を 規 制 す る 法 で あ る 。 各 制 度 の 趣 旨 ・ 機 能 を 丁 寧 に 論 じ る と と も に , 実 務 の 変 遷 や 最 先 端 の 議 論 に 言 及 。 現 行 制 度 の 問 題 点 の 指 摘 や 次 代 へ の 提 案 も 行 う 。 第 1 章 主 目 第 2 章 次 第 3 章 第 4 章 第 5 章 第 6 章 総 論 有 価 証 券 の 発 行 と 開 示 上 場 会 社 の デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー デ ィ ス ク ロ ー ジ ャ ー の 実 効 性 確 保 公 開 買 付 け の 規 制 金 融 商 品 市 場 の 仕 組 み 第 7 章 第 8 章 第 9 章 第 10 章 第 11 章 第 12 章 「 知 財 」 が ま る ご と わ か る ひ ら し ま り ゅ う た み や わ き ま さ は る あ し だ て ま さ み 平 嶋 竜 太 ・ 宮 脇 正 晴 ・ 蘆 立 順 美 著 筑 波 大 学 教 授 ・ 立 命 館 大 学 教 授 ・ 東 北 大 学 教 授 イ ン サ イ ダ ー 取 引 の 規 制 不 公 正 取 引 の 禁 止 投 資 勧 誘 の 規 制 金 融 商 品 取 引 業 の 規 制 投 資 運 用 の 規 制 金 融 商 品 取 引 法 の 執 行 A5 判 並 製 カ ノ ヾ ー 付 ( 9 月 下 旬 発 売 予 定 ) 入 門 知 的 財 産 法 330 頁 予 価 2 , 500 円 + 税 978-4 ー 641 ー 14481 ー 1 特 許 法 , 著 作 権 法 , 商 標 法 を は じ め と す る 知 的 財 産 法 の 工 ッ セ ン ス を 一 冊 に 凝 縮 。 全 体 を コ ン バ ク ト な サ イ ズ に 収 め な が ら , メ リ ハ リ の き い た 寂 述 で 重 要 事 項 を 重 点 的 か っ 平 易 に 解 説 し て い る ほ か , 図 表 , 資 料 も 豊 富 に 用 意 。 「 知 財 」 を 学 ぶ な ら , ま ず こ の 一 冊 か ら 。 目 次 第 1 章 は じ め に I 知 的 財 産 と は 何 か Ⅱ 知 的 財 産 保 護 の 目 的 Ⅲ 各 法 の 特 徴 と 相 互 関 係 Ⅳ 知 的 財 産 の 国 際 的 な 保 護 第 2 章 特 許 法 Ⅸ 著 作 権 ・ 著 作 物 の 利 用 手 続 Ⅶ 特 許 権 を 財 産 権 と し て 活 第 4 章 商 標 法 か す 仕 組 み 第 3 章 著 作 権 法 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ V Ⅵ Ⅶ Ⅷ 著 作 権 法 の 全 体 像 著 作 物 の 要 件 権 利 の 帰 属 著 作 権 の 効 力 著 作 権 の 制 限 著 作 者 人 格 権 の 効 力 と 制 限 権 利 侵 害 と 救 済 保 護 期 間 I 商 標 法 の 全 体 像 Ⅱ 商 標 登 録 の 要 件 Ⅲ 商 標 権 の 効 力 ・ 制 限 Ⅳ 類 似 第 5 章 不 正 競 争 防 止 法 I Ⅱ Ⅲ Ⅳ V Ⅵ 特 許 法 の 目 的 と 全 体 像 特 許 法 の 保 護 対 象 と 保 護 要 件 特 許 権 の 効 力 と 限 界 特 許 権 の 侵 害 と 法 的 救 済 権 利 の 発 生 と 帰 属 特 許 権 を 取 得 す る た め の I Ⅱ Ⅲ Ⅳ V 不 正 竸 争 防 止 法 の 全 体 像 周 知 商 品 等 表 示 混 同 行 為 著 名 商 品 等 表 示 冒 用 行 為 商 品 形 態 の デ ッ ド コ ピ ー 営 業 秘 密 の 不 正 利 用

ジュリスト 2016年 9月号


ロ 慶 應 義 塾 大 学 教 授 Morito Hideyuki 森 戸 英 幸 労 働 判 例 速 報 ロ 最 ニ 小 判 平 成 28 年 7 月 8 日 事 実 A 社 で 営 業 企 画 等 の 業 務 に 従 事 す る B は , 親 会 社 C 社 か ら の 出 向 者 で あ っ た 。 A 社 (B を 含 め 従 業 員 は 7 名 ) の 社 長 は C 社 事 業 企 画 部 長 の D で あ り , A 社 の 社 長 業 務 は 同 社 生 産 部 長 の E が 代 行 し て い た 。 平 成 22 年 12 月 6 日 , E 部 長 は , C 社 の 中 国 の 子 会 社 か ら A 社 の a 工 場 で 受 け 入 れ て い た 中 国 人 研 修 生 3 名 の 帰 国 が 近 づ き , 次 に 受 け 入 れ る 2 名 が 来 日 し た た め , 翌 7 日 に 歓 送 迎 会 を 開 催 す る こ と と し た 。 B は D 社 長 に 提 出 す る 営 業 戦 略 資 料 の 期 限 が 8 日 で あ っ た た め 会 を 欠 席 す る つ も り で い た が , E 部 長 か ら は , 最 後 だ か ら 顔 を 出 せ る な ら 出 し て ほ し い , 資 料 が 完 成 し て い な け れ ば 会 の 終 了 後 に 一 緒 に 資 料 を 作 成 す る と 告 げ ら れ て い た 。 7 日 夜 , 歓 送 迎 会 は B の 到 着 を 待 た ず に 他 の Ⅱ 従 業 員 全 員 及 び 研 修 生 ら に よ り 開 始 さ れ た 。 E 部 長 は 会 に 先 立 ち 研 修 生 ら を そ の 居 住 す る ア パ ー ト か ら 飲 食 店 ま で 社 有 車 で 送 っ て お り , 会 の 終 了 後 も ア パ ー ト ま で 送 り 届 け る 予 定 で あ っ た 。 B は a 工 場 で 資 料 を 作 成 し て い た が 作 業 を 一 時 中 断 し , 作 業 着 の ま ま 社 有 車 ( 本 件 車 両 ) を 運 転 し , 歓 送 迎 会 終 了 予 定 時 刻 の 30 分 前 頃 に 飲 食 店 に 到 着 し た 。 B が 総 務 課 長 に 会 の 終 了 後 は a 工 場 に 戻 っ て 仕 事 を す る 旨 を 伝 え た と こ ろ , 同 課 長 は 「 食 う だ け 食 っ た ら す ぐ 帰 れ 。 」 と 述 べ た 。 B は ア ル コ ー ル 飲 料 は ロ に し て い な い 。 歓 送 迎 会 は 午 後 9 時 過 ぎ に 終 了 し , 飲 食 代 金 は A 社 の 福 利 厚 生 費 か ら 支 払 わ れ た 。 B は , 研 修 生 ら を ア パ ー ト ま で 送 っ た 上 で a 工 場 に 戻 る た め , 酩 酊 状 態 の 研 修 生 ら を 同 乗 さ せ て 本 件 車 両 を 運 転 し ア パ ー ト に 向 か う 途 中 , 対 向 車 線 の 車 と 衝 突 す る 交 通 事 故 に 遭 い , 頭 部 外 傷 に よ り 死 亡 し た 。 a 工 場 と ア パ ー ト は い ず れ も 飲 食 店 か ら 南 の 方 向 に 所 在 し , 両 者 間 の 距 離 は 約 2km で あ っ た 。 B の 妻 X ( 原 告 ・ 控 訴 人 ・ 上 告 人 ) は , 労 災 保 険 法 に 基 づ く 遺 族 補 償 給 付 及 び 葬 祭 料 の 支 給 を 請 求 し た が , B の 死 亡 は 業 務 上 の も の で は な い と し て 労 働 基 準 監 督 署 長 か ら 不 支 給 決 定 を 受 け た 。 X が こ の 決 定 の 取 消 し を 求 め て Y ( 国 。 被 告 ・ 被 控 訴 人 ・ 被 上 告 人 ) を 提 訴 。 第 1 審 ( 東 京 地 判 平 成 26 ・ 4 ・ 14 労 Ⅳ [ Jurist ] September 2016 / Number 1497 4 平 成 26 年 ( 行 ヒ ) 第 494 号 , X 対 国 , 遺 族 補 償 給 付 等 不 支 給 処 分 取 消 請 求 事 件 , 裁 判 所 HP ( LEX / DB25448049 ) 経 速 2213 号 32 頁 ) 及 び 原 審 ( 東 京 高 判 平 成 26 ・ 9 ・ 10 判 例 集 未 登 載 ) と も に , 歓 送 迎 会 は 中 国 人 研 修 生 と の 親 睦 を 深 め る た め A 社 の 従 業 員 有 志 に よ っ て 開 催 さ れ た 私 的 な 会 合 で あ り , B の 中 途 か ら の 参 加 や 任 意 に 行 っ た 運 転 行 為 が A 社 の 支 配 下 に あ る 状 態 で な さ れ た と は い え な い と し て X の 訴 え を 退 け た 。 X が 上 告 。 判 旨 破 棄 自 判 , 不 支 給 決 定 取 消 し 。 業 務 上 の 災 害 と さ れ る た め の 「 要 件 の 一 つ と し て , 労 働 者 が 労 働 契 約 に 基 づ き 事 業 主 の 支 配 下 に あ る 状 態 に お い て 当 該 災 害 が 発 生 し た こ と が 必 要 で あ る 」 。 ① B は E 部 長 の 意 向 等 に よ り 「 本 件 歓 送 迎 Ⅱ 会 に 参 加 し な い わ け に は い か な い 状 況 に 置 か れ , そ の 結 果 , 本 件 歓 送 迎 会 の 終 了 後 に 当 該 業 務 を 再 開 す る た め に a 工 場 に 戻 る こ と を 余 儀 な く さ れ た 〔 の で あ り , A 社 は 〕 B に 対 し , 職 務 上 , 上 記 の 一 連 の 行 動 を と る こ と を 要 請 し て い た 」 。 ② 本 件 歓 送 迎 会 は 研 修 の 目 的 達 成 の た め A 社 が 企 画 し た 行 事 の 一 環 で あ り , 研 修 生 と 従 業 員 と の 親 睦 を 図 る こ と で A 社 及 び C 社 と 中 国 の 子 会 社 と の 関 係 の 強 イ ヒ 等 に 寄 与 す る も の で あ り , 「 A 社 の 事 業 活 動 に 密 接 に 関 連 し て 行 わ れ た 」 。 ③ 本 来 は E 部 長 が 研 修 生 ら を ア パ ー ト ま で 送 る 予 定 で あ っ た 。 B が E 部 長 に 代 わ っ て 研 修 生 ら を 送 っ た こ と は , そ れ が 飲 食 店 か ら a 工 場 へ 戻 る 経 路 か ら 大 き く 逸 脱 し て い な い こ と に も 鑑 み れ ば , 一 一 「 A 社 か ら 要 請 さ れ て い た 一 連 の 行 動 の 範 囲 内 の も の で あ っ た 」 。 B は A 社 に よ り 「 そ の 事 業 活 動 に 密 接 に 関 連 す る も の で あ る 本 件 歓 送 迎 会 に 参 加 し な い わ け に は い か な い 状 況 に 置 か れ , a 工 場 に お け る 自 己 の 業 務 を 一 時 中 断 し て こ れ に 途 中 参 加 す る こ と に な り , 本 件 歓 送 迎 会 の 終 了 後 に 当 該 業 務 を 再 開 す る た め 本 件 車 両 を 運 転 し て a 工 場 に 戻 る に 当 た り , 併 せ て E 部 長 に 代 わ り 本 件 研 修 生 ら を 本 件 ア パ ー ト ま で 送 っ て い た 際 に 本 件 事 故 に 遭 っ た も の と い う こ と が で き る か ら , 本 件 歓 送 迎 会 が 事 業 場 外 で 開 催 さ れ , ア ル コ ー ル 飲 料 も 供 さ れ た も の で あ り , 本 件 研 修 生 ら を 本 件 ア パ ー ト ま で 送 る こ と が E 部 長 ら の 明 示 的 な 指 示 を 受 け て さ