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検索対象: 完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠

完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠から 540件ヒットしました。

完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠


巻 第 三 夏 歌 巻 第 四 秋 歌 上 : 巻 第 五 秋 歌 下 : 巻 第 六 冬 歌 巻 第 七 賀 歌 巻 第 八 哀 傷 歌 巻 第 九 離 別 歌 ・ 巻 第 十 羇 旅 歌 校 訂 付 記 : 解 説 : 付 録 新 古 今 和 歌 集 年 表 ・ : 三 五 0 三 七 六 ・ : 四 三 六 四 夭 ・ : 五 0 三 五 一 一 四 天 0

完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠


巻 第 三 夏 歌 巻 第 四 秋 歌 上 : 巻 第 五 秋 歌 下 : 巻 第 六 冬 歌 巻 第 七 賀 歌 巻 第 八 哀 傷 歌 巻 第 九 離 別 歌 ・ 巻 第 十 羇 旅 歌 校 訂 付 記 : 解 説 : 付 録 新 古 今 和 歌 集 年 表 ・ : 三 五 0 三 七 六 ・ : 四 三 六 四 夭 ・ : 五 0 三 五 一 一 四 天 0

完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠


・ 羇 旅 」 は 「 旅 」 と 同 義 で 、 勅 撰 和 歌 集 の 巻 名 と し て は 、 『 古 今 集 』 に も と づ く 。 以 後 、 「 羇 旅 」 の 部 が 設 け ら れ た り 、 設 け ら れ な か っ た り し た が 、 『 千 載 集 』 に 至 り 、 あ ら た め て 重 視 さ れ 、 本 集 で も 重 視 さ れ て い る 。 げ ん め い 一 「 和 銅 」 は 、 元 明 天 皇 時 代 の 年 号 。 和 銅 三 年 は 七 一 〇 年 。 そ の 年 の 三 月 に 、 遷 都 が あ っ た 。 「 藤 原 の 宮 」 は 、 奈 良 県 橿 原 市 八 木 の 南 東 の 地 域 に 置 か れ た 。 「 奈 良 の 宮 」 は 平 城 京 で 、 奈 良 市 西 郊 の 地 域 に 置 か れ た 。 『 万 葉 羇 旅 歌 し よ く に ほ ん 集 』 で は 遷 都 を 二 月 と し て い る が 、 『 続 日 本 紀 』 に よ る と 三 月 。 ニ 「 明 日 香 」 の 枕 詞 。 三 現 在 の 奈 良 県 高 市 郡 明 日 香 村 を 中 心 と し た や よ ひ ふ ぢ は ら み や み や う つ 地 域 。 四 親 し い 男 性 を 呼 ぶ 称 。 作 者 元 明 天 和 銅 三 年 三 月 、 藤 原 の 宮 よ り 奈 良 の 宮 に 遷 り 給 ひ け る く さ か べ の み こ 皇 は 女 帝 で 、 草 壁 皇 子 の 妃 。 「 君 」 は 、 明 日 香 げ ん め い て ん わ う の お ほ ん う た 時 元 明 天 皇 御 歌 の 里 に と ど ま っ て い た 親 し い 人 。 あ す か 一 「 天 平 」 は 、 聖 武 天 皇 時 代 の 年 号 。 天 平 飛 ぶ 鳥 の 明 日 香 の 里 を 置 き て 往 な ば 君 が あ た り は 見 え ず か も ひ ろ 十 二 年 は 七 四 〇 年 。 ニ 三 重 県 。 藤 原 広 歌 嗣 が 反 乱 を 起 し た の で 、 天 皇 の 伊 勢 国 行 幸 と 旅 あ ら ん な っ た 。 三 妹 を 恋 し く 思 っ て 。 「 妹 」 は 、 親 十 し い 女 性 を 呼 ぶ 称 。 こ こ で は 、 皇 后 で あ ろ う 。 第 巻 四 伊 勢 国 の 地 名 。 五 鶴 。 0 ー わ か の 松 原 」 は 、 か み な づ き い せ の く に み ゆ き し ゃ う む て ん わ う の お ほ ん う た 天 平 十 二 年 十 月 、 伊 勢 国 に 行 幸 し 給 ひ け る 時 聖 武 天 皇 御 歌 『 万 葉 集 』 の 原 歌 に 、 「 吾 乃 松 原 」 と 表 記 、 旧 訓 「 わ か の ま つ ば ら 」 、 新 訓 「 あ が の ま つ ば ら 」 。 ま つ ば ら し ほ ひ か た 五 『 万 葉 集 』 の 左 注 に 「 三 重 郡 に あ り 」 と す る 。 妹 に 恋 ひ わ か の 松 原 見 わ た せ ば 潮 干 の 潟 に た づ 鳴 き わ た る 新 古 今 和 歌 集 巻 第 十 て ん び や う き 四 り よ の う た 四

完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠


281 巻 第 六 冬 歌 お お み そ か 0 こ の 巻 は 、 立 冬 の 歌 か ら 大 晦 日 の 歌 ま で を 収 め て い る 。 『 古 今 集 』 で は 、 夏 の 部 の 歌 よ り 冬 の 部 の 歌 の ほ う が 少 な い が 、 『 新 古 今 集 』 で は 、 夏 の 部 の 歌 よ り 冬 の 部 の 歌 の ほ う が は る か に 多 く 、 秋 の 歌 の 多 い の と と も に 、 一 つ の 特 色 を な し て い る 。 一 建 仁 元 年 ( 一 = 0 一 ) か ら 翌 年 に か け て 、 後 鳥 羽 院 が 主 催 。 ニ 初 冬 の 趣 。 「 心 」 は 、 趣 の 意 。 「 千 五 百 番 歌 合 」 に は 、 題 が 設 け ら れ ふ ゅ の う た て い な か っ た 。 「 初 冬 」 の 題 は 、 『 新 古 今 集 』 の 冬 歌 撰 者 が つ け た も の 。 三 起 き た ま ま で 夜 を 明 か す 。 「 お き 」 に 、 「 起 き 」 と 露 の 「 置 き 」 を か け た 。 四 秋 と の 別 れ の 惜 し さ で 濡 れ た 袖 の 涙 。 し よ と う せ ん ご ひ や く ば ん の う た あ は せ く わ う た い ご う ぐ う の だ い ぶ と し な り 千 五 百 番 歌 合 に 、 初 冬 の 心 を よ め る 皇 太 后 宮 大 夫 俊 成 庭 に 置 く 露 を も 暗 示 し て い る 。 五 霜 が 結 ぶ こ と だ 。 涙 の 露 が 冷 た く な っ て 、 庭 の 露 と 同 あ か 四 そ で つ ゆ 五 む す じ よ う に 霜 に な る よ う な 感 じ を い っ た 。 お き 明 す 秋 の 別 れ の 袖 の 露 霜 こ そ 結 べ 冬 や 来 ぬ ら ん 六 疑 問 の 係 り の 助 詞 。 ・ さ せ る 珍 し き 心 に は 侍 ら ね ど 、 優 に 侍 る べ し 」 ( 千 五 百 番 歌 合 藤 原 定 家 の 評 ) 。 一 村 上 天 皇 の 御 代 。 「 天 暦 」 は 村 上 天 皇 時 天 暦 御 時 、 神 無 月 と い ふ こ と を 上 に 置 き て 、 歌 っ 代 の 年 号 。 ニ 陰 暦 十 月 。 冬 の 初 め の 月 ふ ぢ は ら の た か み つ か , っ 亠 ま つ り け る に 藤 原 高 光 で あ る 。 『 高 光 集 』 に よ る と 、 十 月 九 日 に 、 冷 ぜ い い ん つ り ど の 泉 院 の 釣 殿 で の 作 。 冷 泉 院 は 、 現 在 の 京 都 市 か み な づ き も み ぢ 中 京 区 の 二 条 離 宮 の 東 北 に あ っ た 御 所 。 況 神 無 月 風 に 紅 葉 の 散 る 時 は そ こ は か と な く も の そ 悲 し き 三 初 句 。 四 歌 を 詠 ん で さ し あ げ た 時 に 。 五 な ん と い う こ と な く 。 新 古 今 和 歌 集 巻 第 , ハ て ん り や く の お ほ ん と き か み な ろ き 五 か み 六 き 四

完訳 日本の古典 第三十五巻 新古今和歌集 ㈠


俊 成 は 、 文 治 三 、 四 年 ( 一 菶 ~ 一 一 八 0 、 七 十 四 、 五 歳 の 時 に 成 立 し た 『 千 載 集 』 に 、 自 作 を 三 十 六 首 、 西 行 作 を 十 八 首 入 集 さ せ た 。 そ の 『 千 載 集 』 の 成 立 後 、 十 七 、 八 年 を 経 て 『 新 古 今 集 』 が 成 立 す る が 、 そ れ に は 、 じ え ん 俊 成 作 は 七 十 一 一 首 、 西 行 作 は 最 高 歌 数 の 九 十 四 首 、 ま た 、 藤 原 兼 実 の 弟 慈 円 作 が 西 行 作 に 次 ぐ 九 十 一 一 首 、 兼 よ し つ ね 実 の 子 良 経 作 が そ れ に 次 ぐ 七 十 九 首 の 入 集 を 見 る の で あ っ て 、 俊 成 が 九 条 家 に 歌 道 の 師 と し て 迎 え ら れ た こ と と 『 千 載 集 』 の 撰 者 に な っ た こ と と は 、 『 新 古 今 集 』 の 成 立 に い か に 大 き く か か わ る か が う か が わ れ る で あ ろ う 。 俊 成 は 、 『 千 載 集 』 を 撰 進 し た の ち 、 『 新 古 今 集 』 成 立 の 直 前 、 元 久 元 年 ( 一 一 一 0 四 ) ま で 、 九 十 歳 の 長 寿 を 保 ち 、 実 作 ・ 歌 合 判 ・ 歌 論 し こ 熱 情 を そ そ ぎ つ づ け て 、 自 身 の 世 界 を 円 熟 さ せ る と と も に 、 歌 壇 の 潮 流 を 、 か れ の 創 造 し た 「 幽 玄 体 」 を 核 と し た 新 風 に よ っ て 高 揚 さ せ た 。 そ れ が 最 高 潮 に 達 し た の は 建 仁 元 年 (IIIOI) で あ っ た 。 正 治 二 年 ( 一 = 00 ) 、 二 十 一 歳 の 若 さ で 、 俊 成 の 影 響 下 に 作 歌 に 専 念 し は じ め た 天 才 歌 人 後 鳥 羽 院 が 、 た ち ま ち に し て 、 歌 壇 を 掌 握 し 、 最 高 潮 に 導 い て し ま っ た の で あ る 。 後 鳥 羽 院 は 、 正 治 二 年 の 二 度 の 百 首 歌 の 催 し を は じ め と し て 、 百 首 歌 ・ 五 十 首 歌 や 歌 合 な ど を 、 驚 嘆 に あ た い す る 頻 繁 さ で 主 催 す る よ う に な っ た が 、 建 仁 元 年 六 月 に は 、 第 一 線 歌 人 を は じ め と す る 歌 人 三 十 名 に 命 じ て 、 空 前 絶 後 の 大 歌 合 で あ る 「 千 五 百 番 歌 合 」 の た め の 百 首 歌 を 詠 進 さ せ た 。 そ し て 、 早 く も 、 新 し い 勅 説 て ん り や く 撰 和 歌 集 の 撰 定 を 思 い 立 ち 、 そ の 直 後 の 七 月 二 十 七 日 に は 、 村 上 天 皇 の 天 暦 五 年 GFI) に 『 後 撰 集 』 の 撰 集 わ か ど こ ろ よ り ゅ う ど 解 事 業 の た め に 和 歌 所 が 設 置 さ れ た 先 例 に な ら っ て 、 和 歌 所 を 二 条 殿 に 設 置 し た 。 寄 人 ( 和 歌 所 職 員 ) に は 、 み ち ち か み ち と も あ り い え い え た か と も ち か ま さ つ ね じ ゃ く れ ん 藤 原 良 経 ・ 源 通 親 ・ 慈 円 ・ 藤 原 俊 成 ・ 源 通 具 ・ 藤 原 有 家 ・ 同 定 家 ・ 同 家 隆 ・ 同 雅 経 ・ 源 具 親 ・ 寂 蓮 ・ 藤 原 ひ で よ し か も の ち ょ う め い き ょ の り か い こ っ た か の ぶ 隆 信 ・ 同 秀 能 ・ 鴨 長 明 ・ 藤 原 清 範 ( こ の 一 名 に つ い て は 異 説 が あ る ) を 任 命 し 、 開 闔 ( 和 歌 所 書 記 役 ) に は 源 家 ひ ん ば ん む ら か み

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凡 例 真 名 序 原 文 ・ 注 : 現 代 語 訳 仮 名 序 原 文 ・ 注 ・ 現 代 語 訳 ・ 巻 第 一 春 歌 上 : 巻 第 二 春 歌 下 目 次 七 四

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凡 例 真 名 序 原 文 ・ 注 : 現 代 語 訳 仮 名 序 原 文 ・ 注 ・ 現 代 語 訳 ・ 巻 第 一 春 歌 上 : 巻 第 二 春 歌 下 目 次 七 四

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一 醍 醐 天 皇 の 御 代 。 「 延 喜 」 は 、 醍 醐 天 皇 時 代 の 年 号 。 ニ 『 貫 之 集 』 に よ る と 、 内 り び よ う ぶ 裏 の 屏 風 の 絵 の 歌 、 詞 書 「 山 里 に 住 む 人 の 雪 の 降 れ る を 見 る 」 。 三 「 降 り 」 に 「 古 り 」 を か け た 。 四 白 髪 の ふ え た こ と を も 想 像 さ せ る 。 「 積 る 」 は 「 雪 」 の 縁 語 。 一 建 久 九 年 ( 一 一 九 0 の 催 し 。 ニ 真 賢 木 ・ 一 0 真 楙 。 「 ま 」 は 美 称 の 接 頭 語 。 さ か き は 、 神 事 に 用 い る ツ バ キ 科 の 常 緑 樹 。 三 月 の 光 で 玉 を 磨 い た よ う に 輝 い て い る 。 四 香 具 山 。 み ~ ー ) は ら ・ 侍 従 奈 良 県 橿 原 市 の 南 東 、 高 市 郡 境 に あ る 山 。 あ め か ぐ や ま い ほ っ 0 参 者 ・ 天 の 香 山 の 五 百 津 真 賢 木 」 ( 古 事 記 ) 。 「 五 百 津 」 は 、 枝 葉 の 茂 っ て い る 意 。 一 『 小 侍 従 集 』 に 、 題 「 雪 」 。 ニ 「 か き 」 は -6 接 頭 語 。 三 空 一 面 が け む る 。 四 「 降 る 」 さ き の だ い そ う じ ゃ う じ ゑ ん 前 大 僧 正 慈 円 と 「 古 里 」 の 「 古 」 と を か け た 。 0 『 拾 玉 集 』 に よ る と 、 堀 河 百 首 題 の 百 首 。 庭 の 雪 に わ が 跡 つ け て 出 で つ る を 訪 は れ に け り と 人 や 見 る 題 「 雪 」 。 一 足 跡 。 0 「 『 と は れ に け り 』 じ ち ん か と い へ る 心 、 い と を か し く 見 え 侍 り 」 ( 慈 鎮 和 歌 ら ん し よ う 尚 自 歌 合 藤 原 俊 成 の 評 ) 。 第 巻 0 後 鳥 羽 院 主 催 の 「 正 治 一 一 年 第 一 一 度 百 首 」 の 作 。 題 「 雪 」 。 一 も の 思 い を し な が ら ざ す 眺 め る と 。 ニ 作 者 が 天 台 座 主 と し て 住 ん だ ひ え い ぎ ん 比 叡 山 。 な が む れ ば わ が 山 の 端 に 雪 白 し 都 の 人 よ あ は れ と も 見 よ 雪 の み や 降 り ぬ と は 思 ふ 山 里 に わ れ も お ほ く の 年 ぞ 積 れ る し ゆ か く ほ ふ し ん わ う ご じ っ し ゅ の う た く わ う た い ご う ぐ う の だ い ぶ と し な り 守 覚 法 親 王 、 五 十 首 歌 よ ま せ 侍 り け る に 皇 太 后 宮 大 夫 俊 成 四 き う づ も あ ま か ぐ や ま 雪 降 れ ば 峰 の ま さ か 木 埋 れ て 月 に み が け る 天 の 香 具 山 題 知 ら ず あ ま ぎ か き 曇 り 天 霧 る 雪 の ふ る 里 を 積 ら ぬ さ き に 訪 ふ 人 も が な あ と 四 は や ま ぎ と さ と み や こ と と じ じ ゅ う だ い ′ 一 だ い

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29 巻 第 一 春 歌 上 0 ・ 治 承 題 百 首 」 中 の 作 。 「 治 承 題 」 は 、 治 承 二 年 ( 一 一 大 ) の 「 右 大 臣 家 百 首 」 ( ↓ 五 の 注 よ し つ ね 一 I) の 題 。 一 立 春 に な っ た 趣 。 ニ 藤 原 良 経 。 三 奈 良 県 吉 野 郡 吉 野 町 。 「 み 」 は 美 称 の 接 頭 語 。 四 「 降 り に し 」 と 「 古 り に し 」 と の 掛 詞 。 吉 野 を 春 歌 上 や ま と 「 古 り に し 里 」 と い っ た の は 、 古 く 大 和 時 代 に り き ゅ う 離 宮 の あ っ た 所 だ か ら 。 0 参 者 ・ 春 立 っ と い ふ ば か り に や み 吉 野 の 山 も か す み て け さ は 見 み ぶ の た だ み ね 春 立 っ 心 を よ み 侍 り け る 摂 政 太 政 大 臣 ゆ ら む 」 ( 拾 遺 ・ 春 壬 生 忠 岑 ) 。 0 藤 原 俊 成 は 、 「 後 京 極 自 歌 合 」 で 、 壬 生 忠 岑 の 歌 と と も 三 よ し の し ら ゆ き 四 に 、 「 山 も 」 の 「 も 」 に 心 が こ も っ て い る 、 と 感 み 吉 野 は 山 も か す み て 白 雪 の ふ り に し 里 に 春 は 来 に け り 、 い し て い る 。 あ め ゅ ふ へ 本 歌 ・ ひ さ か た の 天 の 香 具 山 こ の タ 霞 た ひ と ま ろ な び く 春 つ ら し も 」 ( 万 葉 ・ 巻 十 、 人 麿 歌 集 ) 。 一 後 鳥 院 。 ニ ほ ん の り と 。 「 来 に け ら し 」 に か か る 。 三 来 た ら し い 。 「 け ら し 」 は 「 け る ら し 」 が つ づ ま っ て で き た 助 動 詞 。 か し は ら 四 奈 良 県 橿 原 市 に あ る 山 。 「 天 の 」 は 美 称 。 ひ ょ し 0 元 久 二 年 ( 一 一 一 0 五 ) 三 月 の 「 日 吉 三 十 首 」 中 の 作 。 だ い じ ゃ う て ん わ う 春 の は じ め の 歌 太 上 天 皇 四 あ ま か ぐ や ま か す み 2 ほ の ば の と 春 こ そ 空 に 来 に け ら し 天 の 香 具 山 霞 た な び く 新 古 今 和 歌 集 巻 第 一 ひ や く し ゅ の う た た て ま っ 百 首 歌 奉 り し 時 、 春 の 歌 は る の う た は べ せ っ し ゃ う だ い じ ゃ う だ い じ ん し よ く し な い し ん わ う 式 子 内 親 王 0 巻 一 は 、 『 古 今 集 』 に な ら い 、 立 春 の 歌 か ら 桜 の 花 の 盛 り の こ ろ の 歌 ま で を 収 め て い る 。

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493 巻 第 十 羇 旅 歌 971 く わ う た い ご う ぐ う の だ い ぶ と し な り に ふ だ う さ き の く わ ん ば く の い へ の ひ や く し ゅ の う た 皇 太 后 宮 大 夫 俊 成 入 道 前 関 白 家 百 首 歌 に 、 旅 の 心 を 五 や ど そ で し ほ た な に は び と あ し び た 叨 難 波 人 蘆 火 焚 く 屋 に 宿 借 り て す ず ろ に 袖 の 潮 垂 る る か な う た あ は せ に ふ だ う さ き の く わ ん ば く だ い じ ゃ う だ い じ ん 一 治 承 三 年 ( 二 七 九 ) 十 月 に 催 さ れ た 「 右 大 歌 合 し 侍 り け る 時 、 旅 の 心 を よ め る 入 道 前 関 白 太 政 大 臣 か ね ざ ね 臣 家 歌 合 」 。 ニ 藤 原 兼 実 。 三 都 を 思 う 四 み や こ 三 し の ぶ 日 を 経 つ つ 都 し の ぶ の う ら さ び て 波 よ り ほ か の お と づ れ も 意 の 「 し の ぶ 」 と 、 浦 の 名 の 「 信 夫 」 と を か け た 。 「 信 夫 の 浦 」 は 、 福 島 県 。 四 浦 の 荒 れ る 眺 め と と も に 、 な ん と な く 心 細 く な っ て 。 「 浦 」 と お と さ た 「 う ら ( 心 ) 」 と を か け た 。 五 音 信 。 音 沙 汰 。 「 お と ( 音 ) 」 は 、 「 波 の 音 を か け た 。 0 歌 合 の 藤 原 俊 成 の 評 は 、 「 姿 ・ 心 を か し く こ そ 侍 ふ ぢ は ら の あ き な か の あ そ ん ほ り か は の ゐ ん の お ほ ん と き ひ や く し ゅ の う た 藤 原 顕 仲 朝 臣 る め れ 。 浦 さ び て と 言 へ る 、 少 し い か に ぞ や 堀 河 院 御 時 、 百 首 歌 奉 り け る 時 、 旅 の 歌 聞 ゆ ら ん 。 ・ : 波 よ り ほ か の な ど い へ る 姿 、 な き さ が た あ ま と ま や 驪 さ す ら ふ る わ が 身 に し あ れ ば 象 潟 や 海 人 の 苫 屋 に あ ま た た び ほ よ ろ し く 侍 る め り 」 。 一 ↓ 九 一 一 四 の 注 一 。 ニ 象 潟 の 海 人 の 苫 屋 。 ね 「 象 潟 」 は 秋 田 県 由 利 郡 象 潟 町 。 景 勝 の 地 。 寝 ぬ 「 苫 屋 ↓ 九 三 三 の 注 = 。 三 幾 夜 も 。 「 海 人 」 と 同 音 の 「 あ ま 」 を き か せ 、 「 た び ( 度 ) 」 に 「 旅 」 を か 本 歌 「 難 波 人 葦 火 焚 く 屋 の す し て あ れ ど 【 / お の 己 が 妻 こ そ 常 め づ ら し き 」 ( 万 葉 ・ 巻 十 一 か ね ぎ ね 作 者 未 詳 ) 。 一 藤 原 兼 実 が 、 治 承 一 一 年 に 詠 ま せ た も の 。 ニ 難 波 の 浦 の 海 人 。 「 難 波 の 浦 」 は 、 現 在 の 大 阪 市 の 海 辺 。 三 蘆 を 、 焚 木 と す す し て 焚 く 家 。 四 む や み に 。 「 す ず ろ 」 に 「 煤 」 そ う じ ゃ う が え ん 僧 正 雅 縁 を き か せ た 。 五 涙 で 濡 れ る こ と よ 。 「 潮 垂 る 題 知 ら ず る 」 は 「 難 波 人 」 の 縁 語 。 0 『 長 秋 詠 藻 』 に 、 第 し ひ . し ば ま た 越 え ん 人 も 泊 ら ば あ は れ 知 れ わ が 折 り 敷 け る 峰 の 椎 柴 三 包 ・ ひ と り ゐ て 」 。 一 わ た し の 旅 の 哀 れ さ を 思 い 知 っ て ほ し ニ 椎 の 小 枝 。 へ と ま 四 974 と ・ 一 た き ぎ