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検索対象: 現代日本の文学 Ⅱ―1 泉 鏡花 集

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現代日本の文学 Ⅱ―1 泉 鏡花 集


本 書 の う ち 「 夜 行 巡 査 」 よ り 「 歌 行 燈 。 ま で は 岩 波 書 店 版 「 鏡 花 全 集 ー を 底 本 に し 、 「 天 守 物 語 」 以 下 は 諸 種 の も の を 参 照 し 、 新 字 体 、 新 か な づ か い に 改 め た 。

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げ ん 厳 な る 其 の 主 義 に 深 大 な る 敬 意 を 表 す る 。 あ た 鉢 英 吉 君 、 能 う べ く は 、 我 意 を 体 し て 、 よ り 美 く 、 よ り 清 う ん ぬ ん き 、 第 二 の 家 庭 を 建 設 せ よ 。 人 生 意 気 を 感 ぜ ず や ー ー ・ 云 々 し た た の 意 を 認 め て あ っ た 。 お お 門 族 の 栄 華 の 雲 に 蔽 わ れ て 、 自 家 の 存 在 と 、 学 者 の 独 立 に つ し よ く と を 忘 れ て 居 た 英 吉 は 、 日 蝕 の 日 の 、 蝕 の 晴 る る と 共 に 、 ち か ら あ 、 ら か そ の ま な こ 嗟 嘆 し て 主 税 に 聞 く べ く 、 其 の 頭 脳 は 明 に 、 其 眼 は 輝 い た の で あ る 。 さ た ん ま っ し よ う う ん ぬ ん 早 瀬 は 潔 く 云 々 以 下 、 一 一 十 一 行 抹 消 。 , ー ー 前 篇 後 篇 を 通 じ 其 の 意 味 に て 御 覧 を 願 う 。 は じ め 新 聞 に 連 載 の 時 、 此 の 一 一 十 一 行 な し 。 後 単 行 出 版 に 際 し 都 合 に よ り 、 徒 を 添 え た る も の 。 あ る い 或 は お な じ 単 行 本 御 所 有 の 方 々 の 、 こ こ に お 心 つ か い も あ ら む か と て 。 う つ く し

現代日本の文学 Ⅱ―1 泉 鏡花 集


し か と す ず と の 同 棲 を 叱 っ た 。 す ず は 泉 家 を い っ た ん 去 り 、 紅 葉 歿 後 、 五 幕 ま で 完 訳 し て 春 陽 堂 よ り 刊 行 ) 。 七 月 、 「 風 流 線 . を 本 郷 座 初 演 。 そ で 鏡 花 夫 人 の 座 に つ い た 。 同 月 、 「 舞 の 袖 ー を 、 七 月 、 「 草 あ や め 」 を 同 月 、 「 あ い あ い 傘 」 の 一 文 を 「 新 小 説 ー に 寄 せ 、 長 谷 川 天 渓 の 「 沈 「 新 小 説 」 に 、 九 月 、 「 鷺 の 灯 」 を 「 太 陽 ー に 発 表 。 十 月 よ り 翌 年 一 一 一 鐘 ー 批 判 に 反 駁 。 月 ま で 、 「 風 流 線 ー を 「 国 民 新 聞 」 に 連 載 ( 「 続 風 流 線 ー は 三 十 七 年 明 治 四 十 一 年 ( 一 九 〇 八 ) さ さ が わ ワ ふ う 三 十 五 歳 五 月 ~ 十 月 、 同 紙 に 連 載 さ れ た ) 。 十 月 三 十 日 、 紅 葉 歿 。 十 一 月 、 「 白 一 月 、 書 下 し 「 草 迷 宮 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 一 一 月 、 笹 川 臨 風 に 敷 金 う せ ん こ ・ フ 2 レ ま 」 っ 羽 箭 」 を 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 、 「 紅 葉 先 生 、 を 小 栗 風 葉 と の 対 談 で 「 明 の 出 資 を 仰 ぎ 、 町 土 手 三 番 町 に 居 を し た 。 同 月 、 「 婦 系 図 」 前 篇 せ い き ょ 星 ー に 掲 ぐ 。 十 一 一 月 、 「 紅 葉 先 生 逝 去 前 十 五 分 間 」 を 「 新 小 説 , に 、 を 春 陽 堂 よ り 出 版 ( 後 篇 は 六 月 に 同 社 刊 ) 。 四 月 、 評 論 「 ロ マ ン チ ッ ち ょ う じ 同 月 、 「 紅 葉 先 生 弔 詞 」 を 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 発 表 。 ク と 自 然 主 義 」 を 「 新 潮 」 に 発 表 し 、 自 然 主 義 文 学 へ の 痛 烈 な 批 判 明 治 三 十 七 年 ( 一 九 〇 四 ) 三 十 一 歳 を す る 。 九 月 、 「 婦 系 図 」 を 新 富 座 初 演 。 三 月 、 「 紅 雪 録 ー を 、 四 月 、 「 続 紅 雪 録 」 を 「 新 小 説 」 に 発 表 。 九 月 、 明 治 四 十 ニ 年 ( 一 九 〇 九 ) 三 十 六 歳 こ じ ま し ん し ゃ な り 「 柳 小 嶋 」 を 、 十 月 、 戯 曲 「 深 沙 大 王 ー を 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 発 表 。 十 五 月 、 「 芸 術 は 予 が 最 良 の 仕 事 也 」 の 一 文 を 「 文 章 世 界 」 に 発 表 。 九 し ん さ く し ら さ ー 一 一 月 、 「 風 流 線 」 を 春 陽 堂 よ り 出 版 。 九 月 、 「 高 野 聖 」 本 郷 座 初 演 。 月 、 「 神 鑿 」 を 文 泉 堂 書 房 よ り 刊 行 。 十 月 か ら 十 一 一 月 に か け 、 「 白 鷺 」 明 治 三 十 八 年 ( 一 九 〇 五 ) 三 十 一 一 歳 を 「 朝 日 新 聞 ー に 連 載 。 こ の 年 、 後 藤 宙 外 が 反 自 然 主 義 系 の 作 家 を た ん ぎ く 一 月 、 「 わ か 紫 」 、 「 お も て 一 一 階 」 を 「 新 小 説 ー に 、 四 月 、 「 銀 短 冊 」 結 集 し て 起 し た 文 芸 革 新 会 の 地 方 講 演 会 に 登 張 竹 風 や 笹 川 臨 風 と 共 ト ・ つ ・ ら く を 「 文 芸 倶 楽 部 」 、 六 月 、 「 瓔 珞 品 」 を 「 新 小 説 [ に 、 六 月 、 「 女 客 」 に 参 加 、 宇 治 山 田 、 名 古 屋 、 桑 名 な ど を 旅 行 。 ( 前 半 ) を 「 中 央 公 論 , に 発 表 ( 後 半 は 同 誌 十 一 月 ) 。 八 月 、 「 続 風 明 治 四 十 三 年 ( 一 九 一 〇 ) 三 十 七 歳 あ ん ど ん 流 線 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 一 月 、 「 歌 行 燈 , を 「 新 小 説 」 に 、 「 国 貞 え が く 」 を 「 太 陽 」 に 発 表 。 明 治 三 十 九 年 ( 一 九 〇 六 ) 三 十 三 歳 同 月 、 「 鏡 花 集 」 ( 春 陽 堂 ) 全 五 巻 の 刊 行 は じ ま る 。 四 月 、 「 白 鷺 」 本 一 一 月 、 祖 母 を う し な う 。 六 月 、 「 無 憂 樹 」 と 「 七 本 桜 」 を 日 高 有 倫 堂 郷 座 初 演 。 十 月 、 「 三 味 線 堀 , を 「 三 田 文 学 」 に 発 表 。 同 年 五 月 、 麹 そ こ な よ り 出 版 。 七 月 、 健 康 を 害 い 、 静 養 の た め 逗 子 田 越 に 転 地 。 約 三 年 町 下 六 番 町 に 転 居 。 間 を こ の 地 で 過 し た 。 八 月 、 「 通 夜 物 語 」 を 大 阪 朝 日 座 初 演 。 九 月 、 明 治 四 十 四 年 ( 一 九 一 一 ) 三 十 八 歳 譜 「 湯 島 詣 」 を 同 座 初 演 。 十 一 月 、 「 春 昼 ー を 、 十 一 一 月 、 「 春 昼 後 刻 」 を 、 一 月 、 「 朱 日 記 」 を 「 三 田 文 学 」 に 、 一 一 月 、 「 囀 , を 「 中 央 公 論 」 よ う じ ゅ っ と も に 「 新 小 説 」 に 発 表 。 同 月 、 戯 曲 「 愛 火 」 を 春 陽 堂 よ り 出 版 。 に 発 表 。 三 月 、 「 三 味 線 堀 」 宮 戸 座 初 演 。 五 月 、 「 妖 術 」 を 「 太 陽 ー 年 明 治 四 十 年 ( 一 九 〇 七 ) 三 十 四 歳 に 、 九 月 、 「 能 楽 座 談 」 を 「 能 楽 」 に 発 表 。 十 月 、 「 銀 鈴 集 」 ( 「 笈 摺 お ん な 一 月 、 「 縁 結 び 」 を 「 新 小 説 」 に 発 表 。 同 月 よ り 四 月 ま で 「 婦 系 図 」 草 紙 」 「 白 羽 箭 」 等 を 収 む ) を 隆 文 館 よ り 上 梓 。 里 見 弴 と 相 近 づ く 。 三 十 九 歳 を 「 や ま と 新 聞 、 に 連 載 。 五 月 か ら 六 月 に か け 、 ( ウ ブ ト マ ン の 「 沈 明 治 四 十 五 年 ・ 大 正 元 年 ( 一 九 一 一 l) け い こ お う ぎ 鐘 」 を 登 張 竹 風 と の 共 訳 で 同 紙 に 第 二 幕 ま で 連 載 ( 四 十 一 年 九 月 、 一 月 、 「 南 地 心 中 」 を 「 新 小 説 ー に 発 表 。 一 一 月 、 「 稽 古 扇 」 を 「 中 央 た じ え ま っ は ん ば く が さ と ん

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と 「 葛 飾 砂 子 」 を 映 画 化 す る 件 で 会 し た 。 芥 川 龍 之 介 と 知 っ た の も 十 一 一 月 、 「 番 町 夜 講 」 ( 「 眉 か く し の 霊 」 「 夫 人 利 生 記 」 等 を 含 む ) を 改 造 社 よ り 刊 行 。 こ の 頃 で あ る 。 五 十 一 一 歳 大 正 十 四 年 ( 一 九 一 一 五 ) 大 正 十 年 ( 一 九 二 一 ) 四 十 八 歳 一 月 、 「 定 九 郎 」 を 「 人 間 」 に 発 表 。 一 一 月 、 「 蜻 蛉 集 」 ( 「 妖 剣 紀 聞 」 七 月 、 春 陽 よ り 「 鏡 花 全 集 」 十 五 巻 の 刊 行 は じ ま る 。 九 月 、 「 泉 鏡 「 紅 葛 , 「 売 色 鴨 南 蛮 」 等 を 収 む ) を 国 文 堂 書 店 よ り 上 梓 。 四 月 、 「 雪 花 集 」 ( 現 代 小 説 全 集 第 一 一 巻 ) を 新 潮 社 よ り 刊 行 。 五 十 三 歳 霊 記 事 , を 「 小 説 倶 楽 部 」 に 、 「 雪 霊 続 記 」 を 「 新 小 説 ー に 発 表 。 八 大 正 十 五 年 ・ 昭 和 元 年 ( 一 九 一 一 六 ) 一 月 、 戯 曲 「 戦 国 新 茶 漬 」 を 「 女 性 」 に 、 「 絵 本 の 春 ー を 「 文 藝 春 秋 」 月 、 の 櫛 笥 集 」 を 春 陽 堂 よ り 出 版 。 に 発 表 。 七 月 、 「 歌 行 燈 」 明 治 座 初 演 。 十 月 、 「 半 島 一 奇 抄 」 を 「 文 大 正 十 一 年 ( 一 九 一 一 一 l) 四 十 九 歳 一 月 、 「 妖 魔 の 辻 占 ー を 「 新 小 説 」 に 発 表 。 同 月 、 「 新 柳 集 」 ( 「 唄 立 藝 春 秋 , に 発 表 。 十 一 月 、 郷 里 金 沢 へ 赴 き 、 目 細 家 に て 妹 や ヘ と 一 一 山 心 中 一 曲 」 「 定 九 郎 」 「 幻 の 絵 馬 」 等 を 収 む ) を 春 陽 堂 よ り 上 梓 。 十 五 年 ぶ り に 対 面 し た 。 五 十 四 歳 昭 和 ニ 年 ( 一 九 一 一 七 ) 一 月 よ り 六 月 に か け 、 「 黒 髪 」 ( の ち の 「 り ん ど う と な で し こ 」 の 一 ら ん と う う ぐ い す 部 ) を 「 良 婦 之 友 」 に 、 同 月 よ り 三 月 ま で 「 身 延 の 鶯 」 を 「 東 京 日 三 月 、 「 多 神 教 ー を 「 文 藝 春 秋 」 に 、 四 月 、 「 卵 塔 場 の 天 女 」 を 「 改 ・ ) が い 日 新 聞 」 に 連 載 。 八 月 、 「 み な わ 集 の 事 な ど 」 を 「 新 小 説 ・ 外 森 林 造 。 に 発 表 。 六 月 、 「 金 色 夜 叉 小 解 」 を 春 陽 堂 の 「 明 治 大 正 文 学 全 集 」 よ う 、 ゆ う 太 郎 号 」 に 発 表 。 同 月 、 「 竜 胆 と 撫 子 」 ( の ち の 「 り ん ど う と な で し 第 五 巻 ・ 尾 崎 紅 葉 篇 に 寄 す 。 九 月 よ り 翌 三 年 一 一 月 に か け 「 揚 弓 」 ( の こ 」 ) を 「 女 性 」 に 連 載 。 ( 十 一 一 年 一 月 号 で い っ た ん 完 結 。 続 篇 は 十 ち 「 。 ヒ ス ト ル の 使 い 方 」 ) を 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 発 表 。 五 十 五 歳 昭 和 三 年 ( 一 九 二 八 ) 二 年 一 一 月 か ら 九 月 ま で 同 誌 に 連 載 ) 。 八 月 、 「 飛 剣 幻 な り 」 を 「 改 造 」 に 発 表 。 同 月 、 「 日 本 戯 曲 全 集 」 第 大 正 十 ニ 年 ( 一 九 一 一 三 ) 五 十 歳 三 月 、 「 市 蜂 集 」 ( 「 彩 色 人 情 本 」 「 妖 魔 の 辻 占 」 「 身 延 の 鶯 」 等 を 収 む ) 四 十 一 一 巻 と し て 「 泉 鏡 花 篇 」 を 、 九 月 、 現 代 日 本 文 学 全 集 「 泉 鏡 花 集 」 を 春 陽 堂 よ り 上 梓 。 五 月 か ら 七 月 に か け て 「 朝 湯 」 を 「 大 阪 朝 日 新 を 改 造 社 よ り 、 明 治 大 正 文 学 全 集 「 泉 鏡 花 篇 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 五 十 六 歳 聞 」 に 連 載 。 九 月 、 関 東 大 震 災 の 火 を 避 け 露 宿 一 一 昼 夜 。 十 月 、 震 災 昭 和 四 年 ( 一 九 一 一 九 ) の 体 験 に 基 づ く 小 品 「 露 宿 」 を 「 女 性 , に 、 「 十 六 夜 」 を 「 東 京 日 日 一 一 月 、 「 泉 鏡 花 集 」 豪 華 版 を 春 陽 堂 よ り 、 四 月 、 大 正 十 五 年 以 後 発 表 の 小 説 、 戯 曲 、 随 筆 を 集 め た 「 昭 和 新 集 」 を 改 造 社 よ り 刊 行 。 五 月 、 譜 新 聞 」 に 発 表 。 大 正 十 三 年 ( 一 九 一 一 四 ) 五 十 一 歳 能 登 和 倉 温 泉 和 歌 崎 館 及 び 金 沢 市 上 柿 木 畠 藤 尾 に 遊 び 、 初 恋 の 人 湯 年 三 月 、 小 品 集 「 七 宝 の 柱 」 ( 感 想 小 品 叢 書 四 ) を 新 潮 社 よ り 刊 行 。 五 浅 し け と 対 面 。 「 山 海 評 判 記 」 ( 七 ~ 十 一 月 ) を 「 時 事 新 報 」 に 連 載 。 五 十 七 歳 昭 和 五 年 ( 一 九 三 〇 ) 月 、 「 眉 か く し の 霊 」 を 「 苦 楽 」 に 発 表 。 七 月 、 「 り ん ど う と な で し こ 」 ぶ に ん を プ ラ ト ン 社 よ り 刊 行 。 同 月 、 「 夫 人 利 生 記 」 を 「 女 性 」 に 発 表 。 十 一 月 、 現 代 長 篇 小 説 全 集 「 泉 鏡 花 篇 」 を 新 潮 社 よ り 上 梓 。 同 月 、 熱 ば ん が り か え で ば と 海 市 紅 葉 祭 に 出 席 。 九 月 、 「 木 の 子 説 法 」 を 「 文 藝 春 秋 , に 発 表 。 一 月 、 「 愛 府 」 ( 「 鷭 狩 , 「 楓 と 白 鳩 」 等 小 品 を 収 む ) を 新 潮 社 よ り 、 こ ろ や し ゃ

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も や 新 聞 」 に 連 載 ( 三 月 完 ) 。 同 月 「 稽 古 扇 . 明 治 座 初 演 。 四 月 、 「 靄 」 一 月 、 「 幻 の 絵 馬 」 ( 書 下 し ) を 「 侠 艶 情 話 集 」 第 一 篇 と し て 春 陽 堂 そ う せ 、 ( の ち 「 三 人 の 盲 の 話 」 ) を 「 中 央 公 論 。 に 発 表 。 五 月 、 「 南 地 心 中 」 よ り 刊 行 。 同 月 、 「 新 小 説 臨 時 号 」 ( 文 豪 夏 目 漱 石 ) に 避 慚 文 「 夏 目 新 富 座 初 演 。 七 月 、 「 歌 仙 彫 」 を 「 新 小 説 」 に 、 十 月 、 「 浅 茅 生 」 を さ ん 」 の 一 文 を 寄 せ た 。 同 月 、 「 縁 日 」 を 「 東 京 日 日 新 聞 」 に 、 四 月 、 ・ 、 ・ つ さ や よ い ち ょ う 「 地 球 ー に 、 十 一 月 、 「 印 度 更 紗 」 を 「 中 央 公 論 。 に 発 表 。 「 峰 茶 屋 心 中 」 を 「 新 小 説 ー に 発 表 。 同 月 、 「 弥 生 帖 」 ( 「 人 魚 の 」 大 正 ニ 年 ( 一 九 一 三 ) 四 十 歳 「 木 曾 の 紅 蝶 ー 等 を 収 め る ) を 平 和 出 版 社 よ り 、 五 月 、 戯 曲 選 集 の 第 や し ゃ い ら よ う し よ う ち ょ う 三 月 、 戯 曲 「 夜 叉 ケ 池 」 を 「 演 芸 倶 楽 部 」 に 、 四 月 、 戯 曲 「 銀 杏 の 四 篇 と し て 「 戯 曲 日 本 橋 」 を 、 八 月 、 「 粧 蝶 集 」 ( 「 祝 盃 , 「 女 客 」 下 ー ( の ち 「 公 孫 樹 下 」 ) を 「 台 湾 愛 国 婦 人 ー に 発 表 。 七 月 、 「 紅 玉 」 「 外 科 室 」 等 を 収 む ) を そ れ そ れ 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 九 月 、 戯 曲 「 天 守 を 「 新 小 説 . に 、 十 一 一 月 、 戯 曲 「 海 神 別 荘 」 を 「 中 央 公 論 ー に 発 表 。 物 語 」 を 「 新 小 説 , に 発 表 。 ほ う め い 同 月 、 戯 曲 「 恋 女 房 」 を 鳳 鳴 社 よ り 上 梓 。 大 正 七 年 ( 一 九 一 八 ) 四 十 五 歳 四 十 一 歳 大 正 三 年 ( 一 九 一 四 ) 一 月 、 「 紅 梅 集 」 ( 「 起 誓 文 」 「 舞 の 袖 , 「 神 鑿 」 等 を 収 む ) を 春 陽 堂 よ お し ど り 四 月 、 「 深 沙 大 王 」 明 治 座 初 演 。 九 月 、 「 日 本 橋 」 ( 書 下 し ) を 千 章 館 り 上 梓 。 六 月 、 書 下 し 「 鴛 鴦 帳 」 を 止 善 堂 よ り 上 梓 。 同 月 、 「 鏡 花 随 よ り 上 梓 。 十 月 、 戯 曲 「 湯 島 の 境 内 」 ( 「 婦 系 図 」 補 遺 ) を 「 新 小 説 」 筆 」 を 文 武 堂 よ り 刊 行 。 七 月 、 童 謡 「 あ の 紫 は 」 を 「 赤 い 鳥 」 創 刊 号 べ に く ず に 、 十 一 一 月 、 「 紅 葛 」 を 「 中 央 公 論 」 に 掲 ぐ 。 に 、 同 月 よ り 十 一 一 月 、 「 芍 薬 の 歌 」 を 「 や ま と 新 聞 ー に 連 載 。 同 月 、 あ い そ う 大 正 四 年 ( 一 九 一 五 ) 四 十 一 一 歳 「 愛 艸 集 」 ( 「 白 羽 箭 」 「 化 鳥 ー 「 妖 術 」 等 を 収 む ) を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 一 月 、 「 桜 心 中 」 を 「 新 小 説 」 に 、 「 桜 貝 」 を 「 淑 女 画 報 」 に 発 表 。 大 正 八 年 ( 一 九 一 九 ) 四 十 六 歳 ゆ か り く し げ 三 月 、 真 山 青 果 脚 色 「 日 本 橋 」 を 本 郷 座 初 演 。 五 月 、 「 タ 顔 」 を 「 三 一 月 、 「 由 縁 の 女 ー ( の ち 「 櫛 笥 集 , と 改 題 ) を 「 婦 人 画 報 」 に 連 載 田 文 学 」 に 発 表 。 同 月 よ り 十 一 一 月 ま で 「 星 の 歌 舞 伎 」 を 「 女 の 世 界 」 ( 十 年 一 一 月 完 ) 。 「 友 染 集 」 ( 「 天 守 物 語 」 「 継 三 味 線 , 等 を 収 む ) を 春 し ら に 連 載 。 六 月 、 「 鏡 花 選 集 」 を 春 陽 堂 よ り 刊 行 。 十 月 、 「 遊 里 集 」 ( 「 白 陽 堂 よ り 上 梓 。 三 月 と 四 月 、 「 紫 障 子 」 を 「 新 小 説 」 に 、 五 月 よ り 七 た つ み こ う だ ん 鷺 ー 「 辰 巳 巷 談 ー 等 を 収 む ) を 春 陽 堂 よ り 出 版 。 月 、 「 柳 の 横 町 」 を 「 大 阪 朝 日 新 聞 ー に 連 載 。 十 月 、 「 雨 談 集 」 ( 「 恋 大 正 五 年 ( 一 九 一 六 ) 四 十 三 歳 女 房 」 「 時 雨 の 姿 」 「 歌 仙 彫 , を 収 む ) を 春 陽 堂 よ り 上 梓 。 一 月 、 「 鏡 花 双 紙 」 ( の ち 「 鏡 花 集 」 第 五 巻 ) を 春 陽 堂 よ り 出 版 。 五 大 正 九 年 ( 一 九 一 一 〇 ) 四 十 七 歳 あ こ め き だ ん よ う け ん 月 、 六 月 、 「 袙 奇 譚 」 を 「 三 田 文 学 」 に 掲 ぐ 。 七 月 、 「 夜 叉 ケ 池 ー 本 一 月 、 「 伯 爵 の 釵 」 を 「 婦 女 界 」 に 、 「 江 戸 土 産 」 ( の ち 「 妖 剣 紀 聞 」 か も 郷 座 初 演 。 十 月 、 「 愛 染 集 」 ( 「 日 本 橋 」 「 註 文 帳 」 を 収 む ) を 千 章 館 前 篇 ) を 「 新 小 説 ー に 、 五 月 、 「 売 色 鴨 南 蛮 」 を 「 人 間 」 に 、 四 月 、 ム く ろ う よ り 、 「 由 縁 文 庫 」 ( 「 鳬 物 語 」 「 竜 潭 譚 」 「 櫛 巻 」 を 収 む ) を 春 陽 堂 よ 「 新 江 戸 土 産 」 ( の ち 「 妖 剣 紀 聞 」 後 篇 ) を 「 新 小 説 」 に 、 七 月 、 「 寸 情 り 出 版 。 十 一 一 月 、 「 木 曾 の 紅 蝶 」 を 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 発 表 。 こ の 年 よ 風 土 記 」 を 「 新 家 庭 」 増 刊 「 山 水 巡 礼 」 に 発 表 。 十 月 、 「 銀 燭 集 」 っ し よ う か り 水 上 滝 太 郎 と の 親 交 は じ ま る 。 ( 「 日 本 橋 」 「 名 媛 記 」 「 吉 祥 果 」 等 を 収 む ) を 春 陽 堂 よ り 上 梓 。 十 一 一 う た の た て や ま 大 正 六 年 ( 一 九 一 七 ) 四 十 四 歳 月 、 「 唄 立 山 心 中 一 曲 」 を 「 改 造 」 に 寄 す 。 こ の 年 六 月 、 谷 崎 潤 一 郎 し や く や く

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ね た 苦 悩 こ そ 『 婦 系 図 』 の テ ー マ で あ り 、 も し 復 讐 の し て 麹 町 土 手 三 番 町 に 居 を 構 え た 。 文 壇 は 紅 葉 歿 後 語 を 用 い る と す れ ば 、 人 間 関 係 の さ け が た き 悲 劇 ~ の 恥 友 襷 の 勢 力 が 凋 落 し て 、 自 然 主 義 系 の 作 家 が 中 心 を ち っ せ ん ー さ く 挑 戦 と い う こ と に な る で あ ろ う 。 彼 は 己 を 最 も 、 み し な し て い た た め 、 彼 等 か ら 鏡 花 の 如 き は 古 風 な 戯 作 者 す り め な 、 掏 摸 の 少 年 に 仕 立 て る こ と で 紅 葉 の 恩 愛 に 答 え 、 と 目 さ れ て 、 か た す み に 押 し や ら れ た 状 態 で あ っ た が 、 ば と う 同 時 に 、 主 税 を し て 特 権 階 級 の 虚 栄 を 罵 倒 さ せ 、 そ の そ う し た 状 態 の な か で も 、 鏡 花 の 文 学 に 温 い 理 解 を 示 お ん ね ん 家 に 対 し 、 怨 念 の 鬼 と 化 さ し め る こ と に よ っ て 世 の し て く れ る 人 た ち も 居 た 。 自 然 主 義 に 対 し て 超 然 た る 習 俗 ( 花 柳 界 の 女 性 を 蔑 む よ う な ) と 戦 っ て い る の で 態 度 を と り 、 余 裕 派 文 学 を 称 え た 朝 日 新 聞 専 属 の 夏 目 そ う せ き し ら さ ぎ あ る か か る 自 己 と 主 人 公 の 同 一 化 、 わ ば 虚 構 の 中 漱 石 は 、 同 紙 の 小 説 欄 を 提 供 し て 『 白 鷺 』 ( 明 治 四 二 ) で 自 己 を 語 ろ う と す る ロ マ ン テ ィ シ ズ ム 、 か か る 作 者 を 書 か せ 、 「 三 田 文 学 」 を 主 宰 し 、 恥 美 派 の 思 潮 を 代 表 じ ゅ そ の 呪 詛 と 絶 叫 あ れ ば こ そ 、 復 讐 魔 早 瀬 主 税 の 人 間 像 は す る 永 井 荷 風 は 、 『 三 味 線 堀 』 ( 明 治 四 三 ) を 同 誌 に 掲 げ る 機 会 を 与 え た 。 可 能 と な り 、 そ れ が 庶 民 の 同 情 と 歓 迎 を う る と こ ろ と も な っ た の で あ る と 私 は 考 え る も の で あ る 鏡 花 は 『 白 鷺 』 を 朝 日 に 発 表 し え た 勢 い を 駆 っ て 、 ゅ う え ん そ の 幽 艶 さ を よ り 円 熟 さ せ た 畢 生 の 傑 作 『 歌 律 』 を 四 十 三 年 一 月 の 「 新 小 説 」 に 寄 せ た 。 本 作 は 、 そ の 表 題 の 示 す 如 あ ん ど ん の 灯 の 色 を 思 わ せ る 貴 種 流 離 た ん 『 婦 系 図 』 に 続 い て 鏡 花 は 、 同 年 五 月 か ら 六 月 に か け 譚 風 の 物 語 で 、 そ の 舞 台 を 桑 名 に 選 ん だ こ と が 本 作 を て 登 張 竹 風 と の 共 訳 で ( ウ ブ ト マ ン の 『 心 鐘 』 を 「 や し て 橙 色 の 色 調 に 濡 れ た ほ の 暗 さ と な っ か し く も 、 も ま と 新 聞 」 に 掲 げ た 。 如 何 に も 鏡 花 好 み の 人 界 と 魔 界 の が な し い 情 緒 を た だ よ わ す の に 効 果 あ ら し め て い る の 交 流 を え が い た こ の 戯 曲 の 構 想 は 大 正 期 の 劇 作 『 夜 桑 名 の 夜 景 と 軒 行 燈 の 光 度 と 明 暗 ー ー ー そ れ は 彼 が 四 十 し ゃ 二 年 に 文 芸 革 新 会 の 講 演 旅 行 で 桑 名 に 一 泊 し た の 印 叉 ケ 池 』 ( 大 正 二 ) 『 海 神 別 荘 』 ( 同 ) 、 『 天 守 物 語 』 ( 大 正 六 ) の う り 象 が 脳 裡 に 残 っ た の で あ っ た ろ う 。 な ど に 影 響 し て い る 。 ち な み に 文 芸 革 新 会 と は 、 当 時 、 「 新 小 説 」 の 編 集 主 明 治 四 十 一 年 二 月 、 三 十 九 年 以 後 三 年 間 を 過 し た 逗 子 田 越 を 引 き あ げ 、 笹 雌 臨 飃 に 敷 金 の 出 資 を 仰 ぎ 帰 京 幹 で あ り 硯 友 社 派 の 擁 護 者 で あ 「 た 後 藤 宙 外 が 反 自 然 0 こ う し ま ち と ば っ 0 482

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人 な き が 如 き で あ っ た 。 作 者 は 、 こ の 作 品 の 結 末 で 『 夜 載 さ れ た 一 葉 の 『 た け く ら べ 』 に 刺 戟 さ れ て の 所 産 だ っ た こ と は 前 述 し た と お り で あ る 。 行 巡 査 』 の 場 合 同 様 に 、 次 の 問 い か け を 添 え て い る 。 「 語 を 寄 す 、 天 下 の 宗 教 家 、 一 一 人 は 罪 悪 あ り て 、 な お 、 こ う し た 抒 情 小 説 と 前 記 の 観 念 小 説 と の 境 し 目 に 、 『 地 云 』 『 海 城 発 電 』 の あ る こ と を 見 逃 せ ま い 天 に 行 く こ と を 得 ざ る べ き か 。 」 こ の 語 こ そ 、 当 時 の 若 き 世 代 を 代 表 し て 叫 ん だ 鏡 花 共 に 明 治 二 十 九 年 一 月 に 発 表 さ れ た 。 前 者 は 「 国 民 之 の 恋 愛 至 上 主 義 的 情 熱 と 世 の 形 式 道 徳 へ の 見 事 な る 挑 友 」 、 後 者 は 「 太 陽 」 に 掲 載 さ れ た 。 反 軍 反 戦 的 内 容 の ざ ん し ん ば っ 戦 だ っ た の で あ る 。 手 法 の 斬 新 さ と 意 図 の 奇 抜 さ か ら 、 こ の 二 作 は 、 鏡 花 歿 後 、 昭 和 十 五 年 か ら 十 七 年 に か け さ ん じ 田 岡 嶺 雲 の 讃 辞 を え 、 「 帝 国 文 学 」 も 、 ダ ン テ の 『 神 曲 』 て 刊 行 さ れ た 岩 波 書 店 版 「 鏡 花 全 集 」 に は 時 勢 を お も を 呼 び 起 こ す に 足 る と 高 く 評 価 し た の で あ っ た 。 ん ば か っ て か 収 録 さ れ な か っ た 。 『 琵 琶 伝 』 に つ い て は 、 「 青 年 文 」 が 鏡 花 の 奇 怪 な る ロ マ ン テ ィ シ ズ ム に 将 来 わ 、 つ 力 、 を 期 待 す る 旨 を 述 べ 、 『 海 城 発 電 』 に 対 し て は 、 鵰 外 が 「 め ざ ま し 草 」 で 、 フ ラ ン ス の デ ュ マ を お も い 起 こ さ せ る き よ う せ 、 せ つ と こ ろ が 、 観 念 小 説 に よ っ て 、 読 者 の 胸 裡 に 鋭 く 因 と 認 め て い る 。 絶 な 鬼 気 を た だ よ わ す な か に 、 作 者 さ ん か 習 打 破 の 叫 び を 投 げ か け た 鏡 花 は 、 二 十 九 年 の 五 月 よ の 権 力 者 へ の 反 抗 意 識 と 虐 げ ら れ た 者 の 純 情 の 讃 歌 を ク ラ ブ 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 連 載 し は じ め た 『 一 之 巻 』 5 『 誓 う た い あ げ て い る 。 文 体 は 、 こ の あ た り ま で 、 当 時 、 た ん て い 之 巻 』 や 、 同 年 十 一 月 よ り 同 年 十 二 月 に か け て 「 読 売 」 ュ ー ゴ ー の 「 探 偵 ュ ー ベ ル 」 の 翻 訳 な ど で 名 高 か っ た し け ん 紙 上 に 発 表 す る 『 照 葉 狂 言 』 で 、 一 転 し て 哀 切 水 よ り 森 田 思 軒 の 漢 文 く す し の 翻 訳 文 の 影 響 が み ら れ る 。 も 清 い 少 年 を 主 人 公 と す る 抒 情 に 向 う 。 そ れ は 暗 い 北 同 年 五 月 、 彼 は 大 橋 乙 羽 の も と を 去 り 、 同 じ 小 石 川 し よ う ゆ う 国 の 小 邑 に 育 っ た 幼 時 の 日 の 淡 い 田 5 い 出 と 前 述 し た 如 の 大 塚 町 に 郷 里 の 祖 母 と 弟 を 迎 え 、 上 京 以 来 は し め て 、 し よ う 十 ・ い き 亡 母 へ の 憧 景 を 源 泉 と す る 処 女 の 曇 り な い 愛 に 温 ま さ さ や か な が ら 世 帯 を か ま え た 。 そ の わ び 世 帯 に も 時 き き よ う ろ う と す る 少 年 の 至 純 の 世 界 を 印 象 的 に 物 語 っ た も の 折 り は 衣 の 薫 が ほ ん の り と 、 桔 梗 の 花 も 咲 し ナ ・ 日 ハ り う す ら い で あ る 。 こ の 純 情 の 子 達 が 社 会 の 現 実 の 顔 に 打 ち ひ し 紅 葉 門 の 紅 一 点 ・ 北 田 薄 氷 が 訪 れ て 来 て い る 。 薄 氷 は が れ て ゆ く 哀 歌 は 、 同 年 四 月 に 「 文 芸 倶 楽 部 」 に 再 掲 鏡 花 と 相 思 の 仲 で あ っ た ら し い が 、 鏡 花 の ほ う か ら そ 474

現代日本の文学 Ⅱ―1 泉 鏡花 集


泉 鏡 花 文 学 ア ル バ ム 泉 鏡 花 は 明 治 六 年 十 一 月 四 日 、 北 陸 金 沢 下 新 町 に う ま れ 、 昭 和 十 四 年 九 月 七 日 、 東 京 麹 下 六 番 町 で 、 な く な っ た 金 沢 は 北 陸 の 京 都 と も 称 さ れ 、 美 的 伝 統 に 薫 染 さ れ た 城 下 町 で あ る 。 こ こ に 、 名 人 肌 の 彫 工 泉 清 次 ( 工 名 政 光 ) を 父 と し 、 尠 野 流 の た 支 の 家 ・ 中 田 氏 の 娘 鈴 を 母 と し て 、 鏡 花 は 生 を う け た 。 本 名 ・ 鏡 太 郎 。 鏡 花 の 筆 名 は 、 後 年 に 師 の 尾 崎 紅 葉 が 本 名 に ち な ん で つ け て く れ た も の で あ る ち な み に 、 鈴 の 祖 父 中 田 万 三 郎 は 金 沢 主 前 田 侯 の お 抱 え 能 楽 師 で 、 兄 の 金 太 郎 は 宝 生 九 郎 の 養 子 と な り 能 楽 の 名 人 の き こ え 高 か っ た 人 で あ る 金 太 郎 の 子 の 長 も 能 の 名 人 だ し 、 そ の 長 男 の た か し は ホ ト ト ギ ス 派 の 俳 人 で あ る 。 鏡 花 が 文 章 の 天 才 な ら 、 そ の 同 族 に も 療 泉 鏡 花 大 正 十 四 年 頃 芸 術 の 人 が 少 な く な い 。 鏡 花 の 弟 の 豊 春 も 、 兄 ほ ど で 評 伝 的 解 説 よ だ 村 松 定 孝

現代日本の文学 Ⅱ―1 泉 鏡花 集


を 博 し た 。 一 九 五 地 者 稼 し ろ う と 女 で か せ ぐ こ と 。 「 地 者 , は 遊 女 に 対 す る し ろ う と の 意 。 婦 系 図 ( 後 篇 ) 一 智 浄 瑠 璃 の 三 の 切 義 太 夫 節 の 五 段 中 、 第 三 段 目 の 終 わ り の 一 一 六 五 巻 明 治 中 期 に 流 行 し た 女 性 の 洋 髪 の 一 種 。 髪 を 縦 に 字 場 。 こ の 場 を も っ と も 哀 切 に 盛 り 上 げ る の が 通 例 で あ っ た 。 型 に 結 ぶ 。 一 一 0 一 火 定 仏 道 修 行 者 が 自 分 か ら 火 中 に 身 を 投 げ て 入 定 ( に ゆ う 一 石 0 赤 毛 布 赤 い 色 の 毛 布 。 読 み は 英 語 の blanket の 略 。 じ よ う ) す る こ と 。 一 一 0 三 犬 鷹 朋 輩 身 分 が 違 っ て も 気 が 合 わ な く て も 、 同 じ 主 人 の も 夭 四 堀 の 内 講 中 堀 の 内 の 妙 法 寺 に 参 詣 の た め に 講 を 結 ぶ こ と 。 と で は 朋 輩 は 朋 輩 で あ る こ と の た と え 。 同 じ 主 の も と で は 門 を 夭 五 最 明 寺 鎌 倉 幕 府 の 執 権 、 最 明 寺 入 道 時 頼 の こ と 。 出 家 後 は 諸 国 を ひ そ か に 遍 歴 、 民 情 や 治 政 を 視 察 し た 。 意 外 な 場 所 に 思 守 る 犬 も 邸 内 で 飼 わ れ る 鷹 も と も に 同 僚 だ の 意 か ら き て い る 。 い が け ぬ と き に 現 わ れ る こ と が 多 か っ た 。 こ こ で は そ れ を 比 喩 一 一 0 〈 街 鉄 明 治 三 十 六 年 八 月 、 東 京 電 車 鉄 道 会 社 に よ り 、 品 月 す き や に 用 い た も の 。 新 橋 間 に 初 め て 市 街 電 車 が 走 り 、 街 鉄 と 呼 ば れ た 。 以 後 数 寄 屋 ね ん ぐ 一 奕 恩 田 百 姓 隠 田 百 姓 。 隠 し 田 を つ く り 、 年 貢 を 納 め ず 、 収 穫 橋 ー 神 田 橋 間 、 新 橋 ー 上 野 間 と 、 次 々 開 通 さ れ た 。 を 自 分 の も の に す る 百 姓 。 三 0 す っ こ か し 「 す っ ( 接 頭 語 ) + こ か す 」 す な わ ち 、 押 し ゃ し よ く あ ざ な る こ と 、 物 の 位 置 を 動 か す こ と 。 俗 語 。 一 一 究 飛 将 軍 中 国 の 三 国 時 代 蜀 漢 の 勇 将 張 飛 の こ と 。 字 は 益 徳 ま り ゅ う び た は 翼 徳 。 劉 備 に 仕 え 関 羽 と 並 び 称 さ れ た 。 一 一 三 四 ま ん 直 し 運 の 悪 い の を よ い 方 に 向 け る た め に あ る 事 を 行 な う こ と 。 げ ん な お し 。 三 兵 獅 噛 面 獅 噛 み の よ う な 猛 悪 な 相 の 顔 。 「 獅 噛 み 」 は 獅 子 の ひ ば ら 一 一 岩 踊 舞 台 の 潮 汲 謡 曲 「 松 風 ー の 舞 踊 化 さ れ た も の 。 歌 舞 伎 舞 顔 を 模 様 化 し た も の で 、 火 鉢 の 足 な ど に か ざ り と し て 用 い ら れ な が う た 踊 に も あ り 、 ま た 長 唄 七 変 化 の 「 七 枚 続 花 の 絵 姿 ー が 著 名 。 に ち れ ん み か わ 一 一 五 一 お 祖 師 様 こ こ で は 日 蓮 を さ す 。 ふ つ う は 一 宗 一 派 の 開 祖 。 三 三 四 勘 助 井 戸 三 河 ( 静 岡 県 ) 出 身 の 軍 略 家 山 本 勘 助 が 掘 っ た と さ ・ ル け 、 現 東 京 都 杉 並 区 堀 の 内 に あ る 日 蓮 宗 日 円 山 妙 法 寺 に 参 す る こ い わ れ る 井 戸 。 と を 、 江 戸 時 代 か ら 「 お 祖 師 様 参 り 」 と 言 い 、 毎 月 の 十 三 日 は 三 四 一 一 こ の 注 に は 以 下 の よ う な 経 緯 が あ る 。 す な わ ち 、 初 発 表 の 「 や 解 参 詣 客 で に ぎ わ っ た 。 ま と 新 聞 」 は 「 早 瀬 は 潔 く 毒 を 仰 い だ の で あ る 」 で 終 わ っ て い る が 、 春 陽 堂 で 単 行 本 化 す る 際 「 早 瀬 の 遺 書 は : : : ー 以 下 が 加 一 一 五 一 一 由 良 之 助 大 星 由 良 之 助 。 忠 臣 蔵 狂 言 で 大 石 内 蔵 之 助 に 擬 せ 注 ら れ て い る 人 物 。 筆 さ れ た 。 そ の 後 ま た 、 春 陽 堂 版 全 集 に 収 録 の 際 、 再 度 初 発 表 せ つ ら ゆ う の ま ま に す る 方 針 が と ら れ た の だ が 、 単 行 本 で 読 ん で い る 読 者 一 一 五 一 一 だ ん 袋 和 洋 折 衷 ズ ボ ン の 異 称 。 本 来 は 駄 荷 袋 の な ま り か 。 を 考 慮 し て 、 こ の よ う な 注 が 付 さ れ た も の で あ る 。 な お 、 一 一 十 = = = 帰 天 斎 帰 天 斎 正 一 。 三 代 目 林 屋 正 蔵 の 門 弟 正 楽 が 明 治 十 年 ご ろ 改 め て 称 し た 名 。 落 語 か ら 西 洋 奇 術 に 転 じ た も の で 、 人 気 一 行 と は そ の 際 の 行 数 で あ る 。 は う ば だ に く ら の す け こ 0

現代日本の文学 Ⅱ―1 泉 鏡花 集


の ぞ も ぐ り で か ら 潜 出 て 、 土 間 へ 下 り て 橋 が か り か ら そ こ を 覗 く と 、 三 り と 湯 の 香 が 通 う 。 洗 面 所 の 傍 の 西 洋 扉 が 湯 殿 ら し い 。 こ み す じ い っ と 。 き い た す み ず ぐ ら む し ろ 4 ツ の 水 道 ロ 、 残 ら ず 三 条 の 水 が 一 斉 に ざ っ と 灌 い で 、 徒 ら の 窓 か ら も 見 え る 。 新 し く 建 増 し た 柱 立 て の ま ま 、 莚 が こ に 流 れ て 居 た 。 た し な い 水 ら し い の に 、 と 一 つ 一 つ 、 丁 寧 い に し た の も あ り 、 足 場 を 組 ん だ 処 が あ り 、 材 木 を 積 ん だ う ま や に し め て 座 敷 へ 戻 っ た が 、 そ の 時 も 料 理 番 が 池 の ヘ り の 、 納 屋 も あ る 。 が 、 荒 れ た 厩 の よ う に 成 っ て 、 落 葉 に 埋 れ る 、 と こ ろ た た ず わ き ほ ん じ ん 同 じ 処 に つ く ね ん と 彳 ん で 居 た の で あ る 。 く ど い よ う だ が 、 一 帯 、 脇 本 陣 と で も 言 い そ う な 旧 家 が 、 い っ か 世 が 成 金 と 料 理 番 の 池 に 立 っ た の は 、 此 で 二 度 め だ 。 : : : 朝 の は 十 時 か 言 っ た 時 代 の 景 気 に 連 れ て 、 桑 も 蚕 も 当 っ た で あ ろ う 、 此 に え が わ 頃 で あ っ た ろ う 。 ト 其 の 時 料 理 番 が 引 込 む と 、 や が て 洗 面 の あ た り も 火 の 燃 え る よ う な 勢 に 乗 じ て 、 贄 川 は そ の 昔 は 、 所 の 水 が 、 再 び 高 く 響 い た 。 煮 え 川 に し て 、 温 泉 の 湧 い た 処 だ な そ と 、 こ こ が 温 泉 に で 又 し て も 三 条 の 水 道 が 、 残 ら ず 開 放 し て 流 れ て 居 た 。 お も 成 り そ う な 意 気 込 み で 、 新 館 建 増 に か か っ た の を 、 此 の ひ と さ た な じ 事 、 た し な い 水 で あ る 。 あ と で 手 を 洗 お う と す る 時 は 、 一 座 敷 と 、 湯 殿 ば か り で 、 そ の ま ま 沙 汰 や み に 成 っ た 事 な 、 つ か 屹 と 涸 れ る の だ か ら と 、 又 し て も ロ 金 を し め て 置 い た が ど 、 あ と で 分 っ た 。 「 女 中 さ ん か い 、 其 の 水 を 流 す の は 。 」 せ ん 閉 め た ば か り の 水 道 の 栓 を 、 女 中 が 立 ち な が ら 一 つ ず つ 開 い ま 、 午 後 の 三 時 ご ろ 、 此 の 時 も 、 更 に 其 の 水 の 音 が 聞 け る の を 視 て 、 堪 ら ず 詰 る よ う に 言 っ た が 、 次 手 に 此 の 仔 こ え 出 し た の で あ る 。 庭 の 外 に は 小 川 も 流 れ る 。 奈 良 井 川 細 も 分 っ た 。 : : : 池 は 、 樹 の 根 に 樋 を 伏 せ て 裏 の 川 か ら 引 み ず が れ の 瀬 も 響 く 。 木 曾 へ 来 て 、 水 の 音 を 気 に す る の は 、 船 に 乗 く の だ が 、 一 、 年 に 一 二 度 ず つ 水 涸 が あ っ て 、 池 の 水 が 千 よ ひ と と こ ろ あ わ ふ な っ て 波 を 見 ま い と す る よ う な も の で あ る 。 望 み こ そ す れ 、 う と す る 。 鰍 も 鮒 も 、 一 処 へ 固 っ て 、 泡 を 立 て て 弱 る の で 、 ま る ば る お お お け く み こ 嫌 い も 避 け も し な い の だ け れ ど 、 不 思 議 に 洗 面 所 の 開 放 し 台 所 の 大 桶 へ 汲 込 ん だ 井 戸 の 水 を 、 々 と 此 の 洗 面 所 へ 送 ば か り 気 に 成 っ た 。 っ て 、 橋 が か り の 下 を 潜 ら し て 、 池 へ 流 込 む の だ そ う で あ 境 は 又 廊 下 へ 出 た 。 果 し て 、 三 条 と も 揃 っ て ー ー し よ ろ っ た 。 て ぬ ぐ い ま く ら こ た っ だ ん な き そ し よ ろ と 流 れ て 居 る 。 「 旦 那 さ ん 、 お 風 呂 で す か 。 ー 手 拭 を 木 曾 道 中 の 新 版 を 一 一 三 種 ば か り 、 枕 も と に 散 ら し た 炬 燵 じ ゅ う の う 持 っ て 居 た の を 見 て 、 こ こ へ 火 を 直 し に 、 台 十 能 を 持 っ て へ 、 ず ぶ ず ぶ と 潜 っ て 、 「 お 米 さ ん 、 : : : 折 入 っ て 、 お 前 ち ょ っ と う つ む 来 か か っ た 、 お 米 が 声 を 掛 け た 。 「 い や ー ー ー し か し 、 も う さ ん に 頼 み が あ る 。 」 と 言 い か け て 、 初 々 し く 一 寸 俯 向 く の 入 れ る か い 。 」 「 直 き で ご ざ い ま す : : : 。 今 日 は 此 の 新 館 の を 見 る と 、 猛 然 と し て 、 喜 多 八 を 思 起 し て 、 我 が 境 は 一 人 あ ん か げ お 庇 で 腹 按 が 湧 き ま す か ら 。 」 成 程 、 雪 の 降 り し き る な か に 、 ほ ん の で 笑 っ た 。 「 は は 、 心 配 な 事 で は な い よ 。 よ ね こ れ し が わ た ま く ぐ わ 、 力 し こ