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法学セミナー 2016年10月号


30 ・ 9 ・ 22 民 集 9 巻 10 号 1294 頁 。 2 ) 最 判 昭 和 41 ・ 1 ・ 27 民 集 20 巻 1 号 136 頁 、 な ど 。 3 ) 前 掲 ・ 最 判 昭 和 30 ・ 9 ・ 22 は 、 賃 借 人 に お い て 法 人 格 の 変 動 が あ っ た が 、 構 成 員 が 同 一 で あ り 、 使 用 方 法 も 同 一 の ま ま 継 続 さ れ て い る 点 が 考 慮 さ れ た も の で あ る 。 こ の ほ か 、 最 判 昭 和 38 ・ 10 ・ 15 民 集 17 巻 9 号 1202 頁 、 最 判 昭 和 39 ・ 11 ・ 19 民 集 18 巻 9 号 1900 頁 、 な ど 。 4 ) 最 判 昭 和 39 ・ 1 ・ 16 民 集 18 巻 1 号 11 頁 、 最 判 昭 和 40 ・ 9 ・ 21 民 集 19 巻 6 号 1550 頁 、 最 判 昭 和 44 ・ 4 ・ 24 民 集 23 巻 4 号 855 頁 な ど 、 親 族 間 の 賃 借 権 譲 渡 が 多 く 、 実 質 的 に は ① の 要 素 と 重 複 し て 認 め ら れ る 場 合 が 多 い 。 5 ) 最 判 昭 和 31 ・ 5 ・ 8 民 集 10 巻 5 号 475 頁 、 最 判 昭 和 46 ・ 6 ・ 22 判 時 636 号 47 頁 、 な ど 。 6 ) 山 本 敬 三 『 民 法 講 義 Ⅳ - 1 』 ( 有 斐 閣 、 2005 年 ) 467 頁 も 参 昭 7 ) 最 判 昭 和 39 ・ 6 ・ 30 民 集 18 巻 5 号 991 頁 、 最 判 昭 和 42 ・ 1 ・ 17 民 集 21 巻 1 号 1 頁 、 前 掲 ・ 最 判 昭 和 44 ・ 4 ・ 24 、 な ど 。 8 ) 最 判 昭 和 45 ・ 12 ・ 11 民 集 24 巻 13 号 2015 頁 。 9 ) 転 貸 借 の 終 了 時 に つ き 判 例 は 、 賃 貸 人 か ら の 返 還 請 求 時 に 転 貸 借 の 履 行 不 能 が 確 定 し 、 こ れ に よ り 終 了 す る と 解 し て い る ( 大 判 昭 和 10 ・ 11 ・ 18 民 集 14 巻 1845 頁 、 最 判 平 成 9 ・ 2 ・ 25 民 集 51 巻 2 号 398 頁 ) 。 10 ) 大 判 昭 和 9 ・ 3 ・ 7 民 集 13 巻 278 頁 、 最 判 昭 和 38 ・ 2 ・ 21 民 集 17 巻 1 号 219 頁 、 な ど 。 (1) 前 掲 ・ 最 判 昭 和 38 ・ 2 ・ 21 。 12 ) B C 間 の 特 別 な 関 係 に よ り 転 貸 賃 料 が 廉 価 で あ っ た 場 合 は C の 要 保 護 性 が 低 く 、 合 意 解 除 の 対 抗 を 認 め て よ い で あ ろ う 。 13 ) 星 野 英 一 『 借 地 借 家 法 』 ( 有 斐 閣 、 1969 年 ) 375 頁 以 下 、 鈴 木 禄 弥 『 借 地 法 上 巻 〔 改 訂 版 〕 』 ( 青 林 書 院 新 社 、 1980 年 ) 574 頁 以 下 、 幾 代 通 = 広 中 俊 雄 編 『 新 版 注 釈 民 法 ( 15 ) 〔 増 補 版 〕 』 ( 有 斐 閣 、 1996 年 ) 288 頁 、 744 頁 〔 篠 塚 昭 次 〕 、 960 頁 〔 原 田 純 孝 〕 、 な ど 。 14 ) 最 判 昭 和 37 ・ 3 ・ 29 民 集 16 巻 3 号 662 頁 、 最 判 平 成 6 ・ 7 ・ 18 判 時 1540 号 38 頁 。 プ ラ ス ア ル フ ア に つ い て 考 え る 基 本 民 法 法 津 時 報 061 15 ) 大 判 大 正 10 ・ 5 ・ 30 民 録 27 輯 1013 頁 、 最 判 昭 和 39 ・ 8 ・ 28 民 集 18 巻 7 号 1354 頁 。 16 ) 最 大 判 昭 和 41 ・ 4 ・ 27 民 集 20 巻 4 号 870 頁 。 17 ) 星 野 ・ 前 掲 書 404 頁 、 前 掲 『 新 版 注 釈 民 法 ( 15 ) 』 851 頁 〔 広 中 俊 雄 〕 、 副 田 隆 重 ・ 別 冊 ジ ュ リ 民 法 判 例 百 選 Ⅱ 〔 第 7 版 〕 119 頁 、 大 村 敦 志 「 新 基 本 民 法 5 』 ( 有 斐 閣 、 2015 年 ) 117 頁 、 野 澤 正 充 『 契 約 法 』 ( 日 本 評 論 社 、 2009 年 ) 188 頁 、 な ど 。 18 ) 谷 口 知 平 = 石 田 喜 久 夫 編 『 新 版 注 釈 民 法 ( 1 ) 〔 改 訂 版 〕 』 ( 有 斐 閣 、 2002 年 ) 185 頁 、 前 掲 「 新 版 注 釈 民 法 ( 1 研 852 頁 〔 広 中 俊 雄 〕 、 な ど 。 な お 、 大 阪 地 版 平 成 2 ・ 7 ・ 2 判 時 1411 号 96 頁 も 参 昭 19 ) 最 判 昭 和 48 ・ 2 ・ 2 民 集 27 巻 1 号 80 頁 。 20 ) こ の 問 題 に つ い て は 、 森 田 宏 樹 「 債 権 法 改 正 を 深 め る 』 ( 有 斐 閣 、 2013 年 ) 143 頁 以 下 を 参 昭 21 ) 大 判 昭 和 18 ・ 5 ・ 17 民 集 22 巻 3 号 373 頁 、 最 判 昭 和 39 ・ 8 ・ 28 民 集 18 巻 7 号 1354 頁 。 22 ) 最 判 昭 和 44 ・ 7 ・ 17 民 集 23 巻 8 号 1610 頁 。 23 ) 最 判 昭 和 53 ・ 12 ・ 22 民 集 32 巻 9 号 1768 頁 。 24 ) 最 判 平 成 11 ・ 3 ・ 25 判 時 1674 号 61 頁 。 25 ) 敷 金 関 係 の 承 継 と 旧 所 有 者 の 債 務 引 受 に つ き 、 森 田 ・ 前 掲 『 債 権 法 改 正 を 深 め る 』 184 頁 以 下 。 26 ) 磯 村 保 「 判 批 」 判 評 491 号 ( 2000 年 ) 36 頁 以 下 、 北 居 功 ほ か 『 コ ン ビ ネ ー シ ョ ン で 考 え る 民 法 』 ( 商 事 法 務 、 2008 年 ) 96 頁 以 下 〔 北 居 功 〕 、 な ど 。 27 ) 最 判 平 成 14 ・ 3 ・ 28 民 集 56 巻 3 号 662 頁 。 28 ) 民 法 ( 債 権 関 係 ) 改 正 法 案 第 605 条 の 2 は 、 賃 貸 不 動 産 の 譲 渡 に 伴 い 賃 貸 人 の 地 位 が 移 転 す る と し た 上 で ( 1 項 ) 、 賃 貸 人 の 地 位 を 留 保 し て 譲 受 人 が 譲 渡 人 に 賃 貸 す る 旨 の 合 意 を 認 め 、 そ れ が 終 了 し た と き は 賃 貸 人 の 地 位 が 移 転 す る 旨 の 立 法 提 案 を 行 っ て い る 。 紙 幅 の 都 合 上 条 文 案 は 割 愛 す る ( 商 事 法 務 編 『 民 法 ( 債 権 関 係 ) 改 正 法 案 新 旧 対 照 条 文 』 〔 商 事 法 務 2015 年 〕 163 頁 ) 。 29 ) サ プ リ ー ス に つ き こ の 視 点 を 指 摘 す る も の と し て 、 北 居 ・ 前 掲 『 コ ン ビ ネ ー シ ョ ン で 考 え る 民 法 』 98 頁 以 下 。 ( む か わ ・ こ う じ ) 会 社 法 制 に お け る 損 害 賠 償 の 諸 相 利 害 調 整 の 仕 組 み の 一 つ と し て の 損 害 賠 償 は 、 会 社 法 の 領 域 に お い て ど の よ う な 可 能 性 を 持 っ て い る の か 。 損 害 賠 償 に 何 を 期 待 で き る の か 、 そ の 問 題 点 ・ 評 価 ・ 将 来 の 展 望 を 探 る 。 特 集 日 本 評 論 社 2016 年 9 月 号 好 評 発 売 中 / 本 体 1 , 750 円 + 税 8 企 業 統 治 と 損 害 賠 償 ・ ・ ・ 山 田 泰 弘 / 不 正 な 出 資 と 会 社 に 対 す る 支 払 義 務 ・ ・ ・ 小 出 篤 / 企 業 買 収 ・ 再 編 と 損 害 賠 償 ・ ・ 評 】 石 巻 事 件 の 元 少 年 は な せ 死 刑 に な っ た の か ・ ・ ・ 門 野 博 害 賠 償 責 任 ・ ・ ・ ジ ョ ナ ス ・ ク ネ ッ チ ュ ( 訳 : 馬 場 圭 太 ) 【 法 律 時 か り に ・ ・ ・ 高 見 勝 利 / 【 論 説 】 ヨ ー ロ ッ パ に お け る 原 子 力 損 正 」 を 考 え る 一 - ー 安 倍 首 相 の 位 憲 主 義 」 「 憲 法 」 観 を 手 が を 考 え る 一 一 一 「 学 問 」 と 「 政 治 」 の 共 振 ・ ・ ・ 高 作 正 博 / 「 憲 法 改 ・ 特 別 企 画 : 安 保 法 制 と 憲 法 改 正 動 き 出 し た 「 安 保 法 制 」 情 報 開 示 と 損 害 賠 償 ・ ・ ・ 青 木 浩 子 田 中 亘 / 親 子 会 社 関 係 と 損 害 賠 償 ・ ・ ・ 舩 津 浩 司 / 不 実 の

法学セミナー 2016年10月号


006 LAW JOtJRNAL ロ ー ・ ジ ャ ー ナ ル 2015 年 ) 、 羽 賀 由 利 子 「 忘 れ ら れ る 権 利 : 忘 れ る こ と を 忘 れ た 世 界 の 新 た な 権 利 」 コ ピ ラ イ ト 655 号 ( 2015 年 ) 44 頁 、 井 上 靖 代 「 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 と 図 書 館 」 み ん な の 図 書 館 462 号 ( 2015 年 ) 56 頁 、 成 原 慧 「 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 を め ぐ る 日 米 欧 の 議 論 状 況 」 行 政 & 情 報 シ ス テ ム 51 巻 6 号 ( 2015 年 ) 54 頁 、 野 澤 正 充 「 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 (droit a l'oubli) と プ ラ イ バ シ ー 保 護 」 Law & Technology 70 号 ( 2016 年 ) 50 頁 、 鈴 木 秀 美 「 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 と 表 現 の 自 由 」 メ デ ィ ア ・ コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 66 号 ( 2016 年 ) 15 頁 、 村 田 健 介 「 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 の 位 置 付 け に 関 す る 一 考 察 」 岡 山 大 学 法 学 雑 誌 65 巻 3 ・ 4 号 ( 2016 年 ) 136 頁 、 神 田 知 宏 「 さ い た ま 地 裁 平 成 27 年 12 月 22 日 決 定 に お け る 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 」 Law & Technology 72 号 ( 2016 年 ) 41 頁 、 宮 下 紘 「 忘 れ ら れ る 権 利 と 検 索 エ ン ジ ン の 法 的 責 任 」 比 較 法 雑 誌 50 巻 1 号 ( 2016 年 ) 35 頁 、 宇 賀 克 也 「 『 忘 れ ら れ る 権 利 』 に つ い て 」 論 究 ジ ュ リ ス ト 18 号 ( 2016 年 ) 24 頁 、 な ど 参 昭 4 ) さ い た ま 地 決 平 27 ・ 12 ・ 22 判 時 2282 号 78 頁 。 本 決 定 の 評 釈 と し て 、 神 田 ・ 前 掲 注 3 ) 昭 、 : 彡 い 、 0 5 ) 東 京 高 決 平 28 ・ 7 ・ 12 判 例 集 未 搭 載 。 6 ) 最 大 判 平 元 ・ 3 ・ 8 民 集 43 巻 2 号 89 頁 ( レ ベ タ 事 件 ) 。 最 ー 小 判 平 17 ・ 7 ・ 14 民 集 59 巻 6 号 1569 頁 ( 公 立 図 書 館 蔵 書 破 棄 事 件 ) 昭 7 ) 最 大 決 昭 44 ・ 11 ・ 26 刑 集 第 23 巻 11 号 1490 頁 ( 博 多 駅 取 材 フ ィ ル ム 事 件 ) 。 8 ) な お 、 総 務 省 に お い て は 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の い わ ゆ る 「 知 る 権 利 」 に つ い て 、 前 掲 最 大 判 平 元 ・ 3 ・ 8 に 基 づ き 「 イ ン タ ー ネ ッ ト を 通 じ て 多 様 な 情 報 を 受 容 す る 権 利 」 と し て 置 き 換 え て い る 。 総 務 省 「 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 個 人 情 報 ・ 利 用 者 情 報 等 の 流 通 へ の 対 応 に つ い て 」 平 成 27 年 7 月 3 日 3 頁 脚 注 9 昭 9 ) 最 三 小 判 昭 56 ・ 4 ・ 14 民 集 35 巻 3 号 620 頁 ( 前 科 照 会 事 件 ) 昭 10 ) 第 143 回 国 会 衆 議 院 内 閣 委 員 会 平 成 10 年 10 月 13 日 、 太 田 国 務 大 臣 答 弁 総 務 庁 長 官 答 弁 、 参 照 。 (1) 最 三 小 判 平 6 ・ 2 ・ 8 民 集 48 巻 2 号 149 頁 ( 「 逆 転 」 事 件 ) 。 12 ) 大 村 敦 志 「 『 逆 転 』 事 件 」 法 学 教 室 356 号 ( 2010 年 ) 128 頁 、 参 照 。 13 ) 東 京 地 裁 昭 39 ・ 9 ・ 28 下 民 集 15 巻 9 号 2371 頁 ( 「 宴 の あ と 」 事 件 ) 。 14 ) 大 学 主 催 の 講 演 会 に 参 加 を 申 し 込 ん だ 学 生 が そ の 氏 名 、 住 所 等 を 他 者 に み だ り に 開 示 さ れ な い こ と へ の 期 待 は 法 的 保 護 に 値 す る か ら 、 か か る 情 報 は プ ラ イ バ シ ー に 係 る 情 報 と し て 法 的 保 護 の 対 象 と な る と 判 断 し た 。 収 集 後 の 情 報 の 利 用 ・ 共 有 の 段 階 に お け る プ ラ イ バ シ ー 権 侵 害 の 一 側 面 で あ る と 理 解 す る こ と が で き る ( 最 二 小 判 平 15 ・ 9 ・ 12 民 集 57 巻 8 号 973 頁 〔 江 沢 民 講 演 会 事 件 〕 ) 。 15 ) 「 忘 れ ら れ る 権 利 」 は 、 「 同 意 の 撤 回 」 と 「 利 用 目 的 の 制 限 」 と も 関 連 性 が あ り 、 た と え ば ア ダ ル ト ビ デ オ に 出 演 し て い た 女 優 が 引 退 し て 5 年 が 経 過 し て か ら 週 刊 誌 に 記 事 と し て 「 再 公 表 」 さ れ た 事 例 で プ ラ イ バ シ ー 侵 害 を 認 め た 場 合 な ど に お い て 応 用 し う る ( 東 京 地 判 平 18 ・ 7 ・ 24 ウ 工 ス ト ロ ー 2006WLJPCA07240004 ) 。 16 ) 最 三 小 判 平 14 ・ 9 ・ 24 判 タ 1106 号 72 頁 ( 「 石 に 泳 ぐ 魚 」 事 件 ) 、 最 二 小 判 平 15 ・ 3 ・ 14 民 集 57 巻 3 号 229 頁 ( 長 良 川 事 件 ) 昭 17 ) 最 大 判 昭 61 ・ 6 ・ 11 民 集 第 40 巻 4 号 872 頁 ( 「 北 方 ジ ャ ー ナ ル 」 事 件 ) 、 最 ー 小 判 平 元 ・ 12 ・ 21 民 集 43 巻 12 号 2552 頁 、 前 掲 最 三 小 判 平 6 ・ 2 ・ 8 判 決 、 前 掲 最 三 小 判 平 14 ・ 9 ・ 24 判 決 、 最 ー 小 判 平 17 ・ 11 ・ 10 民 集 59 巻 9 号 2428 頁 ( 法 廷 内 撮 影 訴 訟 ) 昭 18 ) 前 掲 最 二 小 判 平 15 ・ 9 ・ 12 。 19 ) 最 ー 小 判 平 22 ・ 3 ・ 15 刑 集 64 巻 2 号 1 頁 ( ラ ー メ ン フ ラ ン チ ャ イ ズ 事 件 ) 、 最 二 小 判 平 24 ・ 3 ・ 23 判 時 2147 号 61 頁 、 参 照 。 20 ) 東 京 高 裁 決 定 は 、 「 検 索 サ ー ビ ス 事 業 に お い て 抗 告 人 が 大 き な シ ェ ア を 有 し て い る こ と 」 に 言 及 し て 、 削 除 を 容 認 す れ ば 、 多 数 の 者 の 表 現 の 自 由 及 び 知 る 権 利 を 侵 害 す る 結 果 を 生 じ さ せ る と 述 べ て い る が 、 検 索 サ ー ビ ス の 位 置 付 け が 表 現 の 自 由 及 び 知 る 権 利 と の 間 で ど の よ う な 関 係 と な る か 十 分 な 議 論 が 尽 く さ れ て い な い な か で 、 市 場 に お け る 地 位 が そ の 判 断 基 準 と な る 説 示 で あ り 、 不 適 切 な 言 及 で あ る 。 な お 、 EU に お い て は 、 本 件 の 検 索 エ ン ジ ン 管 理 者 が 、 市 場 支 配 的 地 位 を 乱 用 し た と し て 、 2015 年 4 月 15 付 の 欧 州 委 員 会 の 調 査 が 継 続 中 で あ る 。 European CommlSSion, Commission sends Statement Of Obj ections tO Google on comparison shopping service; opens separate formal investigation on Android, 15 April 2015. 市 川 芳 治 「 プ ラ イ バ シ ー ・ ピ ッ グ デ ー タ ・ 競 争 法 」 慶 應 法 学 33 号 ( 2015 年 ) 135 頁 、 参 照 。 (1) 最 ー 小 判 平 20 ・ 3 ・ 6 民 集 62 巻 3 号 665 頁 ( 住 基 ネ ッ ト 訴 訟 ) 。 22 ) 宍 戸 常 寿 「 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 名 誉 毀 損 ・ プ ラ イ バ シ ー 侵 害 」 松 井 茂 記 編 「 イ ン タ ー ネ ッ ト 法 』 ( 有 斐 閣 、 2015 年 ) 67 頁 昭 23 ) 「 鼎 談 イ ン タ ー ネ ッ ト に お け る 表 現 の 自 由 と プ ラ イ バ シ ー 」 ジ ュ リ ス ト 1484 号 ( 2015 年 ) 80 頁 ( 門 ロ 正 人 発 言 ) 、 参 日 負 24 ) 松 尾 剛 行 『 最 新 判 例 に み る イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 名 誉 毀 損 の 理 論 と 実 務 』 ( 勁 草 書 房 、 2016 年 ) 8 頁 。 25 ) 宮 下 紘 『 プ ラ イ バ シ ー 権 の 復 権 一 一 自 由 と 尊 厳 の 衝 突 』 ( 中 央 大 学 出 版 部 、 2015 年 ) 331 頁 。 最 高 裁 は 、 職 場 の ロ ッ カ ー を 無 断 で 開 け て 私 物 を 写 真 撮 影 し た 行 為 が 、 プ ラ イ バ シ ー 侵 害 と な る と 認 定 す る 際 に 、 職 場 に お け る 「 自 由 な 人 間 関 係 を 形 成 す る 自 由 」 に 言 及 し た ( 最 三 小 判 平 7 ・ 9 ・ 5 判 タ 891 号 77 頁 〔 関 西 電 力 事 件 〕 ) 。 な お 、 ア イ デ ン テ ィ テ ィ 権 ( 他 者 と の 関 係 に お い て 人 格 的 同 一 性 を 保 持 す る 利 益 ) 侵 害 が 問 題 と な っ た 事 案 に つ い て は 、 大 阪 地 裁 平 28 ・ 2 ・ 8 ( ウ ェ ス ト ロ ー 2016WLJPCA 02086002 ) 昭 26 ) 法 務 省 調 査 ( 平 成 27 年 に お け る 「 人 権 侵 犯 事 件 」 の 状 況 に つ い て ・ 平 成 28 年 3 月 ) 昭 27 ) グ ー グ ル 透 明 性 レ ポ ー ト 、 2016 年 8 月 10 日 現 在 。 日 本 に お け る 取 組 と し て 、 た と え ば 、 ヤ フ ー 株 式 会 社 「 検 索 結 果 の 非 表 示 措 置 の 申 告 を 受 け た 場 合 の ヤ フ ー 株 式 会 社 の 対 応 方 針 に つ い て 」 2015 年 3 月 30 日 昭 28 ) 伊 藤 正 己 「 プ ラ イ バ シ ー の 権 利 』 ( 岩 波 書 店 、 1963 年 ) 23 頁 。 前 掲 最 三 小 判 昭 56 ・ 4 ・ 14 ( 伊 藤 正 己 裁 判 官 補 足 意 見 ) 、 最 三 小 判 昭 63 ・ 12 ・ 20 判 時 1302 号 94 頁 ( 伊 藤 正 己 裁 判 官 補 足 意 見 ) 昭 、 一 彡 い 、 0 29 ) 奥 田 ・ 前 掲 注 3 ) 、 の 担 当 弁 護 士 の 各 論 稿 、 宮 下 紘 『 事 例 で 学 ぶ プ ラ イ バ シ ー 』 ( 朝 陽 会 、 2016 年 ) 62 頁 昭 、 ニ イ ・ ・ い 、 0 ( み や し た ・ ひ ろ し )

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068 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / no. 741 れ た が ( 第 23 「 契 約 の 交 渉 段 階 」 ) 、 議 論 の 射 程 や 賠 償 範 囲 、 ら す 利 益 状 態 = 履 行 利 益 の 確 保 ) を 、 相 手 方 に 義 務 づ け ら 他 の 制 度 と の 関 係 等 が 詰 め 切 れ す 、 な お 生 成 途 上 の 法 れ る こ と に ほ か な ら な い 。 か り に 、 侵 害 さ れ た 「 期 待 利 益 」 が 「 履 行 利 益 」 に 相 当 す る 状 態 に あ る と す れ ば 、 理 と し て 、 結 局 、 法 案 に は 至 ら な か っ た 。 そ れ は ま さ し く 「 契 約 が 成 立 し た 状 態 」 に ほ か な ら ず 、 2 契 約 交 渉 破 棄 に 関 す る 応 用 問 題 契 約 成 立 前 に 契 約 の 成 立 と 同 等 の 法 的 効 果 を 付 与 す る こ と は 、 契 約 の 成 立 に 関 す る 基 本 ル ー ル を 無 視 す る 結 問 題 の 所 在 を 具 体 化 す る た め に 、 以 下 で は 、 代 表 的 な 問 題 状 況 を 裁 判 例 を 素 材 に 紹 介 し て お こ う 。 果 と な る 。 な る ほ ど 、 「 契 約 カ 陏 効 に 成 立 す る と 信 じ た こ と に よ っ て 被 っ た 損 失 」 と 、 「 契 約 が 有 効 に 成 立 し た こ と に よ っ て も た ら さ れ る 利 益 の 喪 失 」 は 観 念 的 ( 1 ) 不 動 産 取 引 交 渉 ( 福 岡 高 判 平 成 5 ・ 6 ・ 30 判 時 1483 号 52 頁 = 河 上 ・ 私 法 判 例 リ マ ー ク ス 1 0 号 48 頁 ) な 区 別 で あ っ て 、 損 害 原 因 事 実 を 起 点 と し て 因 果 関 係 に よ っ て 定 め ら れ る 原 状 回 復 の 方 向 の 違 い を 意 味 す る X は 、 不 動 産 取 引 お よ び 同 開 発 コ ン サ ル タ ン ト に 過 ぎ ず 、 要 は 、 交 渉 不 当 破 棄 に よ っ て も た ら さ れ る 業 務 等 を 目 的 と す る 会 社 で あ り 、 平 成 元 年 8 月 頃 、 「 損 害 」 に 関 す る 相 当 因 果 関 係 の 判 断 に 帰 着 す る 問 題 ス ポ ー ッ セ ン タ ー を 建 設 す る た め 、 仲 介 業 者 を 通 で は あ る 。 さ し あ た っ て 、 契 約 カ 陏 効 に 成 立 し た と 信 じ て Y ら か ら 、 本 件 土 地 を 39 億 6000 万 円 で 購 入 す 頼 し た こ と に よ っ て 被 っ た 損 害 を 、 い わ ゆ る 「 信 頼 損 る こ と と し た 。 同 年 9 月 7 日 に は X が 「 不 動 産 売 害 」 と 呼 ぶ と し て も 、 そ れ は 履 行 利 益 を 上 限 と す る も 渡 に 対 す る 請 書 」 を 、 9 月 23 日 に は 仲 介 業 者 が 「 不 の で な け れ ば な る ま い 。 動 産 買 受 け 申 込 み に 対 す る 請 書 」 を 交 付 、 さ ら に 、 (vi) 契 約 を 成 立 さ せ る 義 務 、 あ る い は 「 な し 崩 し 的 」 9 月 25 日 に は 市 長 に 対 し 国 土 利 用 計 画 法 23 条 に よ 契 約 成 立 ? る 届 出 を な し 、 10 月 11 日 に は こ れ に つ い て の 不 勧 外 形 上 合 意 カ 定 的 に 成 立 し て い た も の が 事 後 に 失 告 通 知 書 を 受 領 し た 。 か く て XY 間 で は 、 売 買 代 効 し た よ う な 局 面 で は 、 当 該 内 容 の 実 現 可 能 性 ・ 期 待 金 額 も 確 定 し 、 平 成 元 年 10 月 20 日 に 所 有 権 移 転 登 利 益 取 得 の 蓋 然 性 な い し 損 害 の 現 実 性 の 程 度 等 が 、 そ 己 と 代 金 支 払 を 一 括 決 済 す る こ と と な っ た 。 し か こ で の 実 質 的 判 断 要 素 と な り う る 。 し か し 、 取 引 が 未 し 、 決 済 日 前 日 に 、 Y ら は 土 地 の 権 利 証 が な い こ と に 気 づ き 、 協 議 の 結 果 、 保 証 書 を も っ て 登 記 す だ 「 交 渉 段 階 に あ る 」 場 合 、 当 事 者 は な お 契 約 不 成 立 る こ と に し た が 、 そ の 際 、 本 件 土 地 に X が 抵 当 権 の 可 育 尉 生 を 常 に 覚 す べ き で あ り 、 原 則 と し て 、 自 己 を 設 定 す る こ と を 条 件 と し て 代 金 先 払 い す る も の の リ ス ク に お い て 交 渉 費 用 を 負 担 す べ き で あ る 。 契 約 と し た 。 決 済 日 に 、 X は 売 買 代 金 額 に 相 当 す る 銀 の 成 立 カ 実 視 さ れ た に も か か わ ら ず 相 手 が 正 当 な 理 行 振 出 の 小 切 手 を 持 参 し て 調 印 に 臨 ん だ が 、 直 前 由 な く 信 義 則 に 反 し て 交 渉 を 破 棄 し た よ う な 場 合 に 限 に な り 、 売 主 で あ る Y ら の 一 人 が 抵 当 権 設 定 契 約 り 、 そ れ に よ っ て 無 駄 に な っ た 投 下 費 用 が 、 「 通 常 生 書 と 委 任 状 に 署 名 押 印 す る こ と は 保 証 人 と な る 可 ず べ き 損 害 」 と 観 念 さ れ 、 損 害 賠 償 の 対 象 と な る 。 さ 能 性 が あ る と し て 契 約 書 作 成 に 難 色 を 示 し た 。 そ も な け れ ば 、 交 渉 過 程 に 身 を 置 い た と た ん 、 す べ か ら こ で 、 XY は 、 保 証 書 に よ る 所 有 権 移 転 登 記 手 続 く 当 事 者 は 契 約 締 結 に 向 け て 何 ら か の 拘 東 を 受 け る に の 際 に 、 法 務 局 か ら 売 主 に 送 付 さ れ る 確 認 申 出 書 等 し い 結 果 と な り 、 自 己 に 適 合 的 な 合 意 内 容 の 可 育 生 の 交 付 と 代 金 支 払 を 同 時 に す る こ と と し 、 あ ら た を 探 っ て 交 渉 を す れ ば す る ほ ど 、 契 約 的 桎 梏 か ら 逃 れ め て 、 確 認 申 出 書 が 到 着 す る で あ ろ う 日 の 翌 日 で ら れ な く な る と い う 不 合 理 な 結 論 と な る 。 こ の 場 合 、 あ る 10 月 24 日 を 決 済 日 と 定 め た 。 し か し 、 24 日 に 、 契 約 の 成 立 の 「 蓋 然 性 」 の 程 度 に よ っ て 、 履 行 利 益 の Y ら は X に 売 買 を 白 紙 に 戻 し た い 旨 を 伝 え 、 所 定 何 割 か を 賠 償 額 と す る よ う な 見 解 は 、 い わ ば 契 約 の 「 な 期 間 内 に 登 記 申 請 の 間 違 い な い こ と の 申 出 も し な し 崩 し 的 」 成 立 を 語 る も の で 、 社 会 学 的 に は と も か く 、 か っ た た め 、 所 有 権 移 転 登 記 申 請 は 却 下 さ れ た 。 法 律 論 と し て は 不 適 切 で あ る 。 こ の 間 、 X は 、 資 金 繰 り の た め に 国 内 信 販 に 44 億 円 の 融 資 申 込 を し 、 10 月 20 日 に は 銀 行 振 出 の 小 切 (c) 債 務 法 改 正 で の 議 論 手 を 用 意 さ せ る な ど し て い た た め 、 手 数 料 等 の 支 債 権 法 改 正 で は 、 中 間 的 論 点 整 理 ま で は 、 契 約 の 不 払 を 余 儀 な く さ れ た 。 当 破 棄 に 関 す る 責 任 の 規 定 化 が 問 題 と し て 取 り 上 げ ら 一 三 ロ

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日 児 童 福 祉 法 等 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ! 平 成 28 年 6 月 法 律 第 63 第 : [ 趣 旨 ・ 内 容 ] ① 全 て の 児 童 は 、 適 切 な 養 育 を 受 け 、 健 全 に 育 っ 権 利 を 有 す る こ と を 規 定 す る 。 ② 母 子 健 康 セ ン タ ー が 行 う 事 業 に 、 支 援 に 必 要 な 実 情 の 把 握 お よ び 関 係 機 関 と の 連 絡 調 整 等 を 追 加 し 、 名 称 を 母 子 健 康 包 括 支 援 セ ン タ ー に 変 更 す る 。 ③ 市 町 村 ・ 特 別 区 は 、 児 童 お よ び 妊 産 婦 の 福 祉 に 関 す る 必 要 な 支 援 を 行 う た め の 拠 点 の 整 備 に 努 め る 。 ④ 児 童 相 談 所 に 、 児 童 心 理 司 等 の 専 門 職 を 置 く と と も に 、 弁 護 士 の 配 置 ま た は こ れ に 準 ず る 措 置 を 行 う 。 ⑤ 政 令 で 定 め る 特 別 区 に 、 児 童 相 談 所 を 設 置 す る 。 ⑥ 養 子 縁 組 お よ び 里 親 の 選 定 、 相 談 支 援 等 を 都 道 府 県 の 業 務 と す る 。 ⑦ 就 学 中 の 22 歳 の 年 度 末 ま で の 者 を 自 立 援 助 ホ ー ム の 対 象 と す る 。 [ 施 行 期 日 ] 2017 年 4 月 1 日 ( ① は 2016 年 6 月 3 日 、 ④ は 同 年 10 月 1 日 ) [ 審 議 経 過 ] 2016 年 3 月 29 日 ( 190 国 会 ) 内 閣 提 出 、 5 月 13 日 衆 ・ 厚 生 労 働 委 付 託 、 18 日 趣 旨 説 明 、 質 疑 お よ び 討 論 の 後 可 決 、 19 日 衆 ・ 本 会 議 可 決 、 全 会 一 致 。 5 月 24 日 参 ・ 厚 生 労 働 委 付 託 、 趣 旨 説 明 、 26 日 質 疑 の 後 可 決 、 27 日 参 ・ 本 会 議 討 論 の 後 可 決 、 成 立 、 全 会 一 致 。 [ 審 議 論 点 ] 児 童 相 談 所 の 体 制 ・ 権 限 を 強 化 す る 趣 旨 、 被 虐 待 児 童 へ の 自 立 支 援 策 等 れ 目 な く 発 達 障 害 者 の 支 援 を 行 う こ [ 趣 旨 ・ 内 容 ] ① 法 律 の 目 的 に 、 切 工 平 成 28 年 6 月 法 律 第 64 号 1 正 す る 法 律 発 達 障 害 者 支 援 法 の 一 部 を 改 と が 特 に 重 要 で あ る こ と 等 を 規 定 す 。 ② 発 達 障 害 者 の 定 義 を 、 発 達 障 害 が あ る 者 で 発 達 障 害 お よ び 社 会 的 障 壁 に よ り 日 常 生 活 ま た は 社 会 生 活 に 制 限 を 受 け る も の と す る 。 ③ 基 本 理 念 を 新 た に 規 定 す る 。 ④ 発 達 障 害 者 の 支 援 の た め の 施 策 と し て 、 発 達 障 害 者 の 教 育 、 就 労 、 地 域 に お け る 生 活 等 に 関 す る 支 援 、 権 利 利 益 の 擁 護 、 司 法 手 続 に お け る 配 慮 、 発 達 障 害 者 の 家 族 等 の 支 援 等 に つ い て 規 定 す る 。 ⑤ 発 達 障 害 者 支 援 セ ン タ ー 等 の 業 務 を 行 う に 当 た っ て は 、 発 達 障 害 者 等 が 可 能 な 限 り そ の 身 近 な 場 所 に お い て 必 要 な 支 援 を 受 け ら れ る よ う 配 慮 す る 。 ⑥ 都 道 府 県 が 、 地 域 の 実 情 に 応 じ た 発 達 障 害 者 の 支 援 体 制 の 整 備 に 関 し 協 議 す る 発 達 障 害 者 支 援 地 域 協 議 会 を 置 く こ と を 可 能 と す る 。 [ 施 行 期 日 ] 公 布 日 ( 2016 年 6 月 3 日 ) か ら 3 月 以 内 で 政 令 で 定 め る 日 [ 審 議 経 過 ] 2016 年 5 月 11 日 ( 190 国 会 ) 衆 ・ 厚 生 労 働 委 に お い て 起 草 、 同 日 同 委 員 長 提 出 、 委 員 会 審 査 を 省 略 し 、 12 日 衆 ・ 本 会 議 趣 旨 説 明 の 後 可 決 、 全 会 一 致 。 5 月 23 日 参 ・ 厚 生 労 働 委 付 託 、 24 日 趣 旨 説 明 の 後 可 決 、 25 日 参 ・ 本 会 議 可 決 、 成 立 、 全 会 一 致 。 日 障 害 者 の 日 常 生 活 及 び 社 会 生 活 を 総 合 的 に 支 援 す る た め の 法 律 及 び 児 童 福 祉 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 ユ 平 成 年 6 月 法 律 第 65 号 ] : [ 趣 旨 ・ 内 容 ] ① 重 度 訪 問 介 護 に つ い て 、 入 院 時 も 一 定 の 支 援 を 可 能 と す る 。 ② 施 設 入 所 支 援 や 共 同 生 活 援 助 を 利 用 し て い た 者 等 を 対 象 に 、 定 期 的 な 巡 回 訪 問 や 随 時 の 対 応 等 を 行 う 自 立 生 活 援 助 を 創 設 す る 。 ③ 事 業 所 ・ 家 族 と の 連 絡 調 整 等 の 支 援 を 行 う サ ー ビ ス を 創 設 す る 。 ④ 長 期 間 に わ た り 障 害 福 祉 サ ー ビ ス を 利 用 し て き た 低 所 得 の 高 齢 障 害 者 が 引 き 続 き 介 護 保 険 サ ー ビ ス を 利 用 す る 場 合 に 、 利 用 者 負 担 を 障 害 福 祉 制 度 に よ り 軽 減 で き る 仕 組 み を 設 け る 。 ⑤ 重 度 の 障 害 等 に よ り 外 出 が 困 難 な 障 害 児 の 居 宅 を 訪 問 し て 発 達 支 援 を 提 供 す る サ ー ビ ス を 創 設 す る 。 ⑥ 保 育 所 等 訪 問 支 援 に つ い て 、 乳 児 院 お よ び 児 童 養 護 施 設 に 入 所 し て い る 障 害 児 に 対 象 を 拡 大 す る 。 ⑦ 地 方 公 共 団 体 は 、 障 害 児 福 祉 計 画 を 定 め る こ と と す る 。 ⑧ 医 療 的 ケ ア を 要 す る 障 害 児 が 適 切 な 支 援 を 受 け ら れ る よ う 、 保 健 、 医 療 、 福 祉 等 の 連 携 促 進 に 努 め る 。 ⑨ 補 装 具 費 に つ い て 短 期 間 で の 交 換 が 必 要 と な る 障 害 児 の 場 合 等 に 補 装 具 の 貸 与 も 可 能 と す る 。 ⑩ 都 道 府 県 が サ ー ビ ス 事 業 所 の 事 業 内 容 等 の 情 報 を 公 表 す る 制 度 を 設 け る 。 [ 施 行 期 日 ] 一 部 を 除 き 、 2018 年 4 月 1 日 [ 審 議 経 過 ] 2016 年 3 月 1 日 ( 190 国 会 ) 内 閣 提 出 、 4 月 19 日 衆 ・ 本 会 議 趣 旨 説 明 お よ び 質 疑 、 同 日 衆 ・ 厚 生 労 働 委 付 託 、 22 日 趣 旨 説 明 、 5 月 10 日 質 疑 、 11 日 質 疑 お よ び 討 論 の 後 可 決 、 12 日 衆 ・ 本 会 議 可 決 、 共 産 、 生 活 、 社 民 反 対 。 5 月 18 日 参 ・ 厚 生 労 働 委 付 託 、 19 日 趣 旨 説 明 、 23 日 質 疑 、 24 日 質 疑 お よ び 討 論 の 後 可 決 、 25 日 参 ・ 本 会 議 可 決 、 成 立 、 共 産 、 社 民 、 生 活 等 反 対 。 [ 審 議 論 点 ] 就 労 支 援 の 在 り 方 、 高 齢 障 害 者 等 の 利 用 者 負 担 軽 減 策 、 障 害 児 支 援 の ニ ー ズ へ の 対 応 策 、 自 立 支 援 法 違 憲 訴 訟 の 被 告 国 と の 基 本 合 意 等 と 本 改 正 の 関 係 等

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120 LAW FORUM ロ ー ワ ォ ー ラ 4 最 新 立 法 イ ン フ ォ メ ー シ ョ ン 特 定 商 取 引 に 関 す る 法 律 の 部 を 改 正 す る 法 律 4 コ = - を 、 第 一 を 礙 工 平 成 28 年 6 月 法 律 第 写 リ [ 趣 旨 ・ 内 容 ] ① 主 務 大 臣 が 販 売 業 者 等 に 対 す る 業 務 停 止 命 令 が で き る 期 間 の 上 限 を 2 年 ( 現 行 1 年 ) と す る 。 ② 主 務 大 臣 は 、 販 売 業 者 等 に 対 し て 業 務 の 停 止 を 命 ず る 場 合 に 、 当 該 販 売 業 者 等 の 役 員 等 に 対 し 、 当 該 停 止 と 同 一 の 期 間 を 定 め て 、 当 該 停 止 を 命 す る 範 囲 の 業 務 を 新 た に 開 始 す る こ と 等 の 禁 止 を 命 ず る こ と が で き る こ と と す る 。 ③ 主 務 大 臣 は 、 の 法 律 に よ る 指 示 ま た は 命 令 を 行 う た め の 書 類 の 送 達 を 受 け る べ き 者 の 住 所 等 が 知 れ な い 場 合 等 に 、 公 示 送 達 を す る こ と が で き る こ と と す る 。 ④ 主 務 大 臣 は 、 処 分 事 業 者 に 対 し て 、 購 入 者 等 の 利 益 を 保 護 す る た め に 必 要 な 措 置 を 指 示 で き る こ と を 明 示 す る 。 ⑤ 電 話 勧 誘 販 売 に お い て 通 常 必 要 と さ れ る 分 量 を 著 し く 超 え る 量 の 商 品 の 売 買 契 約 の 締 結 に つ い て 勧 誘 す る こ と 等 を 指 示 等 の 対 象 と す る と と も に 、 購 入 者 等 に よ る 当 該 契 約 の 解 除 等 を 可 能 と す る 。 ⑥ 通 信 販 売 に お い て あ ら か じ め 承 諾 等 を 得 て い な い 相 手 へ の フ ァ ク シ ミ リ 装 置 を 利 用 し た 広 告 の 送 信 の 禁 止 、 訪 問 販 売 等 の 規 制 の 適 用 対 象 と な っ て い な か っ た 権 利 の 販 売 に 対 す る 規 制 の 拡 大 、 意 思 表 示 の 取 消 権 の 行 使 期 間 ( 現 行 6 月 ) を 1 年 と す る 、 罰 則 の 法 定 刑 を 全 般 的 に 引 き 上 げ る 等 の 措 置 を 講 ず る 。 [ 施 行 期 日 ] 一 部 を 除 き 、 公 布 日 ( 2016 年 6 月 3 日 ) か ら 1 年 6 月 以 内 で 政 令 で 定 め る 日 [ 審 議 経 過 ] 2016 年 3 月 4 日 ( 190 国 会 ) 内 閣 提 出 、 4 月 7 日 衆 ・ 消 費 者 問 題 に 関 す る 特 委 付 託 、 27 日 趣 旨 説 明 お よ び 質 疑 、 28 日 質 疑 の 後 可 決 、 5 月 10 日 衆 ・ 本 会 議 可 決 、 全 会 一 致 。 5 月 11 日 参 ・ 本 会 議 趣 旨 説 明 お よ び 質 疑 、 同 日 参 ・ 地 方 ・ 消 費 者 問 題 に 関 す る 特 委 付 託 、 13 日 趣 旨 説 明 、 18 日 質 疑 、 20 日 質 疑 の 後 可 決 、 25 日 参 ・ 本 会 議 可 決 、 成 立 、 全 会 一 致 。 [ 審 議 論 点 ] 悪 質 事 業 者 へ の 法 執 行 の 強 化 、 法 の 解 釈 の 周 知 徹 底 、 実 態 を 踏 ま え た 勧 誘 規 制 強 化 の 必 要 性 等 日 消 費 者 契 約 法 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 工 平 成 28 年 6 月 法 律 第 61 号 工 [ 趣 旨 ・ 内 容 ] ① 消 費 者 が 、 事 業 者 が 消 費 者 契 約 の 締 結 に つ い て 勧 誘 を す る に 際 し 、 物 品 等 の 当 該 消 費 者 契 約 の 目 的 と な る も の の 分 量 等 が 当 該 消 費 者 の 通 常 の 分 量 等 を 著 し く 超 え る こ と を 知 っ て い た 場 合 等 に 、 そ の 勧 誘 に よ る 当 該 消 費 者 契 約 の 申 込 み ま た は 承 諾 の 意 思 表 示 の 取 消 し を 可 能 と す る 。 ② 事 業 者 が 事 実 と 異 な る こ と を 告 げ た 場 合 に 消 費 者 が 意 思 表 示 の 取 消 し が で き る 対 象 で あ る 重 要 事 項 と し て 、 当 該 消 費 者 契 約 の 目 的 と な る も の が 当 該 消 費 者 の 生 命 、 身 体 、 財 産 等 の 重 要 な 利 益 に つ い て の 損 害 ま た は 危 険 の 回 避 に 通 常 必 要 で あ る と 判 断 さ れ る 事 情 を 追 加 す る 。 ③ 消 費 者 契 約 法 の 規 定 に よ る 取 消 権 は 、 追 認 で き る と き か ら 1 年 間 ( 現 行 6 月 間 ) 行 わ な い と き は 時 効 に よ り 消 滅 す る こ と と す る 。 ④ 事 業 者 の 債 務 不 履 行 に よ り 生 じ た 消 費 者 の 解 除 権 を 放 棄 さ せ る 条 項 を 無 効 と す る 。 [ 施 行 期 日 ] 一 部 を 除 き 、 2017 年 6 月 3 日 [ 審 議 経 過 ・ 審 議 論 点 ] 参 ・ 本 会 議 趣 旨 説 明 及 び 質 疑 が な か っ た 点 を 除 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / no. 741 の 進 展 に 伴 う 対 応 の 課 題 等 [ 審 議 論 点 ] 金 融 サ ー ビ ス 業 の I T 共 産 、 社 民 、 生 活 等 反 対 。 可 決 、 25 日 参 ・ 本 会 議 可 決 、 成 立 、 趣 旨 説 明 、 24 日 質 疑 お よ び 討 論 の 後 5 月 11 日 参 ・ 財 政 金 融 委 付 託 、 12 日 会 議 可 決 、 共 産 、 生 活 、 社 民 反 対 。 疑 お よ び 討 論 の 後 可 決 、 28 日 衆 ・ 本 金 融 委 付 託 、 26 日 趣 旨 説 明 、 27 日 質 国 会 ) 内 閣 提 出 、 4 月 25 日 衆 ・ 財 務 [ 審 議 経 過 ] 2016 年 3 月 4 日 ( 190 日 ) か ら 1 年 以 内 で 政 令 で 定 め る 日 [ 施 行 期 日 ] 公 布 日 ( 2016 年 6 月 3 分 別 管 理 等 の 規 定 を 整 備 す る 。 利 用 者 が 預 託 し た 金 銭 や 仮 想 通 貨 の 時 に お け る 本 人 確 認 等 を 義 務 付 け 、 通 貨 交 換 業 を 登 録 制 と し 、 口 座 開 設 依 存 の 要 件 を 一 部 緩 和 す る 。 ④ 仮 想 に 求 め ら れ る 当 該 銀 行 に 対 す る 収 入 の 子 会 社 で あ る 従 属 業 務 を 営 む 会 社 は 保 有 す る こ と を 認 め る ほ か 、 銀 行 関 連 I T 企 業 等 の 議 決 権 を 取 得 ま た 受 け て 、 基 準 議 決 権 数 を 超 え て 金 融 銀 行 ま た は 銀 行 持 株 会 社 が 、 認 可 を に 一 元 化 す る こ と を 可 能 と す る 。 ③ 行 の 委 託 先 管 理 義 務 を 銀 行 持 株 会 社 プ 内 子 会 社 へ の 業 務 集 約 の 際 に 、 銀 よ る 実 施 を 認 め る ほ か 、 金 融 グ ル ー い て 、 認 可 を 受 け た 銀 行 持 株 会 社 に 融 グ ル ー プ 内 の 共 通 ・ 重 複 業 務 に つ ー プ の 経 営 管 理 を 義 務 付 け る 。 ② 金 ル ー プ 頂 点 の 銀 行 に 対 し 、 金 融 グ ル [ 趣 旨 ・ 内 容 ] ① 銀 行 持 株 会 社 や グ 平 成 年 6 月 法 律 第 62 号 1 、 等 の 一 部 を 改 正 す る 法 律 変 化 に 対 応 す る た め の 銀 行 法 日 情 報 通 信 技 術 の 進 展 等 の 環 境 を 改 正 す る 法 律 に 同 じ 。 き 、 特 定 商 取 引 に 関 す る 法 律 の 一 部

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は 当 時 の 西 欧 列 強 に よ る 植 民 地 の 「 文 明 化 」 を 宣 伝 Y (NHK) は 、 明 治 以 降 の 近 現 代 史 を 検 証 す る す る 場 が 「 人 間 動 物 園 」 と 呼 ば れ て い た も の を 真 似 シ リ ー ズ 番 組 の 制 作 を 企 画 し 、 シ リ ー ズ 第 1 回 目 と た も の で あ る と 説 明 し 、 ③ 博 覧 会 で 販 売 さ れ て い た し て 「 ア ジ ア の 。 ー 等 国 " 」 と 題 す る 番 組 ( 以 下 「 本 パ イ ワ ン 族 の 人 々 の 写 真 映 像 と と も に 、 何 か を 見 な 件 番 組 」 と す る ) を 平 成 21 年 4 月 5 日 に 放 送 し た 。 が ら 「 か な し い 」 と 述 べ る X の 映 像 と 、 X が 博 覧 会 に 出 演 し た 青 年 の 娘 で あ る 旨 の 字 幕 を 表 示 す る な ど X は 、 台 湾 南 部 に 居 住 す る パ イ ワ ン 族 の 女 性 で あ り 、 本 件 番 組 に 出 演 し た 。 本 件 番 組 は 、 ① 日 本 の 台 湾 統 し た 。 治 を 「 日 本 の 最 初 の 植 民 地 」 と 説 明 し 、 民 族 衣 装 で X は 、 本 件 番 組 が 日 英 博 覧 会 へ の パ イ ワ ン 族 の 出 正 装 し た パ イ ワ ン 族 の 集 合 写 真 の 映 像 と と も に 「 人 演 を 「 人 間 動 物 園 」 と 称 し た 上 、 X の 父 親 を 動 物 扱 間 動 物 園 」 と 表 示 し 、 続 い て 、 ② 明 治 43 年 に ロ ン ド い し 、 X を そ の 娘 で あ る と し て 紹 介 し た こ と で X 自 ン で 開 催 さ れ た 日 英 博 覧 会 で 、 日 本 は パ イ ワ ン 族 の 身 を 動 物 扱 い し て そ の 名 誉 を 毀 損 し た と し て 、 Y に 男 女 24 人 を 「 人 間 動 物 園 」 と し て 展 示 し た が 、 こ れ 対 し て 不 法 行 為 に 基 づ く 損 害 賠 償 を 請 求 し た 。 [ 最 ー 小 判 平 28 ・ 1 ・ 21 判 タ 1422 号 68 頁 ] に 提 供 さ れ る 情 報 を 瞬 時 に 理 解 す る こ と を 余 儀 な 台 湾 統 治 中 の 日 本 が 、 国 際 博 覧 会 で 台 湾 の 一 民 く さ れ る こ と か ら 、 摘 示 さ れ た 事 実 が ど の よ う な 族 を 展 示 し 差 別 的 な 取 扱 い を し た と い う 事 実 を 摘 も の で あ っ た か は 、 番 組 の 全 体 的 な 構 成 、 発 言 示 す る テ レ ビ 番 組 は 、 出 演 者 の 名 誉 を 毀 損 す る か 。 フ リ ッ プ ・ テ ロ ッ プ 等 の 文 字 情 報 、 映 像 内 容 ・ 効 果 音 ・ ナ レ ー シ ョ ン 等 の 情 報 内 容 、 放 送 内 容 全 体 破 棄 自 判 。 「 テ レ ビ ジ ョ ン 放 送 が さ れ た 番 組 の か ら 受 け る 印 象 等 を 総 合 的 に 考 慮 す べ き と す る 判 断 基 準 を 示 し て い る 。 原 審 は 、 こ の 平 成 15 年 判 決 内 容 が 人 の 社 会 的 評 価 を 低 下 さ せ る か に つ い て の 判 断 基 準 に 基 づ き 、 詳 細 な 事 実 認 定 を 行 い 、 Y は 、 一 般 の 視 聴 者 の 普 通 の 注 意 と 視 聴 の 仕 方 と を 基 準 と し て 判 断 す べ き で あ る ( 最 高 裁 平 成 14 年 が X の 社 会 的 評 価 を 低 下 さ せ 名 誉 を 侵 害 し た と し ( 受 ) 第 846 号 同 15 年 10 月 16 日 第 一 小 法 廷 判 決 ・ 民 て X の 請 求 を 一 部 認 容 し た ( 東 京 高 判 平 25 ・ 11 ・ 集 57 巻 9 号 1075 頁 参 照 ) 。 」 「 本 番 組 を 視 聴 し た 一 28 判 時 2216 号 52 頁 ) 。 本 判 決 は 平 成 15 年 判 決 を 踏 般 の 視 聴 者 に お い て は 、 日 本 が 、 約 100 年 前 で あ ま え な が ら も ( 原 審 の 詳 細 な 事 実 認 定 に 対 応 す る る 明 治 43 年 、 台 湾 統 治 の 成 果 を 世 界 に 示 す 目 的 で 、 説 示 を 示 す こ と な く ) X の 請 求 を 棄 却 し た 。 一 般 西 欧 列 強 が 野 蛮 で 劣 っ た 植 民 地 の 人 間 を 文 明 化 さ の 視 聴 者 が 、 本 件 番 組 の 全 体 的 な 構 成 ・ 内 容 を 普 せ て い る と 宣 伝 す る た め に 行 っ た 「 人 間 動 物 園 』 通 の 注 意 と 視 聴 の 仕 方 で み た 場 合 、 当 時 の 日 本 が と 呼 ば れ る 見 せ 物 を ま ね て 、 X の 父 親 を 含 む パ イ 日 英 博 覧 会 で パ イ ワ ン 族 を 展 示 す る と い う 差 別 的 ワ ン 族 を 日 英 博 覧 会 に 連 れ て 行 き 、 そ の 暮 ら し ぶ な 取 扱 を し た と い う 事 実 が 摘 示 さ れ た も の と 理 解 り を 展 示 す る と い う 差 別 的 な 取 り 扱 い を し た と い す る の が 通 常 で あ り 、 妥 当 な 結 論 で あ る と 思 わ れ う 事 実 を 摘 示 す る も の と 理 解 す る の が 通 常 で あ る る 。 と い え る 。 本 件 番 組 が 摘 示 し た こ の よ う な 事 実 に 平 成 15 年 判 決 に 前 後 し て 、 NHK が 放 送 し た 番 よ り 、 一 般 の 視 聴 者 が 、 X の 父 親 が 動 物 園 の 動 物 組 に 関 す る 最 高 裁 判 決 が 出 て い る 。 法 律 上 、 放 送 事 業 者 が ど の よ う な 内 容 の 放 送 を す る か 、 す な わ と 同 じ よ う に 扱 わ れ る べ き 者 で あ り 、 そ の 娘 で あ る X 自 身 も 同 様 に 扱 わ れ る べ き 者 で あ る と 受 け 止 ち 、 ど の よ う に 番 組 の 編 集 を す る か は 、 表 現 の 自 由 の 保 障 の 下 、 公 共 の 福 祉 の 適 合 性 に 配 慮 し た 放 め る と は 考 え 難 く 、 し た が っ て 本 件 番 組 の 放 送 に よ り X の 社 会 的 評 価 が 低 下 す る と は い え な い 。 そ 送 事 業 者 の 自 律 的 判 断 に ゆ だ ね ら れ ( 最 ー 小 判 平 う す る と 、 本 件 番 組 は x の 名 誉 を 棄 損 す る も の で 20 ・ 6 ・ 12 判 タ 1280 号 98 頁 ) 、 真 実 で な い 事 項 の は な い と い う べ き で あ る 。 」 放 送 に よ り 権 利 の 侵 害 を 受 け た 者 は , 放 送 事 業 者 に 対 し , 放 送 法 4 条 1 項 の 規 定 に 基 づ く 訂 正 又 は 本 判 決 は 、 テ レ ビ 放 送 番 組 の 内 容 が 人 の 社 会 的 取 消 し の 放 送 を 求 め る 私 法 上 の 権 利 を 有 し な い と 評 価 を 低 下 さ せ る か 否 か は 一 般 の 視 聴 者 の 普 通 の さ れ る ( 最 ー 小 判 平 16 ・ 11 ・ 25 民 集 58 巻 8 号 2326 頁 ) 。 テ レ ビ 放 送 に よ る 人 権 侵 害 の 救 済 に は 、 放 注 意 と 視 聴 の 仕 方 と を 基 準 と し て 判 断 す べ き で あ る と す る 最 ー 小 判 平 15 ・ 10 ・ 16 民 集 57 巻 9 号 1075 送 事 業 者 の 自 主 的 対 応 は も ち ろ ん 、 第 三 者 機 関 で 頁 ( 以 下 「 平 成 15 年 判 決 」 と す る ) を 引 用 し 、 第 あ る BPO ( 放 送 倫 理 ・ 番 組 向 上 機 構 ) が 果 た す 1 審 判 決 ( 東 京 地 判 平 24 ・ 12 ・ 14 判 時 2216 号 61 頁 ) 役 割 も 重 要 で あ り 、 訴 訟 以 前 の 解 決 ア プ ロ ー チ が を 正 当 と し て X の 上 告 を 棄 却 し た 。 柔 軟 に 機 能 す る こ と が 強 く 求 め ら れ て い る 。 法 学 セ ミ ナ ー 平 成 15 年 判 決 は 、 テ レ ビ 放 送 で は 視 聴 者 が 次 々 2016 / 10 / n0741 新 2 事 実 の 概 要 が 放 送 し た テ レ ビ 番 組 に よ る 台 湾 住 民 の 名 誉 棄 損 と 不 法 行 為 最 新 判 例 演 習 室 ー ー 民 法 裁 判 所 の 判 断 聖 心 女 子 大 学 准 教 授 松 浦 聖 子

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[ 特 集 引 ス ラ ッ プ 訴 049 う 力 が あ ま り に も 弱 く 、 圧 力 団 体 に す ら な っ て い な 6 ) 筆 者 が SLAPP の こ と を 知 っ た の は 、 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト 事 件 に つ き 、 筆 者 と 元 メ ン バ ー 二 人 が 2 億 円 を 超 え る い の が 現 状 で あ る 22 。 過 去 、 賠 償 の 高 騰 化 に 対 し て 名 誉 棄 損 訴 訟 を 提 起 さ れ た こ と を 、 2006 年 6 月 、 コ ロ ラ も 、 現 実 の 悪 意 の 法 理 の 実 現 に 対 し て も 、 SLAPP ド 州 デ ン バ ー で 開 か れ た 国 際 カ ル ト 研 究 学 会 訴 訟 に 対 し て も 、 あ ま り に も メ デ ィ ア は 反 応 が 弱 い 。 (lnternational cultic Stu dies Association ) で 発 表 し た 本 来 メ デ ィ ア の 表 現 の 自 由 が 十 分 に 確 保 さ れ る た め と こ ろ 、 参 加 者 の 中 に 、 カ ル ト か ら SLAPP の 被 害 を 受 け 、 逆 に 損 害 賠 償 を 勝 ち 取 っ た 経 験 を 持 っ 女 性 が い て 、 同 人 に は 、 ま さ に 取 材 源 た る お 金 も な い 一 般 市 民 の 「 自 か ら AntiSLAPP 法 の 存 在 を 教 え ら れ た こ と が き っ か け 由 」 を 確 保 し て お く こ と が 絶 対 に 必 要 で あ る 。 で あ る 。 な お 米 国 文 献 と し て 、 fSLAPPs GETTING SLAPP は 、 ま さ に 情 報 流 の 上 流 に あ る 一 般 市 民 の SUED FOR SPEAKING OUT 』 (George W. Pring and Penelope Canan, TEMPLE UNIVERSITY PRESS, 活 動 を タ ー ゲ ッ ト と す る も の で あ る 。 市 民 → 社 会 ( イ 1996 ) が 初 発 の も の と し て 重 要 で あ る 。 ン タ ー ネ ッ ト や マ ス コ ミ も 含 む ) → 市 民 の 各 自 由 は 、 7 ) 澤 藤 統 一 郎 「 ス ラ ッ プ 成 功 体 験 を さ せ て は な ら な い 有 機 的 に つ な が っ て い る 。 し た が っ て 、 メ デ ィ ア で DHC ス ラ ッ プ 訴 訟 の 当 事 者 と し て 」 消 費 者 法 ニ ュ ー ス 106 号 ( 2016 年 1 月 号 ) 。 働 く 方 に ぜ ひ 知 っ て お い て も ら い た い の は 、 一 般 市 8 ) 本 特 集 の 瀬 木 比 呂 志 の 論 稿 参 昭 民 の 持 つ 自 由 に 対 す る SLAPP な ど の 脅 威 は 結 局 9 ) た と え ば 前 掲 注 2 ) の 「 ら あ め ん 花 月 事 件 」 。 メ デ ィ ア の 表 現 の 自 由 に 跳 ね 返 っ て く る 問 題 で あ 10 ) 山 本 ゆ か り 「 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト 事 件 ー ー 消 費 者 被 害 者 に 対 す る 加 害 者 側 に よ る SLAPP 事 例 」 消 費 者 法 ニ ュ り 、 他 人 事 で は な い こ と で あ る 。 ー ス 106 号 ( 2016 年 1 月 号 ) 17 頁 。 な お 前 掲 注 1 ) 参 昭 日 本 で も 、 Anti SLAPP 法 の 制 定 が 急 務 で あ る 。 (1) 本 特 集 の 藤 田 尚 則 の 論 稿 参 照 。 12 ) 米 国 の デ ィ ス カ バ リ ー 制 度 が 、 社 会 的 、 経 済 的 弱 者 1 ) た と え ば ホ ー ム オ ブ ハ ー ト 事 件 。 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト に 不 利 に 作 用 す る 可 能 性 が あ る こ と に つ い て は 、 紀 藤 正 事 件 の 事 案 の 概 要 に つ い て は 、 東 京 地 方 裁 判 所 平 成 19 年 樹 「 民 事 裁 判 に お け る 証 拠 ・ 情 報 収 集 の 拡 充 と 課 題 陳 2 月 26 日 付 け 判 決 「 自 己 啓 発 セ ミ ナ ー の 主 催 者 に よ る マ 述 録 取 制 度 ( 2 滑 子 案 の 陳 述 録 取 制 度 に 対 す る 疑 問 」 自 由 と 正 義 62 巻 1 号 ( 2011 年 1 月 ) 32 頁 参 照 。 イ ン ド コ ン ト ロ ー ル が 違 法 で あ る と し て セ ミ ナ ー 生 か ら の 損 害 賠 償 請 求 及 び 慰 謝 料 請 求 が 認 容 さ れ た 事 例 」 ( 判 13 ) た と え ば 筆 者 は 、 2016 年 7 月 2 日 ( 現 地 時 間 ) 、 テ キ 例 時 報 1965 号 81 頁 ) 参 照 。 サ ス 州 ダ ラ ス 市 に お い て 開 催 さ れ た 「 国 際 カ ル ト 研 究 学 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト 事 件 の SLAPP と し て の 側 面 に つ い 会 (international Cultic Studies Association) 」 で の 発 表 『 Role of legal professionals in the process of Cult て は 、 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト の 元 メ ン バ ー で あ り 被 害 者 で も あ っ た 山 本 ゆ か り 氏 の 論 稿 ( 「 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト 事 件 Survivor S Recovery ー ー Lawyers ROles and Survivor S - ー ー 消 費 者 被 害 者 に 対 す る 加 害 者 側 に よ る SLAPP 事 例 」 efforts 』 に お い て 、 SLAPP と SDAPP の 問 題 と そ の 類 似 消 費 者 法 ニ ュ ー ス 106 号 ( 2016 年 1 月 号 ) お よ び Toshl 「 洗 性 を 発 表 し た 。 14 ) 本 特 集 の 澤 藤 統 一 郎 の 論 稿 参 照 。 脳 地 獄 の 12 年 か ら の 生 還 』 ( 講 談 社 、 2014 年 7 月 23 日 ) 15 ) 日 栄 ( ロ プ ロ ) 事 件 で は 、 日 栄 は 、 日 栄 問 題 を 告 発 参 昭 2 ) た と え ば 「 ら あ め ん 花 月 事 件 」 ( 最 ー 小 決 平 22 ・ 3 ・ し た 退 職 社 員 お よ び こ の 事 件 を 担 当 し た 弁 護 士 7 人 に 名 15 判 タ 1321 号 93 頁 、 判 時 2075 号 160 頁 ) 。 事 件 の 全 容 に つ 誉 毀 損 の 訴 訟 を お こ し た だ け で な く 、 弁 護 士 に 対 し て は い て は 、 紀 藤 正 樹 「 イ ン タ ー ネ ッ ト 上 の 表 現 に 対 す る 名 懲 戒 請 求 の 申 し 立 て ま で し て い る 。 ホ ー ム オ ブ ハ ー ト 事 誉 棄 損 事 件 」 法 学 セ ミ ナ ー 674 号 ( 2011 年 2 月 号 ) 。 こ 件 で も 、 元 メ ン バ ー 二 人 だ け で な く 、 担 当 弁 護 士 で あ る の 事 件 も 当 初 は 、 名 誉 棄 損 訴 訟 と い う 民 事 事 件 か ら 始 ま 筆 者 ら 2 名 の 弁 護 士 に 対 し 名 誉 毀 損 の 訴 訟 や 懲 戒 請 求 を お こ し て き た 。 両 SLAPP 事 件 を 代 理 し た 法 律 事 務 所 が っ た 。 3 ) 山 口 広 ・ 滝 本 太 郎 ・ 紀 藤 正 樹 TQ & A 宗 教 ト ラ ブ 同 一 で あ る こ と も 象 徴 的 で あ る 。 16 ) 本 特 集 の 小 園 恵 介 、 佃 克 彦 の 各 論 稿 参 昭 ル 110 番 〔 第 3 版 〕 』 ( 民 事 法 研 究 会 、 2015 年 3 月 10 日 ) 。 17 ) 判 例 タ イ ム ズ 「 特 集 損 害 賠 償 請 求 訴 訟 に お け る 損 な お 同 書 の 初 版 は 、 1999 年 4 月 2 日 。 害 額 の 算 定 』 判 タ 1070 号 ( 2001 年 11 月 15 日 号 ) 参 照 。 4 ) SLAPP と い う 言 葉 が 、 法 律 実 務 家 に 急 速 に 普 及 し た 18 ) 最 大 判 昭 44 ・ 6 ・ 25 刑 集 23 巻 7 号 975 頁 。 こ と に つ い て は 、 烏 賀 陽 弘 道 氏 の 功 績 が 大 き い ( 同 人 の 著 書 「 ス ラ ッ プ 訴 訟 と は 何 か ー ー 一 裁 判 制 度 の 悪 用 か ら 言 19 ) 東 京 地 判 平 20 ・ 2 ・ 29 判 タ 1277 号 46 頁 、 判 時 2009 号 151 頁 。 な お 控 訴 審 で は 逆 に 従 来 基 準 に 従 い 有 罪 と さ れ 、 論 の 自 由 を 守 る 』 〔 現 代 人 文 社 、 2015 年 6 月 5 日 〕 参 照 ) 。 5 ) 筆 者 が 起 案 を 担 当 し た 意 見 書 は 4 つ あ り 、 い す れ も 最 高 裁 判 決 で も 同 判 決 が 維 持 さ れ る 結 果 と な っ た 。 前 掲 注 2 ) 参 照 。 タ イ ト ル は 「 「 提 訴 手 数 料 の 低 ・ 定 額 化 に 関 す る 立 法 提 20 ) 本 特 集 の 澤 藤 統 一 郎 の 論 稿 参 照 。 言 案 』 に 対 す る 意 見 書 」 で あ る 。 二 弁 消 費 者 問 題 対 策 委 21 ) 紀 藤 正 樹 「 業 務 妨 害 対 策 部 会 設 置 の お 知 ら せ 」 員 会 ・ 業 務 妨 害 対 策 委 員 会 名 の も の は 12 月 4 日 付 け 、 日 NIBEN Frontier2007 年 5 月 号 20 頁 。 弁 消 費 者 問 題 対 策 委 員 会 名 の も の は 12 月 18 日 付 け 、 同 業 22 ) こ の 点 を 率 直 に 指 摘 し た 本 特 集 の 三 宅 勝 久 の 論 稿 参 務 妨 害 対 策 委 員 会 名 の も の は 12 月 24 日 付 け で あ る 。 主 体 の 違 い に よ り 、 そ の 内 容 は 微 妙 に 異 な る も の の 、 ほ ほ 本 ( き と う ・ ま さ き ) 文 で 引 用 し た も の と 同 旨 で あ る 。

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の 金 融 機 関 の 積 極 的 態 度 、 状 況 の 変 化 に も か か わ ら す 融 資 証 明 書 の 返 却 を 受 け て い な い こ と な ど は 、 責 任 肯 定 へ の 積 極 材 料 と な っ て い る 。 ( な お 本 件 で は 、 融 資 拒 絶 に 至 っ た 顧 客 側 の 言 動 や 、 事 業 計 画 そ の も の の 難 点 、 損 害 拡 大 防 止 の 可 能 性 な ど は は 過 失 相 殺 の 対 象 と し て 考 慮 さ れ て い る 。 ) 判 決 の 射 程 は 、 お そ ら く 融 資 証 明 書 が 発 行 さ れ た 場 合 に 限 ら れ る も の で は な く 、 融 資 交 渉 や 融 資 予 約 一 般 に 及 び う る 。 従 っ て 、 金 融 機 関 と し て は 、 金 銭 交 付 前 で も 、 融 資 金 額 、 借 入 期 間 、 利 率 、 担 保 、 保 証 人 な ど 契 約 の 主 要 な 部 分 が あ る 程 度 特 定 し て い れ ば 、 明 示 的 留 保 や 破 産 に 匹 敵 す る よ う な 著 し い 信 用 不 安 等 の 合 理 的 理 由 が な い 限 り 、 予 定 さ れ た 時 期 に お け る 一 方 的 融 資 拒 絶 は 債 務 不 履 行 と な り 得 る こ と 、 ま た 、 金 融 機 関 に よ る 融 資 へ の 確 定 的 意 思 表 明 が な い 場 合 で も 、 相 手 方 が そ う と 信 じ る 合 理 的 な 理 由 が あ り 、 相 手 方 に よ る 融 資 を 前 提 と し た 出 捐 や 負 担 の 実 行 を 金 融 機 関 が 識 ま た は 認 識 し 得 べ き 場 合 に は 、 正 当 な 理 由 な く 融 ル い 卩 資 を 拒 む こ と は 信 義 則 上 の 注 意 義 務 違 反 ( ま た は 契 約 締 結 上 の 過 失 ) と な り う る こ と に 留 意 す べ き で あ る 。 ( 3 ) 業 務 提 携 取 引 交 渉 ( 東 京 地 判 平 成 1 8 ・ 2 ・ 1 8 判 時 1928 号 3 頁 = 河 上 ・ リ マ ー ク ス 34 号 IO 事 件 ) 事 件 の 経 緯 は 次 の 通 り で あ る 。 本 件 は 、 と も に 著 名 な 大 手 金 融 機 関 ・ 金 融 グ ル ー プ で あ る XY の 間 で 業 務 提 携 等 を 企 図 し た 協 働 事 業 化 に 関 す る 基 本 合 意 が 、 の ち に 白 紙 撤 回 さ れ 、 つ い で Y と A の 間 で の 経 営 統 合 に 至 っ た こ と で 、 M & A の 交 渉 問 題 が 司 法 判 断 の 対 象 と さ れ た 点 で 社 会 的 耳 目 を 集 め た 事 件 で あ る 。 平 成 16 年 5 月 21 日 、 X は Y ら と の 間 で 事 業 再 編 と 両 グ ル ー プ の 業 務 提 携 ・ 協 働 事 業 化 に 関 す る 基 本 合 意 書 を 作 成 し た 。 同 合 意 書 8 条 1 項 は 、 「 各 当 事 者 は 、 事 業 ・ 会 計 ・ 法 務 等 に 関 す る 検 討 、 関 係 当 局 の 確 認 状 況 又 は 調 査 の 結 果 等 を 踏 ま え 、 誠 実 に 協 議 の 上 、 2004 年 7 月 末 ま で を 目 途 に 協 働 事 業 化 の 詳 細 条 件 を 規 定 す る 基 本 契 約 書 を 締 結 し 、 そ の 後 実 務 上 可 能 な 限 り 速 や か に 、 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 書 を 締 結 す る 」 と 定 め た 。 ま た 、 同 12 条 は 、 そ の 前 段 で 、 「 各 当 事 者 は 、 本 基 本 合 意 書 に 定 め の な い 事 項 若 し く は 本 基 本 合 意 書 の 条 項 に つ い て 疑 義 が 生 じ た 場 合 、 誠 実 に こ れ を 協 議 す る も の と す る 」 と し 、 後 段 で 、 「 各 当 事 者 は 、 直 接 又 は 間 接 を 問 わ ず 、 第 三 者 に 対 し 又 は 第 三 者 073 債 権 法 講 義 [ 各 論 ] 7 と の 間 で 本 基 本 合 意 書 の 目 的 と 抵 触 し う る 取 引 等 に か か る 情 報 提 供 ・ 協 議 を 行 わ な い も の と す る 」 と 定 め て い た 。 と こ ろ が 、 平 成 16 年 7 月 13 日 、 Y ら は 、 急 迫 し た 経 営 上 の 窮 状 を 乗 り 切 る た め に は A と 経 営 統 合 す る 以 外 に 採 る べ き 方 策 は な い と の 経 営 判 断 を な す に い た り 、 X に 対 し 本 件 協 働 事 業 化 の 白 紙 撤 回 を 通 告 し 、 そ の 後 、 X と の 間 で 協 働 事 業 化 に 向 け た 交 渉 を 行 わ な か っ た 。 ま た 同 月 14 日 、 X は 、 本 件 対 象 営 業 等 も 統 合 対 象 と す る 経 営 統 合 を A に 申 入 れ 、 両 社 は 経 営 統 合 に 関 す る 協 議 ・ 作 業 を 進 め た ( Y ら と A グ ル ー プ 各 社 は 、 そ れ ぞ れ 平 成 17 年 2 月 18 日 に 統 合 契 約 書 、 同 年 4 月 20 日 に 合 併 契 約 書 を 締 結 し 、 各 合 併 は 、 い ず れ も 同 年 6 月 に 開 催 さ れ た 各 社 株 主 総 会 で 承 認 さ れ た ) 。 本 件 に お い て 、 X は 、 Y ら が 基 本 合 意 に 基 づ く 最 終 契 約 締 結 義 務 又 は 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 に 違 反 し あ る い は 一 方 的 に 基 本 合 意 を 破 棄 し た こ と を 理 由 に 、 Y ら に 対 し 、 債 務 不 履 行 又 は 不 法 行 為 に 基 づ く 損 害 賠 償 と し て 、 履 行 利 益 相 当 の 損 害 金 2331 億 円 の 一 部 で あ る 1000 億 円 及 び こ れ に 対 す る 遅 延 損 害 金 の 支 払 を 求 め た 。 本 案 に 先 立 ち 、 X は 、 Y と A の 経 営 統 合 に 関 す る 協 議 を 差 止 め る べ く 仮 処 分 命 令 の 申 立 て を な し 、 一 旦 は こ れ が 認 容 さ れ た が ( 東 京 地 決 平 成 16 ・ 7 ・ 27 、 [ 異 議 審 ] 東 京 地 決 平 成 16 ・ 8 ・ 4 ) 、 保 全 坑 告 で 仮 処 分 決 定 が 取 り 消 さ れ ( 東 京 高 決 平 成 16 ・ 8 ・ (1) 、 最 高 裁 [ 第 3 小 ] 平 成 16 ・ 8 ・ 30 決 定 ( 民 集 58 巻 6 号 1763 頁 ) も 、 保 全 の 必 要 性 を 欠 く こ と を 理 由 に X の 抗 告 を 棄 却 し た ( 最 高 裁 決 定 に つ い て は 、 沖 野 眞 巳 ・ ジ ュ リ ス ト 1291 号 68 頁 ) 。 本 件 の 主 た る 争 点 は 、 ① 平 成 16 年 7 月 13 日 当 時 、 Y ら が 本 件 基 本 合 意 に 基 づ い て X と の 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 を 締 結 す る 義 務 を 負 っ て い た か 、 ② 法 130 条 の 適 用 若 し く は 類 推 適 用 等 に よ り 、 Y ら が 本 件 協 働 事 業 化 に 関 す る 最 終 契 約 を 締 結 す る 義 務 を 負 っ て い た か 乂 は 同 契 約 カ 結 さ れ た と み な す こ と が で き る か 、 ③ Y ら が 本 件 基 本 合 意 に 基 づ い て 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 を 負 う か 、 ④ Y ら の 独 占 交 渉 義 務 及 び 誠 実 協 議 義 務 が 平 成 16 年 7 月 13 日 に 消 滅 し た か 、 ⑤ Y ら の 債 務 不 履 行 又 は 不 法 行 為 と 相 当 因 果 関 係 に あ る 損 害 の 額 で あ る 。 判 決 は 、 各 争 点 に つ い て 、 次 の よ う に 述 べ 、 x の 請 求 を 棄 却 し た 。 各 論 点 に つ い て の 結 論 は 次 の 通 り で あ る 。

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1 OO 法 学 セ ミ ナ ー 2016 / 10 / n0741 LAW CLASS に お い て 、 加 盟 店 に は 2 項 詐 欺 罪 が 成 立 す る 。 こ れ に 対 し て 、 名 義 人 に 対 す る 関 係 に お い て も 1 項 詐 欺 罪 の 成 立 を 認 め る こ と は 、 ク レ ジ ッ ト 契 約 の 基 礎 が 業 者 に よ る 立 替 払 い に あ る 点 を 看 過 す る か 、 カ ー ド 会 社 に 対 す る 関 係 で 1 項 詐 欺 罪 が 成 立 す る こ と と 両 立 し な い の で あ っ て 、 不 当 で あ る 。 さ て 、 先 行 の 1 項 詐 欺 罪 と 後 行 の 2 項 詐 欺 罪 の 罪 数 処 理 に つ い て は 、 そ れ ら の 財 産 侵 害 が 表 裏 一 体 の 関 係 に あ る 以 上 、 ( 混 合 的 ) 包 括 一 罪 と す る か 、 後 行 の 2 項 詐 欺 罪 を 不 可 罰 ( 共 罰 ) 的 事 後 行 為 と す れ ば 足 り る 。 ク レ ジ ッ ト カ ー ド の 不 正 使 用 の 事 例 に お い て は 、 資 力 の な い 名 義 人 に 代 わ っ て 、 カ ー ド 会 社 が 財 産 的 損 害 を 最 終 的 に 被 る こ と が 多 い と 想 定 さ れ る た め 、 こ の こ と を 中 心 に 詐 欺 罪 の 成 否 を 検 討 す る べ き で あ ろ う 。 15 ) 先 行 す る カ ー ド の 窃 取 等 に 対 し て 、 後 行 の カ ー ド の 不 正 使 用 が 「 新 た な 法 益 侵 害 」 を 惹 起 す る 場 合 は 、 先 行 犯 罪 で あ る 窃 盗 罪 等 と 、 後 行 犯 罪 と し て 検 討 さ れ る 詐 欺 罪 は 併 合 罪 の 関 係 ( 45 条 ) に あ る と 解 さ れ る 。 詳 し く は 、 田 山 聡 美 「 盗 ん で 、 壊 し て 、 そ の 手 を 上 に 」 本 連 載 第 10 回 ( 本 誌 729 号 ) 116 頁 以 下 参 照 。 ま た 、 カ ー ド の 使 用 に 際 し て 、 売 上 票 に 名 義 を 偽 っ て 署 名 を し 、 こ れ を 店 員 に 提 出 す る こ と は 私 文 書 偽 造 罪 と 同 行 使 罪 ( 159 条 、 161 条 ) の 成 否 が 問 題 と な り 、 こ れ ら の 罪 と カ ー ド の 不 正 使 用 に か か わ る 詐 欺 罪 は 牽 連 犯 ( 54 条 1 項 後 段 ) の 関 係 に あ る と 解 さ れ る 。 16 ) 今 井 猛 嘉 ほ か 「 刑 法 各 論 〔 第 2 版 〕 』 ( 有 斐 閣 、 2013 年 ) 208 頁 以 下 〔 橋 爪 隆 〕 。 17 ) た だ し 、 カ ー ド 会 員 が 無 資 力 で あ る 場 合 、 あ る い は カ ー ド 会 員 に よ る 紛 失 ・ 盗 難 の 通 知 が カ ー ド 会 社 に な さ れ て い て 、 カ ー ド の 不 正 使 用 に 基 づ く 代 金 支 払 い を カ ー ド 会 社 が 負 担 す る 場 合 で あ っ て 、 か っ 、 加 盟 店 に お い て 確 認 義 務 の 履 行 を 怠 っ た と い え ず 、 加 盟 店 に 対 し て 、 立 替 金 の 返 還 を カ ー ド 会 社 が 求 め る こ と が で き な い 場 合 に は 、 最 終 的 に 、 カ ー ド 会 社 が 財 産 的 損 害 を 被 っ た と い え る 。 他 方 で 、 加 盟 店 に お い て 確 認 義 務 の 履 行 を 怠 っ た 点 が あ っ て 、 加 盟 店 か ら 、 立 替 金 の 返 還 を カ ー ド 会 社 が 求 め る こ と が で き る 場 合 に は 、 加 盟 店 だ け が 被 害 者 と し て の 立 場 に 置 か れ る 余 地 が あ る 。 18 ) 山 口 ・ 前 掲 注 8 ) 251 頁 以 下 参 照 。 さ ら に 、 松 原 ・ 前 掲 注 10 ) 291 頁 も 参 照 。 こ れ に 対 し て 、 中 森 ・ 前 掲 注 13 ) 80 頁 は 、 カ ー ド 会 員 が 最 終 的 に 支 払 う 責 任 を 負 っ た と し て も 、 そ れ は 、 カ ー ド 会 社 が 立 替 払 い 時 に 負 っ た 損 害 が カ ー ド 会 員 に 転 嫁 さ れ て い る に 過 ぎ な い と 指 摘 す る 。 19 ) 橋 爪 隆 「 判 批 」 平 成 16 年 度 重 判 解 ( 2005 年 ) 172 頁 。 20 ) 多 和 田 隆 史 「 判 解 」 最 判 解 刑 事 篇 平 成 16 年 度 ( 法 曹 会 2007 年 ) 83 頁 参 昭 21 ) 西 田 ・ 前 掲 注 12 ) 203 頁 。 22 ) 島 田 聡 一 郎 = 小 林 憲 太 郎 「 事 例 か ら 刑 法 を 考 え る 〔 第 3 版 〕 』 ( 有 斐 閣 、 2014 年 ) 366 頁 参 照 〔 島 田 〕 。 な お 、 こ の 本 文 の 指 摘 に 関 連 し て 、 橋 爪 ・ 前 掲 注 19 ) 172 頁 と 高 橋 ・ 前 掲 注 12 ) 323 頁 は 、 使 用 者 と 名 義 人 と の 特 別 な 関 係 に 着 目 す る べ き こ と を 示 唆 す る 。 ま た 、 松 宮 孝 明 「 ク レ ジ ッ ト カ ー ド 使 用 と 詐 欺 罪 」 立 命 351 号 ( 2013 年 ) 380 頁 以 下 は 、 使 用 者 が 名 義 人 と の 関 係 に お い て 代 理 人 な い し は 使 者 と い え る 場 合 に は 詐 欺 罪 の 成 立 を 否 定 す る こ と が で き る と い う 。 23 ) 山 口 ・ 前 掲 注 8 ) 258 頁 以 下 。 24 ) 前 田 雅 英 「 最 新 重 要 判 例 250 刑 法 〔 第 10 版 〕 』 ( 弘 文 堂 、 2015 年 ) 186 頁 、 野 村 稔 「 判 批 」 同 「 刑 法 研 究 下 巻 』 ( 成 文 堂 、 2016 年 ) 120 頁 参 昭 25 ) 松 宮 ・ 前 掲 注 22 ) 380 頁 。 26 ) 山 口 ・ 前 掲 注 8 ) 259 頁 参 照 。 27 ) 上 嶌 一 高 「 ク レ ジ ッ ト カ ー ド の 使 用 と 詐 欺 罪 」 「 神 山 敏 雄 先 生 古 稀 祝 賀 論 文 集 第 2 巻 』 ( 成 文 堂 、 2006 年 ) 284 頁 以 下 、 曽 根 威 彦 = 松 原 芳 博 編 「 重 点 課 題 刑 法 各 論 』 ( 成 文 堂 、 2008 年 ) 136 頁 〔 北 川 佳 世 子 〕 、 松 原 ・ 前 掲 注 10 ) 292 頁 。 28 ) 林 幹 人 「 詐 欺 罪 の 新 動 向 」 同 「 判 例 刑 法 』 ( 東 京 大 学 出 版 会 、 2011 年 ) 286 頁 、 川 崎 友 巳 「 判 批 」 刑 法 判 例 百 選 Ⅱ 各 論 〔 第 7 版 〕 ( 2014 年 ) 111 頁 参 昭 29 ) 上 嶌 ・ 前 掲 注 27 ) 284 頁 以 下 、 内 田 幸 隆 「 ク レ ジ ッ ト カ ー ド 詐 欺 」 松 原 芳 博 編 硎 法 の 判 例 各 論 』 ( 成 文 堂 、 2011 年 ) 133 頁 参 昭 30 ) 原 則 と し て 、 財 産 侵 害 が 複 数 の 被 害 者 に 及 ぶ 場 合 に は 、 そ れ に 応 じ て 数 個 の 財 産 犯 の 成 立 を 認 め る べ き で あ る ( 内 田 ・ 前 掲 注 14 ) 107 頁 ) 。 31 ) 以 上 の よ う な 判 例 の 理 解 に つ き 、 多 和 田 隆 史 「 判 解 」 最 判 解 刑 事 篇 平 成 15 年 度 ( 法 曹 会 、 2006 年 ) 616 頁 以 下 参 。 32 ) 和 田 俊 憲 「 判 批 」 判 セ レ 2004 ( 2005 年 ) 35 頁 、 木 村 光 江 「 判 批 」 平 成 16 年 度 重 判 解 ( 2005 年 ) 170 頁 、 宮 川 基 「 判 批 」 東 北 学 院 大 学 法 学 政 治 学 研 究 所 紀 要 13 号 ( 2005 年 ) 153 頁 以 下 、 前 田 雅 英 「 判 批 」 判 評 565 号 ( 20 年 ) 58 頁 以 下 、 高 橋 ・ 前 掲 注 12 ) 322 頁 、 山 口 ・ 前 掲 注 8 ) 243 頁 以 下 、 松 原 ・ 前 掲 注 10 ) 293 頁 。 33 ) 林 ( 幹 ) ・ 前 掲 注 28 ) 275 頁 、 松 宮 ・ 前 掲 注 22 ) 382 頁 。 34 ) 松 原 久 利 「 判 批 」 受 新 641 号 ( 2004 年 ) 15 頁 参 照 。 35 ) 林 ( 幹 ) ・ 前 掲 注 28 ) 275 頁 。 こ れ に 対 し て 、 松 宮 ・ 前 掲 注 22 ) 383 頁 は 、 A が 立 替 払 い を す る 以 前 に 、 X が ク レ ジ ッ ト 契 約 を 結 ん で 「 釜 焚 き 料 」 の 支 払 い の 負 担 を す る こ と 自 体 に 損 害 を 認 め る 。 36 ) こ れ に 対 し て 、 和 田 俊 憲 「 判 批 」 ジ ュ リ 1303 号 ( 2005 年 ) 170 頁 は 、 X に お け る 立 替 払 い に 基 づ く 債 務 の 負 担 を 問 題 に し つ つ 、 1 項 詐 欺 罪 の 成 立 を 認 め る 。 37 ) こ れ に 対 し て 、 林 美 月 子 「 判 批 」 法 教 287 号 ( 2004 年 ) 105 頁 は 、 X に 支 払 意 思 が あ る 場 合 に は 、 A に 財 産 的 損 害 が な い と い う 。 38 ) な お 、 自 己 名 義 の カ ー ド の 不 正 使 用 に お け る 議 論 を 踏 ま え る と 、 A が ク レ ジ ッ ト 契 約 の 締 結 を 受 け 入 れ 、 立 替 払 い の 債 務 を 負 っ た 段 階 で 2 項 詐 欺 罪 の 既 遂 に な る と も 考 え ら れ る が 、 1 項 詐 欺 罪 の 成 立 範 囲 が 狭 ま り 、 財 産 的 損 害 の 具 体 性 が 失 わ れ る こ と に な る の で 疑 問 で あ る 。 39 ) 多 和 田 ・ 前 掲 注 (1) 623 頁 注 ( 17 ) 参 昭 ( う ち だ ・ ゆ き た か )

法学セミナー 2016年10月号


の 種 々 の 合 意 ( 「 小 文 字 の 合 意 」 と で も 呼 ば う ) を 語 る 場 合 に は 、 契 約 責 任 に 近 づ く 問 題 で も あ る ( 横 山 美 夏 坏 動 産 売 買 契 約 の 成 立 過 程 と 成 立 前 の 合 意 の 効 力 」 私 法 54 号 193 頁 [ 1992 年 ] も 示 唆 的 で あ る ) 。 英 米 法 で は 「 約 束 的 禁 反 言 」 の 適 用 問 題 と し て 論 じ ら れ て い る こ と も 示 唆 的 で あ る ( 円 谷 峻 ・ 後 掲 書 第 3 章 以 下 な ど ) 。 要 は 、 交 渉 に よ る 契 約 の 成 熟 度 や 当 事 者 の 言 動 を 勘 案 し 、 信 義 に 反 し 不 用 意 に 相 手 方 に 惹 起 し た 信 頼 を 合 理 的 理 由 な く 裏 切 る に 至 っ た 点 を と ら え て 、 交 渉 当 事 者 ( 締 約 代 理 人 を 含 む ) の 「 契 約 関 連 責 任 」 の 一 部 と し て 、 こ の 問 題 を 視 野 に 収 め て お け ば 足 り る と い う こ と か も し れ な * 【 契 約 の 成 立 時 期 】 契 約 の 成 立 に つ い て は 後 に 学 ぶ が 、 契 約 の 成 立 時 期 ・ 成 立 過 程 の 構 造 を ど の よ う に 考 え る か は 、 理 論 的 に は 難 し い 問 題 の 一 つ で あ る 。 売 買 の よ う な 「 諾 成 契 約 」 の 場 合 、 主 た る 給 付 に 関 す る 申 込 と 承 諾 の 意 思 表 示 の 合 致 の み に よ っ て 契 約 が 成 立 す る タ テ マ エ で あ り 、 極 端 な 表 現 を す れ ば 「 合 意 が な っ た 瞬 間 」 に 契 約 が 成 立 し て 効 力 ( 権 利 ・ 義 務 の 発 生 ) を 生 じ 、 あ え て 「 契 約 書 」 を 作 成 す る ま で も な い こ と に な る が 、 こ の こ と は 、 実 際 の 契 約 当 事 者 の 意 識 と は 相 当 に ず れ る 。 そ の 意 味 で は 、 「 最 終 的 契 約 締 結 意 思 」 を 措 定 す る こ と が 有 益 で あ ろ う 。 「 契 約 の 成 立 」 を め ぐ る 問 題 の 一 端 に つ い て は 、 河 上 「 「 契 約 の 成 立 』 を め ぐ っ て ( 1 ・ 2 完 ) 」 判 タ 655 号 11 頁 、 657 号 14 頁 ( 1988 年 ) 参 照 。 ま た 、 近 時 の 包 括 的 な 研 究 と し て 、 滝 沢 昌 彦 ・ 契 約 成 立 プ ロ セ ス の 研 究 ( 有 斐 閣 、 2003 年 ) 、 さ ら に 「 予 約 」 と い う 観 点 か ら の 総 合 的 研 究 と し て 、 椿 寿 夫 編 ・ 予 約 法 の 総 合 的 研 究 ( 日 本 評 論 社 、 2004 年 ) 、 有 賀 恵 美 子 「 契 約 交 渉 破 棄 の 責 任 と 予 約 」 法 律 論 叢 78 巻 4 = 5 号 1 頁 ( 2006 年 ) な ど 参 照 。 * 【 参 考 文 献 】 契 約 準 備 段 階 の 信 義 則 を め ぐ っ て は 、 さ し あ た り 、 河 上 ・ 前 掲 「 『 契 約 の 成 立 』 を め ぐ っ て 」 の ほ か 、 河 上 「 契 約 準 備 段 階 で の 信 義 則 に 基 づ く 注 意 義 務 違 反 と 賠 償 責 任 」 リ マ ー ク ス 1995 ( 上 ) 48 頁 、 同 「 銀 行 取 引 に お け る 契 約 成 立 段 階 の 諸 問 題 」 金 融 法 研 究 11 号 3 頁 以 下 ( 1995 年 ) 、 同 「 融 資 契 約 成 立 過 程 に お け る 金 融 機 関 の 責 任 」 金 法 1339 号 6 頁 ( 1994 年 ) 、 同 ・ 金 法 281 号 71 頁 ( 2014 年 ) の 判 例 解 説 な ど 参 照 。 さ ら に 、 今 西 康 人 「 契 約 準 備 段 階 に お け る 責 任 」 石 田 = 西 063 債 権 法 講 義 [ 各 論 ] 7 原 = 高 木 還 暦 ・ 不 動 産 法 の 課 題 と 展 望 ( 上 ) 所 収 ( 日 本 評 論 社 、 1990 年 ) お よ び そ こ に 掲 げ ら れ た 諸 文 献 。 近 時 の 包 括 的 な 研 究 と し て 、 潮 見 佳 男 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 新 版 注 釈 民 法 ( 13 ) 84 頁 以 下 ( 有 斐 閣 、 1996 年 ) 、 池 田 清 治 ・ 契 約 交 渉 破 棄 と そ の 責 任 ( 有 斐 閣 、 1997 年 ) 、 本 田 純 一 ・ 契 約 規 範 の 成 立 と 範 囲 ( 一 粒 社 、 1999 年 ) 、 円 谷 峻 ・ 新 ・ 契 約 の 成 立 と 責 任 ( 成 文 堂 、 2004 年 ) な ど 、 が あ る 。 約 東 的 禁 反 言 と の 関 係 で は 、 久 保 宏 之 「 契 約 締 結 交 渉 破 棄 責 任 と 約 東 的 禁 反 言 の 法 理 」 産 大 法 学 30 巻 3 = 4 号 841 頁 ( 1997 年 ) 、 有 賀 恵 美 子 「 契 約 交 渉 破 棄 事 例 に お け る 約 東 的 禁 反 言 の 適 用 ( 1 ) ~ ( 3 ・ 完 ) 」 法 律 論 叢 75 巻 2 = 3 号 117 頁 、 75 巻 4 号 41 頁 、 5 = 6 号 83 頁 ( 2002 年 ~ 2003 年 ) の 研 究 が あ り 、 債 権 法 改 正 論 議 と の 関 係 で は 、 有 賀 恵 美 子 「 契 約 交 渉 破 棄 の 責 任 ー そ の 関 連 条 文 の 明 確 化 の 必 要 性 一 」 円 谷 峻 ・ 社 会 の 変 容 と 民 法 典 ( 成 文 堂 、 2010 年 ) 293 頁 、 同 「 契 約 交 渉 段 階 」 円 谷 峻 ・ 民 法 改 正 案 の 検 討 く 第 2 巻 〉 ( 成 文 堂 、 2013 年 ) 169 頁 、 大 島 理 沙 ・ 北 大 法 学 論 集 61 巻 4 号 1346 頁 ( 2010 年 ) 、 * 【 約 束 的 禁 反 言 】 「 禁 反 言 ・ エ ス ト ッ ペ ル (est 叩 pel) は 、 英 米 法 に 由 来 す る 原 則 で 、 A が B の な し た 表 示 を 信 じ 、 そ れ に 基 づ い て 自 己 の 地 位 を 変 更 し た と き に は 、 B は 後 に な っ て 自 己 の 表 示 が 真 実 に 反 し て い た こ と を 理 由 に 、 そ れ を 翻 す こ と が 許 さ れ な い と す る 。 自 ら 作 出 し た 外 観 に 対 す る 相 手 方 の 信 頼 保 護 の 要 請 に 応 え る も の で 、 機 能 的 に は 、 大 陸 法 に お け る 「 外 観 主 義 」 と 同 様 の 作 用 を 営 む こ と が 多 い 。 こ れ が 約 東 の 世 界 で 問 題 と な る 場 合 、 「 約 東 的 禁 反 言 (promissory est 叩 (e) 」 と 呼 ば れ る 。 先 行 す る 自 己 の 振 る 舞 い に 矛 盾 す る 権 利 や 法 的 地 位 を 主 張 す こ と を 禁 す る 点 で は 、 「 行 為 に 矛 盾 す る 異 議 ( カ 川 c 。 厩 の の 禁 止 」 に 近 い 。 (b) イ エ ー リ ン ク の 「 契 約 締 結 上 の 過 失 」 理 論 契 約 締 結 上 の 過 失 責 任 の 基 本 的 枠 組 み は 、 関 連 す る ロ ー マ 法 源 の 分 析 を 通 し て 、 こ れ を 手 が か り に 、 イ エ ー リ ン ク に よ っ て ら 編 み 出 さ れ た も の で あ る 。 1860 年 に 発 表 さ れ た 有 名 な 彼 の 論 文 「 契 約 締 結 上 の 過 失 、 ま た は 、 契 約 無 効 な い し 未 完 成 の 場 合 の 損 害 賠 償 」 の 問 題 設 定 は 、 「 錯 誤 無 効 の 効 果 」 を め ぐ る 素 朴 な 疑 問 か ら 始 ま っ て い る 。 当 時 の 支 配 的 見 解 に よ れ ば 、 錯 誤 で 契 約 が 無 効 に な れ ば 、 契 約 と し て は 完 全 に 無 で あ る