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検索対象: 現代日本の文学 39 野間 宏 集

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現代日本の文学 39 野間 宏 集


野 間 宏 文 学 ア ル バ ム 小 久 保 実 一 戦 後 文 学 の 原 点 戦 後 も 二 十 五 年 た っ た 現 在 、 あ ら た め て 、 戦 後 文 学 を 全 体 的 に 見 直 そ う と い う 機 運 が 、 強 く 出 て き た よ う で あ る 。 戦 後 派 の 作 家 た ち な か む ら し ん . い ち ろ う の 個 人 全 集 、 『 野 間 宏 全 集 』 『 中 村 真 一 郎 長 篇 全 集 』 『 椎 名 麟 三 全 集 』 が 相 継 い で 出 て い る し 、 稲 『 作 品 集 』 「 田 泰 漸 全 集 』 な ど の 刊 す て 行 も 予 告 さ れ て い る 。 既 に 故 人 に な っ て 全 集 も 出 て い る 梅 崎 蛬 生 を こ こ に 加 え れ ば 、 い わ ゆ る 第 一 次 戦 後 派 の 文 学 の 実 質 が 、 と も か く も 結 集 さ れ る こ と に な る 戦 後 派 の 作 家 の 個 人 全 集 が 勢 揃 い す る と い う こ と は 、 戦 後 文 学 の 清 算 期 で あ る か の よ う な 印 象 を 与 え る か も し れ な い し か し 、 戦 後 宅 文 学 の 全 体 的 認 識 へ の 要 求 の な か に は 、 現 在 の 文 学 的 停 滞 か ら の 脱 出 を は か ろ う と す る 切 評 伝 的 解 説 433

現代日本の文学 39 野間 宏 集


昭 和 32 年 1 月 「 あ さ っ て 会 」 で 右 か ら 武 田 泰 淳 野 間 椎 名 麟 三 埴 谷 雄 高 梅 崎 春 生 中 村 真 一 郎 昭 和 32 年 6 月 湯 河 原 で い う こ と が 、 攻 撃 の 中 心 で あ っ た 。 こ の 『 真 空 地 帯 』 攻 撃 は 、 当 時 民 主 主 義 文 学 が 「 新 日 本 文 学 」 と 「 人 民 文 学 」 に 分 裂 し た 事 情 が あ り 、 分 裂 し た 両 派 の 対 立 と い う 政 治 的 条 件 に 関 係 が あ っ て 、 戦 後 文 学 の 一 つ の 到 面 を さ ま た げ た の で 達 点 で あ る こ の 長 編 の 、 正 当 な 評 ー あ っ た 。 か え っ て 一 般 読 者 は 、 こ の 小 説 を 歓 迎 し 、 そ た カ は し か ず み し て 感 動 し た 。 高 橋 和 巳 も 『 真 空 地 帯 』 を 、 「 現 在 に お い て も 、 野 間 宏 の 作 品 群 の な か で も っ と も 秀 れ た も の だ と 考 え て い る 」 と 書 い て い る 。 四 新 し い 文 学 の 探 求 雑 誌 「 近 代 文 学 」 が 「 戦 後 文 学 の 批 判 と 確 認 ( そ の 仕 事 と 人 間 ) 」 と 題 す る 座 談 会 を は し め た の は 、 一 九 五 九 ( 昭 和 三 十 四 ) 年 の 六 月 か ら で あ る 。 こ の 座 談 会 は 、 「 戦 後 文 学 が 、 今 日 ま で 十 四 年 間 は ど 迴 っ て き た 足 ど り を 批 評 す る と と も に 、 そ こ で の 達 成 を あ ら た め て 確 = 一 一 恥 」 し よ う と 意 図 し た も の で 、 荒 正 人 を 第 一 回 目 に と り あ げ 、 以 後 、 野 間 宏 、 平 野 謙 、 椎 名 麟 三 、 埴 谷 雄 高 、 し ま お と し お ほ っ た よ し え 武 田 泰 淳 、 大 岡 昇 平 、 堀 田 善 衛 、 本 多 秋 五 、 島 尾 敏 雄 、 は な だ き ょ て る 花 田 清 輝 、 中 村 真 一 郎 が と り あ げ ら れ て 、 検 討 さ れ た 。 昭 和 三 十 年 代 の 半 ば に お い て 戦 後 文 学 の 批 判 を す る と 4 い う こ と の 意 味 は と も か く 、 過 去 に 属 す る 文 学 活 動 が

現代日本の文学 39 野間 宏 集


一 月 、 「 一 日 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 、 「 わ が 無 花 果 の 実 ー を 「 文 学 に 発 表 。 三 十 八 歳 界 」 に 、 「 山 間 地 の 人 々 」 を 「 群 像 ー に 発 表 。 一 一 月 、 「 文 学 を す る 昭 和 ニ 十 八 年 ( 一 九 五 = D 一 月 、 「 た た か い の 詩 」 を 「 文 学 , に 、 「 ガ ル シ ン 」 を 「 文 芸 」 に 発 心 」 を 「 文 芸 」 に 、 「 わ が 昭 和 十 年 代 」 を 「 文 学 」 に 発 表 。 三 月 、 表 。 一 一 月 、 「 急 流 , を 「 世 界 」 に 、 「 過 去 ・ 現 在 」 を 「 明 窗 」 に 、 「 詩 「 一 条 の 光 線 」 を 「 文 学 界 , に 発 表 。 四 月 、 「 ト ル ス ト イ と ド ス ト エ を 読 む 運 動 」 を 「 詩 運 動 」 に 発 表 。 三 月 、 「 原 爆 に つ い て 」 を 「 文 フ ス キ ー 」 を 「 知 性 ー に 、 コ 一 葉 亭 の 想 像 力 」 を 「 近 代 文 学 」 に 発 学 界 」 に 発 表 。 四 月 、 「 読 書 と も の を み る 力 」 を 「 文 庫 」 に 、 「 リ ア 表 。 五 月 、 「 自 分 の 進 む 方 向 」 を 「 東 京 新 聞 」 に 発 表 、 「 典 型 に つ い リ ス テ ィ ッ ク な 追 求 を も と に 」 を 「 ぶ ど う の 会 通 信 」 に 発 表 。 五 て 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 連 載 ( 九 月 完 結 ) 。 九 月 、 「 現 実 主 義 と 反 逆 月 、 詩 「 雪 は お お う 」 を 「 人 民 文 学 」 に 発 表 。 六 月 、 「 逃 走 」 を 「 群 の 魂 」 を 「 文 学 界 」 に 発 表 、 「 地 の 翼 」 を 「 文 芸 」 に 連 載 ( 三 十 一 一 年 像 、 増 刊 号 に 、 「 政 治 に お け る 虚 偽 」 を 「 群 像 ー に 、 「 南 十 字 星 下 の 三 月 ま で 。 「 文 芸 」 休 刊 の た め 未 完 。 十 一 月 、 「 立 っ 男 た ち 」 を 「 新 戦 ー を 「 文 藝 春 秋 ー 別 冊 三 十 四 号 に 発 表 、 コ 一 十 世 紀 文 学 と 民 主 主 日 本 文 学 」 に 、 「 青 春 喪 失 ー を 「 文 学 界 ー に 発 表 。 十 一 一 月 、 「 椎 名 麟 義 文 学 」 を 「 文 学 」 に 連 載 ( 八 、 十 、 十 二 月 ) 。 八 月 、 「 国 民 文 学 論 三 」 を 「 文 芸 」 に 発 表 。 こ の 年 、 埴 谷 雄 高 、 武 田 泰 淳 、 堀 田 善 衛 、 の 総 決 算 ー 各 階 層 の 自 覚 の 仕 方 の ち が い 」 を 「 希 望 。 に 発 表 。 九 中 村 真 一 郎 、 梅 崎 春 生 ら と 「 あ さ っ て 会 」 を 結 成 。 四 十 一 歳 月 、 「 思 出 の う た 」 を 「 婦 人 公 論 」 に 発 表 。 十 月 、 「 砲 車 追 撃 。 を 昭 和 三 十 一 年 ( 一 九 五 六 ) 「 文 藝 春 秋 」 別 冊 三 十 六 号 に 、 「 近 代 日 本 文 学 へ の 評 価 」 を 「 日 本 読 三 月 、 「 気 で 病 む 狼 ー を 「 文 学 界 ー に 、 「 緑 の 原 稿 用 紙 ー を 「 文 芸 」 書 新 聞 」 に 、 「 新 し い 人 間 の 誕 生 」 を 「 文 学 評 論 ー に 発 表 。 十 二 月 、 に 発 表 。 五 月 、 「 狼 は 消 え た 」 を 「 文 学 界 ー に 発 表 。 六 月 、 「 動 く も の の な か へ 」 を 「 新 潮 」 に 発 表 。 七 月 、 「 人 類 の 立 場 」 を 「 群 像 」 「 昭 子 と た き 子 」 を 「 改 造 ー に 発 表 。 に 発 表 。 八 月 、 「 綜 合 的 文 体 ー を 「 文 学 界 」 に 発 表 。 九 月 、 「 軍 法 会 昭 和 ニ 十 九 年 ( 一 九 五 四 ) 三 十 九 歳 一 月 、 「 労 働 者 文 学 の 問 題 」 を 「 群 像 」 に 、 「 真 実 追 求 の 文 学 」 を 議 と そ の 後 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 表 。 十 月 、 「 日 本 文 学 に お け る 「 学 園 評 論 , に 発 表 。 一 一 月 、 「 私 の 小 説 観 」 を 「 文 章 倶 楽 部 」 に 、 「 透 粋 の 問 題 、 を 「 思 想 」 に 発 表 。 十 一 一 月 、 「 地 の 翼 」 上 巻 を 河 出 書 房 谷 の 教 訓 ~ ー こ 学 ぶ 」 を 「 東 大 学 生 新 聞 」 に 発 表 。 同 月 、 次 男 新 時 生 ま よ り 刊 行 。 四 十 一 一 歳 昭 和 三 十 ニ 年 ( 一 九 五 七 ) れ る 。 四 月 、 「 詩 に お け る 自 然 と 社 会 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 表 、 二 月 、 「 ミ ュ ー ジ カ ル に つ い て 」 を 「 群 像 ー に 発 表 。 三 月 、 「 近 代 主 「 現 代 文 学 の 基 礎 」 を 理 論 社 よ り 刊 行 。 六 月 、 「 孤 立 的 文 学 の 克 服 ー を 「 希 望 」 に 発 表 。 九 月 、 「 思 想 と 文 学 」 を 未 来 社 よ り 刊 行 。 十 一 義 批 判 以 後 ー を 「 前 衛 」 臨 時 増 刊 号 に 発 表 。 四 月 、 「 文 学 運 動 の 組 月 、 「 恋 愛 に つ い て 」 を 「 文 学 界 」 に 、 「 日 本 に お け る 社 会 主 義 リ ア 織 に つ い て 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 表 。 五 月 、 「 忘 れ ら れ ぬ 批 評 」 リ ズ ム 」 を 「 日 本 読 書 新 聞 」 に 発 表 。 十 一 一 月 、 「 人 類 意 識 の 発 生 」 を を 「 群 像 」 に 発 表 。 六 月 、 「 新 し い 記 録 の 意 味 」 を 「 中 央 公 論 」 に 発 表 。 九 月 、 「 「 転 向 文 学 論 」 に つ い て 」 を 「 図 書 新 聞 」 に 、 「 一 九 五 「 文 芸 」 に 発 表 。 昭 和 三 十 年 ( 一 九 五 五 ) 四 十 歳 一 年 以 後 の 統 一 の 問 題 , を 「 前 衛 」 臨 時 増 刊 号 に 発 表 。 十 月 、 「 胎

現代日本の文学 39 野間 宏 集


を に ! ら 2 第 ・ 物 ) を 難 ・ 薄 , 1 を つ 体 あ ー 、 、 、 宿 ー 加 " い 。 を ー っ 物 ら 「 暗 い 絵 」 原 稿 「 暗 い 絵 」 執 筆 の 際 の メ モ ー ん ぢ ス 1 ) り 山 当 、 な っ オ 当 。 プ ・ , ! ド っ 第 な へ ソ . ふ ぐ も ー ~ 有 る 。 と を う イ ろ ー 1 み ウ み - 付 塾 」 み 「 を と ・ 、 ク が 、 サ ン ポ リ ス ム に 目 覚 め さ せ 、 戦 後 文 学 の 創 造 に つ な が っ て い く こ と は あ ら た め て い う ま で も な い 。 野 ド 氏 の こ の 個 性 的 な 文 学 勉 強 が 、 竹 内 勝 太 郎 と の 出 会 い 県 き を 決 定 的 に し た 、 と い え る の で あ る 。 長 の 行 野 間 氏 の 学 生 時 代 は ま た 、 ド ス ト エ フ ス キ イ へ の 新 頃 旅 年 演 た な 関 心 が た か ま っ て い た 時 期 に あ た る 。 マ ル ク ス 主 義 運 動 が 弾 圧 さ れ て 、 転 向 と 不 安 の 文 学 が 迎 え ら れ た 昭 で 時 代 で 、 ジ イ ド や シ ェ ス ト フ の ド ス ト エ フ ス キ イ 論 が 翻 訳 さ れ 、 ま と ま っ た ド ス ト エ フ ス キ イ 全 集 が 刊 行 さ ざ せ つ れ た 。 こ の こ ろ 、 革 命 運 動 の 挫 折 を 体 験 し た 埴 谷 雄 高 ド ス ト エ フ ス キ イ に 自 己 の 問 題 を 結 び や 椎 名 麟 三 が 、 つ け て い る 。 椎 名 氏 は ド ス ト エ フ ス キ イ を 読 ん で 、 「 僕 き ょ む は 、 自 分 に 内 在 す る 虚 無 に か か わ ら す 、 そ し て そ の 故 に 、 自 分 が 如 何 に 人 間 を 愛 し て い る か を 知 っ た の で あ っ た 。 そ し て 小 説 な る も の の 真 の 意 味 も 」 と 、 戦 後 に あ く り よ っ そ の 感 激 を 回 顧 し て い る し 、 埴 谷 氏 は 「 悪 霊 』 の 影 響 し れ 、 下 に 、 戦 後 長 編 『 死 霊 』 を 書 い た 。 戦 後 文 学 と ド ス ト エ フ ス キ イ と は 強 い つ な が り を も つ が 、 野 間 氏 は 、 ド ス ト エ フ ス キ イ へ の 熱 狂 を 、 青 年 時 代 特 有 の 主 観 主 義 の あ ら わ れ だ と 自 己 批 判 し た の で あ っ た 。 椎 名 氏 も 埴 谷 氏 も 、 そ し て 戦 後 文 学 の 理 論 的 指 導 者 あ ら ・ ま さ と 荒 正 人 も 、 ド ス ト エ フ ス キ イ の 『 悪 霊 』 に 打 ち の め さ

現代日本の文学 39 野間 宏 集


現 代 日 本 の 文 学 3 野 間 宏 集 〈 監 修 委 員 〉 伊 藤 整 井 上 靖 川 端 康 成 ネ 三 島 由 紀 夫 究 〈 編 集 委 員 〉 習 足 立 巻 一 奥 野 健 男 尾 崎 秀 樹 杜 夫 ( 五 十 音 順 )

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を 「 近 代 文 学 」 に 連 載 ( 七 月 完 結 ) 、 「 崩 解 感 覚 」 を 丹 頂 書 房 よ り 刊 の な か で 、 十 一 月 、 「 人 民 文 学 」 が 創 刊 さ れ 、 翌 一 一 十 六 年 三 月 、 そ 行 。 八 月 、 「 炎 に 追 わ れ て 」 を 「 文 芸 」 に 発 表 。 九 月 、 詩 「 海 の 笑 の 編 集 委 員 会 に 参 加 し た 。 い 」 を 「 群 像 , に 、 「 馴 鹿 ー を 「 人 間 美 学 」 に 、 「 布 施 杜 生 の こ と 」 昭 和 ニ 十 六 年 ( 一 九 五 一 ) 三 十 六 歳 を 「 短 歌 主 潮 」 に 発 表 、 十 一 月 、 「 化 粧 。 を 「 新 文 学 」 に 、 「 家 の 一 月 、 「 悲 し い 錘 」 を 「 群 像 」 に 発 表 、 「 真 空 ゾ ー ン 」 を 「 人 間 」 に 中 」 を 「 丹 頂 」 に 、 「 自 分 の 作 品 に つ い て 」 を 「 文 学 前 衛 、 に 発 表 。 連 載 ( 二 月 完 結 ) 。 一 一 月 、 「 夜 の 脱 柵 , を 「 人 民 文 学 」 に 連 載 ( 三 月 十 一 一 月 、 「 盛 り 場 の 店 、 を 「 序 曲 」 に 発 表 、 「 小 説 入 門 」 を 真 善 美 社 完 結 ) 。 三 月 、 「 シ ナ リ オ に つ い て 」 を 「 近 代 文 学 」 に 発 表 。 「 文 学 よ り 刊 行 。 こ の 年 よ り 一 一 十 四 年 ま で 、 明 治 大 学 文 学 部 仏 文 科 講 師 と 界 」 で 座 談 会 ^ 新 し き 文 学 の た め に 》 、 「 現 代 日 本 小 説 大 系 」 別 冊 第 な り 、 ヴ ァ レ リ ー 「 シ ャ ル ム 」 の 講 読 を 担 当 。 三 巻 を 河 出 書 房 よ り 刊 行 。 四 月 、 「 ジ イ ド の 問 題 」 を 「 人 間 」 に 、 昭 和 ニ 十 四 年 ( 一 九 四 九 ) 三 十 四 歳 「 戦 争 に 抗 し て 」 を 「 人 民 文 学 」 に 発 表 、 「 顔 の 中 の 赤 い 月 」 を 目 黒 三 月 、 「 眼 」 を 「 芸 術 」 別 冊 一 号 に 、 「 戦 争 小 説 に つ い て 」 を 「 新 日 書 店 よ り 刊 行 。 五 月 、 「 意 識 ー 自 然 と 社 会 に で る ま で 」 を 「 群 像 」 に 、 本 文 学 」 に 、 「 田 山 花 袋 」 を 「 文 芸 往 来 」 に 発 表 、 詩 集 「 星 座 の 痛 「 奪 い と ら れ て 」 を 「 展 望 」 に 、 「 民 衆 詩 人 の 誕 生 ー を 「 人 間 」 に 発 み 」 を 河 出 書 房 よ り 刊 行 。 四 月 、 「 自 画 像 」 を 「 群 像 」 に 発 表 、 「 ポ 表 。 六 月 、 「 モ ラ ル 企 業 」 を 「 世 界 」 に 発 表 、 「 詩 人 集 団 に つ い て 」 ー ル ・ ヴ ァ レ リ ー 「 シ ャ ル ム 」 に つ い て 」 を 「 近 代 文 学 」 に 連 載 を 「 人 民 文 学 」 に 連 載 ( 七 月 完 結 ) 。 九 月 、 「 ・ ジ イ ド 」 を 「 近 代 ( 七 月 完 結 ) 、 「 青 年 の 環 」 ( 第 一 部 ) を 河 出 書 房 よ り 刊 行 。 七 月 、 「 時 文 学 」 に 発 表 。 十 月 、 「 照 り か が や く 光 」 を 「 人 民 文 学 ー に 発 表 。 計 の 眼 、 を 「 展 望 」 に 、 「 日 本 の 最 も 深 い 場 所 」 を 「 文 藝 春 秋 ー に 昭 和 ニ 十 七 年 ( 一 九 五 一 l) 三 十 七 歳 え す ば わ ー る 発 表 。 八 月 、 「 金 融 」 を 「 展 望 。 に 、 「 言 葉 に 対 す る 愛 。 を 「 勤 労 者 一 月 、 「 希 望 」 運 動 を 援 助 す る 。 書 き 下 ろ し 長 篇 「 真 空 地 帯 」 を 河 文 学 」 に 発 表 。 「 犯 罪 の 影 。 を 「 展 望 」 に 発 表 。 十 月 、 「 ど う 人 間 を 出 書 房 よ り 刊 行 。 四 月 、 「 夜 学 」 を 「 文 芸 」 に 発 表 。 五 月 、 「 雪 の し と ら え る か 」 を 「 近 代 文 学 」 に 発 表 。 た の 声 が : 。 を 「 群 像 」 に 発 表 。 六 月 、 「 「 真 空 地 帯 」 を 完 成 し て 」 昭 和 ニ 十 五 年 ( 一 九 五 〇 ) 三 十 五 歳 を 「 近 代 文 学 」 に 、 「 行 動 の 文 学 」 を 「 文 学 界 」 に 、 「 未 来 の 光 に て 一 月 、 「 人 間 の 虹 」 を 「 中 央 公 論 」 文 芸 特 集 一 一 号 に 、 「 書 斎 を も た ぬ ら し て 」 を 「 文 芸 」 に 発 表 、 「 雪 の 下 の 声 が : : : 」 を 未 来 社 よ り 刊 人 た ち 」 を 「 潮 流 」 に 発 表 、 「 青 年 の 環 ー ( 第 一 一 部 ) を 「 文 芸 」 に 連 載 行 。 七 月 、 「 作 家 に 聴 く 」 を 「 文 学 」 に 、 「 作 家 の 態 度 . を 「 近 代 文 譜 ( 六 月 完 結 ) 。 四 月 、 「 文 芸 」 で 座 談 会 現 代 文 学 の 全 貌 》 。 五 月 、 「 青 学 」 に 、 「 作 家 と の 対 話 ー 「 真 空 地 帯 」 に 至 る ま で 」 を 「 希 望 、 に 発 年 の 環 」 ( 第 一 一 部 ) を 河 出 書 房 よ り 刊 行 。 六 月 、 詩 「 信 号 」 を 「 近 表 。 九 月 、 「 国 民 文 学 に つ い て 」 を 「 人 民 文 学 」 に 発 表 。 十 月 、 「 人 間 の 要 素 の 分 析 と 綜 合 」 を 「 文 学 界 」 に 発 表 。 十 一 月 、 「 一 夜 」 を 年 代 文 学 」 に 発 表 。 八 月 、 「 狭 い 場 所 」 を 「 近 代 文 学 」 特 別 号 に 、 「 小 さ い 空 の 下 」 を 「 人 間 」 に 、 「 プ ロ レ タ リ ヤ 文 学 覚 書 」 を 「 近 代 文 「 群 像 」 に 、 「 最 近 の 創 作 理 論 に つ い て 」 を 「 人 民 文 学 」 に 発 表 。 同 四 学 」 に 発 表 。 十 一 一 月 、 「 硝 子 」 を 「 世 界 」 に 、 「 風 と 炎 」 を 「 日 本 評 月 、 「 真 空 地 帯 」 に よ り 毎 日 出 版 文 化 賞 を 受 け る 。 十 一 一 月 、 「 ・ ハ タ ー 論 ー に 発 表 。 こ の 年 、 新 日 本 文 学 会 の 内 部 対 立 が 激 化 し 、 分 裂 状 態 ン 白 昼 の 戦 」 を 「 文 藝 春 秋 . 別 冊 三 十 一 号 に 、 「 別 れ , を 「 文 芸 」

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3 昭 和 22 年 本 郷 赤 門 前 法 真 寺 の 仮 寓 で 昭 和 23 年 頃 椎 名 麟 二 の 「 永 遠 な る 序 章 」 合 評 会 で 右 か ら 荒 正 人 野 間 坂 本 一 亀 れ た が 、 野 間 氏 も 「 も っ と も つ よ い 力 を も っ て 」 打 た れ た の は 、 『 悪 霊 』 の な か の 「 ス タ ブ ロ ー ギ ン の 告 白 」 で あ る と い 、 つ 「 こ の 人 間 の 悪 の 根 源 を つ き と め よ う と し な が ら 、 し ば し ば む し ろ 悪 に ひ き と め ら れ 、 悪 の 魅 力 に ひ か れ る 虚 無 の 内 容 を 正 確 に 、 し つ か り し た し ず か な 足 ど り で 、 た ど っ て 行 く 文 章 は 、 十 九 歳 の 私 を と ら え て し ま っ た 。 」 ( 「 読 書 遍 歴 」 ) し か し 、 こ の よ う な ド ス ト エ フ ス キ イ と の 結 び つ き は 、 「 思 想 運 動 、 革 命 運 動 が 閉 鎖 さ れ よ う と し 、 そ の よ う に 人 間 が 伸 び て 行 く 方 向 を 全 く 失 っ た と き 」 に 殀 的 に 生 じ る と い う ふ う に 反 省 さ れ た 。 そ う い う 必 然 的 な 結 び つ き を 自 覚 し た か ら こ そ 、 ド ス ト エ フ ス キ イ の 呪 縛 か ら 逃 れ よ う と し た 。 そ の と き 野 間 氏 に 力 を か し た の が 、 ジ イ ド で あ っ た 。 『 法 王 庁 の 抜 穴 』 の 思 想 、 「 無 償 の 行 為 」 で あ っ た 。 ス ト エ フ ス キ イ か ら の 脱 出 は 、 こ サ ン ポ リ ス ム 、 ド う 考 え て く る と 観 念 か ら 実 践 へ と い う 単 純 な 図 式 で は と ら え ら れ な く な る 。 野 間 氏 が 政 治 活 動 へ は い っ て い っ こ こ と よ 寉 、 ・ こ ゞ 、 ー 石 カ オ カ 実 践 活 動 へ 野 間 氏 自 身 を 押 し 出 し た の は 、 「 自 由 」 を た し か め よ う と す る 自 己 解 放 の 意 志 で あ り 、 内 的 発 展 の 論 理 で あ 「 た 。 そ し て こ の 論 理 は 、 「 自 意 識 」 に 「 肉 体 」 と い う 観 念 を も ち こ む こ と に

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. ′ を 交 事 第 ー を を , 1 0 対 談 の さ い 桑 原 武 夫 ( 右 ) と 昭 和 32 年 ご ろ あ る 会 合 で 右 か ら 十 返 肇 野 間 中 村 真 一 郎 梅 崎 春 生 つ い て 、 ド ス ト エ フ ス キ イ の 『 罪 と 罰 』 、 レ ー ル モ ン ト フ の 『 現 代 の 英 雄 』 な ど に 学 ば な け れ ば な ら な か っ た 。 本 格 的 な 長 編 で あ り 、 同 時 に 現 代 の 小 説 を 、 野 間 氏 は 4 圭 日 か ね ば な ら な か っ た 。 そ う い う 一 課 題 を 果 そ う と す る こ と に 、 戦 後 文 学 の 作 家 た ち は 使 命 感 を も っ た の で あ る 野 間 氏 は 「 『 真 空 地 帯 』 を 完 成 し て 」 で 、 「 私 は 軍 隊 の 根 本 的 な 要 素 で あ る 内 務 班 を ま す と ら え な け れ ば な ら な い と 考 え て い た 。 そ し て こ の 内 務 班 の 本 質 を 『 真 空 地 帯 』 に 於 い て と ら え よ う と し た 。 し か し 私 は 次 に は こ の 真 空 地 帯 に い つ も し ば ら れ な が ら 、 そ れ に よ っ て 敵 と た た か わ さ れ る 兵 隊 を か か な け れ ば な ら な い と 考 え て い る 。 こ れ が 私 の 軍 隊 を と ら え る た め の 二 つ の 小 説 の 計 画 で あ る 。 戦 闘 こ そ は 軍 隊 の 本 質 で あ り 、 資 本 主 義 、 帝 国 主 義 の 本 質 な の で あ る 。 し か し 私 が 『 真 空 地 帯 』 で か き た か っ た こ と は 、 知 識 人 と 革 命 家 の 責 任 と い う こ と で あ っ た 。 私 は 木 谷 に よ っ て 戦 時 中 の 日 本 の 国 民 を 考 え た い の で あ る 。 」 と 述 べ て い る 。 し か し 野 間 氏 が 書 こ う と し た こ と は 、 野 間 氏 の 文 学 を 理 解 し て い る 側 の 人 た ち か ら 非 難 を 、 つ け る こ と に な っ た 。 『 真 空 地 帯 』 で は 軍 隊 を 真 空 地 帯 と し て 、 日 本 の 社 会 か ら 切 り 離 し て い る と い う こ と 、 木 谷 の よ う な ぐ う た ら な 男 を 、 軍 隊 を 破 壊 す る 英 雄 と 考 え る の は ま ち が い だ と

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児 」 を 「 文 藝 春 秋 」 に 、 「 よ い ど れ の 時 」 ( 「 地 の 翼 、 第 一 一 部 ) を 「 綜 一 月 、 戯 曲 「 オ オ ム 社 長 の 誕 生 日 を 祝 う 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 合 」 に 連 載 ( 「 綜 合 」 廃 刊 の た め 一 回 分 の み ) 。 十 一 月 、 「 文 学 創 造 表 。 三 月 、 「 わ が 稲 妻 」 を 「 新 潮 、 に 発 表 。 四 月 、 「 手 首 ・ 足 首 」 を の 条 件 」 を 「 日 本 読 書 新 聞 」 に 、 「 人 間 内 容 の 追 求 」 を 「 文 章 ク ラ 「 群 像 」 に 発 表 、 「 干 潮 の な か で 」 を 「 世 界 」 に 連 載 ( 四 、 五 月 、 お プ 」 に 発 表 。 十 一 一 月 、 ミ , ー ジ カ ル 脚 本 「 冷 凍 時 代 」 を 「 文 学 」 に よ び 三 十 六 年 一 月 続 篇 「 夜 の 死 」 ) 。 五 月 、 中 国 訪 問 日 本 文 学 代 表 団 団 長 と し て 、 亀 井 勝 一 郎 、 松 岡 洋 子 、 竹 内 実 、 開 高 健 、 大 江 健 三 郎 発 表 。 四 十 三 歳 と と も に 中 国 訪 問 旅 行 。 七 月 、 「 原 隊 復 帰 , を 「 小 説 中 央 公 論 ー 臨 昭 和 三 十 三 年 ( 一 九 五 八 ) 一 月 、 「 車 の 夜 」 を 「 群 像 ー に 、 「 疑 惑 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 、 「 映 時 増 刊 号 に 発 表 。 十 月 、 「 手 」 を 「 小 説 中 央 公 論 」 一 一 号 に 発 表 。 十 画 に お け る 記 録 の 問 題 , を 「 中 央 公 論 、 に 発 表 。 一 一 月 、 「 不 思 議 な 一 月 、 「 動 物 図 鑑 」 を 「 新 潮 , に 、 「 親 鸞 」 を 「 現 代 芸 術 」 に 発 表 、 「 わ 環 」 を 「 群 像 , に 発 表 、 「 さ い こ ろ の 空 、 を 「 文 学 界 」 に 連 載 ( 三 が 塔 は そ こ に 立 つ 、 を 「 群 像 」 に 連 載 ( 三 十 六 年 十 一 月 完 結 ) 。 四 十 六 歳 十 四 年 十 一 月 完 結 ) 。 四 月 、 「 ド キ ュ メ ン タ リ ー と 具 象 ー を 「 芸 術 新 昭 和 三 十 六 年 ( 一 九 六 一 ) 潮 」 に 発 表 。 五 月 、 「 検 閲 ・ 発 禁 ・ 伏 字 」 を 「 群 像 」 に 発 表 。 六 月 、 一 月 、 「 山 道 の 座 席 の 左 に 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 、 コ 一 人 の 男 」 を 「 現 代 を 探 求 す る 新 人 た ち 」 を 「 週 刊 読 書 人 」 に 発 表 。 七 月 、 「 感 覚 「 小 説 中 央 公 論 」 三 号 に 発 表 。 同 月 、 コ ロ ン ボ で 開 催 さ れ た ・ と 欲 望 と 物 に つ い て 」 を 「 思 想 」 に 、 「 方 法 の 問 題 」 を 「 群 像 」 に 作 家 理 事 国 会 議 に 阿 部 知 一 一 と 出 席 。 同 月 、 ・ 作 家 会 議 東 京 大 会 発 表 。 八 月 、 「 批 評 の 問 題 」 を 「 群 像 」 に 、 「 コ レ ヒ ド ー ル へ 」 を 「 文 に 日 本 代 表 と し て 参 加 。 四 月 、 「 作 品 の 構 造 を 中 心 に 」 を 「 新 日 本 文 藝 春 秋 」 別 冊 六 十 五 号 に 発 表 。 八 月 、 「 綜 合 の 問 題 」 を 「 群 像 」 に 、 学 」 に 発 表 、 「 セ イ ロ ン に あ っ て 」 を 「 文 学 」 に 連 載 ( 四 、 七 月 ) 、 「 新 感 覚 派 文 学 の 言 葉 」 を 「 文 学 」 に 発 表 。 十 月 、 戯 曲 「 黄 金 の 夜 「 干 潮 の な か で 」 を 新 潮 社 よ り 刊 行 。 五 月 、 「 作 品 の イ メ ー ジ を 中 心 明 け る 」 を 「 現 代 芸 術 」 に 発 表 。 同 月 、 タ シ 、 ケ ン ト で 開 か れ た 第 に し て 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 表 。 六 月 、 「 感 性 の 変 革 に つ い て 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 表 。 七 月 、 「 作 品 の テ ー マ に つ い て 」 を 「 新 一 一 回 ・ 作 家 会 議 に 伊 藤 整 、 加 藤 周 一 、 遠 藤 周 作 ら と 出 席 。 四 十 四 歳 日 本 文 学 」 に 、 「 白 い 部 屋 」 を 「 新 日 本 文 学 」 別 冊 一 号 に 発 表 。 昭 和 三 十 四 年 ( 一 九 五 九 ) 一 月 、 「 部 落 」 を 「 朝 日 新 聞 」 に 、 「 文 学 自 伝 ー 鏡 に 挾 ま れ て 」 を 月 、 「 怨 霊 対 談 」 を 「 新 潮 、 に 発 表 。 九 月 、 「 労 働 者 の 主 体 に つ い 「 群 像 」 に 発 表 。 三 月 、 「 ユ シ = ッ ト 座 の イ オ ネ ス コ 」 を 「 現 代 芸 て 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 発 表 。 十 月 、 「 創 造 の た め の 組 織 と 組 織 と 譜 術 」 に 発 表 。 四 月 、 「 日 本 文 化 論 」 を 「 ア カ ( タ 」 に 発 表 。 六 月 、 文 学 の 主 体 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 連 載 ( 三 十 七 年 一 月 完 結 ) 。 四 十 七 歳 昭 和 三 十 七 年 ( 一 九 六 一 I) 「 芸 術 大 衆 化 に つ い て 」 を 「 現 代 芸 術 」 に 、 「 「 戦 後 文 学 」 の 新 し い 年 出 発 」 を 「 週 刊 読 書 人 」 に 発 表 。 十 一 月 、 「 君 の 地 獄 」 を 「 新 日 本 一 月 、 「 現 代 日 本 文 学 の 問 題 」 を 「 思 想 」 に 、 「 平 野 謙 に 答 え る 」 ( 上 文 学 い に 発 表 。 十 一 一 月 、 「 「 さ い こ ろ の 空 」 創 作 ノ ー ト か ら 」 を 文 学 下 ) を 「 毎 日 新 聞 」 に 発 表 。 二 月 、 「 文 学 を 志 す 人 々 へ 」 を 「 群 像 」 に 発 表 。 三 月 、 「 プ ロ レ タ リ ア 文 学 批 判 と 松 本 清 張 論 - を 「 群 象 」 界 に 発 表 、 「 さ い こ ろ の 空 」 を 文 藝 春 秋 新 社 よ り 刊 行 。 四 十 五 歳 に 、 「 創 造 連 動 の 新 段 階 」 を 「 新 日 本 文 学 」 に 、 「 仏 教 書 を 買 い 込 む 」 昭 和 三 十 五 年 ( 一 九 六 〇 )

現代日本の文学 39 野間 宏 集


, 、 ヤ を い 第 を レ 図 と 齟 齬 す る こ と に な ろ う 。 つ ま り 、 こ 、 つ い 、 つ こ と が 一 言 え る 。 野 間 氏 は 、 た と え 2 し い な り ん ぞ う ば 埴 谷 雄 高 氏 の 「 死 霊 」 や 椎 名 麟 三 氏 の 初 期 の 作 品 が た そ れ そ の 背 景 を 霧 の か か っ た 運 河 の 橋 と か 、 黄 昏 時 の 墓 場 と か 、 雨 ど い が 響 き つ づ け る 民 間 ア ハ ト の 内 部 と か 廃 墟 の 一 画 と か 、 固 有 名 詞 性 を 捨 象 し た 場 所 と し て 設 く ら 定 す る の に 較 べ れ ば 、 具 体 的 で は あ る が 、 そ の 具 体 性 さ い し ん は 、 細 心 の 注 意 の も と に 選 択 さ れ た 具 体 性 で あ っ て 、 目 に 触 れ た も の を そ の ま ま し る す 心 辺 雑 記 的 描 写 と は 全 く 種 類 を こ と に し て い る 。 二 人 の 主 要 人 物 の 一 人 木 谷 の 兄 の 家 が 鶴 見 橋 通 り に あ り 、 も う 一 人 の 曾 田 の 家 す み よ し か イ ン テ リ や サ ラ リ ー マ ン の 住 宅 地 帯 で あ る 住 吉 に あ す て る と い う 設 定 自 体 が 、 既 に あ る 意 味 を も っ て い る わ け の 墟 帯 で あ る 空 ま た 例 え ば 、 典 型 的 な 大 阪 の 庶 民 、 家 が 町 工 場 で 、 跡 真 彼 自 身 も 職 人 気 質 を 身 に つ け て い て 、 し か も 時 と し て 隊 ( 兄 か ら 教 っ た と い う 共 産 党 宣 言 の 一 節 を お 経 で も よ む よ う に 誦 ん し た り す る 〈 染 〉 な る 人 物 の 設 定 に も 、 や る て は り こ 、 つ い 、 つ 、 注 意 は は ら わ れ て い る 。 こ の 場 合 は 、 地 あ れ に さ 理 的 な も の で は な く 、 当 時 の 百 万 都 市 大 阪 を 構 成 す る て っ ち せ ん 前 置 階 層 区 分 に 対 す る 配 慮 で あ り 、 染 が 商 家 の 丁 稚 で も 船 の 放 隊 に 場 の ど ら 息 子 で も な く 、 ま さ し く 町 工 場 の 次 男 で あ り 連 ま ま 工 員 と 一 緒 に 働 く 職 人 で あ る こ と に 人 物 造 形 上 の 現 実 ひ び