第 5 章情報の収集と整理ー 7 3 ような全国紙 , 北海道新聞・中日新聞・西日本新聞のようなプロック紙 , 神戸新聞・京都 新聞といったように各都道府県に取材ェリアと読者を限定している地方紙 ( 地方紙を持た ない都道府県もある ) といった日刊の一般紙を指すことが多い。その他にも電気新聞のよ うな業界紙 , 日刊スポーツ , スポーツニッポンのようなスポーツ紙 , 夕刊フジのようなタ 刊紙 , その他に競馬新聞のような趣味紙が発行されている。 ④雑誌記事 ( 論文を含む ) 現在 , 国内では 1 万誌以上の雑誌が流通している。雑誌とは週刊誌 , 月刊誌 , 季刊 ルい , 趣味・娯楽誌 , タウン情報誌などが挙げられるが , 業界誌 , スポーツ誌 , レジャー畆 , 般的に情報源として雑誌を捉えた場合 , 週刊文春や週刊新潮などのような週刊誌と , 世界 や文藝春秋のような月刊誌が主な対象となるだろう。週刊誌は新聞で得た情報を補完する ために役立っし , 月刊誌の場合は特定のテーマについてより掘り下げた情報を得るために 役立つはすだ。ただし , 新聞とは違って雑誌は出版する出版社のカラーが色濃く反映され る場合が多いため , 情報の扱いには慎重さが要求される。また , 一般的な雑誌とは趣を異 にするが , 研究論文などを掲載した学術情報誌 ( 大学が発行する紀要など ) が存在する。 雑誌の場合も , 新聞と同様にバックナンバーが図書館に保管されているが , 特に週刊誌 はある一定の期間を過ぎると破棄されてしまうケースがある。過去の記事を検索する場合 には , 国立国会図書館や日経 BP 記事検索サービス , 大宅壮一文庫データベースなどを利 用する必要が生じてくるだろう。また , 学術論文については , CiNii ( N Ⅱ論文情報ナビゲ ーター ) などによって検索が可能である。これらは , 有料のものもあるが , 新聞社のデー タベースと同様に , 大学の図書館などでは利用者が無料で使えるようになっている場合が = 多し、。 ⑤その他 これまでに挙げた文献資料の他に , 「国民生活白書」「警察白書」といった白書や , 「内 閣府世論調査」「消費動向調査」といった調査類に代表される政府刊行物がある。もっとも , これらはインターネット上で閲覧できるものがほとんどなので , 文献 ( 活字メディア ) 資 料とは言えなくなってきているというのが現実かも知れない。また , 企業の P R 誌やパン フレット , カタログの類も , 広い意味での文献 ( 活字メディア ) 資料と言えるだろう。特 に , 企業研究や商品研究などをテーマとした資料収集を考えた場合 , 情報源としての価値 は高い。学生向けの会社案内などは , 個別の企業の最新動向を知る場合には非常に便利な 情報源となる。
ー基礎編 で , 必す複数の対象に当たることが望ましい。 書籍 7 2 ② 利用して記事の検索ができるようになっている場合もある。 用することが望ましい。大学の図書館などでは , 利用者が無料でデータベースを はほとんど不可能であるため , 新聞社が公開しているデータベース ( 有料 ) を利 で , それらに当たることが基本である。しかし , 膨大な量の紙面に目を通すこと そのもの , もしくは縮刷版 ( 発行していない新聞社もある ) が揃えられているの することができるだろう。特定の出来事について検索する場合は , 図書館に新聞 ではあるが , 新聞に毎日目を通すことによって , 世の中の動きをある程度 , 把握 スポーツなど , あらゆるジャンルが網羅されている。全てを熟読することは困難 書版の書籍に換算すると 4 , 5 冊分 ) が詰まっており , 政治 , 経済 , 社会 , 外交 , 全国紙 1 紙には , 新聞社によって多少の違いはあるものの , およそ 60 万字 ( 新 C 0 ー u m n ができない。新聞といえば , 朝日新聞・毎日新聞・読売新聞・日本経済新聞・産経新聞の 子版」を閲覧することも可能であるが , 特に調査対象が過去である場合は電子版では対応 である。新聞は , 各新聞社がインターネット上に HP を開設しているため , いわゆる「電 現在 , あるいは過去に起こった出来事について調べる場合 , もっとも有力な資料が新聞 ③新聞記事 をもとに情報を集めていくこともできる。 門書の場合は必ず章末や巻末に「引用・参考 ( 参照 ) 文献」が記されているので , それら のかを , 図書館の蔵書検索システムなどを利用して知ることから始めるとよい。また , 専 くるだろう。取りあえす , 自分が対象としている分野でどのような書籍が出版されている 呼ばれるものは必読で , それには識者 ( 専門家や教員など ) のアドバイスが必要になって たればよいかは , 個人の力量ではなかなか難しく , 特に専門書の場合はます「基本書」と なのかどうかを確認できるし , 自分の考えを整理することもできる。どのような書籍に当 の著作などを一読しておく必要がある。自分が思いついた仮説やアイディアがオリジナル 既に多くの研究者等によって検討されているようなテーマについては , それらの研究者
第 5 章情報の収集と整理 3 . インターネット以外の情報収集 ウンターで司書に相談するという場合を ようになった。以前は , レファレンスカ 早く目的の資料に行き着くことができる ソコンを使用し , キーワードによって素 る。最近は , 図書館でも資料の検索にパ ろん , さまざまな視覚資料もそろってい 書館には , 書籍 , 新聞 , 雑誌などはもち 収集の主要な舞台は図書館であった。図 インターネットが普及する以前の情報 ( 1 ) 文献 ( 活字メディア ) 代用語の基礎知識』や『データバル』は執筆者の意見が強く反映されている場合があるの 事用語を調べる場合には『現代用語の基礎知識』『データバル』などが有効だ。ただし , 『現 会学事典』『医学事典』など , 専門分野の用語を詳細に扱ったものがある。また , 特に時 で十分であろう。『広辞苑』や百科事典など , 幅広い用語 ( 分野 ) を網羅したものや , 『社 のについては , 購入して手もとに置くことが望ましいが , 普通は図書館等で閲覧すること して使われるのがさまざまな辞書や辞典 ( 事典 ) である。自分にとって常に利用できるも キーワードの基本的な意味や概念をつかむため , いわば情報収集をサポートする資料と ①辞書・辞典 ( 事典 ) 収集を補うという意味でも , 文献の検索は必須の作業であると言える。 ーションの準備のためには , 今でも必要な作業であろう。また , インターネットでの情報 ていくというようなメリットがあった。特に論文やレポートの執筆 , 学術的なプレゼンテ 資料に当たっていく・・・・という地道な作業によって , 知らず知らずのうちに情報が蓄積し を手にとって目次に目を通し , さらに巻末の「引用・参考文献」を参照するなどして次の うに資料に行き着くことができなかった反面 , タイトルを目で追い , 「これは」と思う本 る資料を探し出すことが一般的であった。手間がかかる上に , 慣れないとなかなか思うよ 除くと , 自分で書架をめぐり本の背表紙に書かれたタイトルを目で追いながら , 必要とす