【埼玉検定】 2013 桜子 「埼玉検定」 < http: 〃 mymajestytoyama.wix.com/saitama > は埼玉県出身であ る桜子が埼玉県の PR のために作ったサイトで、検定を受ける者が埼玉県民である場 合埼玉県民と判定される。他の全ての都道府県民であることを否定すると埼玉県民の 判定が得られる ( 1 ) 。 ( 1 ) ちなみに、東京女子大「篠崎ゼミ」と「ジャパンナレッジ」の開発による「出身地鑑定 ! ! 方言チャート」 < https://ssl.japanknowledge.jp/hougen/ 2016 / 02 / 15 閲覧 > では、全て の設問を否定すると埼玉の判定が得られる。 【美術展会場における湿温度管理機器の鑑賞による釣り】 2013 桜子 美術展、ことに現代美術の展覧会会場において、何が展示品であり何が会場の備品 であるか判断することは、しばし困難を伴う。桜子は、会場の備品である湿温度管理 機器をあたかも作品であるかのように眺めるパフォーマンスにより、他の観客をもそ の湿温度管理機器に呼び寄せる試みを、最初は単独で、次に東野とともに行なった。が、 なかなか客は釣れなかった。 小規模なギャラリー会場においては、作者がつきっきりで自作品の解説をしてくれ ることが少なくない。しかし、作者が物理的に不在である大規模な展覧会会場におい ては、作品が会場の備品から区別されて「作品」であることを外的に保証するものは、 作品の横に貼られたキャプションの札しかない。従って、キャプション札があれば、 その最寄りに見受けられる物体は会場において作品と見なされ得る、という主張が可 能である。キャプション札の体裁は展覧会によって異なるため、展覧会を一度下見し キャプション札の規格をメモした上で湿温度管理機器の製作者や素材を明記した類似 の札 ( 添付資料参照 ) を自作し、二回目の入場で機器の横に貼ったり、これから行く 知人に託した。キャプション札の貼付けは電柱へのビラ貼りと同じく器物損壊罪に当 たるため日和って長居ができず、思うような釣果は得られなかったが、勇敢な協力者 の助けにより、六本木美術館で開催された会田誠「天才でごめんなさい」展 ( 2012 年 11 月 7 日 ~ 2013 年 3 月 31 日 ) において数枚の湿温度管理機器キャプション札 を貼ることに成功した。試行錯誤の結果、キャプション札をステッカーにしないと素 早く貼れない、という反省が得られた。 ( 添付資料①温湿度管理機器キャプション札 ) 2015 年、再度訪れた六本木美術館の「シンプルなかたち」展 ( 2015 年 4 月 25 日 80

そして我々は「死ね」と罵る。 補足。 罵りたりないのでもうひとつのアホな例を引こう。 気になったものとして別の例を引こう。「川俣正アート・バーゼル問題」だ。 2013 年 6 月にアート・バーゼル ( 3 ) に出品された現代美術家・川俣正によるファベーラ ( プラ ジルのスラム ) を模したインスタレーション「ファベーラ・カフェ」を実際に占拠した 若者を、主催側が機動隊を用いて排除した事件があった。詳細は山本がまとめたツイロ ート・バーゼルの『不法占拠』と『機動隊導入』について」 < http://togetter.com/ li / 522855 > や「アート・バーゼル、川俣正の作品が刺激」 ( 里信邦子 ) < http://urO.xyz/ ss6i 2016 / 03 / 04 閲覧 > を参照されたい。 ( 3 ) スイス北西部の都市バーゼルで毎年開催される世界最大の現代アートフェアー。例年 6 月 の 4 日間開催される。メインのギャラリー会場では 300 以上の出店者が、 20 世紀と 21 世紀の話題のアーティストの作品を紹介。出品作家数 4 千人、来場者 7 万人を数える ( 2013 年 ) 。くウイキペディア 2016 / 03 / 05 閲覧 > 初めに、ツイログの方から dj flyfisher(@djflyfisher) という方のツィートを引用させてい ただく。 dj flyfisher@djflyfisher 2013 ー 06 ー 19 OO: 1 3 : 18 川俣正の " ファベーラ・カフェ " というインスタレーションの前でスクワッティング ( 不法占 拠 ) をしていた人々を主催のアートフェア・バーゼルが強制退去させたってことのようですな。 dj flyfisher@djflyfisher 2013-06-19 OO : 35 : 59 ファベーラ (favela) はプラジルのスラムのことで、川俣氏の掘っ立て小屋的インスタレーショ ンはそこ ( 会場の外 ) をカフェにして、アートフェアに来た人が利用しているという、どう見 ても皮肉な作品。 dj flyfisher@djflyfisher 2013-06-19 00:40:49 ファベーラは基本不法居住者であるから、その前でスクワッティングするってのは実に理の かなったイヤミだよな ( 笑 ) それを警官で排除するって現実の二重写しみたいで笑えないぞ ~ まず、「ファベーラ・カフェ」に対し批評的スクワットを行った若者たちに、地域アート に介入を試み続けた我々メインストリーム編集部は親近感を抱いた。次に、安易に機動隊 を導入した川俣、主催側に嫌悪感を抱くのだが、川俣がもう少し頭がよく「やり手」であ ればどうだったか。おそらく、スクワッターたちを喜んで歓迎しただろう。思いがけない 他者と出会うアートはすばらしいといった風に。しかしそれは本当に他者なのだろうか。 若者たちは 上記の里信によるレポートにはこう書かれている一 「実はこのカフェで会期中、 にあるエスプレッソの器械は、南米の貧民街では決して手に入らないもの。このインスタ 90

から温かい雨が降ってきた。正しさと仲良くなると気分よすぎて駄目になる、 度と正しさと仲良くしない。 寂しくなる、と彼女は思った。 もう二 日本郵便は職務を果たした。「メール・アート展」会場である神保町のギャラリー を訪れた桜子は、自分の名前と切手に覆われ、おとなしく壁に貼り付いた 3 枚の葉書 を、無事に確認することができた。葉書どもは今や全くよそよそしかった。彼女は他 の出展者の作品を観察した。あたかも「郵便」をお題にした大喜利大会であった一 そういえば東野さんはどうなったのだろう。郵送で搬入すると言っていたにも関わら ず、一見したところ、東野の作品は見当たらなかった。そうか、わかった、故意に宛 名を書かなかったのだ。あるいは架空の宛名を書いたのだ。宛名さえ合っていれば差 出人と受取人が同じーーっまり誰にとっても見る必要がない作品 = 手紙を流通させら れる、という桜子の作品に対抗して、東野は、両者が異なり情報価値を持つ作品 = 手 紙であっても、宛名が違えば誰にも見られない、という構図を作り出そうとしたのだ ろう。東野の名前は「メール・アート展」のクレジットに残るが、その作品は未来永劫、 誰にも見られることがない。やるじゃない、と彼女は思った。突然、恐ろしい疑惑が 彼女を捉えたーーもしかして、わざとではなかったとしたら ? 東野は、観念と理屈か らなる密室に自らを幽閉し、現実社会との関わりが希薄な人間である。少なくとも桜 子の眼にはそうだった。郵便物を宛先に届けるには宛名を書かねばならないというこ とを、彼が知らないとしても不思議はなかった。まあいい、と彼女は思った。天才だ。 天才とはそういうものなのだ。とりあえず今後、東野さんに郵便物を発送してもらう のはやめよう。彼女は会場を後にした。 桜子の推量は幾重にも的外れであったことが数日内に判明した。東野の作品はちゃ んと搬入されていた。つまり、彼女が見落としていただけなのだった。改めて会場を 訪れた桜子は、壁に並んで貼付けられた 6 枚の市販の絵葉書を発見した。どういう意 図を持つ作品か不明であったが、とにかくそれには東野の名前が書かれた札が添えら れていた。 「全く、他人の心配する前にもっと注意して見てくださいよ。そんな大きいものを どうやって見落とすんですか」電話ロで東野が愚痴った。 「だって、凄く環境に溶け込んでるんですもの。ギャラリーのすぐ下の階、文房具 屋だし。絵葉書売ってるし。それになんていうのかな、アウラ ? とかいうのが皆厩で ええと、複製技術時代の - ーいいわ、降参よ。あの作品はいったい何なの ? 」

1 レ 7 月世界婦人 @saqrako 東野大地 @EF_earth 十私山本桜子は 8 ~ IO 日 TransArtsTokyo ( 略称 TAT) に「コミュニティア トの乱立を調査する為派遣された調査団 L ' art pour l'art による調査プロジェクト TotalArtTokyo ( 略称 TAT) 」の名目で参加させて頂きます 1 4 : 40 - 2013 年 1 1 月 7 日 月世界婦人 @saqrako Total Art T0kyo → http://kandatatcommain.wix.com/tat2013 1 4 : 4 1 - 2013 年 1 1 月 7 日 月世界婦人 @saqrako TotaIArtTokyo は、 TransArtsToky02013 受付会場である「共同ビル」内にておとなしく調査して ますので遊びにいらしてくださいませアンケートもよろしくお願い致します 1 4 : 47 - 2013 年 1 1 月 7 日 1 レ 8 TRANS ARTS TOKYO @kanda tat TAT 総合案内所は、ピンクの TAT サインが目印 ! 靖国通りからだと三菱東京 UFJ 銀行隣のスター バックスを曲がってくたさい。会場がよくわからないという方は、受付・監視スタッフにお気軽 にお声がけくたさい ! http: 〃 fb. me/2ZfK7GVQJ 1 : 28 - 2013 年 1 1 月 1 日 月世界婦人 @saqrako トランスアーットーキョーにおける l'artp 。 url'art による調査企画トータルアートトーキョーは本 日 ~ 3 日間トランスアーットーキョーの総合受付である神田錦町 2 共同ビル 1 F のフロア外に独 自受付を設けパンフ配市しております http: 〃 photozou.jp/photo/show/1363093/191442423 1 4 : 37 - 2013 年 1 1 月 8 日 47

「警固公園では死角が犯罪の温床になっていて、それを改善するために工事をして います」 なるほど・・・・・・管理社会化を推進していこうってわけだな。行政の犬め。 ( 後にこの「犯 罪」が婦女暴行であると判明。それは確かに改善した方がいいと思うのだが「アート」 「ふむふむ・・・・・・応募資格は『日本在住で、制作実績がある、 35 歳以下 ( 2013 年 3 「自称すれば誰でもアーティストですよ。今日から我々もアーティスト、そういう で粉飾する欺瞞は必要か ? ) そうこうして 2 時間ほどのツアーは終了。 山本も別の日のツアーに参加したはずだが、 記憶に無いとのこと。 数日後一一我々団アジト 1 階会議室 カルガモに夢中になっていたことしか 「この MAG とかいうイベント、おそらく非常に小規模なものですよ。応募する意味 あるんでしようか」 「ま、いいんじゃない。とにかくやってみないと」 東野はまた山本のハイテンションに丸め込まれた。 ム』編集部は MAG 応募書類の作成に取りかかる一 こうして我々『メインストリー 月 3 1 日時点 ) のアーティスト』 ことにしておきましよう」 「応募方法は・・・・・・」 ■応募方法 ・『アーティスト』 ? 」 必ず以下の内容を A4 ファイル 1 冊にまとめて送付してください。 ①所定の応募用紙 A. 工ントリー用紙 ( 応募者連絡先・活動履歴 ) B. 展示プラン記入用紙 ( 会場・趣旨・具体的なプラン ) C. 支出内訳書 ( 作品制作にかかる費用プラン ) ②過去の活動記録 ( 作品や展覧会会場の写真など ) 「過去の活動記録 ? 作品 ? 東野さんあります ? 」 「あるわけ無いじゃないですか。・・・ふふふ、しかし心配はいりません。・・・そんなの はですね・・・・・・でっちあげてしまえばいいんですよ ! 何かしていたことにする、或いは 今から何か作って過去の活動ということにする、とかね。どうせ無名です、バレやし ませんよ ! 」 9

【別冊メインストリーム『 L'apI'a ( ラブラ ) 』】 2012 『メインストリーム』編集部が まちおこしアートイベントに挑戦 ( 文・東野 ) 2012 年 5 月末 「これやろうぜ」 東野は山本の満面の笑顔とその手に持ったビラを見 て彼女の正気を疑った。 まちなかアートギャラリー福岡参加者募集中 ! 公募テーマは「変える」 まちなかを変える若きアーティストたちょ集え ! ・・・なぜ ? 何のために ? 「応募締切 6 月 24 日。あとーケ月もない。早くしないと間に合わないよ」 いや、そーなんですけど、何するつもりなんだアンタ。なんでそんなニコニコして るわけ。 この「まちなかアートギャラリー福岡 ( 以下、 MAG) 」、いかにも行政が好みそうな 平板で凡庸、衛生無害で生温い「まちおこしアート」といった趣だ。どうも地方行政 ではアートでまちおこし、というのが流行っているらしい。 「とにかくやってみようよ。ダメだったらダメでいいじゃない」 まあ確かに。山本の意味不明なハイテンションに飲まれた東野も参戦を決意する。 とりあえず、事務局スタッフが展示会場を案内してくれるという「会場下見ツアー」 ( 6 月 2 日・ 6 日・ 10 日 ) に行ってみることにした。東野と山本はスケジュールが合わず、 まずは東野が一人で参戦する。 6 月 2 日もしくは 6 日 ツアー当日。集合時間 IO 分前。待ち合わせ場所に指定された市役所入り口を少し 離れたところから視察する。なぜそんなことをつて、勿論、怖いからに決まっている。 それはともかく、おかしい、それらしい人がいない。普通の役人と市民が出入りして いるだけのように思える。集合時間 5 分前。ようやくそれらしい 3 人組が現れる。東 野は勇気を出して声をかけた。彼ら三人の構成は MAG 事務局員 M 氏、市役所員 2 名で、 ・。自己紹介が終わっ 全員主催側の人間だった。まだ他の参加者は来ていないらしい・ 7

ソロ活動 [ 山本桜子 ] NobIess Oblige Ltd. チョコレートとそのパッケー シ 平行植物 インターネットに拠る河童生息数調査 県別一覧表、及び分布図 200 個のキャンベル・スープ缶の在庫整理、 又はどうやってそれを売るか 69 70 72 74 74 75 埼玉検定 美術展会場における湿温度管理機器 の鑑賞による釣り イルカに応答を呼びかける人間存在の 実存を描いた難解映画のラフ・イメージ 80 80 82 [ 東野大地 ] 現代美術入門講座 84 Ⅱ . まとめ 87 おまけ 参考資料 編集後記 9 」 3

TAT 参考資料 月世界婦人 @saqrako 神田錦町 2 の 2 共同ビル 1 F フロア外トータルアートトーキョーは 18 時までクマが店番してま す電話も通じます 1 6 : 08 - 2013 年 1 1 月 1 () 日 1 レ 1 2 月世界婦人 @saqrako 神田トランスアーットーキョー内 1 1 月 8 ~ 1 () 日のトータルアートトーキョーにご協力くだ さったかた、お訪ねくたさったかた、どうも有り難うございました。 http://photozou.jp/photo/ show / 1363093 / 191776340 22 : 26 - 2013 年 1 1 月 1 2 日 月世界婦人 @saqrako なんとなくデジャヴ感じてさっき買い足した クマなのだが、 TAT 最終日に会場前で立ち話 されてたときの知人に似てると思った http: 〃 photozou.jp/photo/show/ 1363093 / 191777186 22 : 36 - 2013 年 1 1 月 1 2 日 49

11 月 7 日 東野・山本の二人は福岡を飛び立ち上京する。翌日からメインストリーム編集部が 展開する区画の準備もしなければならないが、まずは開催中の会場を見て回った。上 述の予想通り、 TAT が「コミュニティアート」を自称する必然性は感じられなかった。 地方で展開される同種のイベントと比較すれば多少質は高いのかもしれないが、それ は東京の文化資本に支えられてのことに過ぎないし、その面白さも地方のそれらと比 べて相対的なものでしかないと感じた ( 個々の参加アーティストに対しては、彼らに 不満を垂れることが本意ではないのでどのような意識で参加しているのか気になっ た、とだけ述べておこう ) 。 11 月 8 日 メインストリーム編集部は「コミュニティアート調査団 L'artpourl'art ( ラール・ プール・ラール ) 」名義で、 TAT2013 受付会場「共同ビル」内の正規受付がある部屋 から扉一枚隔てられた ( 扉は無かったかも ) 真横の階段前でラール・プール・ラール 主催の別イベント「 TotaI ArtTokyo 2013 」をでっちあげ、その「受付」を設置。「 Total ArtToky02013 」はどういうイベントか。単にアンケートを採るだけである。その内 容も鳩サプレをどこから食べるかといったどうでもいい設問で埋め尽くされている。 アンケートの目的は住所を採集することにあった。「 MAG2012 」に介入した時のよう に介入の記録を冊子化することを考えていて、今回は同時に配布先も入手しようとい う魂胆だったが、その肝心の冊子が『 L'apl'a 』の焼き直しにしかならないと判断し、 頓挫 ( 3 ) 。テープルの上にはアンケート ( 4 ) 、パンフレット ( 5 ) 、ラジカセ、ペン。ラ ジカセからは我々が制作したパンフレットの文章を機械音声 ( 6 ) に読み上げさせたも のと他、タンゴやワルツ等 ( 7 ) をエンドレスで流した。サイトも事前に制作した ( 8 ) 。 開催期間中はこちらでもアンケートを受け付けていた。我々はニセ受付の設置とい う紛らわしいことを意志的に行った。その意図は明確だ。それは TAT が展開する「コ ミュニティアート」が神田の街というコミュニティの合意があるかのように振る舞う 欺瞞に対し否を突きつけるということだ。何がコミュニティ ( 共同体 ) アートだ。現 代芸術家を自認するなら共同体の外を志向すべきだろう。馴れ合いじみた共同性、衛 生無害な共同性、偽りの共同性・・・・・・。それらを切断することが現代において芸術や表 現に要請されていることだ。 「ちょっと待て、君達メインストリーム編集部はダダイストだか未来派だか知らない が、『ファシスト』をも併称しているではないか。ファシズムこそ近代化によって破 壊された共同性を人工的に構成していこうという運動ではないのか」との声もあるか もしれない。なぜ我々がファシストを名乗っているかお教えよう。それはお前たちが 最も忌み嫌うものだからだ。 36

こ " から新たな出会いとムーヴメントが生まれることを期待して、九州全域からプレ ゼンテーションの参加団体を広く募集いたします」という声は我々の心を打った。募 集要項を読み進めると、「九州を拠点に展開するアートプロジェクトのプレゼンテー ション。アートに関わるものであればジャンルは問いません」とのことである。義を 見てせざるは勇無きなり。福岡を拠点に破壊的運動を志向する我々がここに加わらな いのは、九州の文化レベルを更に低下させる、悲しむべき行為ではないか。参加に当 たっては、団体概要・応募動機・プレゼンしたい活動内容などの記入欄を設けた所定 の応募用紙、および必要な場合は A4 用紙 3 枚以内の資料の提出が求められていた。 応募書類を基に、内容とジャンル、地域などのバランスを考慮のうえ、プロジェクト メンパーにて出場者を選考するとのことであった。 NPO 法人「ドネルモ」主催のトークイベントには数回参加したことがある。温かく 優しく、知的好奇心を刺激してくれるイベントであった。「誰も、何も、自分さえ傷 つけない、ただ個人の退屈な日常をなんとか支えるつつかえ棒として使われる、人を ちょっと元気にする、仕事帰りのご褒美スイーツみたいな、そんな教養に何の意味が あるのか ! 」と叫びだしたくなるイベントであった。その方々に選考されるのだ。「九 州各地の多彩で元気な」「新たな出会いとムーヴメント」そんな、今まで「まちおこ しアート」に介入しては見てきたような、キラキラした期待に応えねばならぬ。我々 はダミー団体を用意することにした。本当に今、九州が必要としていることを会場で 言うためには、どんな手を使っても選考に残らなければならない。ます、用意したダ 一団体で選考を通り、中の人が同じであることを利用して会場で発言する。ダミ 団体としては、アート企画集団「ソレイユ」を立ち上げた ( 2 ) ( 添付資料参昭 ) ( 2 ) 資料一応募書類 ( p. 29 ) アート企画集団「ソレイユ」参照。なお、多少なりとリアリティ を増すために HP も作った。 < http://mymajestytoyama.wix.com/soleil > 31 P にスクリーンショット掲載 ート企画集団「ソレイユ」の無内容なティストの演出には、我々がこれまでいら いらしながら見てきた「まちおこしアート」「アートプロジェクト」の幾多の告知文 が役に立った。しかし、いかにダミーといえど本当に思っていないこと、やっていな いことを書いてはいない。そもそも我々は現行の「まちおこしアート」に反対するだ けであって、まちおこしアートの真の担い手であることは、望むと望まざるとにかか わらず、我々「ファシスト」の使命なのだ。応募書類の「団体概要」に述べたように、 我々は本当に「皆が見たことのない新しい ~ ものや : 状態を作りだすことで人々 を笑顔にするアートのありかたとその規模の拡大を模索して」いる。「プロジェクト名」 25