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検索対象: まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!
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1. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

ーチェによる聖書の誤読① 「こころの貧しい人は、さいわいである、 天国は彼らのものである」 『マタイによる福音書』第 5 章 3 節 ( 『ロ語訳聖書』日本聖書協会 ) 原文の真意 「こころの貧しい人」 = 「霊的に貧しい 人 (the poor in spirit) 」 = 権力・財産・地位など頼れるものが ない人 ーチェの 「 ( 経済的に ) 貧しい人を幸 福といい、そういう人こそ 天国に行ける」というのは、 ルサンチマンから来る価値 の顛倒 0 ニーチェのキリスト教批判の誤り よく 神の力を頼りにするしかない 神の力をより頼りにする 人ほど、神の救いは 与えられやすい 参考 : に一チェ「超」入門」 ( 白取春彦、 ディスカヴァー・トウ工ンテイワン ) せたのはキリスト教徒のルサンチマンであ るとして、新約聖書『マタイによる福音書』 第 5 章の山上の垂訓に一一口及する。ここに「貧 しい人こそが幸福だ」というルサンチマン に基づく価値観の逆転が典型的に表れてい る、と指摘したのだ。 しかし、第 5 章 3 節で書かれているフレ ーズは、「こころの貧しい人たちは、さい わいである、天国は彼らのものである」だ。 決して、「経済的に貧しい人が幸せだ」と 言いたいのではない。 「こころの貧しい人」とは、「霊的に貧し い人」のこと。霊的に貧しいとは、心のよ りどころを現世に持っていない人のことだ。 財産や地位、権力などに恵まれた人は、そ れらを頼みに充実した人生を生きられる。 自力で世渡りできるので、「神に助けてほ しい」、などと田っことは、ない しかし、そ一つしたよりどころを持ってい ない人は、神の力を頼りにするしかない この世に心のよりどころが少ない人ほど、 8

2. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

現代社会の善悪 人に与える ( 寄付、奉仕など ) 、我慢する、人の権利や財産 を尊重する、貧しい人、弱い人を守る・・ ( よいこと ) 自分以外の人を大切にすることで 社会が豊かになること 道徳の価値を問い直す 「善」とは利他的な行為のこと 「この認識は 全くのマチガイ ! 」 ()y ニーチェ ) 「悪」とはそれに反する 利己的な行為のこと ( 殺す、奪う、他者を蹴落とす、独り占めする・・・・・・ ) 反対に、成功してもおごらず、謙虚で温 和な人は「善い人」。社会のために財産や 才能、労力を惜しみなく提供することは「善 とうと いこと」で、尊い行為とされる。 このような善と悪の見方の根拠は何だ ろうか。多くの人は、それは道徳 ( モラ ル ) の問題である、と考えるかもしれない しかし、そもそもど一つして人は、このよ うに考えるのかいや、ニーチェ流に間え ば、ど一つしてこう考えるように〃なってし まった″のだろうか 善・悪とは行動の 評価ではなかった 道徳的に善いことと悪いことの違いとは 何か。多くの人は、その行動が利己的か利 イ的かで決まる、と考えるかもしれない 自分を優先させる行動 ( 利己主義的な行為 ) は悪いこと、周りを優先させる行動 ( 利他 しことである、と。 主義的な行為 ) はい ) しかし、ニーチェに一一口わせれば、そのよ

3. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

ものの見え方はその人の欲望で変わる 世捨て人 ポーナスだった らちょっともの たりない・・ 〇〇社の株 を買ってます は増やそう これで〇票 集められる サークル の合宿に 行ける 員 ムロ 投資家 大学生 これで息子を 私立高校に行 かせてやれる お金に意味 などない 欲しかったバッ グが買える 赤ん坊 女性 父親 一つの事実に対する 人それそれの感じ方 同じ出来事や事実を目の当たりにしてい ても、人によって「見えている景色が違う」 ことは珍しくない。例えば、ある人が事故 に遭ったという事実を新聞記事で知ったと き、親しい知り合いに。悪い知らせだが、 その人を気に人らない人なら、良い知らせ ととるかもしれない。赤の他人なら、何も 感じず、次の記事に目を移すだろう。 人は誰しも、いまの自分に重要なこと、 重要でないことを常に判断して生きている。 その点では、人とは誰しも自己中心的な存 在である、ともいえるのだ。 このような価値判断の仕方こそ、まさに 人間の認識の本質である。しかも、人間が そのように常に価値判断をしていなければ 人生は成り立たない、とニーチェは一一一口う。 遠近法的思考は、人が生きるうえでの根 本条件というわけだ。 32

4. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

張 大いなる正午ではすべての 「陰」が失われる 従来の価値観に 基づく善悪の差 がなくなる 大いなる正午に おいて人は自律 していなければ ならない の 今や初めて大いなる正午がやってくるのだ、 0 今や初めて高等な人間がーー主人となるの 0 『ツアラトウストラ』「第四部高等な人間について」 0 すべてを等しく照らす真実の光 人 、つ 、つかる そそあ 大いなる正午で 歩き出せる人とは ? 大いなる正午とは、どれもが等しく照 らされている一方で、何も目印がない状 態だ。「あっちを目指しなさい」「こっちに 来てはいけない」と誰も教えてはくれない 畜群 ( Ⅱ誰かに従うことが当たり前にな っている人たち ) ならば、きっと途方に 暮れてしまうだろう。だがそこで、誰か について行こうとしたら、ニヒリズムを 徹底し、乗り越えることはできない 人は、真っ白な世界で自分の足で立ち、 自分で選んだ方向を信じて歩いて行かな ければならないのだ。そうするために人 は成長しなければならない それがニーチェのいう「人」のイメ ージなのである。次節で詳しく見ていこう。 一打動は 値観で向付けらこ物の 切が否定される。 703

5. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

永遠回帰の人生を肯定する 等しく無価値な状態が永遠に、 無意味にくり返される ま。。すべては値 すべては肯定される Yes! 人生すべてを 受け入れたことになる ( すべては等価値だから ) ある瞬間に決断し、 「ありのままの世界」 を認め、肯定する 永遠回帰を克服した人生 ・ありのままの自分を認め、自分のあり方ありのままの人間を肯定する : を肯定する 情欲、性欲、情動、陶酔・・・ ・自分だけの生き方を確立する ( 責任ある 生き方、後悔しない人生 ) ( 強者、弱者が本来的に存在することを認める ) ニヒリズムを克服する勇気 永遠に続き、くり返されるという世界観で ある。努力したら人は「成長した」と思う。 だが、ニヒリズムの世界では、何も変わ ったとはいえない。そんな空しい生が永遠 にくり返される世界である。 そもそも「望むこと」自体に意味がない 「勉強していい大学に人りたい」「貯金して しい腕時計を買いたい」「自分を磨いていし 男と結婚したい」。現代人はさまざまな未 来を手に人れようとして自分を磨く けれども、未来において手に人れようと している " それんにも価値はないのだ。む ろん、手に人れようとして努力することに も価値はない。「欲しい」と思うのは、そ れに価値を認めるからだ。そんな望みに価 値はない。 すべてが無価値の世界では 終わりり望めない そうはいっても、人は望みを持たなけれ ば生きることはできない。だから、そんな

6. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

張 同情とは相手を軽蔑するに 等しい最大の愚行である 同情は人の誇りを傷つ け、復讐心を抱かせる の きみたちは、自分自身に我慢がならず、自分 を充分に愛していない。そこで、きみたちは、 0 隣人を誘惑して自分に好意をいだかせ、隣人 の思い違いでもって自分を金めつきしようと 欲するのだ。 『ツアラトウストラ』「第一部隣人愛について」 隣人愛は、自分を愛 せない人間が他人に 自分を愛させようとあ しているにすぎない / 超人的に生きるな ら、同情も隣人愛 も捨て去らなけれ ばならない 気高く生きるならなれ合うな 人が、その事実から逃避しているにすぎな 。自分が自分を愛するだけでは満たされ ないので、自分への好意を他人に抱かせ、 不十分さを埋めようとしてる、というのだ。 「愛」は、「認めること」と言い換えると 直を自で 100 % 認めることができ が、他人に自を認めさせようとし にしているだけとい一つことだ したがって、超人的な生を生きる人は、 隣人愛を抱かない。自分で自分を 100 % 肯定できるからだ。逆に、隣人愛が「美徳」 とされるのは、自分を愛し抜くことができ ない弱い人たちのルサンチマンである。 ニーチェは、超人になりきれない人も、 隣人を愛してルサンチマンを慰めるのでは なく、来るべき最高の人間 ( 超人 ) に思い を馳せ、彼を愛するべきだという。それは 自分にとってもっとも遠い存在である。そ れを愛すること、つまり遠人愛こそ、人 間へのより大きな愛のかたちなのだ。 717

7. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

人間を超えた存在「超人」 0 0 進化 人間 刀ロ ・人間を超えた人間のあり方 ・最高の . 人、間像谺尓 ( 個人を指すのではない ) ・人間の枠組みを超えた人間 ・「人間」の既成概念を超えた存在 遍弋人、善人・・・・ 誤ったイメージ 進化 ーチェのイメージ ・天才・聖者 ・肉体的に卓越した人 ・理想的な人間像 すごい「人間」に すきない 既存の価値観を 前提している 「人間」はまだ進化の過程である ごい人、歴史を変えるような英雄めいた人 物のことを想像してしまいがちだ。 だが、ニーチェが超人というとき、それ は特に具体的な人物を指しているのではな く、ある種の人間像の総称を指している。 一般の人間を超越した、最高の人間のあり 方を示した概念なのである。 ニーチェは例えば、『ツアラトウストラ』 の一節では、このように表現している。 「人間は、動物と超人のあいだにかけわた された一本の綱である、一つの深淵の上に かかる一本の綱である」 動物が進化して人間が生まれた。同様に、 人間には進化の道筋の先に超人がある、と る人間をり越えたに ロ人とい一つ高みを見た。 超人は群れず、生きる道を 自分で決めることができる 困難や苦しみを乗り越える必要のある人

8. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

同情を克服する 0 ・相手を弱者と 見なす ・相手に羞恥心 を感じさせる ・密かに幸福を 感じている 同情 C 愛 0 ・安易な手助けは相手の誇りを傷つけ、感謝同・肩を超えた愛 どころか復讐心すら芽生えさせることがある ・苦悩する相手に対し「沈黙」する ・同情に心を奪われると判断も感情も誤った ( = 相手に同情しない ) 方向へ向かう ・高貴な人間は他人に羞恥を感じ させない ・相手に同情心を抱いた自分にこ そ羞恥を感じる ・友の悩みに対して「野戦の寝床」 となる ( = 戦いの最中の憩いの場 だが、安易に保護したり与えた りはしない ) 気高く生きるならなれ合うな 「人の善意をなんだと思ってるんだ ! 」と 怒り出す人がいる。そういう人は、他人の 不幸に対して、優越感を覚えているだけな のだ。同情深く、困っている人に率先して 手助けをする人は単に、彼らの存在が自分 の喜びであるからにすぎない。したがって、 困っている人が幸せになると、同情をする 人たちは喜びを失う、と ) 一ーチェは一一口う。 「他人が幸福なときは、彼らはなにもする ことがなく、余計者であり、自分たちが優 をラ 越を保っているとは感じられず、それゆえ にすぐ不満の色を見せる」 ( 『人間的、あま し の りに人間的』 ) な 同情することは 大す相手を軽蔑すること ニーチェが「同青をうのはそ も起 と れは相手に対して脅威を感じていない、と も弓 いうことでもある。同情は、自分と対等と 認めている相手には、芽生えない感情なの I

9. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

しゃあ さっきの TQ にしても 同じことだよ 私の考えが 間違ってた ってこと ? ハイトと 哲学に対する 価値観の違いで 随分と 責められて いただろう ? そーですね : ・ 正解でも 間違いでもない この世界に 客観的な「事実 . などない ただ各人の 「解釈」があるだけ ニーチェは そう言い切った んだよ どんなメディアも 学問も、それぞれの 立場が設定した 視点から、モノを 見ているにすぎない な : ・なんか ランボーな気も : 0 また 「よい人」↑ 「無私な人」民 「悪い人」 「我欲の強い人」も それは変わらない だって、 テレビや新聞の ニュースとか 学問とか 客観的なものも あるんじゃ ? 2

10. まんがと図解でわかるニーチェ : 「超人」「ニヒリズム」…ニーチェの思想が2分で理解できる!

0 み - 主 人のものの見方は人 それぞれの「遠近法」 にのっとっている ( ・【 1 ー 1 いったいそれ自体でのもののうちに意味があ 皿るのであろうか 意味は必然的にまさに関係的意味であり遠近 の法であるのではなかろうか ? 権力への意志』 ( 590 ) 張 人間の認識のあり方とは ? 自分にとって重要な事柄 は大きく、ささいなこと は小さく見える ものの見方の遠 近法は、本人が自 覚していなくてあ も働いている だからこそ、人間は いまの自分の価値を = 信じて生きていける 「ものを見る」ことの 限界に気つく 人と意見が違うことを「価値観の違い だね」などと片付けてしまうような人がい る。遠近法的思考には、確かにそうした表 面的な部分も含まれるが、もっと人間に深 く浸透している部分もある。 本人は自覚しておらず、「自分の価値観」 とは意識していない部分でも、遠近法的思 考は常に作用し、その人の行動に影響を与 えているというのだ。人間はそうして自分 の欲望や感じ方、行動に価値や意味がある ものと信じるからこそ、この瞬間も生きて いられるのだ。 そうすると、人間は遠近法という枠の中 でしかものを見ていないことになる。本人が 意識していなくても、人には物事のとらえ かたの枠というものがあって、その中で感じ、 考えていることになるわけだ。私たちはまず、 そのこと、を日見しなければならない。 3