困らない状況を自らっくり出すには、資産を増やすほかありません。しかも、運用するこ とで収人を生み出せる資産です。 資産といえば、例えば持ち家もそうです。戸建てにしてもマンションにしても、不動産 ですから資産に違いありません。これらは確かに、収入は生み出せません。自らそこに暮 らすことで利用価値を得ているだけです。たとえ購人価格—億円の家を所有していても、 そこに住んでいる限りは、その資産価値は顕在化できないのです。 しかし、時機を見て、そこを売却するという選択肢は取れます。条件が良ければ、購人 価格—億円を上回る価格で売却できるでしよう。そうすれば、資産としての価値向上分を 顕在化させることは不可能ではありません。また居住用の不動産は別に手当てした上で、 持ち家を賃貸用不動産に切り替えることも考えられます。そうすれば、一定の収人を得ら れる資産として位置付けられるようになるのです。 重要なのは、立地条件です。購人時より高く売却する、賃貸用不動産として借り手を見 つける。それには、立地条件の良さが何より求められます。最近、都心回帰といわれるよ うに立地条件の良い住宅を選ぶ志向が強まっているのは、持ち家も資産として認識される ようになった一つの証です。 030
応できるということです。 これから先、インフレ見通しにあることは第 1 章でもふれました。景気が良くなって、 物価が上がっていく、という局面です。こうなるとしかし、モノの価値が上がるのでお金 の価値は相対的に下がっていきます。従って、全ての資産を現金で持ってしまうと、資産 価値は目減りしてしまいます。 ところが不動産は、このインフレに強いのです。景気が良く、物価が上がる局面では、 不動産の価格も上がるからです。お金の価値が相対的に下がる一方で、不動産はその価値 を維持できるわけです。インフレ見通しの下では、保有資産をできるだけ不動産に置き換 えておくのがインフレ対策としての常道です。 しかし、デフレ局面になると、事態は正反対になります。景気が悪くなって、物価も下 がります。そのため、モノの価値が下がるのでお金の価値は相対的に上がっていきます。 不動産の価格も下がります。従って、インフレ対策になるからと全ての資産を不動産で持っ てしまうと、資産価値はやはり目減りしてしまうのです。デフレ対策を考えるのであれば、 資産は現金で保有していた方が良いということになります。 このインフレとデフレは景気循環に伴って交互に繰り返されます。常にインフレ、常に 078
しかし今では、土地の価格は下がることもあるというのが常識ですから、キャピタルゲイ ン狙いからインカムゲイン狙いにすっかりシフトしています。 不動産は今、利用するのが当たり前の時代です。例えば投資用マンションとして利用し、 それによって家賃収人という収益を生み出して初めて、その不動産は価値あるものとして 認識されるのです。不動産の収益が、その価値を決める時代です。 従って、不動産価格の値下がり値上がりという短期の動きに惑わされずに済みます。重 要なのは、収益性なのです。その収益性を中長期にわたって生かすことによって、時間は 掛かるかもしれませんが、堅実に資産形成を図っていくわけです。その安定感と成長性こ そ、不動産という資産を保有資産の根幹に据えるのがふさわしいと考える理由です。 5 つのワナに陥らないようにするには、 中長期の構えが重要 不動産が幹なら、現金は枝です。現金は「安全性」「流動性」は極めて高いものの、そ 080
「都心」「ワンルーム」が狙い目 ! 自己資金ゼロから始めるマンション経営の極意 第 5 章 土地の評価額を、市町村が定める固定資産税評価額をもとに建物の評価額を求めるのが基 本です。土地に関していえば、この路線価は実際の価格に比べ抑えられています。土地の 適正価格として毎年 3 月に国上交通省が公表する公示価格を基準にすれば、その 8 割とい われています。従って単純化していえば、仮に適正価格 1 億円の土地であっても、相続税 の税額算出に向けた評価では万円と見られるわけです。 しかも、相続される土地に賃貸住宅が建てられている場合には、その土地は「貸家建付 地」として扱われることになって、評価額はさらに引き下げられます。その割合は地域に よって異なるので一概にはいえませんが、おおむね 2 割は引き下げられると見られます。 この場合には、貸家である建物の評価額はそうではない建物の評価額に比べ抑えられます。 その程度もやはり地域によって異なるので一概にはいえませんが、おおむね 3 割は引き下 げられると見られます。ワンルームマンションは賃貸住宅として経営されているわけです から、土地・建物の評価額はともにこのように圧縮されるのです。 みロ価額の圧縮は、まだ可能です。一定の条件を満たす土地の評価額をさらに引き下げる 特例制度が用意されているからです。これを、小規模宅地等の特例と呼びます。この名称 からも分かるように、土地面積のうち一定程度までを対象に、その評価額を % または 1 91
らませると説明しました。つまり、これらの償却費はできるだけ大きい方が、帳簿上の損 失も大きく、従って節税効果も高まるのです。ワンルームマンション経営を成功に導く上 で一つのポイントと言うことができます。 合理性が必要な償却費の算出で 投資家を有利にする方法 では、この償却費はどのように算出するのでしようか 償却費の計算で出発点になるのは、建物にしても設備にしてもその取得価格です。取得 時点の価値と言い換えてもいいでしよう。償却費の額を決めるさらにもう一つの要素が、 耐用年数です。減価償却資産の価値が何年後にゼロになるのかを定めたものです。これは、 減価償却資産ごとに関係法令で定められています。建物は、鉄筋コンクリート造の住宅用 で町年、建物附属設備は、電気・ガス設備や給排水・衛生設備で燔年です。 これらをもとに償却費を計算するとき、計算方法には、定額法と定率法という大きく 2 1 46
5 % ( 変動金利 ) ・返済期間肪年間という条件でローンを組んだとします。月々の返済額 は 8 万 4428 円です。先ほど来の試算と同様に、実際には変動金利なので適用金利は変 動しますが、計算上、適用金利は一定のものとして扱います。 借人残高は当然のことながら、時間を追うごとに減っていき、返済開始から肪年目でゼ 口になります。ローンを完済するわけです。ただ、借人残高の減り方は、返済当初は小さ く、次第に大きくなっていきます。返済額は一定とはいえ、返済当初はその多くが金利部 分の返済に回り、次第に元金部分にも回るようになっていくからです。元金返済額は、 年目は万 6613 円にすぎませんが、川年目は万 9073 円に、年目は万 840 8 円に増えていきます。 こうしたロ 1 ンの借人残高の推移に、想定売却額を組み合わせます。想定売却額は購人 価格 ( Ⅱ借人金額 ) 万円をもとに、それと同じ価格、 5 % 高い価格、川 % 高い価 格、と見込んでおきます。値下がった場合も想定し、川。 % 安い価格、 % 安い価格、 % 安い価格、も想定しておきます。 借人残高は確実に減っていくわけですから、仮に購人価格 ( Ⅱ借人金額 ) と同等以上で 売れた場合には、借人残高をゼロにできないことはありません。もちろん、売却処分には 172
「都心」「ワンルーム」が狙い目 ! 自己資金ゼロから始めるマンション経営の極意 第 5 章 1 ドルの低そうな中古のワンル 1 ムマンションに投資するのが良 の人り口としてもっとハ さそうにも思えるかもしれません。先ほどもふれたように、中古であれば当然、購人価格 は新築より安く、数百万円台で済みます。投資への取り組みやすさだけを考えれば、ワン ルームマンション投資への人り口として適しているように思われるかもしれません。 それは、表面利回りの高さとなっても表れます。表面利回りⅡ月額家賃収人 x カ月 + 価格 x—cc ですから、同じ家賃であれば、購人価格が安いほど利回りは高くなる計算で す。しかし、利回りは収益性の証と考えてその高さだけを追い求めているといっか失敗し ます。繁華街のような立地条件の良い立地であれば、月額家賃収人は相応の水準を見込む ことが可能です。質を問わなければ、違法エステなど家賃負担力の高い借り手を付けるこ とさえできるからです。一方で、そのような借り手の多いワンルームマンションは中古と いうこともあって、 いくら立地条件が良くても価格水準は知れています。そのため、表面 利回りを算出すると、数字上は魅力のある高さになるのです。 例えば、ある繁華街では売り出し価格 850 万円、月額家賃 7 万円という中古 ・ 2 % です。結 ワンル 1 ムマンションの物件がありました。表面利回りを計算すると、 構、魅力のある数字なのですが、調べてみると、このワンル 1 ムマンション 2 3 4 戸のう 21 5
ライフプランと目標資産額を具体的に設定。 マンション経営を成功に導く計画の立て方 第 4 章 つの考え方があります。定額法は毎年同じ額、つまり定額で減価償却していく方法です。 これに対して定率法は、償却の仕方が当初は大きいものの次第に定率で小さくなってい ものです。どの方法で計算するかは、減価償却資産によって定められています。 減価償却資産の取得価格と耐用年数をもとに、減価償却資産によって定められた方法で 算出するのが、償却費です。これをできるだけ大きくしようとする場合、取得価格、耐用 年数、償却方法、という 3 つの要素に対応する形で 3 つの方法が考えられます。 まずは取得価格をできるだけ膨らませることで償却費を大きくする方法が考えられま す。ワンルームマンション 1 戸を想定すれば、その取得価格は一定です。土地、建物、建 物附属設備、これら 3 つで構成されているはずです。ただし、減価償却資産はこのうち建 物と建物附属設備だけですから、土地代よりむしろ建物代・建物附属設備代の合計を大き くすることが、償却費を大きくすることにつながるわけです。 さらにこれを、建物代と建物附属設備代に区分けする必要もあります。建物と建物附属 設備とでは、耐用年数も違えば、償却方法も異なるからです。 耐用年数は先ほどご紹介したように、建物町年、建物附属設備年です。仮に取得価格 が同じとすれば、耐用年数の短い方が、それだけ早く償却を終えるということですから、 147
ライフプランと目標資産額を具体的に設定。 マンション経営を成功に導く計画の立て方 第 4 章 問題は、購人価格 ( Ⅱ借人金額 ) を下回った場合です。この場合には、その下回る程度 によって、また売却処分がいつの時点であるかによって、結果は変わってきます。 想定売却額が購人価格の S % だった場合、つまり川 % 値下がりした場合を見てみましょ う。売却額は 2250 万円ということです。この場合、売却処分の時点が—年目内では、 借人残高をゼロにできません。 1 年目の借人残高が 2451 万 3387 円だからです。想 定売却額が 2250 万円では、ロ 1 ン完済まで万円ほど足りない計算です。 ロ 1 ンの借人残高の推移をたどると、この想定売却額でローンを完済できるのは 5 年目 と分かります。 5 年目であれば、借人残高は 2246 万円 254 円です。 2250 万円で 実際には経費が掛かるので、仮に購人価格万円で売れたとしても、手元にはそれ を下回る金額しか残りませんが、ここではその経費は無視して考えます。 想定売却額が購入価格を下回っても、 早くに借入残高がゼロに 1 7 3
リスクを抑え、他人資本で資産形成。 サラリーマンのローリスクマンション経営 第 3 章 建物の劣化がコストを押し上げ、 リターンを圧迫 リターンの振れ幅としてのリスクには、リタ 1 ンの源泉ともいえる家賃収人そのものに 影響を与えるもの以外にも、家賃収人から差し引く必要のあるコストに影響を与えるもの が考えられます。リタ 1 ンⅡ家賃収人ーコストですから、家賃収人に変わりはなくても、 コストが思いのほかかさんでしまうと、リタ 1 ンは下がってしまいます。つまり、コスト を引き上げる要因も、リスクとして認識しておく必要があるわけです。 このコストとしては、先ほど空室リスクにふれるなかで税金と管理費・修繕積立金を挙 げました。これらも変動し得るものです。 固定資産税は、土地・建物の価値を評価し直す評価替えによって税額が変わる可能性が あります。この評価替えは 3 年ごとに実施されるもので、年度がその年度に当たっ ています。土地の評価は国が毎年 3 月に公表する地価公示価格などをもとに、建物の評価 は同じ場所に同じ建物を建設する前提でいくら掛かるかをもとに築年数も考慮に人れた上 095