おじさん - みる会図書館


検索対象: 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り
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1. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

駐屯地記念日行事へ行こうー 次郎「おじさん、こんにちは」 おじさん「よう、太郎。かと思ったら、なんだい、弟の方かい。ま、上がりなさい。ところで御 主、兄さんは一緒じゃないのか ? 次郎「ハア、兄貴なら訓練で東富士に行ってますよ」 おじさん「そうか。で、今日はなにか相談でもあるのかと見えるが、大学に進学するんだろう ? 油など売ってないで勉強でもしたらどうだ。将来、おじさんみたいに苦労するぞー 次郎「いや、大学へは行きませんよ。俺、一刻も早く社会に出たいんです。兄貴に感化されたわ けじゃないけど、俺も来年、自衛隊に入隊しようと思ってるんです。それで、いろいろと話を聞き たかったもんで」 おじさん「おやおや、警察マニアの次郎のことだから、てつきりキャリア組をめざして猛勉強し 第 4 章機甲科と戦車の世界を百レむ万法 238

2. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

戦車男とは ? 戦車とは ? 太郎「おじさん、こんにちは。おひさしぶりつス ! 」 おじさん「おう、元気だったか。ひさしぶりだな。まあ、上がれや」 太郎「はいツ、お邪魔します」 おじさん「まずは前期教育卒業おめでとう ! お前もちっとは自衛官らしくなったな」 太郎「そうスか ? ありがとうごさいます ! 」 ひいじい いくら、曾祖父 車おじさん「つぎは後期教育だな。しかしまた、なんで機甲科を希望したんだ ? さんが戦車に乗っていたからって、同じ道を歩むこともなかろうに。戦車乗りはキッいぞ。俺のよ A 」 うに航空科にすればよかったのにな」 車太郎「俺、いや、自分は曾祖父さんが乗っていた戦車というものが、どういうものか知りたかっ たんです」 第 1 章「戦車男′と「戦車′の礎知識 せんしやマン せんしやマン

3. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

ーンでもないし、フィンランド軍のものでもない。どこの国の軍人だろう ? そこで、おじさんがさっそくその一人に稚拙な英語で話しかけると、なんとポスニア O--EO 帰り のノルウェー兵だった。おじさんの頭の中には、主要な諸外国の迷彩パターンはほば頭に入ってい るつもりだったけど、ノルウェ 1 軍の迷彩は失念していたなあ。で、聞けば、憲兵として交通統制 をしていたのだと一言、つ。 『ほう、それはそれはグッドジョブであった。俺も日本国防軍の軍曹だ。飛行隊でヘリコプター の整備をしている』と言うと、『君も軍人か、観光で来たのかい。日本は平和な国だと言うが、一 度は行ってみたいものだ』などと数分間、会話を楽しんだわけだ。 ところが彼と別れた直後、おじさんたちは、見知らぬ白人の若者数人に突然、取り囲まれた。な にごとかと身構えると、『君たちは日本の軍人か、ビッテ。俺たちと一緒に写真を撮ろうぜ、ビッ テ』と言うのだ。『君たちは何者だ ? 』と問うと、彼らは、『われわれはドイツ連邦軍の軍人だ、 ビッテ』と答えたんだ。いや、ドイツ人だからって、いちいち語尾にビッテとはつけないけどな。 で、なるほど、私服姿ではあったが髪は短く刈り上げられていて、一応軍人には見える。しかし、 さすがはかっての同盟国ドイツの軍人だよな。おじさんとノルウェー兵の会話を、一部始終聞いて いたんだ。そして、おじさんが日本の軍人 ( 自衛官 ) であると知って、ドイツ語と英語をチャンポ ンにして話しかけてきたわけだ」 次郎「なるほど、ドイツ人は日本の観光客にはとくに親切だと聞いたことがあるけど、本当なん ですね」 262

4. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

おじさん「そうか。ま、蛙の子は蛙というしな。しかし、戦車乗り、いわゆる戦車男はつらいぞー せんしやマン 太郎「戦車男 ? 」 おじさん「うむ。米海軍では水兵を『シーマン』、空軍では『エアマン』と呼ぶ。シーマンとい はや っても、むかし流行った人面魚育成ゲームではないぞ。ところが、陸軍では兵士を『グラウンドマ ン』などとは呼ばない。最下級の階級である二等兵で一一一一口えば、海軍は『シーマン・リクルート』で、 空軍が『エアマン・べーシック』だ。もっとも、女性であっても、〇〇マンと呼ぶがな。陸軍では 『〇〇マン』とは言わずに『プライベート』という。これは、自衛隊の英語標記での階級呼称でも 同様なんだ」 太郎「へえ ? そうなんスか」 おじさん「まあ、しいて言えば、戦車に対する熱き心を持った『戦車乗りの男たち』を せんしやマン 『戦車男』と言うのかな。なぜかってえと、陸上自衛隊で俗に『〇〇マン』と呼ばれるのは唯一戦 車乗りだけで、たとえば、諸外国軍でいう砲兵に相当する特科部隊の隊員は『砲兵マン』とか『特 科マン』と呼ばれることはまずないからさ。で、戦車乗りというのは、どこの国の陸軍でもそうだ が、他の兵科からも一目置かれるク花形的存在クなんだ」 太郎「花形的存在 ? 工 リートってわけですか」 おじさん「まあ、そう一言、つことだ。空挺のつぎに花形と一一一一口えば、戦車男だろう。だから、太郎は おじさんなんかよりもスゴイのだぞ」 太郎「そうなんですか。でも自分、戦車だとか機甲科のことなんて、ぜんぜん知らないっスよ」 せんしやマン

5. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

ーセントにすぎないんだ。人員比はともかく、予算上では諸外国の半分てい 国のそれはわずか六パ どなのさ 太郎「ええつ、そんなもんスか ? 日本は (-DQO-* 世界第二位の国のこととは思えないなあー おじさん「残念だが現状ではそうだ。しかし、このような制約下においても腐ることなく、地道 にコッコッと研究を継続しているのはじつに立派でね、おじさんも頭が下がるというものだ」 ついに解禁か ? 期待される武器輸出 おじさん「一方、防衛装備品の製造を担当するのが防衛関連の各企業だ。企業は企業でまた大変 なんだなコレが。なにしろ、同じ『官』とは言っても『防衛庁 ( 内局 ) 』という要求仕様元とユー ザーである『陸海空自衛隊』の板挟み状態だし、防衛に無関心かっ無理解な国民からは『死の商人』 出 やゅ 器などと揶揄される。これは濡れ衣もいいところだな。おじさんには、そのような防衛関連企業が気 るの毒に思えてならんよ」 さ太郎「『死の商人』かあ。マスコミお得意のワンパターンな表現だよね。まるで、この世に兵器 期が存在するから戦争が起きる、という屁理屈を言ってるような感じだな」 おじさん「まあな。で、近年となって、やっとわが国で武器輸出解禁となりそうな雰囲気が醸成 ー刀 解されつつあるんだが、武器輸出により紛争が多発するなどという論理は、わが国の弱体化を目論む しい。また、彼らだけでなくマスコミや軍事 国と、その手先の日本人による『こじつけ』といって ) っ 専門家の中にも、地域の軍事バランスに影響をあたえる、と危惧する声もある。たしかに戦争も武 211

6. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

を集約したもので、二百十五輌もの戦車を装備していた。部隊の名称こそ『群』だったけれども、 実質的にその戦車装備数から一一一一口えば外国の機械化師団並みであったわけだ。 それが、第七師団を機甲師団化するために、相当数の戦車を差し出すこととなった。なにせ、当 時の第七師団隷下の戦車大隊における戦車装備定数は、合計で六十一輌 ( 偵察小隊の分をふくむ ) に すぎなかったからだ。これにともない昭和五十五年には部隊が廃止され、新たに第一戦車群が誕生 した。これは、実質的に『団』から『群』へと部隊を縮小・改編したようなものだ」 太郎「つまり、特車時代と同じ『群』に戻ったようなもんスね」 おじさん「まあな。だから、その戦車装備定数も合計で七十四輌と、増強された戦車大隊ていど の規模でしかない。とは一言え、第一戦車群は北部方面隊直轄部隊で、『戦略予備』とも一一一口うべき機 動打撃部隊だ。つまり、指揮官である北部方面総監にとっては、切り札であると同時に貴重な持ち 駒でもあるというわけさ」 太郎「ふ 5 ん、勉強になったな。じゃ、おじさん、またお邪魔します」 おじさん「おう、御主も訓練頑張れよ」 冷戦下に実施された北転事業 太郎「こんちはツス、おじさん。今日はひさびさの外出日です」 おじさん「おう、まあ上がりなさい。 ) しま、コーヒー入れるから待っててな」 太郎「すいませんね、いつも御馳走になって。なにか本でも見てていいスか ? 」 180

7. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

の場合、たいていはプロ・モデラーとして専門誌などで活躍することになるんだが、プロはプロで も、少々毛色の異なるプロの道へと進む人もいる。軍事アナリストなどがその好例だろうな。 フィンランド方面に造詣の深い木 z 夫先生だとか、戦車と対極だけど『世界の駄っ作機』で有 名な O 部—さく先生などは、モデラー出身だしな」 次郎「知ってる ! テレビに良く出てくる評論家の人ですよね」 おじさん「しかし、一介のモデラーがプロとなるのは、なかなか大変なことでね。軍事アナリス トに限ったことではないが、知的探究心が旺盛なだけでもダメだ。先天的な能力に恵まれているの に越したことはないが、やはり努力の積み重ねが大事であって、その点はおじさんも大いに見習い たいな。斯く一言うおじさんは元自衛官とはいっても、たかが一陸曹にすぎなかった。しかも、たい した経験があるわけでもないしな。そのようなおじさんでも、将来は軍事コメンテーターとして活 愉躍したいと、日々、自学研鑽にはげんでいるんだよ」 ま次郎「ところで、毎年、静岡でホビーショーっていうイベントがありますよね おじさん「うん。わが国の戦車をモデルアップしてくれるたいていのメーカーが出展しているよ 作 型な。このホビーショーは、いわゆる新製品の発表展示会なんだが、昨年はじめて自衛隊の実物戦闘 車輌が展示されたんだ。九六式装輪装甲車と軽装甲機動車がそうだな。 これは、広報募集の一環として、隊員募集を担当する『自衛隊地方連絡部』とのタイアップで実 良 物現したものでね。でも、戦車は輸送上の問題もあって、展示されそうもないのが残念だけどな」 実 255

8. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

まったく歌が嫌いかと一言えば、じつはそうでもなさそうだ。歌なぞ嫌いだと言いながら、ドイツ軍 の軍歌や若いころの流行歌くらいは、聞いたり口ずさんだりするんだよ。しかも、そのときは結構 楽しそうだ。 おじさんも現役自衛官であった当時は、新隊員での二十五キロ徒歩行進などでは、みなで歌を歌 って士気を鼓舞したものだった。ただ、おじさん以外の隊員は意外と軍歌を知らなかったので、隊 歌や流行歌を歌ったりと、少々脱カモノだったけどな。前述の若いドイツ軍人とは比較にならん。 これが女性自衛官の新隊員の場合となると、軍歌を知っている者は皆無に等しいだろう。だから 行進時に歌うのは、やはりーなどの流行歌やアニメの主題歌となる。『宇宙戦艦ヤマト』 などであれば勇ましいから許容できるが、これが『ドラえもん』などとなると、違和感アリアリと 言うものだ。ちなみに、とくにおじさんが嫌いな歌のジャンルは、日本人が日本語で歌うラップだ な。黒人が英語で歌ったものこそラップであって、無理矢理日本語にしたものは違和感ありすぎと いうものさ」 次郎「自衛隊の行軍で、軍歌や隊歌じゃなくてアニメソングを歌うんですか ? それも違和感あ るなあ」 おじさん「まあな。で、新隊員などの徒歩行進は、管理行進と言って状況下の行進ではない。し みちあし たがってこのような場合は、『道足』という行進をするんだ。これだと私語も許されるし、歩調を 合わせなくとも良いのだよ。一般的に軍歌は、行進曲のように歩調と同期するようなリズムになっ ていて、歌うことで自然と歩調もそろうようになっている。これが流行歌やアニメの主題歌の場合 266

9. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

いものがあるな。いくらかっての同盟国の日本人だと言ったところで、『外国人は皆出て行け ! 』 と袋叩きにされたらかなわん。ああ、おじさんを取り囲んだのがドイツ連邦軍の軍人で良かったぞ。 と一一一一口、つわけで、パンツア ー・リートは伝統ある軍歌だけに、戦車隊員でなくともドイツ軍人なら 若い兵隊でも知っているのだよ。これに対し、わが国にはそれに匹敵する軍歌はないから、じつに 残念だな」 次郎「さらに残念なのは、わが国の軍歌はほとんどが暗いことですねー おじさん「まったくだな。なにしろ、歌詞の最後にはお約束のように『散る』とか『散れ』とい よった文句が登場するくらいだしな。わが皇軍の死生観が軍歌に現われている、と言っても過言では 曲ないよ。 を これでは兵隊も陰鬱な気分になってしまうのも当然であるというものだ。軍歌なり隊歌なりとい 車うものは、勇ましくかっ明るくなくてはならん。ドイツのようにな」 次郎「士気高揚のために歌う軍歌なのに、逆に士気が低下してしまっては、本末転倒ですねー おじさん「ああ。で、軍隊組織における歌の重要性だが、これは現在でも士気高揚にきわめて効 果があるぞ。洋の東西を問わす、むかしから軍隊における徒歩行軍や車両行進時には、敵の脅威下 にない場合は軍歌を歌い士気を高めたものだ。黙々と行進していると、だんだん陰鬱な雰囲気とな ン ってくるから、それも自然な姿だというものだろうな。 製そもそも歌を聞いたり歌ったりするのが嫌いだ、という人間は少数派でね。自衛隊をもう停年に 和 なったおじさんの大先輩は、騒々しいのが嫌いで、自分の鼓動が聞こえるほどの静寂を好む。では、 265

10. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

おじさん「そうさな、やはりかっての同盟国だし、どうやらそれは本当らしい。べつに軍人 ( 自 衛官 ) でなくとも、日本人と見るや見知らぬドイツ人がビールを奢ってくれたりする、という話は % 良く耳にするよ。 そこで、片言のドイツ語と英語を交えて会話すると、彼らは新兵に毛が生えたていどの兵卒たち であることがわかった。十八、九歳といったところかな。で、『ドイッチュランド、ドイッチュラ ンド、ウィー ノ . ーアーレス : : : 』と歌ってやると、『日本の軍人が、ドイツ語でドイツ国歌を歌え る ! 』と目を丸くして喜ぶんだな、これが。彼らは皆一様に、青い目を白黒させてたのが可笑しか った。さらに調子に乗って、パンツアー ・リートのサビの部分を歌うと、これが大ウケ。 戦後のドイツ国歌は、公式には三番のみを歌うことになっているが、じつはこれを歌える国民が 少なかったりするんだ。なんだかんだ言っても、戦後も一番と二番が歌われているのが現実なの さ 次郎「おじさんがドイツ国歌の一番を歌ったのは正解だったわけですね」 おじさん「まあな。そして最後に『ドイッチュ・ウント・ヤーパン・イスト・カメラード ! 』そ して、『イタリー ? ナイン ! 』と言ってやった。ドイツと日本は ( いまでも ) 戦友だ ! でもイ ったな タリアはダメよ、という意味だ。おじさんの拙いドイツ語にも彼らは感激してくれたが、もしドイ せりふ ツ語が堪能であれば、お約束の台詞として『今度、世界大戦が起きたら、また一緒に組もう。もち ろんイタリア抜きで』とジョークの一つも言いたかったところだ。 しかし、これがスキンヘッド、 つまりネオ・ナチの若者たちに取り囲まれたのなら、ちょっと恐 おご