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検索対象: 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り
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1. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

よりも射程が短く、小型軽量かっ短砲身のものが迫撃砲だ。 これに対して戦車が搭載している砲というのは、砲手が直接、敵戦車や他の地上目標を狙うもの その有効射程は約二千 5 三千メートルと、桁が違うんだよ」 で、野戦砲よりも射程ははるかに短い。 太郎「つまり、搭載している大砲が、直接目標を狙うか、間接的に狙うかによって違うわけです ねー おじさん「うん、戦後のわが国では軍事がタブー視されているためか、軍事マニアでもないかぎ り、普通は大人でも戦車と自走榴弾砲を区別できない。自衛隊の駐屯地記念日で、子供が七五式自 走榴弾砲を指差して、『パパ、見て見て ! すげ 5 戦車だ、カッコイイ ! 』なんて言っていたり、 会社の上司と部下なんだろう、一一人の中年男性が八九式装甲戦闘車を指差して、『部長 5 、この戦 車の前で写真撮りましようよ ! 』なんて言っているくらいだからな。しかも、名称を付した展示説 明用の看板が目の前にあってもだ。ちなみに、いわゆるキャタピラは一般化した用語だけど、じっ は商標なんだ」 太郎「へえ ? そんなもんか。で、おじさん。八九式装甲戦闘車ってのは、戦車を小さくしたよ A 」 車 うな外観のやつですよね。人が何人か乗れるって言う」 おじさん「うん、あれも砲塔があって戦車に似た形をしてるが戦車ではない。 『— > Ⅱ歩兵戦 闘車』という種類の装軌車、つまりキャタピラがある車輌で、普通科隊員が乗るのだよ」 車太郎「とは違うんですか ? 」 戦 おじさん「あれも兵員輸送用だが、しよせんは戦場タクシーにすぎん。戦車にくつついて、より

2. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

称するがな、それらのジェット機や、戦車にとっての天敵である『攻撃へリコプター』、降下中の 落下傘兵などを差すけれども、なかなか当たるものではないんだよ。 おじさんも現役時代、十二・七ミリ重機関銃の対空実射訓練に何度か参加したことがある。地上 目標に対しての射撃時には、ー 3 三脚架、つまりトライボッドに機関銃を据えて射撃するんだが、 空中目標に対しての場合は、ー対空銃架が使用される。この対空銃架、重量が約六十五・三キ ログラムと重機関銃の本体重量の倍ほどもあるものだから、それを運搬し、射撃準備をするだけで 大変なのだ。おじさんは武器係をしていたこともあって、演習のたびごとに設置に苦労した記憶が ある」 太郎「そんなに重いんですか ! さすがに重機関銃と呼ばれるだけはあるなあ。でも、運搬時に ギックリ腰になったら大変だな」 おじさん「で、重機関銃による対空射撃は、無線誘導によるー 0<* ( アールキャット ) を目標 に実施する。この x-o<e は、早い話がレシプロエンジン装備のラジコン機でね、主翼などは発 泡スチロール製なんだ。だから、たとえ主翼に命中弾をあたえたところで、エンジンにでも直撃し ないかぎりは容易に撃墜できない 通常、空中目標に対しての射撃は、固定射と追随射に区分される。主として、前者は前方から接 近する目標に対しての射撃方法で、後者は横行目標に対する射撃方法だ。横行目標に対する射撃は、 その速度に応じた未来位置を狙い、目標の前方の空間を射撃する。すなわち、千メートル先の目標 が百ノット、時速約百八十キロで飛行するヘリコプターなら、その五機長、つまり全長の五倍分の

3. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

「地の利を活かして戦闘せよ ! 」陸自の戦車運用 ミル公式「 R ( 距離 ) =W ( 目標の幅 ) +M 戦車の射撃術② ( ミル数 ) 」の一例 ( 目標の幅 ) 6 m R ( 距離 ) 3000 m 数 照準レチクル 通常、ミル公式を用いて目標までの 射距離を決定する。 「ミル」とは角度の単位で、 1 ミルは「円周 の 6400 分の 1 の弧に対する中心角」である。 軍隊 ( 自衛隊 ) においては、実用上「 1000m の距離において 1 m の幅を見る角度」を 1 ミ ルとして使用している。 主機 と に 入 的車動 さ り ス し ) で す だ ま と は打お場 太 れ と 動 、使 な て じ所 郎 し 防戦用 っ が が タ 、撃 る . る の て敵重 も て御闘 主 さ 戦 わ 部 さ イ が 集 け と を の 攻 と れ車 要 キ 基 戦 隊 / レ っ 中 に だ き 撃 だ 撃 は ン 場 ン る い お の の だ 原 に 破 い 兵本 と な に ヨ グ に つ と て器来 お 幹 れ 際 局 で ウ い 戦 し 面 だ っ 才殳 と は な は は る い 使 。攻 車 な ね よ 防 チ て 入 て い 時 用 撃 を ャ と ん 使 り イ卸 つ す 決 る 疋戦機 的 才殳 期 や ま 、用 も ン さ す る 射撃においては、目標までの正確な 射距離を判定することが重要だ。 129

4. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

戦車の天敵、攻撃へリコプター おじさん「そう。なにせ、戦車は装甲という鉄の殻に防護されているとは言っても、全周のすべ ( いかない。とくに車体上面は装甲も薄くなりがちで、脆弱な てを均一に分厚い装甲とするわけによ 部分のひとつだ。だから、航空攻撃でこの部分を狙われたらひとたまりもなく撃破されてしまう。 それに、航空攻撃だけでなく、最近の砲兵も戦車の大きな脅威だ。砲弾が車体上面に直撃でもし たら破壊されるし、と称する子弾をバラ撒くタイプの砲 弾も、じつに厄介な相手となる。 とくに近年は、トップアタックといって戦車などの上面装甲 天を貫徹して撃破 ( あるいは乗員の殺傷・内部破壊 ) する誘導砲弾や ミサイルなどが多く出現しているからな。米軍の co < Q < 、 引サダームと言うけど、イラクの元大統領とはなんの関係もない < か、これなどがそうだ。センス・アンド・デストロイ・アーマ ターの各頭文字を組み合わせたので、こう呼ばれるのだが。 で、この、野砲から発射される特殊な砲弾でね。 車一発の砲弾に数個の子弾が内臓されていて、目標上空数百メー 対トルで放出される。放出された子弾は、定められた高度になる と搭載された赤外線、あるいはミリ波センサーが作動し、目標 の走査を開始する。目標を探知すると自己鍛造破片型弾頭が起

5. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

爆し、三千メートル / 秒ほどの速度で戦車などの上面装甲を貫徹するようになっている」 太郎「ジコタンゾー ? おじさん「自己鍛造とは、簡単に言えば弾頭前面に凹面の皿型ライナーがあって、これが爆発時 スラグ に一瞬にして一個の破片となる技術だ。 これは、戦車にとっては大きな脅威だな。機動性に優れた最近の戦車と言えども、その最高速度 は時速約七十キロメートル程度で、起伏の多い不整地では速度が低下する。これでは、速度性能に 勝る航空機の前には静止目標同然だ。 移動目標に対する射撃というのは、静止目標よりはるかに困難なのは言うまでもない。御主、自 衛隊の富士総合火力演習をおじさんと一緒に見にいったことがあるだろう ? 対戦車へリコプター ーの対戦車ミサイルの射撃を見ると、自衛隊は空中に静止しての、いわゆるホバ ング射撃しか訓練していないと思うだろう。じつはどっこい米国のヤキマ演習場における海外射撃 訓練では、機動しながらの射撃訓練を実施しているのだよ」 ライフル砲に滑腔砲。戦車砲とその弾薬 かっこう おじさん「現在、世界のに搭載されている戦車砲は、ライフル砲と滑腔砲に大別される。 この他にも、ガン・ランチャーというものも存在するけどな。これはその名称どおり、砲弾とミサ イルの両方が発射可能なんだが、あくまで主兵装がミサイルだから戦車砲の範疇には入らないし、 主流とならなかったから説明は省く。

6. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

人事ながら心配になるよ」 太郎「過去の戦争でも、号令を聞き間違えたことによる作戦の失敗も多いって、なにかの本に書 いてましたよ」 おじさん「たかが号令、されど号令というべきかな。さて、戦車男は、戦車の操縦や取り扱いな どに習熟するのはもちろんだが、各種の火器にも精通していなければならない。一言うまでもなく、 最も重要なのが戦車砲の取り扱いに関することだ。戦車砲の弾ってのは、演習弾でもかなり高価で な。それが実戦に使用する徹甲弾などであれば、なおさら高価だ。予算的に制約があるわが国の現 状では、実射訓練で使用可能な弾数にも限度がある。さらに、射撃前には照準具のボアサイト、つ 育まり照準規整をする必要があるし、射撃後には砲腔の手入れが待っている。 の そして戦車砲はもとより、十二・七ミリ重機関銃や七四式車載七・六一一ミリ機関銃、八九式小銃 男 戦などにいたるまでの火器について、その構造機能や取り扱いに熟知していなくてはならん。 ・目 陸 なかでも大変なのが、十二・七ミリ重機関銃の取り扱いだ。この重機関銃、その口径から自衛隊 ヾ -0 、 ででは『キャリ ノ 5 』あるいは単に『キャリバ ー』と通称されている。米軍がー 2 として採用 して約七十年、堅牢で高い信頼性を誇ることから、自衛隊以外の諸外国でもいまだに現役の傑作機 ら 関銃なのだ」 操太郎「まさにべテラン、歴戦の古兵って感じですね」 車おじさん「ああ。それでこの重機関銃では、地上目標に対する射撃はもちろんのこと、空中目標 戦 に対する射撃も演練しなければならない 。空中目標ってのは、『戦闘爆撃機』自衛隊ではと略 せんしやマン

7. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

戦車の操縦から射撃まで。陸自戦車男の教育訓練 リードを取って射撃するって寸法さ 太郎「それで当たるもんなんですか ? 」 おじさん「ところが、実際にはこれがなかなか当 たらないんだな。横行する空中目標に対する射弾の 観測と修正は、蜘蛛の巣のような形状をした環型照 準具を使用して、曳光弾によって目視で行なうんだ が、弾道がカープして見える。これは『見かけの弾 道』であって、誘導弾ではないのだから実際にカー 手プしているわけじゃない。実戦下と訓練では異なる 騨けど、米軍のデータでは、空中目標に対しての期待 できる命中率はク千発に一発クと言われているよ」 、それじゃ命中率はたったの〇・一 太郎「え : ーセント ? おじさん「そ、ついうことだ。つまりク数撃ちや当 たるクってわけさ。それと前にも言ったように、 せんしやマン 戦車男は下車戦闘をする場合もある。だから、普通 科部隊のように戦闘訓練もしなくてはならない。さ らには、射撃訓練や戦闘訓練だけでなく、戦車とそ

8. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

ミサイルなどを、ミリ波レーダーが探知する。そして、その飛翔経路をコンピューターが計算し、 爆発パネルを作動させることで目標を破壊する仕組みさ」 太郎「へえ 5 、じつにユニークなアイディアだなあ」 おじさん「まったくだな。もっとも、完全な実用化まではまだ時間を要するらしいがな。このよ うに、時としてロシアは、西側諸国が思いもっかないようなアイディアの兵器システムなどを具現 化したりするから、けっして技術的にも侮れんぞ。これは、なにも自由な体制となってからの話で はない。旧ソ連時代からもそうだったな。しかも、戦車などの陸戦兵器以外の分野においても、こ の傾向は顕著だった。一例を挙げれば、水上戦闘艦の、つまり垂直発射システムや、カモフ ーホーカム攻撃へリコプターのイジェクション・シートによる脱出システムなどがそ、つだ。 現在のところ、飛来する対戦車ミサイルの直接的な破壊を狙った防御システムは、ドイツのメー カーが発表した同種のものを除けば、このアレナ Q<cn くらいのものだ。しかし、いずれ同種の防 御システムが世界的に普及するかも知れんな。このロシアの独創的な技術開発に、今後も目が離せ ないとい、つものだろ、つ」 歩兵が戦車をノックアウト ! 個人携行対戦車火器 おじさん「つぎは、個人携行対戦車火器だ。これは、主として対戦車榴弾等を用い て戦車などの装甲目標の撃破に用いられる火器で、兵士が一人で携行・操作可能なものをいう。射 手と装填手の二名で操作するものもあるがな。

9. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

イプだ。 小銃てき弾発射機のメリットは、なんといっても操作簡便なうえに装甲目標も攻撃できる点につ きる。手榴弾を発射可能な『てき弾発射補助筒』という補助具がオプションとして用意されている けど、対人用なのでここでは割愛だな。 おじさんが新隊員のときに、この小銃てき弾を実射したことがあってね。もちろん炸薬のない『訓 練用演習弾』だけどな。これも前に説明したー幻ロケット発射筒と同様、やはり依託射撃だった んだ。小銃てき弾発射機を装着した六四式小銃を地面に依託し、約四十五度の角度で発射するわけ 。教範、つまりマニュアルには立射姿勢での射撃要領が写真入りで解説されているんだが、普通 科部隊の隊員でもなければそうそう立射する機会もないだろう」 太郎「最近は、自分みたいに八九式小銃しか触れたことがない新隊員も多いってことは、今後は 小銃てき弾もレアな存在となるに違いないよね」 おじさん「まあな。さて、小銃てき弾発射機は他の火器よりも射程が短い。そのうえ命中精度や 発射速度などの点でも劣る。このため主として対人用なのだが、『ー引対戦車小銃てき弾』とい う弾薬を使用すれば、戦車を相手に戦闘できるんだ。装甲板貫徹能力は約一一百五十ミリといわれて いるが、最新のを相手にするのはチトつらいな。また、ー引対戦車小銃てき弾は < 弾だから、などを装着して装甲防護力を強化した戦車への効果は疑わしい、といったところ かな。しかし、それ以外の軽装甲目標 (<æo など ) に対しては、まだまだ有効といえるだろう」

10. 戦車男 : タンクバトルと戦車乗り

この滑腔砲、旧ソ連がー戦車に搭載するため世界に先駆けて開発したもので、同車の 型百十五ミリ滑腔砲は、出現当初、西側諸国に大きな衝撃をあたえた」 太郎「滑腔砲の利点は ? おじさん「そうさな、ライフル砲に比べ砲身磨耗が少ないばかりか、なんと言っても徹甲弾の射 撃時に要求される高初速が得られるところにあるだろう。 代表的なライフル砲である英国の *-äー 7 系百五ミリライフル砲の場合、後で説明するけど co 弾使用で約千二百三十一メートル / 秒で、その長砲身型のー富でもせいぜい約千五百メートル 秒程度の初速にすぎない。 これに対して、ドイツのラインメタル社製百二十ミリ滑腔砲は、 Qco ー弾使用で約千七百メートル / 秒。さらに演習弾にいたっては、約千八百メートル / 秒と いう高初速だ。 の また、旧ソ連の系百二十五ミリ滑腔砲は、系の対戦車ミサイルが発射可能となっている。 そ 砲従来、砲弾とミサイルの発射を兼ねるものは、前述した米国製のー 162 型百五十二ミリ『ガン・ 戦ランチャー』しか存在しなかったから、この一門二役の機能も無腔線である滑腔砲ならでは、と言 砲えるだろう」 滑 太郎「ふ 5 ん。西側の軍隊では、ガン・ランチャーは普及しなかったんですね。それじゃあ、つ ルぎは戦車の弾薬について教えてくださいよ フ イおじさん「よかろう。ます弾薬とは、銃砲などから発射されるかロケットやミサイル等に運搬さ れて目標に到達し、その運動エネルギーや化学工ネルギーによって目標を撃破するものをいう。弾