アナログ計算機 - みる会図書館


検索対象: 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~
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1. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

1 第 1 章イントロダクション 今回から、いや今回からこそアナログコンピュータ入門編を始めます ! ! ( え。 『ラブサーキット編』では「アナログ回路だけでここまで作れんだぞ ! 」っていうことで 「アナログ回路のみでオシロスコープにハートマークを描いてみよう」を題材にさわり程度 な内容でした。 しかし、アナログコンピュータが本領発揮するのは「微分方程式を解くのに特化してい る」ということです。『ラブサーキット編』では触れられなかった微分方程式を解くを題材 に進めていこうと思います。 1 ユ前回のあらすじ 山 on 第 POS502 れ 図 1.1 アナログ回路だけでハートマークを描いてみた『ラブサーキット』 前回、「アナログ回路だって、計算できるんじゃ ! 」「数式の成り立ち通りに、個々の演算 回路をつなげれば方程式が解ける」ということを解説した上で、アナログ回路だけで、オ ートマークを描ける『ラブサーキット』を紹介しました。 シロスコ一フ。 ( こノ、 案外、キレイに描けていた事が正直本人もビックリ wo 1.2 今度こそ ( ? ) 目指すもの このシリーズではテニスゲームを アナログコンピュータを題材にして進めていくため、 作ってみようと思います。 つまり、最終的にはアナログ回路のみでテニスゲームを実現しようということになり ます。

2. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

第 3 章 アナログコンピュータ基本のキ 16 3.1.4 その他あったら便利なもの ポテンションメータ ( ポリューム ) Vin VR Vout Vin Vout 号 記 図 (a) 回路図 図 3.6 ポテンションメータ 係数器でも問題ありませんが、 0 ~ 1 倍なら、わざわざオペアンプを使うまでもなく、ボ リュームがあれば十分です。アナログ計算機関連の書籍では、これをポテンショと呼んで いましたが、この本ではポテンションメータと呼ぶことにします ( だって、こっちの方が しつくり来るんだもん ! ) 。図 3.6 に回路図と図記号を示します。回路方程式で表すと、以 下のようになります。ポテンションメータ VR を回すことによって、倍率 /\ を 0 ~ 1 倍に 変えることができます。 ( 3 ・ 9 ) 比較器 ( コンパレータ ) 2 つの人力電圧を比較して、論理的に ' 1 ' か ' げ ('H' か 'L') を出力する回路です。つまり、 条件判断ができることになり、処理の幅が広がります。 アナログスイッチ ゲートに論理信号 ' 1 ' か ' 0 ' ('H' か 'L') を与えると ON 、 OFF する半導体スイッチです。 いわば電磁リレーの半導体バージョンと思ってください ( と言っても数 [ mA ] 程度しか電流 は流せませんが・・・。アナログコンピュータは別に電圧がちゃんと伝わっていれば問題ない ので・・・ ) 。ここでは、扱いやすい c 接点タイプのアナログスイッチ ( アナログマルチセレク タ ) ( 74HC4053 や 4053 など ) を積極的に使いたいと思います。 いろいろな関数回路 乗除算、指数関数、対数関数、折れ線近似回路にて任意の関数を作り出せば、演算の幅が 広がります。

3. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

31 参考文献 国 [ 2 ] [ 3 ] [ 4 ] 松本忠 , 初等アナログ計算機読本 , 1966 年 , 株式会社オーム社 , 144P 黒川一夫 , 現代講座アナログ・ハイプリッド計算機 , 1969 年 , 株式会社オーム社 , 362P 馬場清太郎 , トランジスタ技術 SPECIAL OP アンプによる実用回路設計 , 2005 年 , CQ 出版社 , 319P 佐藤実 , マンガでわかる微分方程式 , 2009 年 , 株式会社オーム社 , 240P

4. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

11 アナログコンヒュータ基本 第 3 章 のキ アナログ回路でさまざまな計算ができるのは、『ラブサーキット編』でもお話ししたと 思います。今度こそ、微分方程式をアナログコンビュータで解いてみます。アナログコン ヒ。ュータの構成の仕方を説明しましよう。 3 ユ微分方程式を解くために必要な回路 微分方程式を解くには、最低限、次の 3 種類の回路があれば解くことができます。 3.1 ユ係数器 入力に対して、ん倍された電圧を出力します。図 3.1 ( a ) に回路図を示します。見ての通 り、ただの反転増幅回路です。回路方程式は式 ( 3.1 ) になります。 召 2 召 1 よく使う回路なので、図 3.1 ( b ) のような図記号で表します。図中のんには倍率が入りま すが、符号は省略します。 ( 3 ・ 1 ) ( 3.2 ) 一ル一塒 ( 3 ・ 3 ) R2 Vin RI Vout Vout Vin 0 十 (b) 図記号 (a) 回路図 係数器 図 3.1

5. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

3.2 ープ 微分方程式を解いてみる オシロスコ d2 ) dt2 19 XY モードで観測 CHI CH2 dx(t) dt 1 1 図 3.10 組み立てたアナログコンヒ。ュ ( 2 ) d2 ェの / d 卩を t で積分すると d ェの / 卍です。また d ェの / 市を t で積分すればェのに なります。つまり、積分器を 2 つ使えばェのを求めることができます ( 図 3.7 ) 。この ように、求めたい関数が出るまで、積分器をつないでいきます。 ( 3 ) さて、式 ( 3.10 ) は、 d2x(t)/dt2 と一ェのが同じであるといっています。そこで、 x(t) を係数器で一 1 倍にしたものを、積分器 1 の入力に返します ( 図 3.8 ) 。 ( 4 ) 式 ( 3.10 ) を解くには初期値が必要です。そこで、積分器 2 から初期値を入れられるよ うにします ( 図 3.9 ) 完成した回路を図 3.10 に示します。 3.2.2 単位を変換する→その上スケーリングもする 当たり前ですが、アナログ電子回路で計算するのですから、入力する値も出力する値も もちろん電圧です。でも、実際解こうとしているものは、速度や距離などの電圧以外の物 理量です。また、解いた微分方程式によっては、目視出来ないほど早かったり、オペアンプ の動作速度 ( 帯域幅やスルーレートなど ) がついていけなかったり、オペアンプの出力が 飽和してしまうなんてことも考えられます。 そこで、オペアンプが演算可能なレベルにしたり、目視できるようにしたり、変数を変換 することをスケーリングといいます ( 特に、単位時間を変換することをタイムスケーリン グといいます ) 。 物理量をスケーリング アナログコンピュータが扱うのは電圧なので、 I[V] あたりの物理量に単位変換をします。 そこで、数値になっている物理量を、 X の [ V ] = 住ェのとなるような変換係数住 ( この住を

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18 d2 ェの dt2 積分器 1 dx(t) 第 3 章 d2 ェの dt2 アナログコンピュータ基本のキ ーエの 積分器 1 dx の dt ェ ( の 積分器 2 積分器 2 図 3.7 求めたい関数が出るまで積分器を接 続する d2x(t) 1 ーエ ( の 積分器 1 に一奴のをフィードバック ! dt2 図 3.9 積分器 1 図 3.8 dx(t) dt 1 1 積分器 2 初期値も入れられるようにする 3.2 微分方程式を解いてみる さて、テニスゲームを本題にするまえに、まずは簡単な式を解いてみようと思います。手 始めに、式 ( 3.10 ) を解いてみます。 d2 ) dt2 ただし、初期値は以下のとおりとします。 dx(t) ( 3 ・ 10 ) ちなみに式 ( 3.10 ) を解くと、 s ⅲ関数が出てきます。なぜこの式を解いたのかは、おいお い説明します。 3.2 ユ回路を組み立てる 『ラブサーキット編』にて、「アナログコンヒ。ュータを組み立てる」 = 「アナログ回路を数 左辺に来ているのでこれで良し ) ( 1 ) まずこの式を高次の微分項が左辺にくるように変形します ( この場合は d2 奴 t ) / dt2 ナログ回路で微分方程式解く際、キモになるのが積分器です。 を解くということは、関数ェのはどんな形をしているのかを求める操作といいました。 式通りに接続する」ということと解説しました。 7 ページ目でもお話した通り、微分方程式 が ア

7. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

20 第 3 章アナログコンヒ。ュータ基本のキ スケーリングファクタと言ったりもします ) を考え、すべて電圧に変換します。 式 ( 3.10 ) は、特に物理量とかありません。無次元量です。したがって、今回は変数変換 のみはの→ X ( ゆとします。式 ( 3.10 ) は、以下のように書き換えられます。 d2x(t) -X(O dt2 単位時間をスケーリングする ( タイムスケーリングする ) ( 3 ・ 11 ) タイムスケーリングをするときも、物理量をスケーリングするとき同様に考えます。 下 = となるような、変換係数 ( このをタイムスケーリングファクタと言ったりも t について変形すると、 します ) を考えます。 したがって、式 ( 3.11 ) は以下のように書き換えられます。 d2x(T) d い一 1 下 ) 2 1 d2x(T) ー 2 d ァ 2 ( 3.12 ) 今回はお試しなので、 0 は 1 とし、式 ( 3.11 ) の式で演算させてみますが、を変えるこ とによって、シミュレートする時間帯域を変えることができます。 実際スケーリングするときは・・ ところでしようか。横軸、縦軸にそれそれ対応した電圧を人力すると、ペンが動く XY プロッタとは、波形を紙に書くことができる、いわばアナログプリンタと言った ・ XY プロッタ 結果を観測するには、電圧が読み取れるものがあれば OK です。 3.2.3 結果を観測する ます。手間かもしれませんが、手で解くよりかは断然マシといった感じですね。 きないスピードだった場合に、変換係数。を変えながら、繰り返し演算することになり ヒ。ュータを組み立てて、オペアンプが飽和してしまうなど演算しきれなかったり、目視で 実際、スケーリングをする場合は、一度、素のままの微分方程式になるようアナログコン といったものです。 くンレコーダ XY プロッタは、 2 つの電圧を入力しないとグラフが描けません。 / くンレコ ーダー

8. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

1 「全部アナログ回路で組めたら夢が広がりますな ! ! 」 「うちの会社にあったよ ! 」 「まさかアナコンがあるとは思わなかった w 」 前回、『技術部ならわかるアナログコンビュータ ~ ラブサーキット編 ~ 』が妙に大好評 来ていただいた方々からいろいろな感想をいただきました。 だったのでうかれている AKIBAJIN です wo ごきげんよう。 まえがき その通りです w 。 中にはこんな意見も・ 等々、いろいろありました。 「微分方程式を解いてこそのアナログコンピュータでしょ ? 」 「というか『 ~ ラブサーキット編 ~ 』、どこら辺にアナログコンピュータが 結局『アナログコンピュータ』とうたっていておきながら、微分方程式を解いていません 「えっ ? 、なんでラブサーキットなんだって ? 。ああ ~ 入編ですから ! 」 ・そのお ~ ってことで w 、『 ~ ラブサーキット編 ~ 』はそういうポジションということでご理解くだ ので、ちょっとは書いておくかと思い立って書き始めることにします。 ちゃったら、また『何も書いてない YO ! 』状態間違いなしだなあ・ さて、そんな浮かれてる気持ちも半分なのですが、「まずいなあ います。 今回こそは『微分方程式を解くアナログコンピュータ』をテーマに進めていきたいと思 さし、 w w wo AKIBAJIN 2014 / 04 / 28 ・」とビビり始めた こで夏コミ受かっ

9. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

3.1 微分方程式を解くために必要な回路 アナログスイッチ SWI SW2 SW3 表 3.1 図 3.5 の回路の動作 機能 保持 ( ホールド ) Vi n 0 0 R3 VO ↑ SWI RI Vin 演算 ( 積分動作 ) O O R3 VO SW 1 ↑ RI R3 VO SW 1 ↑ RI Vi n 初期値設定 状熊 0 1 0 0 0 1 0 0 1 ↓ SW2 R2 ↓ SW2 R2 ↓ 'W2 15 Vout Vout Vout

10. 技術部なら分かるアナログコンピュータ2~ サーブ編 ~

3.1 微分方程式を解くために必要な回路 17 ロジック℃ コンパレータと織り交ぜてロジック IC を使えば、複雑な条件判断をさせることができ ます。 代表的なロジック IC には以下のものが挙げられます。 ・ AND ゲート ・ OR ゲート ・ NOT ゲート ( インバータ ) ト一 ゲ一ゲ Z C Z Z マイコン 怯じゃね ? 、っていうのは置いといて w ) こで重要になるのは、アナログとディジタルのハイプリッド化です。微分方程式の計 算はアナログコンピュータに任せ、ロジック IC でできないような ( ロジック IC で作ると 規模が大きくなる場合など ) 複雑な条件判断や、アナログコンヒ。ュータのパラメータ調整、 また A / D コンバータや D / A コンバータを使って双方の情報をやりとり、繰り返し処理を するにはディジタルコンビュータといった使い方をする事もできます。 ( アナログコンピュータって言ってるんだから、ディジタルコンピュータが出てきちゃ卑