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検索対象: 技術部なら分かるアナログコンピュータ 3 ~ レシーブ編 ~
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1. 技術部なら分かるアナログコンピュータ 3 ~ レシーブ編 ~

15 第 4 章跳ねる回路を製作しよう 回路構成は決まったので、この章では回路の組み立て、実験までを行っていこうと思い ます。 4.1 仕様のおさらいと追加 5 ページで述べた仕様を、一部抜粋しておさらいします。 ・オペアンプの電源電圧は土 5 [ V ] で使用します。 ・テニスコートを横から見た、ボールの様子を映し出します。 本質的には、ボールのシミュレートはアナログコンピュータ、シーケンスの部分は ータ ( もちろんディスクリート部品 ) のみで構成しますが、あま ティジタノレコンピュ りにも細かい判定をさせないといけない場合はマイコンで判定させるといった方法 を取っていこうと思います ( ごめんなさい w ) 。 今回からロジック回路が追加されるため、仕様も以下のことを追加します ( というか忘 れてました w ) 。 ・ロジック回路の電源電圧は十 5 [ V ] で使用します。 ー十 5 [ V ] を ' 1 ' 、 O[V] (GND) を ' 0 ' という論理にします ( 正論理 ) 。 4.2 回路を設計する 4.2.1 積分器のロジック 前作で初期値も入れられる積分器を製作しました ( 図 4.1 ) 。この回路は SWI ~ SW3 の 3 つのアナログスイッチを切り替えることで、出力保持、積分演算、初期値設定 ( 追従モー ド ) 、リセットの 4 つの機能を切り替えられました。しかしながら、 3 つのアナログスイツ チを制御するのですから、 8 通りの組み合わせが存在する上、万が一、マイコンで制御する ことも考えても、 3 つのアナログスイッチを 2 入力のディジタル入力で制御できたほうが 使い勝手が良さそうです。 今回は、表 4.1 の真理値表になるようなロジック回路を製作します。 そこで、 2 入力のディジタル信号を 3 出力に変換するロジック回路 ( デコーダ ) を組み ます。

2. 技術部なら分かるアナログコンピュータ 3 ~ レシーブ編 ~

図 4.4 コンパレータ回路 4.2.3 演算プロックの切り替え ベル合わせが容易になります。 に繋げれば、出力がオープンと GND というレベルになりますので、 18 ・と行きたいところですが・・・ 第 4 章 + 5V 跳ねる回路を製作しよう 地面座標 3 2 十 -5V + 5V LM311 7 GND リの > 地面座標 : ' 0 ' y(t) く地面座標 : ' 1 ' ' 1 ・ : + 5 Ⅳ ] ℃・ :O[V](GND) ロジック回路とのレ 地面との衝突判定用のコンパレータからの信号を受け取り、演算プロックを切り替え ます。 13 ページでも述べたとおり、演算と追従を繰り返します。そして表 4.1 をみると、演算 モードは { XI , XO } = { 0 , 1 } 、追従モードは { XI , XO } = { 1 , 0 } になっています ( というか、あ えてそうしました w ) 。すなわち、コンパレータからの信号が入る度に { 0 , 1 } → { 1 , 0 } → ・と繰り返すようなロジック回路があればよいわけです。 { 0 , 1 } → { 1 , 0 } → そこで T フリップフロップ ( 以下、 T-FF) を用います。 T-FF は 1 つのクロック入力 (CK) と 2 つの出力 (Q 、 Q) を持っフリップフロップ回路です。つまり、コンパレータか ら T-FF 、 T-FF から各演算プロックへ制御信号を送る構成にすれば良いわけです。 T-FF というロジック IC はありませんので、 JK フリップフロップ ( 以下、 JK-FF) で 実現します。 JK-FF は入力の J と K を常に ' 1 ' にしておけば、クロック信号が入る度に出 カ Q 、 Q の論理がが反転します。 あとは Q 、 Q を、プロック A とプロック B に制御信号として与えればよいわけです。 の時、プロック A とプロック B が反対の動作になるように制御線を入れ替えます。図 4.5 に制御回路部分を抜粋した回路図を示します。 こまでのやりとりを踏まえ、早速実験 ! ・ 4.3 実験

3. 技術部なら分かるアナログコンピュータ 3 ~ レシーブ編 ~

4.2 回路を設計する 17 XI SW3 SW2 SWI XO テコーダ回路 ( 率直に設計した Ver. ) 図 4.2 XI 10 SW3 1 SW2 12 13 12 13 11 11 SW 1 器 PI テコーダ回路 (NAND ゲート Ver. ) 図 4.3 1 XO が成り立ちます。 これらを率直に回路に落としこむと、図 4.2 のようになります。 先ほど SW2 は XI と同じと述べたのでそのまま繋いでも良いのですが、入力と出力との 間に一度何かしらのバッフアを入れたいので、 SWI のロジックを組むために使った NOT ゲート ( インバータ ) に、もう一度 NOT ゲートを繋げて元に戻したものを出力させてい ます。 このままでも問題ないのですが、わざわざ AND ゲートと NOT ゲートを用意するのは 面倒です。そこで、これを NAND ゲートのみで構成して使う部品の種類を節約します。 図 4.3 に完成したロジック回路を示します。 4.2.2 地面との判定 地面との判定にはコンパレータを用います。地面に相当する電圧と比較して、ボールの 高さが地面より下回った場合、 ' 1 ' が出力されるようにします。図 4.4 にコンパレータ回路 を示します。 コンパレータには LM311 を使用します。 LM311 は出力がオープンコレクタのコンパ レータですが、エミッタ側 ( 1 番ヒ。ンに相当 ) もオープンになっています。 1 番ピンを GND

4. 技術部なら分かるアナログコンピュータ 3 ~ レシーブ編 ~

第 4 章跳ねる回路を製作しよう ↓ SW2 16 R2 Vin RI Vout 十 ↑ SWI VO R3 O 0 Vout Vin VO (a) 図記号 (b) 内部回路 図 4.1 初期値も入れられる積分器 表 4.1 製作するデコーダ回路の真理値表 状態 アナログスイッチ XI XO SWI SW2 SW3 保持 演算 ( 積分動作 ) 初期設定 ( 追従モード ) リセット -0- -0 】 1 -1 真理値表からロジック回路に落としこむ まずは SWI の結果について見てみます。 {XI,XO} = { 0 , 1 } の時にだけ ' 1 ' になり、それ 以外は ' 0 ' になれば良いのですから、 XI ・ XO = SWI が成り立ちます。 SW2 は XI の入力がそのまま出力されています。したがって、 XI = SW2 が成り立ちます。 SW3 は {XI,XO} = { 1 , 0 } の時にだけ ' 1 ' になり、それ以外は ' 0 ' になれば良いのです から、 XI ・ XO = SW3

5. 技術部なら分かるアナログコンピュータ 3 ~ レシーブ編 ~

21 第 5 章おわりに 今回は跳ねるボールというのを題材に、アナログ回路とディジタル回路混在のハイプリッ ド・アナログコンヒ。ュータを解説していきました。 ずっと跳ねつばなしのボールというのも、なんかシュール過ぎではありますが w 、跳ね る動作というのを模擬できてのではないかと思われます。 このアナログコンヒ。ュータシリーズの題材とした素のゲーム『 TennisforTwo 』ですが、 発表された 1958 年の翌年の 1959 年には「月面でテニスをした場合を模擬、すなわち重力 加速度を 6 分の 1 にして演算させたらどうなるか」なんてことをしながら解説していたと 言われています。そういう意味合いでは、似たり寄ったりなことをしているのかなあとか . じ、ったり もうーっ Wikipedia を読んでいて驚いたのが、本家『 Tennis for Two 』は 3 週間ほどで 製作してしまったということです。まあ元々アタマの良い人が作ったものでもありますし、 ミサイルの弾道計算等に使用していた本物のアナログコンヒ。ュータがあったことを考える と単純に比較はできませんが、私は随分のんびりやってるなあと思います w ( 何よりゼロ から作ってますからという言い訳で w ) 。 今回跳ねるボールをシミュレーションできたことで、アナログコンピュータ部分はほぼ できたと言ってよいでしよう。次の課題の打ち返すという動作は、主にェ方向がメインに なる演算ですが、理屈からすれば、方向を変えるだけいけそうです。 あとはシーケンスをしつかり練りなおした上で、ロジック回路を組みたいところです。 次回はもしかしたらディジタル回路がメインになっていくかも ? 。 それではまた次回もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。