帝国主義 - みる会図書館


検索対象: 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党
173件見つかりました。

1. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

なかでも、アメリカが、アメリカ一国の利益を世 行、環境条件の地球的規模での破壊、植民地支配の 負の遺産の重大さ、アジア・中東・アフリカ・ラテ界平和の利益と国際秩序の上に置き、国連をも無視 ンアメリカの多くの国ぐにでの貧困の増大 ( 南北問して他国にたいする先制攻撃戦争を実行し、新しい 題 ) など、かってない大きな規模と鋭さをもって現植民地主義を持ち込もうとしていることは、重大で われている。 ある。アメリカは、「世界の警察官」と自認するこ 核戦争の危険もひきつづき地球と人類を脅かしてとによって、アメリカ中心の国際秩序と世界支配を いる。米ソの軍拡競争のなかで蓄積された膨大な量めざすその野望を正当化しようとしているが、それ の核兵器は、いまなお人類の存続にとっての重大なは、独占資本主義に特有の帝国主義的侵略性を、ソ 脅威である。核戦争の脅威を根絶するためには、核連の解体によってアメリカが世界の唯一の超大国と 兵器の廃絶にかわる解決策はない。「ノー・モア・ なった状況のもとで、むきだしに現わしたものにほ これらの政策と行動は、諸国民の独立 ヒロシマ、ナガサキ ( 広島・長崎をくりかえすな ) 」かならない。 という原水爆禁止世界大会の声は、世界の各地に広と自由の原則とも、国連憲章の諸原則とも両立でき がり、国際政治のうえでも、核兵器廃絶の声はますない、あからさまな覇権主義、帝国主義の政策と行 ます大きくなっているが、核兵器を世界戦略の武器動である。 としてその独占体制を強化し続ける核兵器固執勢力 いま、アメリカ帝国主義は、世界の平和と安全、 のたくらみは根づよい 諸国民の主権と独立にとって最大の脅威となってい 世界のさまざまな地域での軍事プロック体制の強る。 化や、各種の紛争で武力解決を優先させようとする その覇権主義、帝国主義の政策と行動は、アメリ 企ては、緊張を激化させ、平和を脅かす要因となっ力と他の独占資本主義諸国とのあいだにも矛盾や対 ている。 立を引き起こしている。また、経済の「グロー 268

2. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

かかるのを防いでいる。 年に改定するまでの綱領には《党は、「万国の労働者団結せよ」の精神にしたがっ て、プロレタリア 1 トの国際的団結をつよめるために努力する。ソ連を先頭とする社会主 義陣営、全世界の共産主義者、すべての人民大衆が人類の進歩のためにおこなっている闘 争をあくまで支持する》と明記していたのが嘘のような手の平返しだ。 そもそも、「米帝国主義」として、米国を目の敵にする彼らの「資本主義国の戦争は悪 い戦争だが、社会主義国の戦争は良い戦争」「資本主義国の持っ核は悪い核だが、社会主 義国の核はよい核」という幻想には何の根拠もない それは中国に対するスタンスにもよく表れている。 対立した中国にもすり寄る 日本共産党は、中国共産党とも戦前から友好関係を築いてきた。転機が訪れたのは 1966 年に始まった毛沢東による文化大革命だった。 中国の激しい権力闘争の影響で、毛は日本共産党にも「暴力革命」への同調を要求。宮 166

3. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

日本をつくりあげる民主主義革命を実現することを 当面の任務とし、ついで社会主義革命に進むという 方針のもとに活動した。 2004 年 1 月Ⅳ日第回党大会で改定 三 ) 党は、日本国民を無権利状態においてきた天 一、戦前の日本社会と日本共産党 皇制の専制支配を倒し、主権在民、国民の自由と人 ( 一 ) 日本共産党は、わが国の進歩と変革の伝統を権をかちとるためにたたかった。 党は、半封建的な地主制度をなくし、土地を農民 受けつぎ、日本と世界の人民の解放闘争の高まりの なかで、一九一三年七月一五日、科学的社会主義をに解放するためにたたかった。 党は、とりわけ過酷な搾取によって苦しめられて 理論的な基礎とする政党として、創立された。 いた労働者階級の生活の根本的な改善、すべての勤 当時の日本は、世界の主要な独占資本主義国の一 つになってはいたが、国を統治する全権限を天皇が労者、知識人、女性、青年の権利と生活の向上のた 握る専制政治 ( 絶対主義的天皇制 ) がしかれ、国民めにたたかった。 から権利と自由を奪うとともに、農村では重い小作党は、進歩的、民主的、革命的な文化の創造と普 料で耕作農民をしめつける半封建的な地主制度が支及のためにたたかった。 配し、独占資本主義も労働者の無権利と過酷な搾取党は、ロシア革命と中国革命にたいする日本帝国 を特徴としていた。この体制のもと、日本は、アジ主義の干渉戦争、中国にたいする侵略戦争に反対 アで唯一の帝国主義国として、アジア諸国にたいすし、世界とアジアの平和のためにたたかった。 党は、日本帝国主義の植民地であった朝鮮、台湾 る侵略と戦争の道を進んでいた。 党は、この状況を打破して、まず平和で民主的なの解放と、アジアの植民地・半植民地諸民族の完全 共産党綱領全文 260

4. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

棄、平和、中立化の政策にたいして、一面期待をもちながらも、反面、疑問や不安をも表 明している問題である》 さらに、《われわれは、日本人民の未来の展望を確信をもってさししめすマルクス・ レーニン主義の党として、独立と平和をかちとるための当面の諸政策だけでなく、この問 題にかんする独立・民主日本の将来の展望についても、問題をあいまいにすることなく、 その原則的見地を明快にしめさなければならない》とも強調し、疑問に答えようとする率 直な姿勢がうかがえる。 ところが、この後から不思議な展開になる。共産党として《日本民族が、自国を外国の 侵略からまもる固有の自衛権をもっていることを否認したことは一度もない》とした上 で、《日本が安保条約を破棄したからといって、自民党が宣伝しているようにソ連や中国 など社会主義の国家が日本に侵略をしかけてくるような心配はまったくない》と明一一一一〔。米 ソ冷戦のまっただ中の時代に、《心配はまったくない》と言い切った後、さらに驚くべき 論理が展開される。 《しかし、帝国主義がなお存続する以上、独立して、平和、中立の政策をとる日本が、ア メリカを先頭とする帝国主義陣営から侵略を受ける危険は、依然としてのこっている。こ の点からいっても、独立した日本が、自衛の問題を無視するわナこよ ) 、 し。。し力ないことは月白 211 第六章憲法 9 条に反対した唯一の政党

5. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

政府構想をアビ 1 ルしているが、党綱領を変えたわけではない。綱領に明記している《日 米安保条約の廃棄》は、あくまで「凍結」という名の棚上げであり、その考えを捨てたわ けではないのである。 志位が「国民的大義」と強調する安保関連法の廃止はともかく、実際に政権を構成した 場合、恒常的に様々な判断が迫られる他の政策の対応はどうするのか。国民連合政府はこ の視点が決定的に欠けている。政治は生き物であり、国民の生活は日々動いているのであ る。 例えば外交だ。共産党が国民連合政府で「日米安保条約の廃棄」を主張しないとして も、政権運営は現状維持だけでは乗り切れない。外交は互いの深い信頼関係があってこそ 成り立つ。共産党は現在の綱領でもいまだ米国を「アメリカ帝国主義」と敵視し、《い ま、アメリカ帝国主義は、世界の平和と安全、諸国民の主権と独立にとって最大の脅威と なっている》と明言しており、日米関係についても《きわめて異常な国家的な対米従属の 状態にある》として、その「打破」を訴えている。 このような考えを持っ政党が担う政権が本当に現状維持の外交ができるとは思えない。 経済政策も日々の取り組みが欠かせない。綱領で《大企業・財界の横暴な支配の打破》 を掲げる共産党が、まともな政策を出せるのだろうか。そもそも彼らは、《社会主義・共 134

6. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

民主主義の事業にとって不滅の意義をもった。 独立を支持してたたかった。 侵略戦争は、二千万人をこえるアジア諸国民と ( 三 ) 日本帝国主義は、一九三一年、中国の東北部三百万人をこえる日本国民の生命を奪った。この戦 への侵略戦争を、一九三七年には中国への全面侵略争のなかで、沖縄は地上戦の戦場となり、日本本土 戦争を開始して、第二次世界大戦に道を開く最初のも全土にわたる空襲で多くの地方が焦土となった。 侵略国家となった。一九四〇年、ヨーロッパにおけ一九四五年八月には、アメリカ軍によって広島、長 るドイツ、イタリアのファシズム国家と軍事同盟を崎に世界最初の原爆が投下され、その犠牲者は二十 結成し、一九四一年には、中国侵略の戦争をアジ数万人にのぼり ( 同年末までの人数 ) 、日本国民 ア・太平洋全域に拡大して、第二次世界大戦の推進は、核兵器の惨害をその歴史に刻み込んだ被爆国民 となった。 者となった。 帝国主義戦争と天皇制権力の暴圧によって、国民ファシズムと軍国主義の日独伊三国同盟が世界的 は苦難を強いられた。党の活動には重大な困難があに敗退するなかで、一九四五年八月、日本帝国主義 り、つまずきも起こったが、多くの日本共産党員は敗北し、日本政府はポッダム宣言を受諾した。反 は、迫害や投獄に屈することなく、さまざまな裏切ファッショ連合国によるこの宣言は、軍国主義の除 りともたたかい、党の旗を守って活動した。このた去と民主主義の確立を基本的な内容としたもので、 たかいで少なからぬ党員が弾圧のため生命を奪われ日本の国民が進むべき道は、平和で民主的な日本の 実現にこそあることを示した。これは、党が不屈に 他のすべての政党が侵略と戦争、反動の流れに合掲げてきた方針が基本的に正しかったことを、証明 流するなかで、日本共産党が平和と民主主義の旗をしたものであった。 掲げて不屈にたたかい続けたことは、日本の平和と 」 0 261

7. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

化」を名目に世界の各国をアメリカ中心の経済秩序略、戦争と抑圧の国際秩序かの選択が、いま問われ に組み込もうとする経済的覇権主義も、世界の経済ていることは、重大である。日本共産党は、アメリ 力の覇権主義的な世界支配を許さず、平和の国際秩 に重大な混乱をもたらしている。 序を築き、核兵器も軍事同盟もない世界を実現する ( 一〇 ) この情勢のなかで、いかなる覇権主義にもための国際的連帯を、世界に広げるために力をつく 反対し、平和の国際秩序を守る闘争、核兵器の廃絶す。 をめざす闘争、軍事プロックに反対する闘争、諸民世界は、情勢のこのような発展のなかで、二一世 族の自決権を徹底して尊重しその侵害を許さない闘紀を迎えた。世界史の進行には、多くの波乱や曲 争、各国の経済主権の尊重のうえに立った民主的な折、ときには一時的な、あるいはかなり長期にわた 国際経済秩序を確立するための闘争が、いよいよ重る逆行もあるが、帝国主義・資本主義を乗り越え、 社会主義に前進することは、大局的には歴史の不可 大な意義をもってきている。 平和と進歩をめざす勢力が、それぞれの国でも、避的な発展方向である。 また国際的にも、正しい前進と連帯をはかることが 四、民主主義革命と民主連合政府 重要である。 日本共産党は、労働者階級をはじめ、独立、平 ( 一一 ) 現在、日本社会が必要としている変革は、 和、民主主義、社会進歩のためにたたかう世界のす社会主義革命ではなく、異常な対米従属と大企業・ べての人民と連帯し、人類の進歩のための闘争を支財界の横暴な支配の打破ー日本の真の独立の確保と 政治・経済・社会の民主主義的な改革の実現を内容 持する。 なかでも、国連憲章にもとづく平和の国際秩序とする民主主義革命である。それらは、資本主義の か、アメリカが横暴をほしいままにする干渉と侵枠内で可能な民主的改革であるが、日本の独占資本 269

8. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

共産党として引き続き、現行憲法の改正を目指すことを国会の場で宣言したのだ。 日本人民共和国憲法草案 野坂は、この約 2 カ月前の鄲年 6 月日の衆院本会議でも、憲法改正案について首相、 吉田茂との論戦を行っている。野坂は質問で、こう訴えた。 「戦争一般の放棄ということが書かれてあるが、戦争にはわれわれの考えでは 2 つの種類 の戦争がある。 2 つの性質の戦争がある。一つは正しくない不正の戦争だ。これは日本の 帝国主義者が満州事変以後起こしたあの戦争、他国征服、侵略の戦争である。これは正し くない。同時に侵略された国が自国を守るための戦争は、われわれは正しい戦争と言って 差し支えないと思う。この憲法草案に戦争一般放棄という形でなしに、われわれはこれを 侵略戦争の放棄、こうするのがもっと的確ではないか。この問題についてわれわれ共産党 はこういう風に主張している」 侵略戦争は論外だと主張する一方、自衛のための戦争の権利まで放棄する必要はないと いうことを切々と訴え、憲法 9 条に反対した。実に明快な見解だった。ところが、これに 198

9. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

件についても、当時は最大限の一一一一口葉で中国を非難し、「和解後」の年にも、委員 長の志位和夫が記者会見で「わが党は自主独立の立場にたって、社会主義を名乗る国々が おかした誤りについても、平和と社会進歩、社会主義の大義にたって、きびしい批判をく わえてきました」と述べ、天安門事件もその一つに挙げている。 ところが、現在の日本共産党はそんな過去があったことはおくびにも出さない。赤旗の 紙面に中国に対する批判的な記事が載ることもほとんどない。むしろ中国の主張には前向 きに理解を示すばかりである。凵年 8 月日付の赤旗には「『中国の脅威』どう考える ? 」 との記事を掲載し、次のような " 擁護論。を展開した。 「尖閣問題で中国は海軍を出して領海を侵犯しているわけではありません」 「南シナ海での領土紛争をめぐり、東南アジア諸国連合 (<næ<Z) と中国は 年に『南シナ海行動宣一言』 (QCO) で合意し、問題の平和解決に踏み出しました」 軍事対軍事では紛争解決は「不可能」とも断言し、対話が重要というわけだ。日本共産 党には中国が日本の近海で軍事力を背景に野心をむき出しにしている現実が目に人らない らしい そもそも社会主義を事実上放棄し、経済大国化を優先する中国共産党は、日本の一野党 に過ぎない日本共産党から好かれても何の得もない。むしろ中国側は日本の政権与党の中 168

10. 日本共産党研究 : 絶対に誤りを認めない政党

「くるみ」と名乗るの大学—年生の女性は「多くの人がこの法制の危険性を いいながらこれだけ多くの国 訴え、反対の声を上げてきた。 ( 安倍政権は ) 国民のためと 民の声を無視する。独裁政治と言われても仕方ない」と断じ、「この法律は過去への侮辱 だ。ポーランド、長崎、広島、沖縄、台湾、韓国。今まで戦争の爪痕が残るいろんな地を 私は訪れてきた。おびただしい人間の死と破壊。戦争によってゆがめられた人生、分断に あった民族、終わらない戦後。そんな事実に向き合ったとき、私がどう生きるべきか問わ してはいけないと強 れる。歴史を背負って私たちは生きており、過去とは決別できない。 く思う」と机けた。 その上で「今こそ私たち一人ひとりが過去の歴史に向き合い、日本帝国年の総括 を帝国主義の側からするのでなく、大衆意識の側からすべきだ」と主張した。例によって 何を言っているのかよく分からないが、共産党がよく使う「帝国主義」という言葉はどこ かで覚えてきたのだろうか。 集会には志位も、民主、維新、社民、生活各党の幹部らとともに参加した。通常の集会 では志位はあいさつだけして会場を去ることが多いが、この日は < のメンバ らの発言を聞いた上で登壇した。 志位は「戦争法、安保法の強行から 2 カ月半たったが、何よりも心強いのは法案の強行