185 第 5 章「こんなはずじゃなかった」が人生 味だし疲れるし、夜は長い。退職前の 4 年間は保険会社の仕事をしていたが、たぶんアクセ ンチュアに入るときに「保険業界の仕事がしたいです ! ーというような人はいないだろう。 だったら最初から保険会社に就職するはずだ。 どれも就職前には想像もっか 保険業界以外にもいろんな業界の仕事を経験させてもらい とれもやってみたら面白かった。 なかった仕事だったが、、、 よく人事コンサルタントが企業に「キャリアパスを示すべし」という提案をするが、本当 にそんなものを示すことができる企業があるのだろうかと疑問に田 5 う。キャリアプランを示 せるということは、企業のライフサイクルが予測できることを前提にしているはずだ。それ が予測できるということは、経済環境や市場環境が予測可能であると言っているわけだが、 それができない以上はキャリアプランもありえないのだ。唯一誰も疑わないことは、「人間 は年をとる」ということだけである。 今年の夏休みは会社の保養所に行こうと計画していたのに、業績が悪くなって春先に保養 所を売ってしまった、というようなことが起きると、夢がつぶれたということになる。しか し、それが普通だ、くらいにとらえたほうが楽しい人生になるのではないかと思うのだ
目西小は 6 掛け、期間は 1 ・ 3 倍ぐらいでちょ、フどい ( キャリアプランは幻想である エピローグ 191
186 「こんなはずじゃなかった」と思ってみても、何も変わらない。予定は立たないのが当たり 前と思っていたほうが、ラクだ。 もちろん、目標は必要である。とは言っても、目標を作りなさい、あなたのゴ 1 ルはここ だと示しなさい、それから全部逆算しなさい、そこに向かってわき目も振らずにやってい なんてことは、なかなか難しい。それよりも目標は 6 掛け、期間を 1 ・ 3 倍にするくらいで ↓りよ - フ . い」 ( いと思う。そうすれば、周りを見る余裕もできるし、人とよく話す時間も持っこ とができる。旅行に行ったり趣味に没頭したりするなど、一見余計に見えるようなことが、 本業に生きてくるものである。 キャリアプランは幻想である つい先ごろデジタルビデオカメラを買ったが、フルハイビジョンが撮れて重さが 100 グ ラム台で 5 時間も撮影できる。子供ができたころ、分しか撮れないテ 1 プ式のビデオカメ ラが川万円で安いと喜んで買っていたのを思い出すと、この機能で 3 万円は申し訳ない気持
109 第 3 章残念なエリートは計画を重視する が立てやすいし、実行も容易だ また、計画通りにできるビジネスというものもある。ただし、そういった仕事は需要がた 、決まっていて、価格も一定、プレ 1 ャ 1 も固定しているなど、変動する要素の少ない ビジネスである。たとえば、商社の孫会社の物流センターや、量産品を作る工場などに限ら ( しカ宀なし れる。しかしその一方で、それらに仕事を発注する人たちは、なかなか計画通りこ、 ) ビジネスを営んでいる。 その他、周りを見ていても若いころに立てたプラン通りにキャリアを歩んでいる人をほと んど見たことがないし、人生設計 ( , こ従って日々を過ごしているかどうかも疑わしい そう考えると、計画がうまく機能する状況は、「自分の中で閉じたこと」と、「環境変化の ないビジネス」のオペレ 1 ションの 2 つくらいしか思いっかない それでも多くの人は、計画、計画と言う。計画の重要性を信じている人は、計画通りにい かなかったときに落ち込んだり、イラついたりする。果たして本当に計画に意味があるのだ ろうか。意味があるとしたら、計画をどのようにとらえた時だろうか
81 第 2 章格差の何が問題ですか ? いは最初からその勝負をしない人たちもいる。そういう人たちは中学や高校の段階で成績が 中程度である自分を受け入れている。そのうえで自分のできることを一生懸命にやって、日々 を暮らしている。先に挙げた商店街で青果店を営む人やゴルフ好きの寿司店オーナーはたぶ んハッビーである。これは格差を無視する生き方だからだ。 高学歴ホワイトカラ 1 は世の中すべての働き手に比べたら余裕はあるし、安定もしている。 3 カ月後はもちろん、 1 年後に給料が自分の口座に振り込まれることを疑う必要がない。 年や川年といった先までのキャリアプランを立てることもできる。 それなのにストレスを感じている人は、たぶんその仕事が好きではないのだと思う。それ でも他人の目や自分のプライドが気になって、昇進や昇給のことばかり考えていると、ます ますストレスがたまる。なにしろ、昇進や昇給は自分でコントロールできないからだ。 給料は経営者や人事部ではなくてお客さんが決めている 働く人の誰もが所得を増やしたいと考えていることは間違いない しかし、その願いと実
日経プレ、 , 、ア、ンリ—t ス サポる時間術 理央周 日経プレ、 , 、アシリ—t ス川 会社で不幸になる人、 ならない人 本田直之 日経プレ、 , 、アシリス - % 出世する人は 人事評価を気にしない 平康慶浩 忙しく働いているのに、結果が出ない。重要な案件が、いつも「や つつけ仕事」になってしまう : 。仕事に追われずに、限られた時 間で成果を最大化するには、まず「サポる時間」を確保しよう。多 くの外資系企業で働いたマーケターが提案する、逆転発想の時間の とらえ方、使い方。 会社員時代から経営者までの年間、ビジネス界でいろいろな会社 員を見てきた、累計 200 万部のベストセラー著者が、不幸になる 会社員の共通点に気づいた。私たちがついつい陥りがちな常識の勘 違いを解説するとともに、過去型の、管理され、つらさと引き換え の昇進・昇給といった幸せではなく、自由で、楽しく、幸せなライ フスタイルで働く会社員への道を伝授する。 仕事が速くて正確、率先して業績を上げる、周囲の信頼も篤い 人事考課で高い評価を得る人が、なぜ会社の中で冷や飯を食うこと になるのか ? 「使う側」と「使われる側」の壁を理解することで、 組織におけるキャリアの本質は見えてくる。人事評価の本当の意味 と昇進のしくみを紹介、会社員のキャリアの築き方を指南する。
142 個人生活だけでなく仕事においても、同じことが言える。 好きなことならクリエイテイプになれる 仕事は情熱をもって取り組めるものでなければ、成功するのは難しい。「どうすれば目の 前の好きではないことに熱意を刺激できるか , を考えるのではなく、「どのような仕事なら 情熱をもって取り組めるかを見つけ出すこと」が必要だ 最初のプランはほば間違いなく失敗する。プラン、 o のみならず、 N まで行ってようや くうまくいくかもしれない。そこまで続けられるのは、そのことが好きだからである。しぶ しぶ人に言われてやっているのでは続けるのは不可能だ。それに、次々とプランを改善して いくためにはアイデアが必要である。それも、やはりその仕事が好きでなければアイデアは 出ない。家族のためにという理由でやっている仕事ではアイデアは出てこない。そして、楽 しみながらやっていれば、トムャムクンメ 1 ドル的な企画も通るかもしれない。 好きなことを、やろう。そうすればきっと結果は後からついてくる
127 第 3 章残念なエリートは計画を重視する その結果、中小零細企業であっても利用可能な価格帯になり、広告主の数は爆発的に増加し ※ペイバルとグーグルに関する記述は「フラン破壊的イノベーションの戦略』 ( ジョン・マリンズ、コミサー共著、 山形浩生訳、 2011 年文塾春秋社刊 ) を参考にした。 計画の進捗管理、 いやそれだけじゃなく発想の転換が必要 いまペイ。ハルとグ 1 グルを紹介した理由は、多くの顧客ーー・単なる利用者ではなく、お金 を払ってサ 1 ビスを使う人ーーに受け入れられ、結果として高い収益を上げるモデルが最初 から存在するわけではない、 ということが言いたかったからである。 これは、規模の大小を問わずあらゆる事業に当てはまる。もちろん、プランなくして事業 を始める人はいないが、そのプランはあくまで仮説であって、実際に動かしてみるとほとん どがその通りにならない。
に行って見てくればよい。売れ行きが芳しくなければ量販店に行って、販売員と一緒にお客 とコミュニケーションを取ったらよい 失敗してもよいではないか。そのことが好きならいっか「プラン N 」にたどり着くはずだ。
122 ら始まるものである。 一番初めに考えていたプランは、大体においてうまくいかないものである。私自身の経験 からも思い当たる節はたくさんある。実際にあなたがよく知っているような企業の多くが、 2 番目、 3 番目の計画、場合によっては燔番目くらいのプランによって、世に知られるよう になっている。 たとえば、ペイバル (PayPal) というサービスがある。ペイバルは、メ 1 ルアドレスと インターネットを利用した決済サービスを提供するアメリカの企業である。設立は 1998 年月といまから燔年ほど前に始まったサービスたが、 ー世界最大規模の海外オ 1 クションサ イト、イ 1 べイ (eBay) の膨大な取引を支える決済サービスとして、アメリカを中心に世 界中で広く普及しはじめた。い までは多くのコマ 1 スサイトの決済システムとして利用で きるようになり、ほば世界中の国と地域で 2 億 2000 万のアカウントが開設されている。 日本においてはインタ 1 ネットのヘビーユ 1 ザ以外にはあまり知られていなかったが、 2007 年 3 月よりサイト全体の日本語表示が開始され、日本国内の電話問い合わせカスタ マ 1 サポ 1 トが新設されて以降、認知度は向上しつつある。