勝ち残る - みる会図書館


検索対象: 残念なエリート
10件見つかりました。

1. 残念なエリート

は商品販売価格に対する原価を抑えることになり結果としてお客は高いものを買わされるこ とになる。そうなると共存共栄ができなくなる。プラットフォ 1 ムを確立した後では楽天、 出店社、お客の三者の利益のバランスが重要だ またアップルにしても楽天にしても、その運営には格差競争に負けた人や格差を無視する 、 0 ヾ 生き方を選んでいる人たちの存在が欠かせなし とうしても人手の掛かる仕事の担い手が必 要だからだ。 「格差に勝ち残る」意識のある人が 特に格差を気にしている ? ここまで論じてきて、格差問題に興味があるのは現在、「格差に勝ち残る生き方」を目指 していて、かっ何となく負け組に入ることを恐れている人ばかりのような気がしてきた。 先ほど日常の仕事は IQ100 あれば十分こなせると論じたが、当然世の中にはそれ以下 の人たちもいる。受験戦争に勝ち残る人がいるということは、同時に負ける人もいる。ある

2. 残念なエリート

第 格差の何が問題ですか ? 経済活動の前提は「違い」である 「結果の平等」と「機会の平等」 日本人というだけで格差に勝っている 「格差に勝ち残る」「無視する」「創り出す」それぞれの生き方 「格差に勝ち残る」意識のある人が特に格差を気にしている ? 給料は経営者や人事部ではなくてお客さんが決めている が一定なのにホントに賃金は増えるのか 「経験経済」Ⅱ「暇つぶし社会」では結局ゼロサムゲームになる 暇つぶし社会の企業は、個人の時間をどんどん侵食する 章

3. 残念なエリート

思考のトレーニング程度に、無駄な公共サービスへの発注額を 5 分の 1 にしたらどうだろ う。製造業で既に同じことが起こったため、組み立て加工は全部中国に行ってしまった。日 本人の仕事はなくなったが、 それでもみな新しい仕事をして生きている。だから公務員にも できるはずだ 程度のことは考える。しかし考えること以上はしないし、できない。 それより、我々にとって重要なのは「こういう問題が起こっている」だから「自分はどう 亠 9 るかーし」い , フこし」た。 格差を問題にするのであれば、私は以下の 3 つの生き方を提案したい。 ・格差に勝ち残る生き方 ・格差を無視する生き方 ・格差自体を創りだす生き方 ひとつめの「格差に勝ち残る」生き方。きわめてオ 1 ソドックスな自己成長論であり、高

4. 残念なエリート

ムづくりである。 この 3 つにはそれぞれにリスクとリタ 1 ンがある。ざっくり一言えば、格差に勝ち残る生き 方は「中リスク・中リタ 1 ン」、格差を無視する生き方は「低リスク・低リタ 1 ン」、 3 つめ の格差を創り出す生き方は「高リスク・高リターン」である。 どの生き方を選択するかは、何をしたいか、何ができるかという個人の好みの問題である。 また、仕事をうまくやるためには、それぞれの生き方をしている人たちのことを理解し、 協力し合う必要がある。 たとえば、アップルの AppIe Store は「格差を創り出す」人たちが運営するビジネスだが、 す で そこでアプリを作っている人たちは「格差に勝ち残る」生き方を選んでいる。どちらが先か 題 と言えばアップルが先だし、アプリを作る人は皆それに依存しているのだが、一旦巡航軌道 何 の 差 に乗った後では、共存共栄しなければビジネスは長く続かない 格 格差を創り出す側の楽天も、システム利用料、決済手数料、ポイント購入費などで格差に 章 第勝ち残る立場の出店企業からマ 1 ジンを取りすぎてしまうと出店企業が疲弊する。出店企業

5. 残念なエリート

77 第 2 章格差の何が問題ですか ? 「自分はどう生きるか」を まじめに考える 格差を無視する 生き方 低リスク 低リターン 格差に勝ち残る 生き方 中リスク 中リターン ? 格差自体を 創り出す生き方 高リスク 高リターン 学歴ホワイトカラーがいままでやってきたことである。 勉強して偏差値の高い大学に入り、既に社会的評価が確立さ れた有名企業に就職する。人の何倍も努力して、同期よりも早 く出世する。スキルには市場価格があるという前提条件のも と、万が一社内の出世に失敗したり、勤め先が傾いた時のこと を想定し、転職市場で価値を持ちそうなスキルを習得する。状 況によっては、それまで続けていた仕事の延長線上で独立する のもよいだろう。格差に勝ち残る生き方を選んだら、この価値 観に疑いを持たずに、周りからの評価を高めることにまい進し なければならない 2 つめの「格差を無視する」生き方は、前者とは真逆の生き 方である。仕事の成功ーー・第 1 章で論じた「ポジションー「大 金」または「社会的評価」ーーーのどれも追い求めない。自分の 好きなことをやって精神的な満足を得ることを第一とする。組

6. 残念なエリート

くである。私自身も、コンサルティング産業、出版産業、ゴルフ産業などの業界に属する一 プレ 1 ャーである。 日本国内の多くの産業は右肩下がりである。ということは、「格差に勝ち残る」ことに心 血を注いできても、そのフィールド自体がなくなってしまうこともある。既に評価基準が決 まっているところで戦うのではなく、自分で評価基準を作るようなことを考えたらどうだろ うか。野球の例のように無価値だったものに価値を作ることだ。 これは、起業するのもありだろうし、勤務先でプロジェクトとしてやっていくこともでき る ひらめ す る。あるいは「格差を無視する」生き方をして趣味に没頭していたら、ある日突然閃いてそ 視 をれを仕事にしたいと思うかもしれない そんな、新しいことを始めるにはどんなアプロ 1 チが有効なのか。本章ではそれについて 考えてみる。 工 念 残 章

7. 残念なエリート

このように経営側は顧客の要望に応えるために、仕事のプロセスと人材のポ 1 トフォリオ を設計し運営する。それが繰り返されることで、一つのまとまった仕事を行うための総人件 費は毎年少しずつ下がっていく。これはトヨタが協力会社に毎年一定のコスト削減を求める のと同じロジックである。 このようにして、アウトブットの決まった仕事に対する給料はどんどん下がっていくので ある。だから、「格差に勝ち残る生き方」をしている人のうち、特にスキル重視の考え方を している人は毎年給料が下がっていくリスクを持っている。 所得を増やすためにはたとえ組織に属していたとしても「格差を創りだす生き方、的な発 想で、過去の仕事のやり方や価値を否定し、新しいシステムを生み出していかなければなら ないのた 000- が一定なのにホントに賃金は増えるのか 日本経済が伸びていくかどうかは、企業が値上げを行い、賃金を上昇させるかどうかにか

8. 残念なエリート

僕らの大半は、 子供の頃には存在しなかった職業についている いま我々の多くは自分たちが子供の頃には存在しなかった職業に就いている。アド 。昔から存在する組織に バイザー、スマホのゲ 1 ムプログラマ 1 、 O < オペレータ 1 入った人たちも、昔はなかった仕事をしている。トヨタでハイブリッド車の開発、ド コモで携帯電話ネットワ 1 クの保守、警察のサイバ 1 テロ対策室。これからは、郵便局でス マホの販売を行おうという話もある。 我々は新しいことを学ぶ力、新しい環境への適応力が求められている。「こんなはずだった」 という思い込みを捨てなければならない。「格差に勝ち残る」生 「こうでなければならない き方を選んだ人たちも、勝負しようとしていたリング自体がなくなってしまうリスクを常に 負っている。 適応力がある人とは、「皆ができることができて、かっ皆ができないことが早く習得できる

9. 残念なエリート

75 第 2 章格差の何が問題ですか ? の人件費と、公的機関からの発注を受ける事業者の売上となり、そこに勤める社員の給料と 1 セントを削減すると、何十万人の人たちが職探しを迫られ なっている。仮に 8 兆円の川。、 る。 民間企業が竸争原理に基づいて行っている事業であれば、無駄なサービスは自然淘汰され る。しかし、公的サービスにはそういった機能が働かない たから、社会的な非効率にメスを入れようとしても、できないことが多すぎる。よく「危 。それよりも「本当の危機ーが来れば、多 機感を持てーといわれるがそれはなかなか難しい くの人がおかしいと感じていることを、実行できる人が出てくるのではないかと思う。 「格差に勝ち残る」「無視する」「創り出す」それぞれの生き方 世の中で起こっている問題に興味を持ち、正しく理解することは必要だ。しかし、それに 対して不満や不安を感じているだけでは、もったいない。私も前項で大学や公務員に関する それに対して個人的にできることはないと思っている。 問題提起をしたが、

10. 残念なエリート

織に属して給料をもらうが、仕事は定時の範囲内のみに行い、責任あるポジションにつくこ とは徹底的に避ける。あるいは組織に属さず、自分ができる範囲のビジネスを営む。格差に 勝ち残る生き方をするキャリア志向の人たちが昼夜週末を問わず仕事と自己投資に専念する のには目もくれず、夜は正しく調理した食事をとり、就寝までは趣味の時間に充てる。子供 がいるのであれば週末は子供と過ごす時間を最大限に取り、地域コミュニティの活動に積極 的に参加する。 3 つめとして「格差自体を創り出すー生き方がある。多くの人が関わるシステムを構築 し、そのシステム内での評価基準をすべて自分自身 ( あるいは自身を含む少数の人間 ) が決 められるポジションを取る。 これは、ビジネス用語ではいわゆるプラットフォ 1 ム戦略、下世話な表現では胴元である。 たとえば、や漢字検定のような検定ビジネス、ぐるなびや食べログのような飲食 店のクチコミサイトなどがある。歴史をたどってみると、注目されるビジネスのほとんどは このプラットフォームビジネスである。プラットフォ 1 ムとは「土台」を意味し、その土台 の上で多くの人たちがビジネスを行う。小さく見れば会社を作るというのもプラットフォ 1