社員 - みる会図書館


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1. 残念なエリート

93 第 2 章格差の何が問題ですか ? 増加のヒントを得られることもある。 だからいま、「業務時間というものを定義することが難しくなっている。形式的には会 社の建物にいる時間、業務のために移動をしている時間、取引先を訪問している時間と言え るが、その中身を明らかにするのはもはや不可能だ。企業はホワイトカラ 1 の成果や生産性 の定義を根本的に見直さなければならなくなってきている。 そろばんが一一級で、書道が初段 みたいな人が、いちばん厳しい ここ幻年のインタ 1 ネット・・スマホの普及と、派遣法の改正で仕事の質が根本的に 変わってしまった。 システムに入力するとか、左のモノにラベルを貼って右に出すみたいな仕事は、一定規模 以上の会社では正社員はやらない。突発的にやらざるを得ない状況もあるだろうが、定常的 に行われるなら少なくとも派遣社員にやってもらうか、外注する。

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経済活動の前提は「違い」である 近頃、格差問題が頻繁に取り上げられている。金持ちと貧乏人、正規社員と非正規社員、 高齢者層と若年層といった異なるクラスタ 1 間の格差が広がっていることが問題視されてい る。格差の程度や種類についても議論があり、日本はアメリカほど格差は大きくないとか、 機会の平等と結果の平等をどうバランスさせるかなど、多くの人が論陣を張っている。 「格差」を『三省堂大辞林』で調べると「同類のものの間における、価格・資格・等級・水 準などの格付け上の差」とある。平たく言えば「ランクづけされた違い」ということだ。 私は、「格差」を「問題視」すること自体に意味があるのか、そして格差解消のための多 くの施策 ( 案 ) に実効性があるのか疑問を持っている。 なぜなら、我々の生きる社会は「違い」を前提に成り立っているからだ。 営利団体に属する働き手のほとんどは「誰かに何かを売る . ことによって生計を立ててい

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ちになる 一生懸命作ったであろう高性能のデジカメが 2 万 9800 円で売られている現実を見る と、家電メーカ 1 の社員の方々は「やってられないな」と感じているかもしれない不た たらそ , フ田 5 ってしま , フたろ , フ ー。この川年ほどあまりしいⅱを聞かない 超優良企業が危機に瀕している。たとえばソニ 家電業界は価格の落ち込みが本当に激しい。しかし、ソニ 1 ほど愛されているプランドはな かなかない もしあなたがいまのソニ 1 のような会社に勤めていたらーーっまり ( 元 ? ) 優 生 叺 良企業のエ リ 1 ト社員だったらどうしたらよいカ、ということを考えてみたいと思う。 っ まず、第一にこのような会社が凋落した原因は、あなたの責任ではない。少なくとも課長 や 以下だとすればあなたの責任ではない。。 タメになったのは歴代の社長の責任であり、歴代の け事業部長の責任だ ん あなたにはいくつかの選択肢がある。ベストなのはいまいる会社で与えられた仕事を続け ( たぶんソニ 1 のような ることだと思う。日本の社会がたぶんなくならないのと同じようこ、 章 第 会社もなくならない。何千億円も赤字を出してもまだ存続できているのだ。要するに too

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ョウカイ人間だった友人 い失敗すると思ったほうがいし 一等地にオフィスを持ち優秀な人材をそろえて、売上が伸びない残念な会社 社長の虚栄心とク優秀な社員のプライドが会社をダメにしていく 「ガレージ」で創業することに意味がある べンチャ 1 の躍進は思い掛けない所から始まる グ 1 グルも最初は広告で収益を出そうとは考えていなかった 計画の進捗管理、いやそれだけじゃなく発想の転換が必要 なぜ「コビー代計円ーの領収証を出さなければいけないのか 企画会議で満場一致した商品が爆発的なヒットにならない理由 計画は「見えている部分ーでしか立てられない 会社が嫌なのか、満員電車が嫌なのかの問題 続くか続かないかは好き嫌いで決まっている 好きなことならクリエイテイプになれる

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75 第 2 章格差の何が問題ですか ? の人件費と、公的機関からの発注を受ける事業者の売上となり、そこに勤める社員の給料と 1 セントを削減すると、何十万人の人たちが職探しを迫られ なっている。仮に 8 兆円の川。、 る。 民間企業が竸争原理に基づいて行っている事業であれば、無駄なサービスは自然淘汰され る。しかし、公的サービスにはそういった機能が働かない たから、社会的な非効率にメスを入れようとしても、できないことが多すぎる。よく「危 。それよりも「本当の危機ーが来れば、多 機感を持てーといわれるがそれはなかなか難しい くの人がおかしいと感じていることを、実行できる人が出てくるのではないかと思う。 「格差に勝ち残る」「無視する」「創り出す」それぞれの生き方 世の中で起こっている問題に興味を持ち、正しく理解することは必要だ。しかし、それに 対して不満や不安を感じているだけでは、もったいない。私も前項で大学や公務員に関する それに対して個人的にできることはないと思っている。 問題提起をしたが、

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仕事時間中の空き時間でネットサーフィンをしていた時代はユーザが意図的にページを探 していたが、 などのポータルサイトができてからは、仕事の探し物をしてい る途中で「思わずクリックしてしまう」広告や記事が増えてきた。 それを問題視した会社がネットサーフィンを禁止したり、アクセスログを監視したりする ようになったのとほば同時期に、 •- モ 1 ドなどの携帯電話サ 1 ビスが登場する。企業側の対 策としては会社と個人の携帯電話を物理的に分けるような工夫をしてはきたが、社員が仕事 で携帯電話を使うのを了解した時点で、会社は携帯をどのように使っているかを管理するこ とが不可能になった。 そして現在のスマホの時代になると、社員間の連絡も会社に認められているかどうかに関 係なく、等でやるのが定着化してしまっている。こうなるともう社員がスマホを触っ ている時間は無法地帯だ。経営者側としては痛しかゆしである。自社の社員には業務時間中 は仕事に専念してもらいたいと思っているのだが、 お客には逆、つまり就業時間中もスマホ で自社の商品の情報に触れてもらうことを期待する。やスマホはもはや業務に欠かせな いし、彼らが思わずクリックまたはタップしてしまう行動を通じて、自社商品の開発や売上

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の差はそれほど気にならないのかもしれない。しかし、高校卒業そのままならトヨタ自動車 に就職できたのに、下手に大学に行ってしまったがために、就職先を選べなくなってしまう。 人間としては全く同じなのに、 4 年間で数百万の学費と、機会費用 ( その間働いていれば得 られるはずだった所得 ) を掛けた結果、その就職先で歳で得られる給料は、トヨタ自動車 に高卒で入った社員のそれよりも低い。お金を掛けて生涯所得が低くなるほうを選ばざるを 得ないという現実は大きな問題だと私は思う。 もちろん大学で学ぶこと、得られる経験や友人にはそれなりに意味がある。それに大学卒 と高校卒では本人のその後の人生での自分自身に対するプライドに少なくない影響を与える はずだ。ただ、進学校からある程度以上の大学へ行かなかったときに、経済的にはマイナス になることが多一いよ , フに田 5 、んる いまや大学進学率は。、 ーセントを超えている。しかし現実は先述の通りだ。だとすれば、 現在の大学は社会の期待に応えていない可能性がある。たとえば、製造業の国内回帰という 議論があるが、実際に大手メ 1 カ 1 が大規模な工場を国内に建てようとしても採用ができな いという声を聞く。これは年前であれば若い人材が数多く集まったが、大卒者が増えてし

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がある。 ところが経営側の立場に立ってみると、給与の分配の話はそう単純ではない。乱暴に言え ば、 100 万円の仕事は、月給 100 万円の社員が 1 人でやろうが、万円の社員 4 人でや ろうが、会社の利益は変わらないのである。経営者を雇っている株主にとっては、利益が出 るやり方であれば、中身にはこだわらない経営者に求めることは、こご」 ナカ利益が出るやり方 かどうかたけである。 株主の期待に応える必要がある経営者の本音としては、同じ仕事を月給 100 万円ではな く部万円でやってくれるのがいい そうすれば会社に幻万円の利益が残る。そして次に、こ の利益幻万円をマネジメントのコストとして考える。 100 万円の仕事を月給万円の社員 す で 題 1 人にやらせ続けると「代わりが効かない」というリスクを抱えることになる。しかし一方 で月給幻万円の人間が 4 人でできるように仕事を組み立てればそのリスクを減らせる。その 何 の 差 リスクは管理する人間が 1 人の場合と 4 人の場合の手間の差のバランスを勘案して評価す 格 る。それでもその仕事に競争力が出なければ、月給川万円で同じ仕事をやってくれる国の企 章 第業にその仕事を発注する。

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55 第 1 章学歴ェリートより「ストリート・スマート」の時代 えると致命傷になることがある。現実としての仕事はそういうふうに動いている 社員の知的レベルは平均的で十分、 大事なのは「いい人」かどうか おそらくこのことは、組織の規模の大小を問わず当てはまる。これまでコンサルタントと して大手企業を中心にさまざまな業種・職種の仕事ぶりを見てきたし、事業をやるようになっ てからは自社で社員を採用し、また以前とは別のタイプの取引先と仕事をしている。その経 験から言えるのは、日常の仕事のほとんどは、でいえば平均値の 100 あれば十分こな せるし」い , フこし」た。 人の話を正しく理解できない、最低限の文章が読めない、書けないというレベルは問題だ が、中の中レベル、公立小学校で成績がまん中付近であれば一般的な仕事の基本能力として は十分である。 が 100 以上だったとして、次に重要なことは先述したとおり「いい人ーかどうかで

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日本企業の英語教育熱は昔から高い。流行り廃りがあるかのように見えるが、メディアが 数年おきに気まぐれに取り上げたり取り上げなかったりしているだけである。 英語力が高い人材を採用しようと思えば、帰国子女が一番よい。それも年齢の若いうちか ら英語圏の教育を受けている子女であれば、相手方の文化も身につけている。しかし、 というレッテルを貼られることが多いなせかとい 採用してみると「帰国子女は使えないー うと、先ほど私がフロリダのゴルフ場で経験したような文化の違いが理由である。 よっ たとえば新卒歳の女性が上司と打ち合わせをする。言葉は日本語かもしれないが、 生 圦 きり要求するから、日本的なコミュニケ 1 ションしか経験したことのない上司は混乱する ( 人 っ によっては失礼だと説教する ) 。 また、欧米の教育を受けた社員はわからないとすぐに質問する。たとえば、伝票を書く仕 や 事を指示したとしよう。何か書きにくいなと思うと、すぐに同僚や上司を捕まえて「何でこ ん の伝票はこういうふうに書かなきゃいけないんですか ? 何か理由はありますか ? と質間 する。ところが日本企業の文化だと、新入社員に何がわかる、お前はそんなこと聞かずに 章 第 黙ってやれ、というのが暗黙の理解だから、あいっ生意気だな、となる。しかし、そうはっ