4 2.2.2 微分方程式とは 第 2 章 来世で使えるかもしれない電気数学 微分方程式とは、微分を含んだ方程式です ( いやそのままじゃねえか ! ! wwwwo 方程式の 例を挙げると、こんな感じ↓。 dx(t) 0 d2 ェの 十わ 市 2 まあ冗談はさておき w 、ざっくり説明すると、微分はある瞬間的な時間 ( またはある一部分、領 d ェの dt + ェの = 本書では微分方程式の組み立てまで行い、微分方程式の解法については割愛します。 ことができます。 力という比になるよう変形し、 s に . を代入することで、回路の周波数特性 ( 伝達関数 ) を知る 解く ( すなわち、過渡状態を解析する ) ことができます。また、ラブラス変換したあと、出力 / 入 ます。微分方程式からラブラス変換をし、変形させたあと逆ラブラス変換をすれば微分方程式を チートに見えて、使いこなすにはテクニックが必要なラブラス変換ですが、オトクな点があり の得意な方で解くという感じになると思います・・ 換をして簡単にしたものの、逆ラブラス変換をして元に戻せない ) こともあるので、結局は自分 後者のほうがチートすぎて簡単な気がしますが、原作者がなかなか口を割らない ( ラブラス変 い詰めるという方法です。 王道なやり方。後者のラブラス変換は、マンガの世界からこっちの世界にやってきて原作者に問 自分はよく推理マンガに例えることがあるのですが、前者は地道に証拠を見つけて犯人を探す プラス変換という操作を加えて簡単な方程式に変えてしまう方法」に分かれます。 大学の授業などで習うとしたら、「微分方程式の形から最終的な解を予測して解く方法」と「ラ さて、微分方程式はどのように解けばよいでしよう ? 。 2.2.3 微分方程式とラブラス変換 過渡状態を解いた事になります。 ということです。物理的な話をするなら、「ある時刻 t のときどんな動きをしているか ? 」という 形 ) すること」を言います。言い換えれば、「関数ェのはどんな形をしているのかを求める操作」 「微分方程式を解く」ということは、「微分方程式を微分表現が混ざっていない状態まで計算 ( 変 な時間でみた動きの状態」を表していると言えます。 域 ) を見た時の動き ( 変化量 ) を表したもの。つまり、微分が混ざっている微分方程式は「瞬間的
第 2 章来世で使えるかもしれない電気数学 月 2 協 / 2 ーー→ 図 2.3 回路その 2 2.4.2 回路その 2 回路その 1 の回路の応用です。その 1 と同じように、召 1 と 2 に流れる電流は同じなので、 となります。ムは 2 はそれぞれ、 と表すことができます。したがって、 新一協協ー協 召 2 こから協について変形していきます。 協一十 十新 合 一月十 2 十十 1 ( 2 ・ 2 ) ちなみに 1 = 2 と置くと、
16 第 2 章 1 0 1 0 2R BO 来世で使えるかもしれない電気数学 Vo 図 2.14 2R R-2R ラダー回路 2R 応用 . R-2R ラダー回路の計算 話を簡単にするため、 2bit の DA 変換回路で、入力が { 0 , 0 } 、 { 0 , 1 } 、 { 1 , 0 } 、 { 1 , 1 } の時の計算 →△、△→ Y 変換を駆使して解いてみます。 月と 2 のみで構成する DA 変換回路です。単純な回路ではありますが、計算は複雑なので、 Y となります ( あたりまえ w) 。 を行います。 = 0 ・ 0 , 0 のときすべて GND に繋がっている状態になるので、は
Ⅱ 1 目次 まえがき イントロダクション 第 1 章 イントロダクションのイントロダクション 来世で使えるかもしれない電気数学 第 2 章 2.1 電子部品には受動素子と能動素子がある . 2.2 回路方程式と微分方程式とラブラス変換 . 2.3 オームの法則 2.4 キルヒホッフの法則 2.5 テブナンの定理 . 2.6 Y- △変換・△ -Y 変換 現世で使えるかもしれないオペアンプ入門 第 3 章 3.1 オペアンプとは何者じゃ ? 3.2 オペアンプ回路 ~ 基本のキ ~ 1 1 っつつけ、 6 、 6 っ一り 1 1 -1 1 一 4 つ」っ 1 っ 4 41 参考文献 あとがき 43
第 2 章来世で使えるかもしれない電気数学 1 叮 0 12 / 0 / 10 / 0 0 る加 1 18 図 2.8 RC 回路の周波数特性と振る舞い 10 図 2.8 に . ん = 1[kHz] の時の周波数特性と、 . ん / 10 、 . ん、 10 / 0 の周波数の矩形波を印加した時の 振る舞いを示します。印加した周波数によって、 / 0 / 10 までは非積分動作、 . んは非積分動作と積 分動作の臨界点 ( サメ状の波形 ) 、 10 / 0 は積分動作 ( 三角波 ) をします。 RC 回路は 10 倍の周波 数で—20[dB] ( 電圧の振幅でいうと 10 分の 1) まで減衰、 1 することがわかります。 この周波数特性と振る舞いを意識しながら回路を作るとよいでしよう。 * 1 ー 20 dB/dec と表します。
18 2R ~ Rab 2R 2R Y- △ 図 2.17 RCö=4R 第 2 章 2R 来世で使えるかもしれない電気数学 引 3R 合成抵抗 物 = 3 / 4E 面を算出するのに 実買無関係になる . 入力が { 1 , 1 } の時 ■ 1 , 1 のとき 図 2.17 のように変形していきます。 4 召 4 / 3 召十 4 召 1 / 3 十 1 4 / 3 ■補足出力側からみたインヒ。ーダンスは、 BI 、 B() の状態に関係なく召になります ( テブナン の定理で解ける ) 。したがって、 BI 、 B() で得られる電圧とインヒ。ーダンスの等価回路で表すこ とができます。 を入力しないと成り立たないこともわかります ( オープンでは正しい値が出力されません ) 。 また、ル 2 召ラダー回路は、すべての入力に対して、必ず ' 1 ' ( 電圧がある状態 ) か、 0 ' (GND)
10 第 2 章 図 2.5 RC 回路 来世で使えるかもしれない電気数学 2.4.4 その 1 発展型 ~ RC 回路 ~ キルヒホッフの電圧則にしたがって、回路方程式を立ててみます。抵抗召の電圧降下は・ツ ( t ) 、 サ C にしました。 その 1 の回路 ( 図 2.2 ) の発展型ということで、図 2.5 に示すように、召 2 の代わりにコンデン となります。表 2.1 より、コンデンサに流れる電流ツのは ル電 ) + の = 町の コンデンサの電圧降下はのと表せますので、 となるので、 となります。 dvo の 電 ) = c これらを代入すると、 + t ) = 物の RC ( 2 ・ 4 ) さて、式 ( 2.4 ) は微分方程式になっています。 3 ページでお話したとおり、微分方程式を解いて ・の式にすれば過渡状態を、ラブラス変換をして出力 / 入力の比をとれば周波数特性が ぉ 0 ① = 中式は省略します ) 。 過渡状態を解く わかります。 ■充電の場合初期値に物の =E 、 ( 0 ) = 0 として、微分方程式解くと式 ( 2.5 ) になります ( 途 また、 t について変形すれば、 0 からのまで充電されるまでの時間を求められます。 t = —RC ln 1 ー ( 2 ・ 5 ) ( 2.6 )
第 2 章 来世で使えるかもしれない電気数学 IkQ を繋げたときに 同じ電圧、 同じ電流になっている。 14 R2 .100 6.8666668V 6.866666 100 VI R3 100 ・ 10 Ⅵ . lk 等価回路 lm R6 100 R5 100 6.8666868V 6.8666665EA R9 lk R11 100 R10 1.00 ・ 10.3V 10. OV R12 100 ・ 10V 13 開放電圧を求めたところ lm RI 5 .100 R14 100 ・ OP ・ テブナンの定理で等価した回路 図 2.11 リ R3 川 ) テブナンの定理 考察する部分 塒 + = 塒 + 川 / / 月 2 1 十月 2 テブナンの定理例題 図 2.12 1[kQ] を繋げた場合、両端に印加されている電圧と、抵抗に流れる電流が同じになっている ことが わかります。 2.5.1 例題 図 2.12 にテブナンの定理を用いた例題を示します。 オペアンプでできた反転増幅回路 ( 後述します ) の入力段に分圧回路が入った回路です。単純 に E を月 1 と月 2 で分圧された電圧を入力していると計算したいところですが、 1 と 2 が後段 の月 3 に影響してしまいます。これがどの程度影響するかをテブナンの定理で解いてみます。
3 第 2 章 来世で使えるかもしれない電気数学 ・ Y- △変換、△ -Y 変換 テブナンの定理 キルヒホッフの法則 オームの法則 この章では、電気回路の基礎法則として、以下のものを解説していきます。 回路に入っていると、回路方程式は微分を含んだ微分方程式というものになります。 回路の動作を表した数式を回路方程式と呼んでいます。後述しますが、コイルやコンデンサが 2.2.1 回路方程式とは 2.2 回路方程式と微分方程式とラブラス変換 す ( すごく乱暴 ( - ュ、 ) ! ) 。本章では受動素子で話を進めていきます。 ランジスタ、オペアンプなどの半導体の事を示し、早い話が「受動素子以外の部品」ということで 受動素子とは主に、抵抗、コイル、コンデンサのことを指します。能動素子は、ダイオード、ト 電気回路には、ざっくり分けて、“受動素子”と“能動素子”があります。 理論のお話をする前に、本書で登場する部品について説明しておきましよう。 2 ユ電子部品には受動素子と能動素子がある ようになるかと思います。 ます。波線だけ読んでも実用的に使え、途中式も理解すれば、様々な回路が解けるよう力が付く し、回路を組み立てる数式は途中式も書き、最終的な解にはこのような波線で目印をつけておき イントロダクションでも述べた通り、テンプレート的に使えるように、最小単位の回路を説明
第 2 章 来世で使えるかもしれない電気数学 6 2.3 オームの法則 オームの法則とは、素子に流れる電流と電圧の関係を述べたものですが、本来、受動素子であ る抵抗について述べています。ですが、本書ではコイルやコンデンサに対しての電圧、電流につ いてもひっくるめてオームの法則ということにします。難しいことは抜きにして、抵抗、コイル、 コンデンサのオームの法則を表 2.1 にまとめました。これから先、話を進めていくにあたり、この 表をみながら回路方程式を立ててみてください。 2 4 キルヒホッフの法則 キルヒホッフの法則とは、回路に流れる電流について、電圧について述べたものです。電流に ついて述べたものを“電流則 ( または第 1 法則 ) ”、電圧について述べたものを“電圧則 ( または 第 2 法則 ) ”と呼んでいます。サクッと説明すると、以下のとおりです。 キルヒホッフの電流則 ( 第 1 法則 ) ある接点において、接点に向かって流入する電流の総和と送出する電流の総和は等しい。 キルヒホッフの電圧則 ( 第 2 法則 ) ある閉回路において、起電圧の総和と電圧降下の総和は等しい。 「いや、そんなことわかっとるわ ! ! 」とお思いの方が多いかと思いますので w 、 この項は回路 表 2.1 オームの法則 抵抗 コイノレ コンテ、ン、ナ 素子 記号 過渡応答 市 t ) = ルの 電圧 ) 市 電流 周波数応答 電圧 レ = XcI = レ = XLI = ツカ / レ レ 電流 XL = ツん 1 電 ) 市 電 ) = c = ツ wC レ インピーダンス / 2 冗 ー [rad/s]o ※ただし、 = 2 冗工 = ※周波数応答は、あくまで定常状態の時 ( 単一の周波数を印加した時 ) を述べていることに 注意。 dq(t) ※電流のを電荷ので表すこともある。