安倍晋三 - みる会図書館


検索対象: 日本会議の研究
274件見つかりました。

1. 日本会議の研究

でに起こった政治アジェンダと軌を一にして誌面を覧 の 構成してきたことが一目瞭然だろう。 ュ 、ヒ タ ン ノー ・安倍晋三のプロモーター・伊藤哲夫 このように安倍政権の機関誌のような雑誌を発行へ し続ける「日本政策研究センター」を率いる伊藤哲研 で ま 夫とはいかなる人物なのか。 号 月 先に引用した『文藝春秋』の記事では「衛藤晟一 が安倍晋三に引き合わせた」「シンクタンクの代表 と表現されてはいる。しかし伊藤哲夫は、単なる、 「政策提一言するだけの人物」ではない。彼は、第一次 安倍政権誕生前から、安倍晋三とべったりとくつつ き、ことあるごとに彼をプロモートしてきた。 その端的な例が、年 8 月燔日に開局した「チャンネル桜」の開局記念番組だろ 巻インタビュのタイトル . 、インタビュー対象 中西第政 ( 京都大学名誉教授 ) 古森義久 ( ジャーナリスト ) 西岡カ ( 東京基督教大学教 太田文雄 ( 元防庁情報本部 八木秀次 ( 麗大学教授 ) 川上高司 ( 第端大学教授 ) 伊藤隆 ( 東京大学名教授 ) 佐藤正久 ( 参議院議員 ) 1 月号ァベノミクスこそ危機を乗り越える「国家としての選択」だ 2 月号戦後七十年を対外発信「元年」に 3 月号問題の核心は「強制連行プロバガンダ」にある 4 月号邦人テロ事件が突きつけた日本「インテリジェンス」の欠略 5 月号何が改憲論第で問われるべきか 6 月号日米ガイドライン・安保法制の改定をどう見るか 7 月号教えるべきは「誇りある歴史」だ 8 月号「ヒゲの隊長」が語る平和安全保第法制の意義 170

2. 日本会議の研究

2015 年夏には集団的自衛権を合憲とする閣議決定を行い、 事実上、憲法を骨抜きに した。そして、安保法制を強行採決させた後、自民党総裁に再選された安倍は、同年 9 月 幻日の会見で改めて改憲への意思を強調してもいる。 改憲への道を突き進み、「保守革命」とやらの担い手と自認する安倍晋三の後ろには、 伊藤哲夫がいう「私どもーが控えている。この「私ども」とはいったい誰なのか ? そし て伊藤哲夫はこれまで何をしてきたのか。 ・日本政策研究センター = 伊藤哲夫の主張 伊藤哲夫が代表を務める「日本政策研究センター」は、日本会議のようにデモや署名集 めなどの市民運動を展開したり、議員懇談会を作って議会や内閣に圧力をかけたりするよ うな動きを見せるわけではない。そのため、一般のメディアでの報道や分析記事で、この 「日本政策研究センターーの名前が登場する事例は、これまでもほばない。しかしなが ら、すでに触れたように、安倍晋三の周りに常に付き従い、安倍政権に隠然たる影響力を 行使していることは事実だ。 176

3. 日本会議の研究

これで、「生長の家」と伊藤哲夫はつながった。 やはり伊藤哲夫は、「生長の家」教団が 1983 年川月に突如として政治活動を停止し たため、教団での立ち位置を失い、一本独鈷として活動するために、やむなく「日本政策 研究センター」を立ち上げたと考えるのが自然だろう。 日本政策研究センターの設立から引年。今や伊藤哲夫は安倍首相の筆頭プレーンと言わ れるまでの存在となった。言い換えれば、「安倍首相の筆頭プレーンは『生長の家』の元 幹部」ということでもある。 ・百地章ー「集団的自衛権合憲」を主張する憲法学者の背景 2 人目の重要人物に話を移そう。 安保法制審議が山場を迎えていた 2015 年 6 月川日。「日本会議」とその周辺の改憲 運動を追いかけるものとしては、見逃せないニュースが飛び込んできた。 衆院平和安全法制特別委員会における質疑で、民主党衆院議員・辻元清美から「 ( 集団 8

4. 日本会議の研究

第五章「一群の人々」 仕掛けに、受動的・後追い的に振り回されるのではなく、むしろこちらから攻勢的に戦い を仕掛けるべき時にきているのではないかーという認識のもと、「保守革命」というテー ゼに集約させるようになったのだと伊藤は書いている。 この小論が発表されたのは、年。前節で触れた、伊藤哲夫と安倍晋三の対談の わずか 5 か月前だ とすると、「チャンネル桜」の対談記事の中で、伊藤が安倍を「保守革命を担うリーダ と褒めあげた箇所に出てくる「保守革命」と ーこそが安倍幹事長でなくてはならない は、つまるところ、伊藤哲夫率いる日本政策研究センターの論点である、「歴史認識」「夫 婦別姓反対ー「従軍慰安婦ー「反ジェンダーフリー」だと考えるのが自然だろう。 こう見てみると、安倍政権が、安保法制のみならす保守を通り越して「反動」の色彩を 強めていくのも頷ける。また、米・カリフォルニア州のグレンデール市が設置した従軍慰 安婦像に関し像の撤去を求めて訴訟を起こしている、いわゆる「グレンデール慰安婦像裁 判 , の原告団と、政府が「緊密に連携を取っている」と、菅官房長官が異例の言及を行っ た背景が理解できる。 つまり、「保守革命」なるものの具体的項目である「歴史認識」「夫婦別姓反対」「従軍 179

5. 日本会議の研究

例えば、 2015 年 8 月号の巻頭インタビューは、「『ヒゲの隊長』が語る平和安全保障 法制の意義」という、佐藤正久参議院議員へのインタビュー記事だ。おそらくこれは、政 権側がヒゲの隊長を安保法制のスポークスマンとして起用している動きに連携したものだ ろう。さらに巻末の方には「これが新聞という名に値するのか・沖縄の新聞事情」という コラムが掲載されている。タイトルから予想されるように、このコラムは文化芸術懇話会 での放言騒ぎを擁護することを目的としている。 またこれに先立っ 7 月号では「安保法制・ 9 条改正に対する論破のポイントと題され た特集記事が掲載された。おそらく現場で議論や対話を担当する議員や議員スタッフある いは運動員が利用することを目的に作成されたものだろう、安保法制や憲法改正に関する 想定問答が懇切丁寧にびっしりと書き込まれている。 このように、安倍政権の政策を代弁するかのような誌面構成が『明日への選択』の特徴 だ。同誌がどのような記事を掲載してきたかを振り返るため、 2015 年 158 月号まで の『明日への選択』の「巻頭インタビュー」の変遷を図表にまとめた。 総選挙の争点であった「アベノミクス」、戦後年談話、教科書、歴史教育、改憲、日 第米ガイドライン、安保法制 : ・と、この表をみれば、『明日への選択』が 2015 年 8 月ま

6. 日本会議の研究

ですでに触れていた。これに加えて、取材の過程で明らかに なってきた「日本会議」そのものが、椛島有三率いる「日本が 青年協議会」によって運営されている事実についても述べて 生容 学 さらに、「安倍晋三の筆頭プレーン」と呼ばれる伊藤哲夫刺 についても取り上長一 , と、彼が率いる「日本政策研究センター そして、「日本会議」の事務局を司る「日本青年協議会」 も、「日本政策研究センター」の代表である伊藤哲夫も、皆 川年安保の頃に生まれた、「生長の家学生運動」の出身者でか で伝 あることをェビデンスとともに立証してきた。 これらを踏まえたうえで、本書がここまでで明らかにしてれ が本 きた人脈を図式化すると下図のようになる。 つまり、 2016 年夏の参院選の後を見越し、改憲を求め 第る万人規模の署名活動を展開している「日本会議」図 閣僚の 8 第を輩出 七十年安保で生まれた 「生長の家学生運動」の第士たち 日本会議 国会議員懇談会 椛グ 日本会量 日本青年協会 代表の伊藤哲夫が 安倍私的ブレーン筆頭権 伊藤皙夫 グループ 日本政策研究センター 219

7. 日本会議の研究

はじめに 全国各地の路上では、「朝鮮人を殺せ」「韓国人出ていけと叫ぶデモや集会がいまだに 繰り広げられている。さらには「ヘイト本」の出版プームもまた持続中だ。どの書店でも、 嫌韓や排外主義を煽る書籍が平積みされ続けている。一般書店の月刊誌コーナーで平積み されるのは、『正論』『』などの「保守論壇月刊誌」ばかり。岩波書店の『世界』 はもとより、『中央公論』さらには『文藝春秋』までもが、ド。、 禺こ追いやられている。 これらの事象を見て、人は、「日本は右傾化した」という。 しかし、果たしてそうか ? 安保法制の強行採決により、安倍政権の無軌道な政権運営がピークを迎えた 2015 年 夏。に代表される強固な反対意見のうねりを、我々は確かに目撃した。国会 前に集まった数万の人々は、口々に、安保法制反対を叫び、安倍政権の退陣を訴えた。 沖縄・広島・長崎の慰霊祭に出席する安倍首相に対しては、遺族や列席者から、彼の姿 勢を批判するヤジが飛んだ。三大慰霊祭の全てで首相を糾弾するヤジが飛ぶのは前代未聞 の出来事だ。 政界から路上に目を転じると、いまだに繰り返される人権意識のかけらもないへイトス ピーチデモに対抗すべく立ち上がる、いわゆる「カウンター」の人々が全国各地に存在す

8. 日本会議の研究

にもかかわらず、保守論壇誌には安倍晋三が登場し続ける。有権者から無責任と烙印を 押され、安倍晋三自身も鳴りを潜めて表立った動きを示していなかった時期にも、なぜか、 保守論壇の「識者ーたちは、安倍晋三の名前に言及し続けた。さらには、極めて早い時期 から、安倍晋三の再登板を熱望するかのような記事が並ぶようになる。 ( ※ 2 ) これは奇妙なことではないか ? 路上で繰り広げられる醜悪なヘイトデモ参加者たちの一次的な情報源も保守論壇雑誌な らば、退陣し政治生命が終焉した安倍晋三を熱烈に応援し続けるのも保守論壇誌だ。その 傾向は、安倍晋三が再び総理として返り咲いた後、さらに顕著になっていく。「たまたま、 偶然、そうなっただけだー「同じような性向を持った人なのだから、同じような雑誌に集 まるのは自然なことだ」と切って捨てていいとは到底思えない。確かにそうした判断も成 立し、つる。ただ、ここまで同じメンバーが同じネタを用いて同じノリで盛り上がり続けら れるのは、傍目には異常だ。安倍退陣から再登板まで、 5 年もある。あの 5 年間、彼らは 全く同じことをやり続け ( ている。その間、民主党政権の誕生と瓦解、東日本大震災など、 さまざまな出来事があった。にもかかわらず、彼らは変わらない。同じことを繰り返して いる。何かある。この持続性と反復性を生む、何らかの原因があるはずだ。

9. 日本会議の研究

第五章「一群の人々」 今でこそ、「チャンネル桜」は、代表・水島総の特異なキャラクターと水島が率いる 「頑張れ日本 ! ーの奇異なデモなどで名の知れた存在となっている。しかし、開局当初 は、その存在さえあまり認知されない単なる Oco 放送の一チャンネルでしかなかった。そ しいまだ当選 3 回と んな無名の、しかもできたばかりの O チャンネルの開局記念番組こ、 はいえ自民党の幹事長を務める当時の安倍晋三が出演したのだ。異例の事態といってい この「チャンネル桜」開局記念番組に安倍晋三を登場させた人物こそ、伊藤哲夫。そし て、伊藤哲夫の手引きによってこの番組に登場した安倍晋三は、伊藤からの質問に答える 形で、将来の「政権構想」まで披瀝してしまっているのだ。 ・安倍晋三のキャリアの特異性 『チャンネル桜』が開局した年 8 月当時、安倍晋三は自民党の幹事長職を務めて いた。当選回数も少なく大臣経験もない「若造」の幹事長就任は、前代未聞といってい 171

10. 日本会議の研究

・安倍政権に垣間見える「反憲」テーゼ 2015 年 7 月日の「我が国及び国際社会の平和安全法制に関する特別委員会」で、 安倍晋一一一首相は、民主党・大塚耕平議員の質問に対し、「日本に対する直接的な攻撃意思 を表明していない場合でも、集団的自衛権の発動はありうる」と答弁し、事実上、「先制 攻撃」を容認した。おおよそ、憲法の条文をどう読んでも「集団的自衛権」も「先制攻 撃」も容認できるはすがない。しかし、改憲を目標にしているわりには、安倍政権は全て 「憲法解釈の変更」で乗り切った。 これでは、憲法は骨抜きになってしまう。骨抜きになって否定されるのは、昭和憲法だ けではない。「憲法を政府こそが守らなければならない という立憲主義の根幹まで溶け ている。その彼らが、「改憲」という最終目標にむけ、 2015 年 4 月の段階で明確にカ ウントダウンを始めていたのだ。 果たして、「護憲艦隊」は、百戦錬磨の日本青年協議会が率いる「改憲戦艦ヤマトー に、立ち向かうことができるのだろうか ?