体言 - みる会図書館


検索対象: 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法
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1. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

↓なかれ 形容詞「なし」の命令形だが、 助動詞のように使用する。活用も同じ ( 形容詞型 ) だが、ほ 部 しむ とんど命令形のみ、または前掲④「令」をともなって「なからしむ」という形でしか用いない。述 直後に動詞の連体形、または動作を示す体言がくる。意味は禁止で「 5 するな」「 5 してはい述 ーないと訳す。 例 1 莫緩怠、 例 4 勿延引、 例 2 世間莫言、 緩怠する莫かれ、 怠をしてはいけよい。 ↓世間言、つ莫かれ、 世間がど、つこ、つ一言ってはならない 例 3 勿致闕怠、 闕怠を致す勿かれ、 怠をしてはいけない。 : ロ

2. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

い了んぬ、 当国の状況というのは、人民が疲弊しているので、神社を造営するための 租税の徴収は免除するとの宣旨 ( 文書 ) が下された。 ※類似の用法に、「申さく」「云わく」「願わく ( は ) 」などの形があるが、これは動詞の未然 形に体言化をうながす接尾語「くーが付いたもの。直後に発言などの引用文を導く。 ( 3 ) 動詞の体言化

3. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

↓ 5 のところ ⑥「処」 直前に「之 , をともない、前の文節に接続する。「之、に接続するため、直前には体言がく る。意味は「 5 したところ」。 例 1 露見之処、 露見するの処 ( 露見の処 ) 、 露見したところ、 例 2 令参上之処、 ↓参上せしむるの処、 参上してみると、 ↓、のじよ一つ ⑦「条」 直前に「之」をともない、前の文節に接続する。「之」に接続するため、直前には体言がく 全く存知せざるの故、 まったく存知しないので、 Ⅳ接続語・接続部ノ 74

4. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

連用修飾節を導く語 おいて ①「於」 体言の直前にくる。訓読する場合は、直前に「に」を補う。意味は「 5 において」。 ー御亭、有深秘御沙汰、 例於相廾 , 相州の御亭において、深秘の御沙汰あり、 相模守の邸宅で、秘密の沙汰 ( 会合 ) があった。 ②「于」 体言の直前について、「 5 例 1 于今、 2 異 他 今まで、 に」という格助詞を導く。「 5 まで」という意味も持つ。 お 5 ( 2 ) 副詞と連用修飾

5. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

①「者 . 古文の係助詞「は」に同じ。体言の形の文節に接続し、文の主語・主部を形成する。これ以 外に、接続助詞的に用いる場合もある。Ⅳ ( 2 ) ① ( 頁 ) 参照。 例 1 不用先例者、不審也、 ↓先例を用いざるは、不審なり、 先例を用いないというのは不審である。 例 2 先参上者、弥四郎候、 先に ( 先ず ) 参上するは、弥四郎に候、 先に参上したのは弥四郎である。 体言の形の文節に接続して、それら全体で主部を形成させる語を挙げる。 ( 2 ) 主部 そうろう 厂 ( 2 ) 主部

6. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

ー、はかり・ ⑩「許」・「計」 古文の副助詞「ばかり」に同じ。直前に体言がきて、「 5 だけ」という意味になる。 例是則非顧私之方計、 ↓これ則ち、私の方ばかりを顧みるにあらず、 これは、私の方に都合の良いことだけを言っているのではない。 ⑩「為」 直後に体言がきて、「 5 として」という意味になる。 例 1 遣弥四郎之許了、 ↓弥四郎の許 ( 、 こ遣わし了んぬ、 弥四郎のところに遣わした。 例 2 罷向為義之許、 為義の許に罷り向かう、 為義のところに向かった。 ↓として Ⅲ修飾語・修飾部ノ 42

7. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

古文・現代文を問わす、主語はすべて体言 ( 名詞・代名詞・活用語の連体形 ) である。原則 として、述語の前に位置する。ただし、一つの文の中でも主語が変わる場合があるため、注意 が必要である。訓読する場合、主語のあとに「者」の字が使われない限り、格助詞「が、や係 助詞「は」などを補う必要はない。 なお、体言には連体修飾がなされる場合も多いが、それについてはⅡ ( 2 ) ( 囀頁 ) を参照。 例 1 大夫判官殿、被着於上臈之座、 大夫判官殿、上臈の座に着せらる、 大夫判官殿が、上臈 ( 格上 ) の座にお着きになった。 例 2 予、賞玩之了、 おわ 予、之を賞玩し了んぬ、 私は、これを賞玩した ( 鑑賞し、愛でた ) 。 一三ロ I 主語・主部 76

8. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

( 3 ) 動詞の体言化 きわめて限定された範囲だが、動詞を体言化し、主語として用いるための特殊な接尾語があ る。相当する漢字は存在しないが、動詞の直後に補って、慣用的に「 5 らくは」と訓読してい る。「 5 するのは」「 5 することは」という意味になる。概して、上級権力者への訴えかけなど に際して用いられる傾向が強い。 もとは、「る」の語尾をもっ活用語の連体形に、古代の形式名詞「あくーが付いて変化した ものとされている。「見らく」「告ぐらくー「すらく」「死ぬらくなどの形が知られる。のちに は他の動詞の連体形にも付くようになった。 書状の内容は、本当にけしからぬものである。 例 3 此返事之趣、叶御意之由、有仰、 ↓この返事の趣、御意に叶うの由、仰せあり、 この返事の内容は意に叶っている、との主人の仰せがあった。 I 主語・主部 22

9. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

↓、ながら ③「乍」 直後に体言または活用語の連用形がくる。意味は「 5 でありながら」「 5 とは承知しながら」 「 5 しておきながら」。 例 1 乍去、 ※本来は「去」でなく「然」を使うべきであるが、同音 ( 「さり」 ) のため、慣用される。 一旦は承知致すとも、 一旦は承知したが、 例 2 難黙止候得共、 黙止し難く候えども、 黙止しがたいとはいっても、 , さり - なから、 そうではあるが、 ノ刀 ( 2 ) 接続助詞的に用いられる語

10. 日本史を学ぶための古文書・古記録訓読法

↓つき ③「就」 体言の直前にくる。訓読する場合は、直前に「に」を補う。意味は「 5 例 1 就是事、 ↓是の事に就き、 このことについて、 例 2 就言上状、下裁許了、 例 4 時 他に異なる、 他とは違、つ ( 特別の ) 、 例 3 着于他国了、 ↓他国に着し了んぬ、 他の国に着いた 時に ( その時ちょうど ) 、 について」。 Ⅲ修飾語・修飾部 736