法務局 - みる会図書館


検索対象: ソーシャルもうええねん
4件見つかりました。

1. ソーシャルもうええねん

リームなんかあらへんで ! 」 僕はオカンに怒られて機嫌が悪くなりました。当時歳です。母親が怒るのも無理はありま せん。当時の僕はだらしがなかったのです。 バツイチですし、実家出戻りですし、朝起きないで昼まで寝ていますし、無職ですし、夜中 に独り言を言いながらアホなコードを書いていますし、オンラインゲームですら会話が続きま せん。「社会に対応できない系プログラマー」の典型のような人間です。 そんな僕が持っていた勇気は、すべてのプログラマーが持っている勇気です。そう、すべて のプログラマーが、プログラミングのときに、必ず使う勇気です。 Ⅱ 11 なり適当な値をつつこんで実行する勇気。そう、それのみです。 人生とりあえずコンバイル 本に書いてある書類を作るのも面倒なため、法務省のページから会社登記のテンプレ ートをダウンロードして、面倒に思える箇所は空欄で法務局に出しました。 130

2. ソーシャルもうええねん

作成例のため「事業開始年度〇〇」「決算期〇月」「発行株式数〇〇株、となっているのは、言 うまでもありません。しかしながら、僕は、その「〇〇」のまま出しました。事業年度、発行 株式数、決算月など、当時の僕にはわかりません。プログラマーの僕に、そんなものがわかる わけがありません。興味もないため、調べることもしませんでした。— 1 をつつこんで出 しや、人生とりあえずコンパイルだ、と思っていました。 せばい、 後日、法務局に呼び出されたのは言うまでもありません。法務局は大量のコンパイルエラー を返してくれました。僕がテンプレートのまま出した登記書類には、付箋紙がびっしりと貼っ てありました。法務局の担当のおっちゃんは、僕を奥の部屋に連れて行き、一行一行、「ここに これを書くんや」「発行株式数か ? 資本金が 100 万の会社やったら、 100 株でええやろ」「こ こに訂正印押すんや」「訂正文字数をここに書くんや」と 1 時間半くらいかけて、教えてくれま した。 僕が初めて作った会社の定款や登記書類は訂正印だらけで、原型をとどめていませんでした。 登記簿は書き直す箇所が多すぎて、全部、法務局のおっちゃんの指導で書き直しました。非常 にカッコ悪い船出です。なんだか書類一つ作れない自分が情けなくなりました。 131 第 2 章動いているものを見せれば大人は納得する

3. ソーシャルもうええねん

「あー、あの、すんません。僕、こういうのサッパリわからないもんで 法務局のおっちゃんは、割り印を押しながら、僕に言ってくれました。 「ええか、これからもな、わからんかったら、人に聞いたらええんや。誰でもなんでも最初から、 うまいこといくもんちゃうんや。人生、勉強やで」 法務局のおっちゃんの一言は、僕の心に残りました。 そんなわけで、僕は「プライドを捨てて、人に聞いたり、頼ったりする勇気」も手に人れました。 今までネットなどで調べた知識を聞きかじりして、知ったかぶりで、プライドのみが高かった プログラマーに一つのスキルが追加されました。 人脈がなくても、仕事は取れる そもそもプログラマーのため、営業がなんたるものかもわかっていませんでした。非コミュ のため、営業トークができません。今まではケンケンゴウゴウの開発会議しか出たことがなか ったです。「おまえの仕様はクソだ ! 」「その実装いいね ! 美しい ! 」「品質管理として、それは 132

4. ソーシャルもうええねん

* * な理由で実装できません ! 」のような会議しかしたことがないのです。本音し 通せない」「 か言わない会議が多かったのです。 しかも、「営業の仕方」がわからないのです。カネをもらうための打ち合わせを、したことが ない状況でした。 非コミュプログラマーのため、わからなければとりあえず、人に聞いてみる勇気のみで営業 をしていました。法務局のおっちゃんの教えです。 僕「あのー、えー、あのー」 クライアント「はい」 : ・普通、営業って、何話すんですかね ? やったことないので」 僕「えー、あのー クライアント「あー : ( 多少の沈黙 ) : : : 『何かないですか 1 ? 』とか、自社の概要とかですけ 僕「えー、あの、じゃあ、じゃあ、『何かないですかー ? 』」 133 第 2 章動いているものを見せれば大人は納得する