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1. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

第 2 章相手の懐に飛び込む議員秘書の 5 つの秘訣 たとえば「当選の際には、血税が投入される市役所改築阻止に向け善処いたします。本 件は私の公約といたしますーという発言も、「市役所改築阻止に向けて適切に対応するこ とを約東した」に過ぎません。また政治家は「遺憾の意」という表現をよく使いますが、 これは直訳すれば「期待どおりにいかず残念である」という意味で、謝罪の言葉ではあり ません。 前言の撤回も政治家は効果的に行ないます。たとえば、「当選の際には血税が投入され る市役所改築阻止に向け善処いたします」と公約した候補者が前言を翻して、市役所改築 に「市役所は老朽化が進んでおり、地域の安全について熟慮した結果、改築に賛成しまし た」と発言したとしましよう。そこで、地域住民から反発やリコ 1 ルがあったとしても「虚 心坦懐に多くの方からさまざまな意見を伺い、熟慮して判断しましたーと発言すれば、住 民の意見を聞いている印象をつくることができます。発言に関して聞かれても「私の発一言 は、首尾一貫してプレていませんーと堂々と答弁すれば、プレていない印象をつくること もできます。 有権者は前言を翻しても、その態度や理由によって、支持もすれば反対もするわけです。 議員秘書も政治家同様に言葉の重要性をよく理解しています。 ですから、軽々しく約東やコミットはしないものです。

2. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

相手の気持ちを尊重してから、伝えたいことを続けると、話が簡単だろうが難しかろう が相手は自然に耳を傾けるものなのです。 このようなやり取りをしているうちに、最初の議題と離れた内容になってしまったり、 論点が異なったり、自分自身のスタンスがプレてしまうこともあります。 そんな前言を覆すような内容であっても、政治家は「私の発言は首尾一貫してプレてい ません」「言っていることは同じです。それぞれの理解度の問題ですーと発言するはすです。 逆に堂々と答弁すれば、プレていない印象を与えることができるのです。 つまり有権者は前言を翻しても、その態度や理由によっては納得をするのです。 これは、社内の会議の内容も同じです。 優秀なプレゼンタ 1 は、自らの発表がプレていることを認めたりはしないはずです。 言葉の使い方を何とおりにも変えながら明言を避けることによって、自分の発言によっ て責められたり、窮地に追い込まれたりすることを防ぐのです。

3. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

5 言葉の重みを理解している 不用意な発言は命取りになる 政治家にとって失言は命取りになる場合があります。特におしゃべりでペラベラロが軽 い政治家はいつ、足元をすくわれるかわかりません。 言葉にしなければ揚げ足を取られることはありませんが、言葉にして発言してしまえば、 それを修正したり、訂正することは難しくなります。 たとえば、ある企業で不祥事や事故があった際、役員や関係者が、不祥事や事故の実態 を知っていながらゴルフに出かけていたり、旅行に出かけていたり、宴会をしていたなど とい、つ記 ~ 爭を目にしたことがあるかと思います。 「これは慰労の一環ですから、マスコミに責められるいわれはないし、詳細について説明

4. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

さて、議員秘書だったらどのような対応をするでしようか 国会議員の方針や方向性は頻繁に変わることがあります。 党利党略や、国益に関わることであれば、前言を撤回するなどなんてことありません。 昨日までの方針が 180 度転換することもあり得るわけです。 それを聞いて「ウチの先生は方針がすぐにプレる」「ウチの先生の主張には一貫性がな こんなことを一言う議員秘書はまずいません。 下の人間は、上の方針が頻繁に変わったとしても、それをやり遂げることが必要なので はないかと思います。上司の方針がコロコロ変わったとしても、それを当然のこととして 受けとめていれば何とも思わないはすです。 冒頭申し上げたとおり、政治家は、方針がプレたとしても、「方針がプレました、とは 発言しません。発言がプレまくったとしても、終始一貫していると主張するはずです。 下の人間は、このようなときこそ、上の人の真意を把握して行動しなくてはいけません。

5. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

方針がプレるのは当たり前。 でも、絶対に認めてはいけない ものごとの本質を見抜きながら、 柔軟に対応する 政治家は、多少の間違いであれば前言を撤回することはしません。 間違いであってもなかなか認めようとはしませんし、撤回したとしても解釈の違いであ ると言い放ちます。なぜでしよ、つか 政治家は、基本的に自信家です。自信があるからこそ、大きなリスクと多額の費用をか けて選挙に立ちます。そこで支持を得なければ当選することはできません。 人は何か失敗や間違いがあると、それを認める発言をしてしまいます。 実は、間違いを認めることが潔さや謙虚さではありません。 政治家が多少のプレや間違いを認めないのは、傲慢や周囲の意見を聞かないというもの ではありません。「こんなのは失敗ではないし、間違いではない。次に間違えなければい、

6. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

「こんなはずじゃなかった」とならないためにも、「自分が責任を負う」という強い意志 が必要なのです。 2012 年月の衆議院議員選挙で与党だった民主党が大敗しました。 8 人の現職閣僚 が落選する歴史的な大敗でした。 2009 年 8 月の衆議院議員選挙で民主党が大勝して、社民党、国民新党と連立する形 で政権が発足しました。脱官僚・政治主導を掲げ、事業仕分けを行ない、高等学校の授業 料無償化、農業者戸別所得補償制度など、生活に関わる部分の政策も実施されましたが、 政策の成果が現れなかったため、支持率が急落し、前回の選挙での大敗を引き起こすこと になりました。 その直後、民主党内では、野田佳彦総理や党の責任だと批判する発言が目立ちました。 これらの発言の多くは責任を転嫁するものでした。 そのようななか、岡田克也副総理が「選挙は、最終的には自分の責任。執行部や他人の 責任にするところから改めないと、この党は再生できない」と発言しました。 私もそのとおりだと思います。選挙惨敗の責任を即座に取った野田総理や岡田副総理の 発言は正論であって、解散時期を理由に落選議員が責任転嫁するような態度を取ることは

7. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

1 誠意という名のパフォーマンス 相手にいかに共感を与えるかが、 勝負の決め手 政治家にとって「誠意がある」と見られることはとても大切です。 仮に、ある政治家が減税を公約していたにもかかわらず、当選後に撤回したとしましょ 実は、これは法律的には違法とはなりません。減税が選挙公約であったとしても、選挙 公約というのは「その実現のためにがんばります」と、自らの方針を演説しているに過ぎ ないからです。 とはいえ、本来、公約や政権政策は実現可能の是非をさまざまな側面から考慮しながら、 責任を持って発言されなければいけません。実現不可能な公約や政策、もともとやる気な どない公約や政策は発言されるべきではありません。

8. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

これを聞くと、 しい加減そうな印象を持つ人がいるかもしれませんが、決してそうでは ありません。 確信のできないものに約東をするほうがはるかに無責任だからです。 また、無責任な約東をしませんから、リスクを軽減することにもつながります。 たまに、政治家が不用意な発言をめぐって追及されるような場面が国会中継などで見ら れることがありますが、無責任な約東をしないことは窮地に追い込まれる危険性をも防い でくれているわけです。 仕事に限らず、威勢のいい返事は聞こえがいいですが、内容次第では自分自身を窮地に 追いやる危険性があります。 仕事をするうえでは、一言葉の重みや重要性も理解しなくてはいけません。

9. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

第 2 章相手の懐に飛び込む議員秘書の 5 つの秘訣 人脈づくりの達人 人脈とは誰を知っているかではなく、誰に知られているかが重要 2 言い訳はしない 責任を負う最大のメリットは、相手に「恩」を売れること 3 仕事を依頼されたら、 120 % の回答を三つは考える とにかく目の前の仕事に集中する。 それができなければ中長期の仕事などできない 4 接待は受けない 人につけ入れられるような隙を見せてはいけない 5 言葉の重みを理解している 不用意な発言は命取りになる 第 3 章「なるほど ! 」と思わず唸る キーバーソンを味方につける技術

10. キーパーソンを味方につける技術 : 議員秘書だけが知っている

第 2 章相手の懐に飛び込む議員秘書の 5 つの秘訣 をする必要もないよ」「ゴルフは半年前から決まっていたことで、健康管理を目的にやっ このよ、つな発言によって火に油を注ぐことは少なくあ ていますから関係ないでしよ」 りません。 慰労の一環や、ゴルフが半年前から決まっていたとしても、聞いているほうからは居直 りとも取れる印象を与えてしまいます。 例外なく「本日、会社のコンプライアンス部門に実態調査の指示を出しました。結果が わかり次第、迅速に報告したいと思います」と答えておけば、問題が大きくなることはな かったかもしれません。ゴルフにしても、速やかに中止にすればよかったのです。正論や 持論は、時と場合によってはマイナスイメージを与えてしまうのです。 これらのことは、どこでも起こり得ることです。 また、情報伝達としての当たり前の機能であるメ 1 ルですが、これも実は非常に難しい ツールです。 メールでのコミュニケーションの難しさは、誰でも感じることがあると思います。伝え たいことをきちんと書いたつもりなのに、なぜか相手に思ったように伝わらないという経 験はみなさんにもあると思います。