雇用 - みる会図書館


検索対象: フリーターズフリー 01号
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1. フリーターズフリー 01号

ないどころか使い捨てるだけの社会など滅びてしまえ、と 者でもなく、 しかし自分が生きる社会への違和感に満ち 3 思っていた私にとって、オウムの起こした地下鉄サリン事ていた私はその団体に必要とされた。学校からも企業社〇 件は究極のガス抜きだった。私は積極的にオウム信者たち会からも排除され、どこにも接続していなかった私はい と接触した。一兀オウム信者から聞いた、「あそこに行けば きなり「国」という大きなものと接続できた。帰属する とりあえず衣食住は確保される」という言葉も魅力的だっ先のなかった私は、「日本人」 という大枠のもと、国とい 家賃や光熱費を払うと手一兀にほとんど残らない給料。 う懐に優しく抱かれた。以後、二年ほど、私は「愛国運 どうせこのままこっち側の世界にいても、くだらない仕事動に邁進」することになる。気がつけば、自傷行為はびつ と言いながら時給八〇〇円から千円の幅 たり治まっていた を「くだらない」 「戦後民主主義とアメリカ」という明 でするくらいしか選択肢などないのだ。失うものなど何も確な敵が目の前に立ちはだかったからだ。「拝金主義と物 なかった。それならば、「人類を救う」などといった大き質主義」 という非人間的な社会を批判する言葉を得たから な物語の中で生きる方がどれほど楽しいだろう。一円のレ 運動をしなから、もちろんバイトも続けていた ジの打ち間違いで、バイト先の店長という名のセクハラオ体の構成員も、多くが私と同じように若きフリーターだっ ヤジに叱られることは死にたくなるほど辛いけれど、「人 た。私も彼らも働いたお金を月に少しずつ、団体に納めた。 カ 類を救う」ためだったらなんだって耐えられる気がした。 それだけで、自分の不毛な労働に意味があるように思え レ 私は必要とされること、意味のあることに飢えていた。そ と してくたらない、、、 コミ同然の物やサービスの売買に飽き飽今、若者の右傾化が話題になっている。彼らの敵は私と さ ら きしていた。なぜ企業の営利活動に、一日の大半を使っては違い、中国と韓国だ。最近になって、右傾化の背景には づ まで参加しなければならない ? そこに右翼団体が現れた 雇用不安があることが指摘され始めてきたが、今から一〇 き のた 年前、私はまさに雇用不安から右翼に行ったわけである。生 私はすぐに団体に入った。若く、貧しく、何もなく何時は九六年から九八年にかけて。直前にオウム事件と大震

2. フリーターズフリー 01号

本的人権」という概念を「国家」の憲法責任ではないだろう、いすに坐れた人みんなどこか違和感があるわけでしょ う。自分のお金が無理矢理引かれるとき〇 についても責任をとってもらうべきだろ として打ち出している、その意味と矛盾 意識のなかに自分が障害者になると う、みんなで支え合うべきだって話で。 をしつこく考える必要があるのではない いう感覚はまったくないから、なんでそ でしようか。たとえば憲法二五条の「すそれは当然そうだと思うんですよ。 一んな奴らに俺が稼いだ金が取られなきや べて国民は、健康で文化的な最低限度の リバタリアニズムを いけないんだ、と。国家的分配を支える 生活を営む権利を有する。」という言葉。 超えて のが労働者である以上、そこでは違和感 「国民」という言葉が国家の限界と暴力 リバタリアンの原則でいえば、保がつねに多数派を占めることになる。 を表している半面、そのカテゴリー内の杉田 人間には遍く「最低限度の生活を営む権険的なロジック、手元にお金があって合杉田大澤さんが正職員になることにす 理的に契約できる人は保険に入って、保ごい違和感がある、なりたくないってい 利を有する」と言い切るような強さはバ 力にできない。危険な意見なのかもしれ険に入らないか入れない人にはそれは適う話をしていたでしよう。それは父親の 世代の働きかたを見ていて、違和感を覚 用されないってロジックが正しい、とい ませんが 正 えたとい , っことかある、と。たけど、 杉田行政による再分配は絶対に必要でうことになるでしよう。それに対して、 しよう。例えば雇用保険はなかったらた再分配のロジックが対抗的に持ち出され規雇用 ~ の違和と賃金労働〈の違和はイ るんだけど、それも一定の基準を満たすコールじゃないよね。大澤さんは、何か ちまち困るよね。義務教育にしてもそう 「国民」への再分配を前提にしているわに縛られながら生きること自体がすでに だし。なんで再分配は必要かとリバタリ ダメなのかな。 け、こしよ、な アニズムで問題になっているけれども、 それに対してよく言われるのは、運と不大澤まず、国や地方自治体が税金とし大澤根本的に縛られるのが嫌だっての かあ一るかーレ、れ宀はい。 運が人間にはあるので、それは自己責て暴力的にガッと取る。暴力と感じるか 任ではないと。不運な人については、みどうかはともかく、そういうもんだよ杉田そのことと、課税っていうのは強 んなが責任をとるべきだろう。いす取りなってことで何となく給料から何 % か引制的な人権侵害であり、ある種の強制労 働、ナチズムの収容所みたいなものだ、つ ゲームで言えば、いすがないのは本人のかれる。その上で生じる分配というのに、

3. フリーターズフリー 01号

栗田信頼がないというか、自信がない うか怖くないものであってほしいとずつ で段々「女性フリーター」と呼ぶにふさ というか。一一者はほとんど同じものです〇 わしいような、独身で、しかもキャリアと願っていたんです、仕事をすることと、 ゥーマンではなく、地味に非正規雇用で学校が重なり合っている部分があったのが。自信がないというのは、仕事をする , フ - んで、コミュニケーションがとれるか かもしれない。そこまで学校が怖かった 働いている女性が増えているのではない どうか、作業をするといっても体を動か かと感じたのです。ともかくもそういうのに、大学院にまで行ったというのが他 人から見ると矛盾したように思えるかもすコミュニケーションが・目分にできるの 不器用な試行錯誤の中で、フリーター 身体レベルの不安ですね。仕 り着いたんですしれませんが。ともかく労働問題の手前か、という 非正規雇用の問題に ね。 にいたというか、失業への怒りとか、労事上のコミュニケーションには「仕事」 働の権利を主張する前に、労働が怖くな以外のことも関わってくる。人の話を聞 せ働 ~ 、、 ) 、こは 「荷物持ってきて」と くなりたいという願いがありました。女く姿勢だったり、 怖いのか ? 性労働問題を考える前に、労働問題で悩言われたとき、さっと立てるかどうかと 栗田ただその前にもっとさかのぼってめるような状況にどこかうらやましさすか、受付に人がいたら顔をそちらに向け " る , 」要」かで、ごっつか要」カ 言えば、不登校という経験が尾を引いてら感じるような。 大澤僕の仕事のイメージは、毎日朝六 いる部分があります。社会に参加するこ杉田僕も仕事が怖いという感覚はよく とかどこか怖いことと思っていました。わかるな。たとえば昔からバイト募集の時に家を出て、終電近くに帰って来ると いう感じですね。それが六十歳近くま 大学院に所属していた頃に「だめ連」の電話をかけるのがむちゃくちゃ怖かった ムープメントや、会社で働かないで生きんだよね。電話の前で一日中じっとしてで続く。父親がそうだった。僕はその恩 ′、にはいフー ) 4 に、らしよいの力要」い - っ , 」 いたくらい怖かった。なんであんなに怖恵を被っているわけで、自分の試みがそ こを突き破れなければ意味がないと思っ とに関心をもっていました。それは会社かったのか、今でもわかんないんだけど。 での立ち居振る舞い、人間関係に対して栗田さんは働くことの怖さと今言ったけてる。とはいえ当時はやつばり恐怖だ ( 笑 ) 。とにかく高校時代は満員電車だっ 怖さを感じていたからです。仕事そのも ど、その根っこにあるものはなんでしょ うね て嫌なのに。電車に乗ると腹痛と吐き気 のと同時に、仕事をする周囲の環境もど

4. フリーターズフリー 01号

フリーターが「排泄物」の扱いをされた。それは何を意味 らい。黒いへルメットの人約一名。参加している女性のなか しているのだろう。求人雑誌を見てほしい。時給九〇〇円で 9 にはメイドさんありゴスロリあり浴衣あり、当然普通の格好 ウェイトレス募集、時給八〇〇円でダイニングスタッフ募集、 をしている群れ群れもいる。たいていは私も含め、機動隊な ぞに勝てるはずもない風貎なのに、なぜこんなに取り囲まれ時給一〇〇〇円でテレフォンアポインター募集、こんなにも フリーターを求めているのに、権利を主張しようとした途端 る必要があるのか。 に排泄物の扱いを受けてしまう。 さらに、警察は沿道の人々と私たちを隔てようとする。沿 資本制というものは常に不安定就労を必要としていた : 道のひとにビラを配るのも結構難しく感じた。特に途中の経 一方で必要としているくせに、他方で排除する。マクドナル 路においては、一旦デモに参加してしまうと沿道に戻りにく ドの安さや一〇〇円均一を喜ぶのに、時給八〇〇円で働く人 い状況。車線から出るなと怒鳴られるたけではなく、「沿道 を軽視する。矛盾だ。それは排泄行為というものが身体には に出るな ! 」と怒鳴られてしまったのだ。ほんとうに驚いて 備わっているのに、排泄物をただ「汚らしい」ものとして扱 しまった。決まった場所から出るなという機動隊のオーラ、 うこととどこか似ている。もちろん本物の糞尿は、感染病の あれはいったい何なのだろう。 原因にもなるのだから取り扱い注意ではあるけれども、しか 名古屋の白川公園、そして大阪の靫公園や長居公園でホー し、ただ「汚い」ものとして片付けると体の不調を見過ごす ムレスの人を排除するのに何百人もの人を使ったらしいが、 ことになりかねない。排泄物は様々なことを「語る」のだから。 フリーターに対してもその勢いだ。スクラム組むことすら知 : と思ったときに、 らない私達に何をそんなに怖がるのか : さらに雇用者の割合において非正規雇用者の率は増加して 「排泄物」「糞尿」「ウンコ」という汚い = = 〕葉が思い浮かんだ。 いる。これはいったい何を表しているのか。フリーターが「糞 でも生きていれば、排泄は起こるのに、なぜ排泄物は嫌われ 尿」であると仮に受け止めたとしよう。そうであれば、この「糞 るのか。そういえば「イジメ」というものもたいてい「汚い」 尿」の増加はそれこそ資本の動き、賃金の流れといった「シ とか「臭い」とか言われるあたりから始まる。臭さ、汚さと いうものは善悪を超えたジャッジなのか、それであればなお ステム」が下痢を起こしている証左となるではないか。それ さら排泄物というものが重要に思えてくる。 こそ汚らしく扱うだけではなく「排泄物」を見てどこが不調 いないものとされたもの " これくしよん ( 後篇 ) ー

5. フリーターズフリー 01号

う言葉については、後でもう一度触れる。 すべてに優先する」会社人間として働く。その夫を支えるために、 2 ちなみに二〇〇〇年の調査では、子育ての負担感が大きいと回妻は家事や育児や介護に専念し、それによって結果として「国家」 2 答する割合は、共働き女性よりも専業主婦の方が多い ( 子ども未の福祉の負担を軽くする。「国家」は、「会社」と「家族」の一体 来財団「子育てに関する意識調査」 ) 。母親の子育ての最大のストレ化を支援するため、専業主婦を保護するさまざまな税制・年金政 スは、よく言われるように「社会からの孤立」感なのである。「父策を実施する。 * 8 これによって、「国家・資本・家族」の日本 親の不在」と「母親自身の社会的ネットワークの狭さ」の結果、的三位一体 ( 「内的因果関係に立っ三極構造」 ) が完成する。 母子は一一四時間体制で社会から切り離され一体化した生活を送り ここでは、一九七五年が重要な節目になっている。この年、専 続ける。つまり、ここでは「家族」Ⅱ「社会」あるいは「母子関係」業主婦の割合が頂点に達し、それと同時に合計特殊出生率の低下 「社会」という 極端な一体化が起こっていることになる。このが始まった。 つまり、働く主婦 ( 主に ト労働 ) が増え、子ど 一体化は、やがてそのカリカチュア的人間像を、つまり「他に何もは少なくなってきた。これは、現在の世界一とも言われる少子 の生きがいも持たないで、子どもを生きがいに」する「教育ママ」化の始まりである。また、適齢期規範も七五年ごろから急速に を生み出す可能性が高い ( そうでなければ、子育ての過重負担Ⅱまり、晩婚女性、未婚女性が増え始めた。それらは、従来型の家 ストレスから子どもの虐待に近づくかもしれない ) 。すなわち「 ( 母族像が飽和点に達したことを明瞭に物語っている。「国家ー企業 子関係 = 社会 ) ⅱ私」というタイプの人間的体現、一言で言えば「自 ( 学校 ) ー家族」が有機的に一体化して高度経済成長を推進した 分の存在証明に子どもを使う」母親像が現れるのである。このよ状況が、ここで折り返し地点を迎えたのだ うな「専業母親」は、子どもがどれだけ大きくなっても手放すこ とはせず、互いに心理的・経済的に依存し続ける可能性が非常に 8 「企業が女性をやすく使うといういう面だけではなく、税 高い 制度や年金制度が、女性パート労働者の労働の枠を規制するか そして、こうした「家族」像と高度経済成長は、「会社」を軸たちで作用していることも問題です。いわゆる「一〇三万円の として一体化していた 。「会社」による終身雇用を前提として「家壁」の問題です。年収一〇三万円の枠内であれば所得税は免除 族」は生活する。それに対して、夫は「会社のためになることが されるし、年金も夫がサラリーマンであれば支払いが免除され

6. フリーターズフリー 01号

社Ⅱ社会 ) 非私」の極限的な例と言えるかもしれない。 事実、 フリーターの七二・二 % が正社員を望んでいる。だが、これは「会 8 わゆる「ニート 」やひきこもりは、多くの人から「怠け者」「ぜ社のために働きたい」志向というより、不況下でしかもセーフティ 2 く病」「甘え」などと責められているが、それは不登校につ ネットがきわめて手薄い中、起業やフリーの仕事は経済的に不安 いて言われていたのとほぼ同じ言葉なのである ( 不登校についてなので「会社に頼って生きたい」 という志向なのだと思われる ) 。 は、誰にでも起こりうることで、本人の問題というより学校をめ また、かって日本では「お国のために働」 理念が存在 ぐる社会全体の問題の現われだと社会的にみなされつつあるが ) 。した。商売をやるのも、医学をやるのも、文学をやるのもそれは「お 若い世代ほど非・常用労働者の割合が多いという傾向は一九七五国のため」だ「お国のために」有益、 た、という確信が広く共有さ 年頃に始まっているが、この一九七五年は不登校が一直線に増加れていた。そして、この理念が機能するのは、当然「国家」と自 し始めた年でもある。この時期、後で触れる「家族」も含め、日分の人生とが運命共同体的に一体化している時に限られる。例え 本の「学校」と「会社」をめぐっておそらく構造的な変容が起こっ ばそれは、戦時下であり、発展途上時であり、要するに国家全体 ていた。 に明確なビジョンが存在する時である。おそらく、高度経済成長 不登校が「 ( 学校Ⅱ社会 ) = 私」の否定形であって、「学校だ 期の日本は、敗戦状態から先進国への「発展途上」期だったのだ で生活し学ぶ」 とい - フィンセンテイウから離れつつあるよ , フに、 ろう。そこでは、一生懸命働くことが日本を豊かにすることにつ フリーターは「会社Ⅱ社会」という一体化の中にあって、「会社 ながり、それが結果として自分の生活を豊かにする、という「良 のために」働 くというインセンティヴから遠く離れつつあるよう循環」が明瞭に働いていた。 に見える。その結果、「会社非 ( 社会Ⅱ私 ) 」の層はボランティア しかし、この「良循環」はおそらく一九七〇年半ばに終わりを や Z=«O ・ ZOO など「会社」以外の形で社会と関わり、「 ( 会社迎える。一九七一一年に厚生省は「福祉一兀年」を宣言し、六五歳以 日社会 ) 非私」の層は社会との接点を相対的に失う「社会的排除」上の高齢者の医療費無料化、雇用保険創設などの目的で社会保障 のケースになっていく可能性が高いかもしれない。 ( もっとも、水準の一挙引き上げを宣言し、西欧型の「福祉国家」への一歩を 現実には多くのフリーターが「将来は正社員になりたい」 と言っ踏み出そうとした。これは環境庁の発足などとともに「政権交代 ている。内閣府の「若年層の意識実態調査」三〇〇一一 l) によれば、 なき政策転換」の一つと語られた。だが、オイルショックとそれ

7. フリーターズフリー 01号

薄い紙ですね。 いました。 4 人に、労働法で守られてるのだから大丈夫、 しかも裏見てくださいよ。キャッシングの広お金はもらえるって言ったのだけれど : : : ト【あと、別の話なのですが、仕事を予約したの 1 ・ 告があるんですよ。派遣会社が金貸しもやっ ンコした労働相談を受けていて、一番多いの・に前夜にキャンセルしたり、当日キャンセル ている。これでお金借りろってことなんです・が、わざと現場で叱り付けて、出て行くよう・したら次の給料から交通費を引くっていうの かね。お金が足りない時に ( 苦笑 ) 。しかも「彼】に仕向けられたとかそういうのなんです。労】があって。交通費を引くというのは、具体的 女にプレゼントしたいけれどお金がないとき】働相談を受けた時に、「トンコしたから払わ】には一日の賃金から一〇〇〇円引かれるとい に」って : : : 借金勧めるくらいなら賃金上げ・ねーっていうんだよー。でも、俺逃げちゃっ うことになってしまう。本来、その「交通費」 ししのに。 てくれれば、、 】たしょー。」っていう人に「関係ないですよ、 を入れて始めてまともな給料になる。だけど 新宿の歌舞伎町で風俗店に並んで、【働いたお金なんですから」とか言っていたん【雇用者側は「交通費を差し引いて払っている」 キャッシングの店が埜並していたのを思い出【ですけど、でも私自身食堂で働いていた時、・と - 言える。 しました。あと派遣票の紙の薄さがショック】「トンコ」しちゃって、その時「トンコ」す いま四社くらい登録していて交通費と賃金 でした。わたしは日雇いではない派遣の経験】る人の気持ちとかすごいわかって。その会社 がリだったんですけど、今度からいっしょに しかないのですが、管理票の複写は同じなん】は一五日払いで、それで銀行に一五日の日に なるという所があって。だから交通費を引か ですけど、紙のかあまりに違う。この派道】確認に行ったのだけれど払われてなくて、次【れる場合八時間働いて五〇〇〇ナンポ。労働 票は伝票みたいなかんじですよね。私が所・の月もやはりなくて。未払いだということに・基準法の最低賃金に達しているのかって思っ 属していた派遣会社の管理票は試験のマー なって。人の事だと「大丈夫ですよ ! し , 、ナ】て、五七五〇円くらいを八で割ると七一九円 クシートで使用するような紙を使っていまし【ますよ ! 」とか言えるけど、自分のことだと、 なんですよ。おや ? とおもって、最賃 ( 最 た。派遣のなかにも違いがあることを、改め・それこそ「自分がトンコしちゃったからだし・低賃金 ) 調べたら七一四円なんです。五円高 て感じました。 ・ : 」って思ってなかなか請求できなかった。 いんです。ぎりぎり最低賃金割れしてない 今日たまたまトンコして給金をもらえなかっ】それで、結局手紙を書いたんですね。そした と思いきや、工場で働く時に安全協力費とか たという人が相談に来たんですね。仕事期間 ら即日に入って。 言って、日給からニ〇〇円引かれるんです。 中に黙って出て行ってお金をもらえなかった・・ーーー今までそういう手紙を書いた人も少な・それを引いて、八で割ると六〇〇いくらに かったのかもしれませんね。だから払わない【なっちゃう。だけど、それを訴えたとしても、 トンコって、遁走 ? という対応をすっとしてこられたんだろう】会社は最低労働基準はきっと最低賃金以上の 「トンズラこく」の略じゃないですか。その】し。そういうときのための第三者なのだと思・賃金渡した上で、安全協力費を貰っているん

8. フリーターズフリー 01号

この「いす取りゲーム」を前提とする限り、「誰かがいすに座れここから見れば、オランダモデルは「いすを分け合う」と「いす ) という問題の解決策は基本的に三つしか存在しない。つまを増やす」の複合方式ということになる。 り、「プレーヤーを減らす」「いすを分け合う」「いすを増やす」。 ただ、オランダモデルの日本での実現は困難視されている。例 まず、「プレーヤーを減らす」は基本的に無理 ( ある意味では、 えば、「日本は、正社員と ートタイマーにはその待遇面で大き 「働か ( け ) ない」タイプの「ニート」、ひきこもりとはプレーヤー な差があり、正社員の給与を引き下げてパートタイマーの待遇を であることを「降りている」状態である。彼 ( 女 ) らは「こんな 引き上げるという労使の合意はできそうもない。そもそも正社員 と言っているわけだ ) 。 ルールのゲームには乗れない」 の雇用の維持が大前提となっており、彼らを犠牲にしたうえでの そして、「いすを分け合う」はワークシェアリングである。そ ートタイマーの雇用創出には労働組合も難色を示す」 ( 茂垣広志 れは、「いすとプレーヤーの数」という構造 ( ハ ト ) を変えな http://hrm.jmam ・ co.jp 、 hrm/index. html?keyconcept/kc2-1. html) な いまま、全員の協力によってどれだけの人数が座れるかを試みる どの意見である。 新たな「協力ゲーム」の規則 ( ソフト ) を導入する。 しかし、この正社員と。、 ト労働者の待遇面での大きな差こそ 「いすを増やす」は仕事を増やすことであり、具体的には先に触が、「労働とジェンダー」「フリーター問題」についての最大の課 ートタイム れた「景気の回復」 ( 経済成長 ) 、ニューディール政策で有名な「公題ではなかったか。この点についての前進なしに、 的就労事業」、その他に、社会的貢献と収益性を両立させようと 労働、若年不安定就労の問題は解決のしようがない。ワークシェ する「社会的起業」、他に生産協同組合、 Z=«O 、 ZUO など設立アリングを行なうならば、労働時間の減少に伴う賃金の減少とい による起業がある。社会的起業には、最近の例では、野宿者が自う形で「分配」が行なわれるべきである。 * しかし、ここで奇妙なのは、右のよう - にワークシェアリングに ら街頭で販売し利益を得るストリートマガジン「ビッグイシュー」 ( 有限会社 ) 、そしてこの原稿が載っている雑誌がその事業である否定的な茂垣広志 ( あるいは玄田有史 ) が、ワークシェアリング 「フリーターズフリー」・有限責任事業組合 ) がある。「貧乏の一種とも言える「ジョブシェアリング」を奨励することである。 人大反乱集団」や「高円寺ニート組合」を主催する松本哉が展開ジョブシェアリングとは、一人分の職務を特定の二人 ( あるいは するリサイクルショップ「素人の乱」などもその例だろう。 * 三人 ) がパ ートナーになり、「午前」と「午後」などの形で分け合っ

9. フリーターズフリー 01号

識があったわけだ ( これは現在の野宿者の「生活保護」に対するて、日雇労働者にとって家族の話題はタブーに近かった。ただ、 拒否反応と重なっている ) 。日雇労働者になって早々と雇用保険たまに出る断片的な話から、家族と関係が切れている日雇労働者 ) 手帳を作ったぼくなどは、現場で「あんた若いのにそんなもん作っ には、「家の者を助けられないのは心苦しい」「家族に顔向けでき てんのか ! 」とよくあきれられたものである。 ( もちろん一方でない」という心情を感じることが多かった。それこそ何十年も故 いかに現場で要領よく過ごすかに専念するタイプの労働者も郷や家に帰ってないという人がすごく多かったが、話の内容から、 釜ヶ崎だけで日雇労働者は三万人近くいたのだから、それ逆にその人にとっての「家族」問題のプレッシャーの大きさを察 を一つのタイプにまとめることは不可能だ ) してしまう場合が多かった。 それと同時に、日雇労働者の多くは、自分たちが「日雇」 ( 「ア もちろん、こうした労働観はこの世代に広く共通していたも ンコ」「立ちん坊」 ) と、う し非正規雇用であること、つまり「正社員」ので、日雇労働者は、多少のプレはありながらもそれを単に共有 でないことについて「よくないことだ」という思いを持っていた していただけなのだろう。それはいわば、「なるべく人様 ( 行政 ) ス のやっ力し ( ー ように思う。自分たちはいろんな事情で日雇いをやっているか、 。、こよならず」「正社員で」「家族のために」働くのが当レ ム なるべくならこういう仕事はしない方かよい いったん日雇労働然だ、とでもいう意識である。それが比較的最近までの日本社会 になったら抜け出るのは難しいし、という感じだ。実際、ぼくがを根底から支えた労働観であることは疑えない。 二〇代のときには、周囲の日雇労働者から「あんたはまだ若いん皮肉なことは、日雇労働者の多くが「国に頼らず」 ( したがっ だから、こういうとこに長いことおったらあかんで」とよく忠告て結果的に「お国のために」 ) 「会社のために」「家族のために」 ( 説教 ) された。「日雇い」 というのはペケで「社員」であること 一生懸命毎日「働くことがよいことだ」と信じてきた一方で、ま が「まっとうな」働き方だ、という意識はこの世代の日雇労働者さにその「国家」「企業」「家族」の相対的機能低下が野宿者問題一 の中に非常に強かったと思う。 を生みだし探刻化させてきたということである。つまり、野宿タ もう一つは、日雇労働者にとっての家族の問題である。多くの者問題は「捜しても仕事が見つからない」 という「市場の失敗」、 日雇労働者は、家族と関係を絶っている割合がきわめて高い ( こそして「極度の貧困に陥っても最低限度の生活を行政が保証しな れは、日雇労働者への職業差別が確実に関係している ) 。したがっ 」という「国家の失敗」、そして「野宿者を支える相互扶助が

10. フリーターズフリー 01号

この国は大きく変わっていたし きかった。彼は戦時下のイラクで沢山の死に接し、「戦争 、つの間にか。不況から はおかしい」と日本に帰国したところ、日本では友人数人新卒採用を抑え、即戦力の人材しか求めなくなった企業。〇 が彼がイラクに行っている間に自殺していたのだ。「ああ、働く人を三つに分け、大部分を使い捨ての激安労働力にし 日本にはこれがあったんだ」。彼は呟いた。空から爆弾がようと企んだ日経連の「新時代の日本的経営」 降ってくることもなく、米軍に射殺されることもない「平言。それに気づかず自分を責める人々。非正規雇用の旨味 を知ってしまった経営者。日本全体を覆い、自己責任とい 和」な日本で、それでも若者たちは自分自身に殺されてい う一言葉のもとに暴力が自分へ向かうシステムを作りだした ネオリべラリズム。市場原理にしか還一兀されない個人の価 数年前、私が出演した自傷イベントでは、その数年後に 値。それは社会の空気という目に見えない圧力によって、 客の一割が自殺か事故かわからない形で亡くなっていた 中高生の心まで侵食している。小学校でさえもフリーター ネット界隈での薄い知人の訃報は数カ月に一度は届いた。 にならないための教育をやっている時代だ。しかし、彼ら 何かか狂っていると思った。だけど怒りをどこに向ければ が社会に出る時、状況が改善されているとはとても思えな いいのかわからない。彼女、彼たちは敵の見えない不毛な ア 、。いくらそんな教育をしても、企業側が変わらないこと 戦争の犠牲者に見えた。暴力や怒りが内向し、自分に向かっ カ には改善は不可能だ今の新卒採用は一時的なもので、今 た怒りは時には自分自身を消滅させてしまう。 レ 。そんな時、プ 後、非正規雇用率が減ることは予想しにく そこで出会ったのがプレカリアートという言葉である。 と フリーターにならない教育を受けた子供たちは、さらなる フリーターも派遣も請負もニートもひきこもりも貧乏人も さ リストカッターも自殺志願者も微妙な正社員も、すべてプ 絶望に追い込まれるだろう。 づ レカリアートだ。 集会で話を聞き、初めて敵がわかった。 私自身も、二四歳頃まではフリーターだった。現在一一三 き この苦しさ、生きづらさが個人的なものだけでは説明がっ歳の私は九三年に高校を卒業、美大受験のため上京し予生 かない理由がやっと理解できた。 備校に通うものの受験は断念、そのままフリーターへと