2 ー 4 電子の 2 重性と波動方程式 次の関係が成り立っことは , 容易に示される . ー ~ 0 工 COS 〃工十 isin 〃工 , e 十 e 田工 COS 〃工ー t SIII 〃工 ー ~ 0 工 ( 2.31 ) ( 2.32 ) ( 2.33 ) S1n 工 COS 〃工 2 ー工 + 任意定数 ( わは 0 でない定数 ) ( 2. 35 ) / わ工 ( わは定数 ) ( 2. 34 ) 1 0 工十 ~ わ / 0 工ーわ = 尸爿の 2 十 + に ( 2.36 ) ( 2.37 ) ( 2. 38 ) 2 ー 4 電子の 2 重性と波動方程式 + ェ方向に進む波長ス , 振動数レの正弦波 ( ェ , / ) = cos 2 は , わ = c ならば , 波動方程式 ( 2.3 ) を満たす . したがって , 波動方程式 ( 2.3 ) は関係スレ = c を満たす正弦波 ( 2.39 ) が解になるように作られた偏微分 方程式である . さてそれでは , 電子に対する波動方程式はどのようなものであろうか . 電 子の波動性と粒子性の関係 2 カ E E ん 2 カ に注目すると , 力の作用を受けずに十ェ方向に進むエネルギー E, 運動量 第 , 質量襯の電子のビームの波動関数は , ( 2.39 ) 式に ( 2. 4 の式を代入した は , t) = ス cos ( 2. 41 ) ( 2. 39 ) ん一カ ( 2. 40 )
に注目しよう . e ( = 2.718 ・・・ ) の肩に純虚数 ezx がのっている指数関数び ' を , ( 2.27 ) 式のェをで置き換えた式によって定義すると , ( 2.28 ) 式を利 用して 2 シュレーディンガ 30 工ー と表わせることがわかった . 指数関数 ex, 3 角関数 sin 一方程式 図 2 ー 4 複素平面 ( ガウス平面 ) z = 工十ル , cos ェのテイラー展開 z = 工十ル = び = 1 十ェ十 - 一ユ 2 十一一一工 3 十・・・十一下 " 十・・ 2 襯十 1 S1n 1 1 3 十・・・十 2 COS = 1 ー ( 2 襯 + 1 ) ! 1 ( 2 襯 ) ! 2 襯 ( 2. 27 ) ( 2. 28a ) ( 2. 28b ) 1 ーーエ 2 十・・・十 i ・エー 2 COS 工十 / Sin 工 1 と表わせることがわかる . したがって , 複素数えを 名 = 十ル 7- (cos 十 / sin の = 尾 ( 2. 29 ) ( 2.30 ) 2 つの複素数え = ェ十ルと = 工ールとを互いに複素共役 ( complex con- が実数なら , = である . jugate) であるという ( ( ) * = 2 ).
6 物理量と期待値 ( ) 切 0 ( ェ ) 1 1 v/ 2 与 2 ! ーな 2 工 2 / 2 = Nn ( ル な 2 ェ 2 / 2 な 2 工 2 / 2 ーな 2 工 2 / 2 ″ 0 ( ェ月 ーな 2 工 2 2 れ 2 工 2 住ェ ) れ ーな 2 工 2 / 2 ーな 2 工 2 ( 6.68 ) ート多項式の表式 ( 3.64 ) および規格化条件 ( 3.65 ) の正し が得られる . 工ルミ さがこのようにして示された . れ十 1 4 。 + 1 , 〃″れ = = 元″れ一 1 問 6 ー 3 = ( 6.69 ) を証明し , ( 6.53 ) 式から導かれるテ = ( な + ) / を使って ( 3.68 ) 式を証明 せよ . 演算子がとなはエネルギーカのをもつ振動量子を生成・消滅させる演 算子なので , がを生成演算子 , を消減演算子という . 6- / プラとケット 量子力学では電子の状態を表わすものは波動関数 (/'(r, t) で , 波動関数がわ かれば物理量の測定結果の確率的予測ができる . この意味で波動関数を確率 振幅 (probability amplitude) という . (/'(r) を Q の固有関数 / 4 ( r ) で展開し たときの係数 cq( t) も確率振幅とよべる ( ( 6.8 ) 式参照 ). このような確率振 幅を簡潔に表現するためにデイラックが発明したプラ (bra) とケット (ket) を紹介しよう . 6 ー 2 節で電子の運動の研究の際には , ( 1) まず「時刻ー = 0 に実験装置で " ある状態 s " の電子を準備する」と記した . この電子の状態が時間的に発 展した時刻 / での状態を , t> で表わす . ②つぎに「時刻 / に検出装置で 物理量 Q を測定する」と記した . 物理量 Q として電子のェ座標を選び , ェ 座標を測定した際に電子が場所に発見される確率振幅を く電子が場所ェにいるな , t>
248 問および演習問題略解 はは盟盟Ⅲ川Ⅲ は ll Ⅲれ川 ⅢⅢ楸ⅢⅢ はは川日ⅢⅢは 解 . Ⅲⅱ川Ⅲ ( 0.38eV , 1.5eV , 3.4eV ) , ( 3.8X10 ー 3eV , 1.5X10 ー 2eV , 3.4 X10-2eV) ( ⅱ ) ス = 1.1X10 ー 8m ( 紫外線 ). 1.1X10 ー 6m ( 赤外線 ) , 1.1X10 ー 4m ( マイクロ 波 ) 2. EI = 8.2X10 ー 12J = 5.1X107eV , E2 = 2.1X108eV , E3 = 4.6X108eV , ス = 8. lx 10 ー 15m ( ガンマー線 ) 2 ( 心奇数 ) , 2 72 工 ( 心偶数 ) S1n ん ん 4. このポテンシャルのェ > 0 の部分は井戸型ポテンシャル ( 3. 17 ) と同一である . ェ < 0 ではレは ) = なので , は ) = 0 である . したがって 4 ( 0 ) = 0 なので , 井戸型 ーどからェ 0 十まで積分して , → 0 の極限をとると 7. ″は ) はすべてのェで連続である . シュレーディンガー方程式 ( 3.2 ) をエー に注意せよ . という因子がかかること 6. エネルギーの固有状態の波動関数は ) には e ( ⅱ ) 増加する . 」ェが減少すると」カは増加するから . 5. ( i ) エネルギーは低くなり , 波動関数は国 > の領域にひろがる . は略す . ポテンシャル ( 3. 17 ) のェについて奇関数の固有関数に対する固有値に等しい . 図 が 工 0 + 6 2 ″ 27 〃ェ 0 ー 6 2 川 dx 工 = 工 0 十 工 = 工 0- E 8. 0. ( 工 0 ) 2EE— ″ ( 匐にー / ( ェ 0 + の一レ ( ェ 0 ー訒 = ″ ( ェ 0 ) に E ーレ ( ェ + ) ー以ェ 0 ーのト→ 0 協→ではん→ , ゆえに ( 3.29 ) 式から cos ん〃→ 0 , したがって , レは ) = の領域では″は ) = 0. E → 0 cos ka=Ce-K 9. ( 2.80 ) 式に代入してみよ . レ = レは , のの場合にはは , クは ) = ェ , の ( 2 ) と いう形の解がある .
4 1 次元問題 2 ーー反射と透過 2 ん 0 十エ 2 ( 1 十 ) が工 2 ー 4 ん 0 ェ十 4 わ / 4 ( 1 十房 ) ( 〃 = ( 亠 2 , わ = カ / 2 祠 e ー ( 」工旅々ーん 0 ) 2 れ々工ーれん 2t / 2 襯 ) d, ん ェ , t) ( 」ェ ) 6 1 / 4 と ( 4.69 ) の第 1 式を使うと ( 4.70 ) となるので , = [ 2 鼠亠 ) 引ー 1 / 4 1 + X exp 2 襯 ( 」ェ ) 6 ェ 2 ー 4 / ( 」ェ ) 6 ん 0 ェ十 2 / ( 」ェ ) 〃襯 4 ( 亠 ) 灯 + 〃 2 旗亠剏 これから ( 4.61 ) 式が導かれる . 4 ー 6 周期的境界条件と状態密度 う形をしている . 導体中や真空中を一方向に運動する電子を記述する際に ezkx と一ェ方向へ進む波 e →工が重なり合った定常波 sin , coskx とい シャルで近似できる . この場合の定常状態の波動関数は + ェ方向へ進む波 長さんの金属塊の中の電子に対するポテンシャルは 3 ー 3 節の井戸型ポテン は , 長さんの領域での規格化された進行波が便利である . 条件として周期的境界条件 このための境界 ( 4. 71) がある . ( 4.71 ) 式は「波動関数が長さんごとに同じ値になる周期関数であ る」ことを要請している . この境界条件は円周んの円い導線を流れている 電子に対してびったりの条件であるが , 大きな導体の長さがんの部分への 境界条件だと考えてもよい . 波動関数″ ( ェ ) = スびれに条件 ( 4.71 ) を課すと ″ ( ェ十ん ) = ス e 淑工 + い となるので , 波数んとしては e = 1 を満たすん , = Ae e i 々工 ~ んん ース e ( 4.72 )
6 物理量と期待値 124 6 ー 3 工ルミート演算子 ート演算子物理量 Q の測定値は実数であって複素数ではない . 工ルミ そのために任意の波動関数に対する物理量 Q の期待値は実数なので , く Q 〉 = く Q 〉 * , すなわち , ( 6. 13 ) Qbdx = Q/'dx が成り立たねばならない . 任意の波動関数に対して ( 6.13 ) 式の関係が成 ト演算子 (Hermitian operator) という . したが り立っ演算子 Q をエルミ って , 物理量に対応する演算子はエルミート演算子である . ート演算子 0 の固有値方程式 0 / 4 は ) = 4 / 9 は ) の規格化された固 工ノレミ 有関数 / 4 は ) を ( 6.13 ) 式のは ) とすると , Q / 4 = Q / 4 ゐ = 〆 ート演算子 0 の固有値クは当然のことながら実数であ となるので , 工ノレミ る . ート共役な演算子 ( 6. 13 ) 式は任意の 2 つの波動関数罅に対す 〆 Ql'dx = * Q 市 と同等であることが証明できる ( 本章の演習問題 2 参照 ). ある境界条件を満たす任意の 2 つの関数仏に対して が成り立っとき , 演算子颪↑を演算子颪のエルミ ト共役 (Hermitian con- = のときスをエルミート演算子という . jugate) な演算子という . ある演算子がエルミート演算子かどうかは , 境界条件に依存する . 例え ート演算子であることを証明して ば , 運動量演算子ル = ー カゞ工ノレミ ( 6. 14 ) る関係 ( 6. 15 ) ( 6. 16 )
2 〆ェ , / ) = Ansin 盟工 ー 2 弦の固有振動 27 ( 2. 13 ) のみが現われる ( 図 2-2 参照 ). 〃とのは任意定数である . このような定常波の振動を固有振動または基準振動とよび , 固有振動の振 動数 レ〃 2 ん ( = 1 , 2 , ( 2. 14 ) を固有振動数という . 固有振動数もとびとびの値をとる . フーリエ級数 ( 2.3 ) 式の一般解を表わすために , フーリエ級数を紹介す る . ェ = 0 とェ = んでの境界条件 を満たす , 領域 0 んでの任意の連続関数 / は ) は , 京工 ) = 2 S1n ん ん で定義される無限個の関数 / 1 は ) , 五は ) , ・ ・によって , / は ) = 4 読は ) ( 2. 15 ) ( 2. 16 ) ( 2. 17 ) と無限級数として表わすことができる ( 証明略 ). この級数をフーリエ級数 (Fourier series) といい , このような級数への展開をフーリエ展開 (Fourier ' の無限個の関数は expansion) としゝう *. 〃 2 応工 〃応工 S1n ん ん 1 0 1 ( 襯ーのれ COS ( 襯 = 〃の場合 ) ( 襯半〃の場合 ) ( 2. 18 ) 関数 / は ) が境界条件 / ( 0 ) = / ( ん ) = 0 を満たさない場合および関数 / は ) が 連続でない場合のフーリエ展開については本書では触れない .
2 3 シュレーディンガー 方程式 波動の従う運動方程式が波動方程式である . 波動関数の従う運動方程式がシ ュレーディンガー方程式である . 本章では量子力学の基本方程式であるシュ レーディンガー方程式を紹介し , その性質を簡単に調べてみることにする . 2 ー 1 弦を伝わる横波の波動方程式 波動関数 r, t) の運動方程式であるシュレーディンガー方程式を学ぶ前 に , 弦を伝わる横波の波動方程式を理論的に導き , その解を求めよう . ェ軸に沿って張カ S で張ってある線密度 p の弦を平面内で振動させ る ( 図 2 ー 1 ) . この弦の 2 点工とェ十」ェの間の長さ」ェ , 質量 p 」ェの微小部 分に対する運動方程式を導こう . 弦の変位が小さいときには弦の各点の振動 方向は軸に平行なので , 時刻での点の弦の変位は〆ェ , / ) と表わされ 工 工 ェ = 0 工 . r 十」ェ 図 2 ー 1 弦の変位
6 ー 6 振動量子の生成消滅演算子 となる . しかし , ( 6.58 ) 式からの固有値は負にはならないので , 一連の固有値には下限があり , 微分方程式 0 ( ェ ) = 十一襯の工″ 0 ( ェ ) = 0 2 襯のん この 1 3 5 ( 6.62 ) を満足する , の固有値が 0 の固有関数″ 0 は ) が存在しなければならな い . したがっての固有値は負でない整数 0 , 1 , 2 , ・・・であり , 〃 = 力の切十一の固有値は En = 〃十一カの であることが導かれた . ( 〃 = 0 , 1 , 2 , ( 6.63 ) ( 6.62 ) 式を解くと , 〃 = 0 なのでエネルギー固有値が EO = ーカのの , 基底 状態の規格化された固有関数″ 0 は ) が得られる ( ( 4.69 ) の第 1 式も利用し ″ 0 ( ェ ) = exp ( 6.16 ) , ( 6.54 ) 式を使うと , となるので , 〃番目の励起状態の固有関数 ( ェ ) は ( 6. 64 ) ( 6. 66 ) ( 6.65 ) ″← 1 ( ェ ) 1 次に ( ) 切 0 は ) を計算しよう . であることがわかる . 1 と ( 6.64 ) , ( 6.66 ) 式を使うと , ( ) 切 0 は ) ( = 襯の / カ ) 2 工 2 / 2 1 1 ーな 2 工 2 / 2 ( 6. 67 )
4 ー 5 連続固有値の固有関数のデルタ関数規格化 ( くん〉 = ん 0 ) と定義すると , となる . カん 0 乙 朝 ( ゆ = 4 襯 2 ( 亠 ) 3 Ax(t) = ( 」ェ ) 0 1 + 2 ( 」ェ ) 0 したがって , 群速度 カん 0 ( 4.62 ) ( 4.63 ) ( 4.64 ) ( 4.65 ) ( 4. 66 ) ( 4. 67 ) ( 4. 68 ) で移動するこの波束は , / = 0 では」お」第 = カ / 2 という条件を満たす . この 値は不確定性関係 ( 1. 14 ) で許される最小値なので , この波束を最小波束とい 上記の結果 ( 4.65 ~ 67 ) は積分公式 , ー ( 工ーの 2 2 を使うことによって証明できる . - ( 工ーの 2 ( 住は定数 ) ( 4.69 ) ー ( 工ーの 2 ーは一ん 0 ) 2 十 ( 一ん 2 房 ) = ー ( 1 十 / 〃房 ) ん 2 十 ( 2 ん 0 十エ ) ん一 たがって ( 4.57 ) 式によっては , t) も 1 に規格化されていることがわかる . さて , ( 4.69 ) の第 1 式を使うと , 員は ) は 1 に規格化されていること , し つきに ,