波動関数 - みる会図書館


検索対象: 量子力学
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1. 量子力学

2 ー 5 シュレーディンガ となる . となる . ・・ T(t)17u = 第 2 式の両辺を / = ″ T で割ると , 一方程式 dT 1 ℃ ) T(t) = 定数 = E 39 ( 2. 75 ) ( 2. 76 ) ( 2.76 ) 式の第 3 辺に「 = 定数」と書いたのは , ( 2.76 ) 式の第 1 辺は れを変化させても ( 2.76 ) 式の第 1 辺 = 第 2 辺は変化せず , したがって定数 変数 / を含まず , 第 2 辺は変数ェ , クを含まないので , 変数ェ , 4 , 4 / のど だからである . この定数を E とおいた ( 2. 76 ) 式の第 2 辺と第 4 辺から dT(t) T(t) という微分方程式が得られる . この方程式の一般解は T(t) = 員の漑 / ん ( 員は任意の複素数 ) である . ( 2.78 ) 式を ( 2.74 ) 式に代入すると , 波動関数は - iEt / ( 2. 79 ) ( 2. 77 ) ( 2. 78 ) となる . 波動関数 ( 2.79 ) を波動関数 ( 2.44 ) と比較すると , 波動関数 ( 2.79 ) が 表わしている状態の電子のエネルギーは E であることが類推される (E が ( 2.76 ) 式の第 1 辺と第 4 辺からは偏微分方程式 実数であることは 6-3 節で証明する ). ▽切十レ ( r ) 4 =Eu 2 襯 ( 2. 80 ) が得られる . この方程式は , 波動関数″は , 4 , のはハミルトン演算子行の 固有関数であり , 電子のエネルギー E はハミルトン演算子行の固有値であ ることを示す . ( 2.80 ) 式を時間に依存しない (time-independent) シュレーディンガー方程 式といい , ( 2.68 ) 式を時間に依存する (time-dependent) シュレーディンガ 一方程式という . 規格化条件 ( 2.73 ) は , 波動関数 ( 2.79 ) に対しては

2. 量子力学

9 ー 3 時間に依存しない摂動 等式 は摂動論が適用できる必要条件である . 197 ( 9.33 ) ( 9.32 ) 式の右辺の和では , C 霧 = 0 として襯半〃とした . その理由は波動 関数 ( ミ用の規格化条件 = 1 十ス ( C * 十 C ) 十 0 ( ス 2 ) ( 9.34 ) である . この条件が任意の値のスに対して成り立っために , スの係数が 0 C 十 C * ( 9. 35 ) という条件が導かれる . この条件から Re C9n) = 0 が導かれるが , すぐに示 すように lm (%) は不定なので , lm C%z) = 0 とおける . すなわち , ( 9. 36 ) ( 9. 29b ) 式で〃 = 襯とおくと , の固有値 ESO) に対する摂動論での 2 次 もス→ 0 で島 0 ) ( のになるなの固有関数なので lmc は不定なのである . である . ″ ,. ( ミス ) がの固有関数ならば , 〃を実数とすると。ス ( ど , ス ) の補正項 ES2), E}i2) = 〃羸 C9k) = 〃々々れ ( 9. 37 ) 々半〃、 0 ) ー第ん、 ( 0 ) が得られる . スの 2 次の項までをまとめて , ス = 1 とおくと , 行の固有値 En の近似値 En E}P) 十〃十 ( 9. 38 ) が得られる . ( 9.38 ) 式から , 〃 0 の基底状態の固有値房のへの摂動論の 2 次 の補正項 E { 2 ) は正ではないこと , Ef2)$0, がわかる . 例題 9 ー 1 ( 一様な電場の中の 1 次元調和振動子 ) ェ方向を向いた一様な 電場 E の中に , ェ軸に沿って単振動する電荷ク , 質量襯の 1 次元調和振動 子がある . この振動子のハミルトン演算子〃 = 〃 0 十 ' ,

3. 量子力学

8 多粒子系 子は c = ー 1 で , 光子は c = 1 である . 一般に スピンが 1 / 2 , 3 / 2 , 5 / 2 , ・・・のような半奇数の同種粒子の波動関数は同 種粒子の変数の入れかえで反対称 ( c = ー 1 ) である . このような粒子を フェルミ粒子またはフェルミオン (fermion) という . スピンが 0 , 1 , 2 , ・・・のような整数の同種粒子の波動関数は同種粒子の 変数の入れかえで対称 ( c = 1 ) であり , このような粒子をポース粒子ま たはポソン (boson) という * 3 粒子以上の系の波動関数も , 同種粒子の変数の入れかえを 1 回行なうた びに , フェルミ粒子の場合には符号が変わり ( c = -1 ) , ポース粒子の場合に は不変である ( 。 = 1 ). 例えば , 粒子 / とノが電子の場合 , , な , びル , t) となる . となる . この式で r. = ら = らび 1 = の = びとおくと , n , の ( 8. 24 ) ( 8. 25 ) この事実は「 2 個以上のフェルミ粒子は同じ状態 ( 位置とスピンの 向きが同じ状態 ) には存在できない」ことを意味する . これをパウリの排他 原理という . これに対してポース粒子の場合は , 任意の個数の同種粒子が同 じ状態を占めることができる . 古典力学でも , まったく同一な粒子の存在が可能である . しかし , この場 合には 2 つの粒子の軌道を明確に区別できる . これに対して量子力学に従う 粒子は不確定性原理のために軌道は明確ではない . 2 個の同種粒子が近づい て波動関数が重なり合ったあとで分離した場合 , 一方からきた粒子が 2 方向 のうちのどちらに進んでいったのかを原理的に決められない ( 図 8 ー 1 ) . 同種 粒子はこのような意味でも原理的に区別することが不可能である . 2 電子系電子のスピン一軌道相互作用を無視すると , 電子の波動関数の * 「粒子のスピンと波動関数の対称性の関係」は相対論的な場の量子論から導 き出せる .

4. 量子力学

40 となる . 2 シュレ ーディンガー方程式 ( 2.81 ) 2 つの波動関数 ( ら t) と愿 r , t) がいずれもシュレーディンガー方程式 ( 2.68 ) の解であれば , CI, を任意の複素定数とすると , cW'l(), t) + t) も方程式 ( 2.68 ) の解である . また , ″ 1 ( r ) と″ 2 ( r ) が方程式 ( 2.80 ) の解で —iEnt/h l'(), t) = ス鼠 r ル レーディンガー方程式 ( 2.68 ) の一般解は を解いて , 固有値 EI , E2 , ・・・と固有関数″ 1 ( r ) , ″ 2 ( r ) , ・・・を求めると , シュ ( 〃 = 1 , 2 , 3 , 精な r ) = Enun(r) ハミルトン演算子〃の固有値方程式 式に代入すれば確かめられる . あれば , ″ 1 ( r ) 十 ( r ) も方程式 ( 2.80 ) の解である . 解であることは方程 ( 2.82 ) ( 2. 83 ) ( 9 -- 4 節参照 ). この場合には変数分離形の解 ( 2.74 ) は存在しない . 時間とともに変化する外力をうけている電子に対する〃は時間 / を含む [ 参考 ] 〃の固有値の物理的意味量子力学に慣れたあとで量子力学の 子の質量である . ガー方程式 ( 2.68 ) あるいは ( 2.80 ) である . この場合の質量襯は陽子や中性 非相対論的な陽子や中性子の波動関数の従う波動方程式もシュレーディン 数の場合の確率密度 W'(), 02 は時間とともに変動する . 式のように〃のいくっかの固有値に属する固有関数を重ね合わせた波動関 ( 2. 83 ) 化しない . そこで , 行の固有関数の表わす状態を定常状態という * 期的に変化するだけで , W'(), 2 = ツ , , ( 州 2 なので , 確率密度は時間的に変 の場合には , 波動関数は位相が周 波動関数が行の固有関数 ( r ル とになる . 数である . 〃の固有値と固有関数が求められると , 問題は完全に解けた と表わされる ( このことは 6 ー 3 節でくわしく説明する ). 。は任意の複素定

5. 量子力学

3 ー 4 調和振動子 ことを注意しておく ). 固有関数が 1 つしか存在しないので , ( ェ ) = 0 か ″は ) = 0 である . すなわち , 固有関数はェの偶関数か奇関数 である . ( 3. 4 の式を と表わすこともできる . = 1 または c = ( 3.4 の ( 3.41 ) 定数 c を波動関数″は ) のパリティ ( parity ) あるいは波動関数″は ) に対 応する状態のパリティという . c = 1 の場合にはは ) は偶関数なので , パ リティは偶 (even) だという . c = -1 の場合には″は ) は奇関数なので , パ リティは奇 (odd) だという . ある演算子のいくっかの異なる固有関数が 1 つの固有値をもっ場 , 固有値は縮退しているという . 〃個朝と 2 ) の固有関数が 1 つの固有値をも つ場合 , この固有値は〃重に縮退しているという . あるエネルギー固有値 E が縮退している場合にも , ( 3.38 ) , ( 3.39 ) 式を使 って , 固有関数が決まったパリティをもつようにできる . しかし , 図 3 ー 8 か らもわかるように , 1 次元問題では束縛状態は節の数で指定され , 節の数の 異なる束縛状態のエネルギー固有値は等しくない . したがって , 1 次元問題 の束縛状態はすべて縮退していない . 位置エネルギーレは ) がェの偶関数でなければ , 波動関数は決まったパ リティをもたない . 3-4 調和振動子 調和振動子水は高い所から低い所に流れる . 古典力学では , 安定なつり 合い点は位置エネルギーレ ( ェ ) の極小値に対応する . したがって , = 〃が 質点 ( 質量襯 ) の安定なつり合い点だとすると , ルギーは は ) レ ( の + プ襯の ' は この点の近傍での位置エネ ーの 2 ( 3. 42 )

6. 量子力学

146 7 角運動量 古典力学では拡がりのない物体は自転の角運動量をもてない . したがって , スピン角運動量演算子を , 古典力学に現われる物理量の演算子戸 , 万な どでは表わせない . すなわち , 古典力学との類推は理解の助けになるが , 類 推はそこまでである . 量子力学では , スピン角運動量演算子は , 7 ー 5 節で導く , 軌道角運動 量んの従う交換関係と同型の交換関係 [ ま ] = ま , [ 立ま ] = S に従う演算子であると要請する . 電子のスピン角運動量演算子を理解するには , 電子のスピンの状態を 表わす波動関数の表わし方およびこの波動関数へのの作用の仕方を理解 する必要がある . さて , 演算子 S の作用する対象の波動関数とその変数はどのようなもの であろうか . 波動関数 / ( ェ ) の変数ェは位置演算子テの固有値が分布する 実数全体を変域とする事実を思い出そう . まの固有値はカ / 2 とーカ / 2 の 2 つしかないので , 新しい変数として , 1 / 2 と一 1 / 2 の 2 つの値しかとら ない変数びを選べばよいことがわかる . 本書では変数としてのびをスピン 座標 , ま / 力の固有値としての 0 をスピン量子数とよぶことにする . そこで , スピン自由度に対応する波動関数を″ ( のと書く . 4 ( のは 0 = 1 / 2 での値 4 ( 1 / 2 ) とび = ー 1 / 2 での値 4 ( ー 1 / 2 ) を与えれば決まる . を ( 1 / 2 ) 尸はスピン上向きの電子を発見する確率で , を ( ー 1 / 2 ) 2 はスピン下 向きの電子を発見する確率である . したがって , スピン波動関数″ ( のの規 = Sz ( 7. 1 ) 格化条件は 当″ ( 列 2 = を ( 1 / 2 ) 尸 + を ( ー 1 / 2 ) 尸 である . スピン波動関数″ ( のにまを作用すると s ( の = び ( の となるは ( ェ , t) = ェ ( ェ , t) と対比せよ ). 演算子まの固有値がカ / 2 の規格化された固有関数住 ( の ( 7. 2 ) ( 7. 3 )

7. 量子力学

2 ー 3 複素数 29 7 6 5 4 3 2 1 図 2 ー 3 の〃ー氈← 1 ( ェ ) 2 をフーリエ展開した時の最初の数項の和を図 2 ー 3 に示す . 弦の固有振動と一般の振動長さんの弦をはじくと , 波長がん = 2 ん / 〃 朝 = 1 , 2 , ・・・ ) の定常波 ( 2.13 ) のうちの 1 つが生じることもあるが , ふつうの 場合にはこれらの定常波が重なり合った複雑な波動 2 〆ェ , t) = 亠 が生じる . 員れ , のは任意定数である . ( 2.24 ) 式は波動方程式 ( 2.3 ) の境界条 件〆 0 , t) = 4 ( ム / ) = 0 を満たす一般解である . 2 ー 3 複素数 量子力学の波動関数は実数ではなく複素数 (complex number) なので , 量子 力学の学習に必要な複素数の知識を準備しよう . 実数ェを数直線は軸 ) 上の点と 1 対 1 対応させられるように , 複素数 z = ェ + ルを平面上の点と 1 対 1 対応させられる ( 図 2 ー 4 参照 ). この平面を 複素平面あるいはガウス平面という . 極座標乙を導入すると , 複素数の 実数部工と虚数部は と表わされる . 工 2 十ク を偏角という . を複素数 2 の絶対値といい , 0 0 1 ( 2. 24 ) ( 2. 25 ) 工 COS 仇〃 = sin ( 2.26 )

8. 量子力学

( 2.52 ) 式のように , ある関数に演算子を作用させたものが , その関数の定 数倍になれば , その関数をその演算子の固有関数 ( eigen function), 定数を 固有値 (eigen value) といい , このような方程式を固有値方程式という *. し たがって , 関数 e 掫は微分演算子ルの固有関数で , 固有値はカである . 固有関数に対応する状態を固有状態 ( eigen state) という . ルを運動量のェ成分の演算子 ( 叩 erat 。 r ) という . ルと同じようにル , ルを定義して , 2 シュレーディンガ 34 E = 力の øxe ~ 々工 / カ 一方程式 ゆ工 / た / 々工 / = Pe ( 2. 52 ) をまとめて運動量演算子 (momentum operator) という . 波動関数 ( 2. 55 ) ( 2. 53 ) ( 2. 54 ) は固有値方程式 ル = カエ / , 氿 = カ , ル = ル を満たすので , 波動関数 ( 2.54 ) は運動量演算子万 = ( ル , ルル ) の固有値 = ( カエ , 九 , ル ) の固有関数である . 波数んと角振動数の波数んと角振動数のを カ カ 2 ゆ カ 2 カ = カん E 2 応 E と定義すると , 波動関数 ( 2.44 ) は カ カ 2 レ , ( 2. 56 ) ( 2.58 ) ( 2. 57 ) と簡単になる . ん = 2 なは , 「単位長さあたりの波の数」の 2 応倍なので , 波 こでは演算子とは関数を ( 一般には ) 別の関数に変える操作を行なうものを 意味する .

9. 量子力学

9 ー 5 変分法 のん この結果を使うと , 系の基底状態のェ 2 2p ( 屬 0 ) ーカの ) 209 ( 9. 93 ) である . これもフェルミの黄金律とよばれる . 電磁波の吸収や放射に応用されている . ( 9. 93 ) 式は原子や分子による [ 参考 ] 電子の粒子像でのエネルギー E と波動像での振動数レ , 角振動 数のとの関係 E = ル = 力の [ ( 1.13 ) 式 ] は , 摂動が外部からの角振動数のの 電磁波による場合の ( 9.91 ) 式によって確立されることを示そう . この場合 , エネルギーカのの光子の吸収・放出を伴う始状態ノと終状態んの間での遷移 におけるエネルギー保存則からカの = ー E が導かれる . 一方 , ( 9.91 ) 式の導き方を調べると , 始状態と終状態の角振動数の々とのの間にはの ーのという関係があることがわかる . したがって , 2 つの式から一 E(/) ー E リ = 川ーのⅡ = 川レ、 , - が導かれる . 9 ー 5 変分法 あるハミルトン演算子〃のエネルギー固有値を知らなくても , で表わされる状態でのエネルギーの期待値く〃 > を計算できる . 行の規格化された固有関数系レ ,. } は正規直交完全系を作るので , { } で 波動関数を と展開すると , エネルギー期待値 ( 9.94 ) は E れ℃引 2 c 引 2 波動関数 ( 9.96 ) ( 9. 95 ) ( 9. 94 ) と表わされる ( はの固有値 ) . ネルギー固有値 EI に対する不等式

10. 量子力学

6 ー 4 関数空間と物理量の行列表現 127 ない ( 量子力学では波動関数ェ , t) とその定数倍 ( ェ , t) は同じ状態を表 わす ) . 物理量の行列表現波動関数 ( ェ , t) は正規直交完全系 { のは ) } によって は , t) = の ( t) のは ) と展開され , 展開係数朝 ( t) は次の式で与えられる . 物理量 Q の演算子 Q を ( 6.24 ) 式に作用すると , 一般に のは , t) = の ( t)Q. のは ) ( 6.24 ) ( 6.26 ) ( 6.25 ) が成り立つは , ルを作用してみよ ). このような演算子を 1 次演算子とい う *. Q 仇は ) も完全系 { のは ) } によって Q のは ) = 冰ェ ) Q ( 6. 27 ) と展開される . この式の両辺に ( ェ ) をかけて積分すると , 展開係数 Q は次のように表わされることがわかる . ( 6.27 ) 式を ( 6.26 ) 式に代入すると , 0 ( ェ , / ) は れ々 ( 6. 28 ) ( 6. 29 ) と表わされる . したがって , 正規直交完全系 { のは ) } による関数は , t) の 展開 ( 6.24 ) 式を CI(t) ( 6.30 ) と表わすと , 関数は , t) に演算子 0 を作用した 0 は , t) は * を任意の複素定数 , , 在を任意の波動関数として , Q ( c + の = 。 IQ + C2Q が成り立っとき , 演算子 0 を 1 次演算子という . 1 次演算子ではな い演算子の例として , 2 乗する演算子 , + 3 する演算子などがある .