分布 - みる会図書館


検索対象: マレー諸島
162件見つかりました。

1. マレー諸島

植物の分布の能力は昆虫よりももっと大きく、動物の場 は、そのようにしてニ = ーギニアから全マレー諸島を越え 合のような明瞭な分布地域に分けることができないという て、遥かにヒマラヤの麓まで広がった。一方、優美な長い のが、優れた植物学者の意見である。拡散する原因は、こ 触角を持っヒゲナガゾウムシ科はマラッカからニ = ーギニ アまで逆の方向に広がった。しかしオーストラリアそのもの場合はもっと強力であり、隣接地域の植物相を混合した、 幅広い一般的な分け方以外は、区別を認めることができな のへは、条件が適していなかったので、どちらも定着する 。これらの点は、地球表面の分割の問題に重要な意味が ことができなかった。他方、オーストラリアでは、花に集 まる様々の ( ナムグリ類やタマムシ科、また多数の大きなあり、それは生物の違いにより大まかに区別できる。われ 奇妙な地上性のゾウムシが発達した。そのうち = = 1 ギ = われは、そのような違いは、今は多少とも通過できない障 アの暗い森林に適応したものはほとんどいない。そこでは害によって長い間継続した分離の直接の結果であることを ま 0 たく異な 0 た種が発見される。しかしながら、昆虫の知っている。そして広い海や温度の著しい相違が、全ての 中のある群は、オーストラリア地区の赤道地帯の古い時代陸上生物の分散に対する最も完全な障壁であるので、地球 の個体群の生き残りであるように思われるものから成りの初期の分割を知るには、主に地上生物の分布の知識が大 いに役立つだろう。たとえ気候の影響が様々であり、分布 立っており、それらは今もなおほとんど完全にその地域に 誌限定されている。つまり、興味深いカミキリムシの亜科の手段が一様でないとしても、長い間続いた隔離の基本的 な影響を決して完全に消し去ることはないだろう。そして 自 Tmesisternitae 、タマムシ科の最も顕著な属の一つ C 0 ・ の ニューギニアと周辺の島々の植物学と昆虫学が鳥類や哺乳 島 き、美しい属 E ぎ ~ まを形成するゾウムシなどである。 ア 蝶ではシロチ ' ウタテ ( 属ミ。久ミナミヒカゲ属。・類と同程度に詳しく分かるようになれば、これらの分野も ーマレーとオーストローマレー 。ミ、辷。き、奇妙な眼状斑の 0 、 5 ミ 4 などがある。最また大マレー諸島のインド 後の属の一種はジャワで発見されているが、しかし西方の地区の大まかな区別をは「きりと示すことだろう。 島では他に見つかっていない。

2. マレー諸島

やインドに広がっている。マラッカからインドまで分布し地区にだけ固有な例外が一つある。リスは非常に多く、特 ている二種を除くと、全てのシカは固有種である。ウシで徴的である。二五種のうち二種だけがシャムとビルマにま 「訳註 9 〕 〔訳註〕 はインド系の一種がマラッカに達している。一方、ジャワ で及んでいる。ッパイは奇妙な食虫動物で、リスに酷似し 〔訳註川〕 とポルネオの・ハンテンウシ 38 きミ d ミ c はシャムとビル ており、羽毛状の小さな尾を持っポルネオのハネオッパイ マでも発見されている。ャギに似た動物はスマトラで発見 p ミ oc ミこミや、奇妙な長い突き出た鼻を持ち尾に毛の 〔訳註〕 〔訳註〕 されているが、その代置種はインドに分布している。一方、ないジムヌラ G きミ、まき e のように、ほとんどマレ スマトラの二角のサイとジャワの一角のサイは長い間これ 1 諸島だけに分布が限られている。 らの島々の固有種であると想像されていたが、今ではビル マレ 1 半島が現在アジア大陸の一部を構成しているよう マ、ペグ、ムールマインにも分布することは確実である。 に、マレー諸島もかって大陸と繋がっていたのではないか スマトラ、ポルネオ、マラッカのゾウは、現在ではセイロ という疑問は、マレ 1 半島といくつかの島々に分布してい ンやインドのそれと同一種であると考えられている。 る種を研究することによってさらに詳しく解明されるだろ 哺乳類の他の全ての群でも、同じ一般的な現象が再び起う。さて、もし飛翔力を持ったコウモリ類のことをまった こっている。少数の種は、インドのものと同一種とされてく考えに入れないなら、四八種の哺乳類がマレー半島と三 いる。さらに多くの種は、極く近縁種かあるいは代置種で大島に共通である。これらの中には七種の四手類 ( 長尾の 〔訳註凵〕 ある。しかし一方では、世界の他の地域のものと異なった猿、無尾の猿、原猿類 ) があり、これらの動物は全生涯を森 林で過ごし、決して泳がず、僅か一マイルの海を横切るこ 在を含む、少数の固有な属が、必ずこの地域に存在する。 約五〇種のコウモリ類、つまり翼手類がいる。そのうちとさえまったくできないだろう。一九種の食肉類のうち一 部の種類は、疑いなく泳いで渡れるかもしれない。しかし 四分の一以下はインド系である。三四種の齧歯類 ( リス、 かなり多数の個体がその方法で、一ヶ所を除けば三〇 ~ 五 ネズミその他 ) があり、そのうち六 ~ 八種だけはインドにも 〇マイルの輻がある海峡を、横切ったとは想像できない。 分布している。また食虫類は一〇種あり、そのうちマレー 136

3. マレー諸島

独特であって、最も大型で興味深い三つの種は、周囲の地 うに折れている。 これもまた、遠隔の地アフリカに産するイボイノシシに域には近縁種をまったく産せず、漠然とではあるが、アフ リカ大陸との関係が認められている。 似ている例である。この動物は上顎の犬歯が外側に伸び、 ・ハビルサの矛の普通の伸び方の移行型を形成しているかの 昆虫の多くの群はそれそれの地方の条件に特に著しく影 ように上に曲がっている。しかしその他の点では、両者の響されているようであり、その形態や色彩は、環境のそれ 間に近縁関係はないようである。また・ハビルサは完全に隔ぞれの変化につれて、または条件はほとんど同じであると 離されており、世界のいずれの・フタとも類似点はない。 思われるのに、場所が変われば変化する。それゆえ、高等 ビルサはセレベス全土とスラ群島、プルで発見されている動物において明瞭に発現する特性は、不安定な生物である が、セレベス群島の彼方でプルは・ ( ビルサが分布している昆虫類の場合にはいっそうはっきりと現われることだろう。 唯一の地点である。なお・フルは鳥類ではスラ群島といくらしかし一方では昆虫の分散や移住は、哺乳類や鳥類のそれ か近縁関係を示し、古い時代は現在の状態以上に密接な結よりももっと容易に起こるものと思われる。昆虫は強い風 合が以上の島々の間に存在したことをおそらく示している によって大変容易に運ばれる。また卵は強風あるいは漂流 のである。 木によって、葉についたままで運ばれるかもしれない。さ セレベスの他の陸上動物では、五種のリスがあり、それらにしばしば木の幹に埋まったりあるいは防水性の繭に包 まった幼虫や蛹は、大洋を無傷のまま何日も何週間もの間 然らはジャワやポルネオのリスとまったく明瞭に区別でき、 自 のまたセレベスは熱帯におけるその属の最も東端の分布範囲漂っているかもしれない。分布を広げるこのような能力は 〔訳註四〕 べ でもある。東方に分布する二種のクスクス属 (Cuscus) は二つの方法により、つまり、第一に、種が直接互いに入れ レ モルッカ群島のものと異なっており、またセレベスはこの換わることにより、第二に、他の島々に普通の種の新しい 属だけではなく有袋類の最も西寄りの分布地域である。以個体が移住を繰り返すことにより、隣接する陸地の昆虫を 上のようにセレベスの哺乳類は鳥類の場合に劣らず極めて同化させる傾向がある。これらの能力は交雑により、条件 267

4. マレー諸島

最初は分割されていない陸塊として、そして後に今日われであった。そのような証拠を追究した私の研究は、大きな われが見ることのできるような島々に分断され、そしてさ成功によって報いられた。私は地球上で最も興味深い地域 の一つが経過した過去の変化を、ある程度の確信を持って らに南の大きな大陸に由来した散在する断片部分と実際に 語ることができる。もちろんここに述べた事実や概説は、 繋がってきたのだ。 その問題を概観すれば、地殻内に発見される絶減した動その事実を提供してくれた旅の旅行記の巻頭に置くよりも 物の断片を解明するためだけではなく、地質学的な記録が結論として巻末を飾る方がいっそうふさわしいだろうとも 何も残っていない地表における過去の変化を解明するため考えた。ある場合にはその通りだが、しかしこのような多 くの人々が関心を持っている普遍的な問題について、常に にも、自然誌の研究が地質学に協力することがいかに重要 であるか分かるだろう。鳥類と昆虫類の正確な分布の知識考慮しないままで、マレー諸島における無数の島々や群島 が、人類最古の伝承が残されるよりも遥か昔に、大洋の下群の自然誌を、私自身が満足できるように描くことは不可 に没してしまった陸地や大陸の地図を描かせてくれる。そ能であることが分かった。私はこの問題についてまず一般 的な概説を与えることで、同じ原理がマレー諸島全体につ れは確かに予想もしていなかった素晴らしい事実である。 いて、個々の島群にも通用することを示せるだろう。また 地質学者は地球の表面のどこを探索しても、その地域の過 去の歴史を読み取り、海面の上下に関する最近の動向を正そこに生息する多くの新しい奇妙な動物を説明するにして しく解明できるだろう。しかし現在、大洋や海が広がっても、単に個々の事実を扱うよりも、さらに興味深く、さら に啓発することだろう。 学いるところではどこでも、海が深いために非常に限られた ここに博物学者が加 地資料による推定以外は何もできない。 人種の対比ーーーマレー諸島の東西のそれそれ半分が、明 自 われば、地球の過去の歴史における大きな空白を埋めるこ瞭に初期の分割によって形成された二つの地域に属してい 〔訳註〕 章 たという確信に私が到達する以前、私はマレー諸島の原住 とができる。 私の旅行の主な目的の一つは、この種の証拠を得ること民を二つの大雑把に区別できる人種に分けていた。この占

5. マレー諸島

の島々にも分布している。これもやはり偶然に導入された セレベスの奇妙な・ ( ビルサもまた、・フルで発見されてい ものかもしれないと私は考えるようになっている。なぜな る。しかし他のモルッカの島では発見されていない。どう ら、それはしばしばマレー人によって捕えられ飼われておしてこれがその島に分布しているのか推測することはかな ら、それから麝香を手に入れるが、またそれは大変活動的り難しい。スラ群島 ( そこでもパビルサが発見されている ) と な馴化し難い動物でよく逃げ出す。この話はアントニオ・ ・フルの鳥類の間には若干の類似性があることは真実である。 〔訳註 1 〕 ド・モルガが一六〇二年に、フィリビンにおいてそのようそしてこのことは、これらの島々が最近までいっそう近接 な習慣があったことを書いていることからも、なおさらそしていたことを、あるいは両島間の中間の島が海中に没し の可能性が高い。彼は「ミンダナオの原住民は籠の中でジ たことを示しているようである。その時、バビルサは近縁 ヤコウネコを飼っており、この島ではそれを売っている。 の・フタのようにおそらく上手に泳ぐことができるので、・フ また彼らはそれから麝香をとり、放してやる」と語ってい ルに入ったのかもしれない。・フタは、マレー諸島全体とさ ・る。同じ種はフィビリンやインド ーマレー地区の全ての大らに小さな島々のいくつかにさえも分布を広げた。そして きな島々に普通である。 多くの場合、その種はそれそれ特別な変化をしている。そ キルッカの唯一の反芻類はシカであり、これはかって明れゆえ、・フタが、ある自然の何らかの分散手段を持ってい 瞭な種と考えられていた。しかし現在では一般にジャワのることは明らかである。・フタは泳ぐことができないとする ルサジカ三 e ぶの、あまり顕著でない変種と一般的な考えがあるが、しかしチャールズ・ライエル卿が、 考えられている。シカはしばしば慣らされペットとされる。それは誤りであることを立証した。彼は、『地質学原理』 その肉はマレー人全般によって非常に高く評価されており、 ( 一〇版、二巻、三五五頁 ) において、ブタが大海を何マイル 彼らが植民した遠方の島にシカを導入しようとしているのも泳ぎ、しかも非常に容易に速く泳げることを示す証拠を は自然なことである。またその豊かな森林は、シカの生存挙げている。私自身、シンガポールとマラッカ半島を分け のために非常に適しているように思われる。 る海峡をイノシシが泳ぎ渡るのを目撃した。インド地区の

6. マレー諸島

そして、遠くの岸辺へ風と潮流によって吹き寄せられる。 ト類や果実食の他の鳥類も植物を分布させるのを助ける。 なぜなら種子は鳥の体内を通過した後でも、容易に発芽で きるからだ。海岸や低地に生育する植物の分布が広いのは、 以上のような理由によるのである。したがって、島と島の 4 間の植物の関係をできるだけ正しく理解するためには、そ れそれの島に産する種類について広い知識が必要である。 われわれはマレー諸島のいくつかの島々の植物について、 まだそのような完全な知識を持 0 ていない。われわれがジ ンヤワとアジア大陸がかって陸続きであったことを証明でき なるのは、ジャワの山岳の山頂には北方の属あるいはヨーロ 巨ッパ産の属さえも出現するという驚くべき現象によってだ けである。しかし陸上動物では、例証は非常に違っている。 広い海を渡るためにこれらが持っている手段は、極端に限 られている。陸上動物の分布はもっと正確に研究されてお 、植物の場合よりも、われわれは哺乳類や鳥類に関する さらに完全な知識を持っている。この地域の生物の地理的 る。軽い種子ほど風によって容易に運ばれる。また種子の分布について、われわれに証拠の大部分を提供してくれる 多くは、風で運ばれるように特別な適応をしている。あるのは以上の二つの綱である。 インド ーマレー地区に分布することが知られている哺乳 種子は水中で長い間、傷まないで浮いていることができる。 ー 34

7. マレー諸島

因は、大陸と全ての島々とが古い時代に接続していたとい られていない。それゆえ、私は全島綱を通じて導き出され うことであり、そのような変化はわれわれが地球の過去のる結論の一つの典型として、主としてよく知られており最 歴史について知っていることと完全に一致しており、もしも注目すべき科の鳥に限って参照しよう。 陸地が僅か三〇〇フィ 1 ト隆起したと仮定すれば、それら インドーマレー地区の鳥類は、インドのそれと非常によ の陸地を隔てていた広い海洋は幅三〇〇マイル、長さ一二 く似ている。大部分の種はまったく違っているが、それで 〇〇マイルの大きく湾曲した谷や平野に変わってしまうと もおよそ一五の固有な属しかなく、インド ーマレー地区に いうことは確実である。 のみ分布が限られている科は一つもない。しかも、もしそ 多分、非常に顕著な飛翔力を持っている鳥類の場合は、 れらの島々をビルマ、シャム、マレーの地方と比較すると、 もっと差異の少ないことが分かり、全てが以前陸続きであ 海峡によってその分布範囲を制限されることはないので、 ったという事実にしつかり結びついていることを確信させ これらが分布している島々が以前に接続していたり分離し ていたことを示す証拠としては、あまり有効でないと考えられるだろう。キツッキ、オウム、キヌ・ハネドリ、ゴシキ ドリカワセミ ハト、キジのようによく知られている科 られるかもしれない。しかしながらそうではない。非常に 多くの鳥類は四足類の場合と同様、海洋による障壁によっ では、ジャワ、ポルネオに限らず、インド全体に分布して いる若干の同一種を発見することができる。またスマトラ て厳密に分布を制限されているように思える。鳥類は非常 とマレー半島では、大部分がインドと共通している。 に丁寧に収集されてきたので、われわれは鳥類に関してこ の議論を押し進めて行くことができるだけの遥かに完全な このような事実は、われわれがオーストローマレー地区 材料を持っており、それらからいっそう確かで満足のいくの島々の動物分布を取り扱う場合にだけ特に真価を発揮で 結果を引き出すことができるのである。なぜなら、水禽類、きるものであって、海洋による障害が、ある島から別の島 渉禽類、猛禽類のような若干の群は著しく放浪性であるが、 へ鳥が渡るのをどれほど完全に妨げているかということを 他の群は鳥類学者の間でも放浪性であるものはほとんど知示している。ジャワとポルネオに分布する少なくとも三五 138

8. マレー諸島

〔訳註 3 〕 類 0 数は、一七〇種をかなり越えている。コウモリ類を別 マレー半島で発見される以上の四手類のうち、七種はス にすれば、これらの動物は数マイルの幅の海峡を越えるた めの決まった方法は何も持っていない。それゆえ、哺乳類マトラにまで、四種はポルネオにまで、三種はジャワにま で、それそれ分布している。一方、二種がシャムとビルマ の現在の分布を説明するのは、その種が出現して以来、こ にまで、また一種が北インドにまで分布している。オラン れらの島々がかって互いにあるいは大陸と陸続きであった ゥータン、フクロテナガザル、ルネオメガネザル Ta ごき s のかどうか、解明するための大きな手がかりとなるに違い 〔訳註 7 〕 ミミき、ヒョケザル属を別にすれば、残りの四手類の全 四手類あるいはヒト以外の霊長類は、この地域の最も特てのマレーの属は、インドでは別の近縁種によって置き代 色を示す特徴の一つである。二四種の明瞭な種類がそこにわっている。もちろん大部分の四手類の分布範囲は限られ 分布することが知られている。そしてそれらの種は島々にており、極めて少数だけがインドと完全に同一種であるに かなり一様に分布している。ジャワには九種、マレ】半島すぎない。 には一〇種、スマトラには一一種、ポルネオには一三種が 食肉類では、三三種がインドーマレー地区から知られて 然 見つかっている。大型類人猿のオランウータンは、スマト おり、そのうち約八種はビルマとインドでもやはり発見さ 白ロ の ラとポルネオからだけ知られている。奇妙なフクロテナガれている。その中には、トラ、ヒョウ、ヤマネコ、ジャコウ 島 ネコ、カワウソが含まれる。一方、マレーの食肉類二〇属 一ザル ( オランウータンに次ぐ大きさ ) はスマトラとマラッカで レ 〔訳註 のうち一三属は、インドではほぼ近縁種によって置き代わ マ発見され、長鼻のテングザルはポルネオだけに分布してい 4 〕 る。他方、どの島々にも、ギポンっまりテナガザルや、四つている。一例として、イタチアナグマ ( ミ s ミミミ ン イ は、北インドにおいては近縁種ミ、ミ e ま旁によっ 手類の代表種が分布している。キツネザルのような動物っ 〔訳註 6 〕 〔訳註 8 〕 〔訳註 5 〕 て置き代わっている。 9 まりスローロリス属 ~ 、一 c 、メガネザル属 Tarsius 、 有蹄類は種数が一三種あり、そのうち約七種は、ビルマ ヒョケザル属 G ミき、 cus は、全ての島々で発見されてい 13 ラ

9. マレー諸島

におけるオーストラリア由来の種は非常に変化しているが、 一方、ジャワの種はほとんど変わっていないという事実は、 オーストラリアの鳥・ : : ・一三 ジャワの鳥・ : : : : 三六 この地域はオーストラリアから最初に動物の ・ : 三五それゆえに、 密接な近縁種・ : 密接な近縁種 : : : 一 定住が起こったのだろうということを示している。しかし、 もしその通りであったならば、物理的条件は現在の状態と ジャワ由来の種・・・・・・・ : 四七オーストラリア由来の種・・・・ : 四八 はかなり違っていたはずである。ほ・ほ三〇〇マイルの海洋 が、今はチモールからオーストラリアを隔てている。また チモールは、幅二〇マイルにも満たない海峡によって断続 ここではオーストラリア由来とジャワ由来の鳥の種数が、 見事に一致した。しかしそれらの数はま 0 たく対照的な分された鎖状の陸地をたどると、ジャワに繋が 0 ている。明 らかに、ジャワの動物が分布を広げてこれらの島全体を占 かれ方を示す。ジャワの鳥の四分の三はジャワの種と同一 とされる種であるが、四分の一は代置種である。一方、オ有めるのを大いに可能にする一方、オーストラリアの生物 は海を渡ることが非常に困難なようである。事態の現在の 1 ストラリア由来の種の四分の一はオ 1 ストラリアの種と 同一とされるが、四分の三は代置種である。これらの島々状態を説明するためには、オーストラリアは現在の位置よ りもさらにチモールと近接していたと当然仮定しなければ 誌の鳥類の研究から引き出すことのできる最も重要な事実は、 ならない。またオーストラリアの北海岸および西海岸全体 のこれがわれわれに島々の過去の歴史の多くについて非常に 島 に伸びる沈降した海底の堆の存在、しかもある場所ではチ 群完全な解決の手がかりを与えてくれるからである。 モールの海岸の二〇マイル以内にそれが達しているという 一種の変化はゆっくりと進行する過程である。それがどの チ ように起こるかということについては、意見は違うかもし事実によ 0 て、その仮定は大いに可能性があることを示し ている。これは北オーストラリアが最近、沈降したことを れないが、初めに述べたように変化が起こるということに 示しており、おそらくかってはオーストラリアはこの堆の ついては、ことごとく意見が一致している。これらの島々 199

10. マレー諸島

よってだけである。マレー諸島のど真中にあり、様々な形 がキツネザルの科を作っている奇妙な四手類の分布を説明 するために必要だ、と考えられていることは奇妙な事実で態の動物に富んでいる島々によって周囲をしつかりと取り ある。キツネザル類は、マダガスカルにその中心地がある囲まれているが、しかしその動物は驚くべき量の特異性を 、刀 しかしアフリカ、セイロン、インド半島、セレベスに持っている。それはその産する種数では貧弱であるが、し 限らずマレー諸島でもまた発見され、セレベスはその分布かし固有な種が素晴らしく豊富で、その多くは特異である 〔訳註幻〕 か美しく、そして、若干の例では地球上ではまったく独特 の東の端である。スクレイター博士は、これらのはっきり した地点を結んだ仮定の大陸を提案し、その大陸が以前存である。セレベスを取り囲んでいる島々の昆虫と比較した 在したことはマスカレン群島やモルジ・フ珊瑚礁群によって場合、ここでは同じゃり方で昆虫の姿を変化させている奇 〔訳註〕 示されており、レムリアの名前をその大陸に与えた。われ妙な現象が見つかる。それはセレベス以外ではまったく同 われがその大陸の存在をここに示されたそのままの形で信じ方法で昆虫に作用したことがないある共通の原因があっ じるかどうかは別として、地理学的分布の研究者はセレベたことを暗示している。それゆえセレベスは、動物の地理 スの異常な隔離された動物の中に、これらの生き物の先祖学的分布の研究に関して興味ある最も顕著な事例をわれわ がかって由来したある大陸が以前に存在したという証明をれに提供してくれる。地球上における動物の現在の分布は ( 註 3 ) 全て地表が経過した一番新しい変化の結果であり、またそ 発見するに違いない。 セレベスの自然誌の最も驚くべき固有性についての簡単の現象を注意深く研究することによって、そこに存在して 自 いることが知られている動物の分布を生じるためには、そ のな描写をするに当たって、私は一般読者が興味を持ってい べないと危惧している、細部にわたってかなり立ち入らざるれらの過去の変化がどうであったかを、時たま大まかに推 を得なかった。もしそうしないならば、私の解説はそのカ論することができるのである。チモール群島の比較的単純 と価値の多くを失うだろう。セレベスがわれわれに示してな例においては、われわれは起こった変化を確かな事実に 第 いる異常な特徴を証明できるのは、これらの細かいことに基づいてかなり詳しく推論することができた。セレベスの