て、完全情報が与えられているならば、人間は理性に基づい て、共通の結論に至ると考える。左翼にとって、真理は一つ 「国体」を構築することはできない なのである。現行憲法を改正して、理性に基づいて、理想的 ここで一言述べておきたいことがある。それは、国体は発な憲法を作ろうという発想に、左翼思想の罠がひそんでいる と筆者は考える。 見するものであるということだ。国体を構築することはでき これに対して、フランス革命のときに議長席から見て右側 。この基本を押さえていない憲法改正論議はきわめて危 険だ。日本の伝統において「目に見えない憲法、が存在してにすわ「ていた人々、すなわち右翼は、人間の理性には限界 があると考える。ここで重要なのは、右翼は理性を否定して いる。この「目に見えない憲法」こそが国体なのである。こ いるのではないことだ。理性の限界を強調しているのであ の国体を、所与の歴史的条件の下で、文字にしなくてはなら ない部分だけを、文字にする作業が憲法制定であり、憲法改る。各人には偏見があるので、ある人がいくら理性に基づい て、客観的かっ誠実に考えているつもりであっても、偏見か 正である。 人知によ 0 て、政治エリ 1 トが考える理想を記した憲法をら完全に逃れることはできないのである。裏返して = 〔うなら 構築するという発想は、わが国体に合致しない。人間の理性ば、限界の内部においては、右翼であ「ても理性にもとづい にもとづいて、理想的な社会や国家を構築できるという発想た議論をすることは当然のことである。ただし、右翼は、理 自体が、一八七九年のフランス革命のときに議長席から見て性の限界の外においてこそ、人間の真価があらわれると考え る。筆者自身の立ち位置は、右翼である。これを国家との関 左側にすわっていた人々、すなわち左翼の思想なのである。 係に則して述べるならば、国体を肌で感じることができる者 左翼は、人間は誰も等しく理性をもっていると考える。従っ が右翼なのである。 佐藤優氏昭和肪 ( 1960 ) 年、東京都生まれ。同志社大 筆者は、思想史的に整理を行う場合、左翼、右翼以外の第 学大学院神学研究科修了。外務省入省。ソ連末期の 1988 年から と 三項を設けるべきではないと考える。中間派であっても、政 生 年まで在モスクワ日本大使館勤務の後、本省国際情報局分析第一 課〈。主任分析官として活躍。平成Ⅱ年 5 月、背任と偽計業務妨害治案件について、その都度、決断をせまられるわけで、個別再 の政治案件については、右翼か左翼、いすれかの立場をとっ帰 容疑で逮捕。年 2 月、執行猶予付き有罪判決を受けて控訴中。著 ているからだ。現実政治において、第三項が大きな意味をも 書『国家の罠』 ( 新潮社Ⅱ毎日出版文化賞 ) 、『自壊する帝国』 ( 大宅 4 壮一ノンフィクション賞 ) など多数。 っことがある。特に東西冷戦が崩壊し、伝統的な左翼、右翼
0 5 0 ジャーナリスト・ひがしたに・さとし 5 昭和 ~ 年↑。。 , ) 山形県生ま。早稲田大学政経学。 ( 」立 ~ 《正 ! = 疊・ ! 者 宗教一 部卒。国立民族学博物館監修「季刊民族学』、アスキー ( 株 ) などで編集に従事。その後『サ【ビッグマン」、発言 者』各誌の編集長を歴任し、フリージャーナリストに でもないが、救済方法が、高橋氏が縮小か、という質間を受けた。一般論として、 埋蔵金だけでなく外為資金も を求めてやまなかった外為資金を使えと筆者は政府資産は今より少ないほうがい 使えると言い出した高橋洋一氏 いうのだから首を傾げざるをえない。も いと考えているので、ます、外為資金の ちろん、高橋氏は、この矛盾を弁明すべ圧縮を考えるべきである。次に、運用を 『フォーサイト』九月号に高橋洋一氏がく新たな論理を構築している。 積極的に行なうとしても、現行の方式以 「外為資金でアメリカの金融危機を救う〈筆者は本誌の七月号で、 ( 国家外に方法はないのか、また、現行の方法 べし」を寄稿している。周知のように、 ファンド ) の一つである年金積立金管理でいくとしても、それに伴うリスクとリ 高橋氏は竹中平蔵大臣補佐官として小泉運用独立行政法人の運用体ターンを考えて判断すべきである〉 改革を推進し、また、最近は上げ潮派の制の強化に反対した。もっとも、筆者も もって回った言い方をしているが、要 プレーンとして構造改革の継続を主張。現在の公的年金の運用には不満があり、するに年金運用は反対で、政府資産は少明 「埋蔵金 , の発掘でも知られている。そ運用を積極的に行なうという主張には賛ないほうがいいと考えているが、うまく の高橋氏が、破綻の危機にあるアメリカ同する。ただし、による積極運運用できるものがあるなら、やってみて成 の政府系機関ファニーメイやフレディマ用には反対である。 : その際、もう一も悪くないというわけである。そこで高 ックを救済しろというのは不思議でも何つのである外為資金はどうするの橋氏は米財務省債券だけでなく、住宅バ正 論壇時評 高題の・殳続は ュ設炊第さん 第を宿りなさい毳物 ご一つくる会シ 一件
想が掲げた「価値の外交」の片鱗もない。公 正を期すため敷衍すれば、北朝鮮に対しては 「理不尽な相手たからと言って、核の問題を放 置する訳にはいきません。黙っていれば北朝鮮 に時間稼ぎと、現体制の延命に手を貸すことに なります。それとも、そのうちに自壊・自滅す るから様子を見ていれば良いということでしょ うか」と強気の姿勢を見せていた おっしやる通り。福田内閣はいまも水面下で 北朝鮮に強く核放棄を迫り、金正日体制の延命 を阻止すべく全力を傾注しているに違いない。 そうでなければ、嘘つきである。 私は昨年、『憲法九条は諸悪の根源』と題し た自著を上梓した。福田氏と私の憲法観は見事 なまでに対照的である。 「憲法改正はしないで今のままでできることを やっていけば良いんです。それは正に日本の戦 後の平和外交そのものということでしよう」 「日本が常任理事国になった場合、今の憲法の ままで良いのか、又は今の憲法のままで常任理 事国になれるのか、という疑問があるとすれ ば、それは全く問題はないと思います。国連の 評論家 潮匡人 Masato Ushio 場で、日本のできることをすれば良いのですか ら」 事実、福田内閣は集団的自衛権問題の解決を 放棄した。常任理事国は安保理での特権的地位 である。国際社会の安全を保障できない国家に 与えられるべき特権ではない。 「女性を閣僚にしたいんだけれど、予備軍の層 が薄い状況です。でも何とかしようと努力して います」。閣僚名簿には努力の跡が見える。長 期政権への努力も図られるに違いない。 「四年 ( 政権を ) 堅持できないような人はなら ないほうがいいです。一年間全力投球でやりま すなんて一一一口う人は駄目ですよ」「最低四年、そ れ以上の時間を政権には与えていただきたいと 考えています。そうしないと、真に国のことを 考えたとしても成果が上がらない 果たして福田内閣は、どのような成果を上げ るのであろうか。案の定、福田首相は北京五輪 の開会式に笑顔で出席、靖国神社への参は自 粛した。一国は一人を以って興り、一人を以っ 7 て亡ぶ。 4
2 味をやんわり書いておられたが、この子ない人でも、母親との情景を浮かべるこ 0 0 2 守唄はれつきとした「猥歌」だ。まさとがあれば既になにものにも代えがたい か、こんな歌を幼い子守娘たちが歌って子守唄ということになる。 いたのだろうか。意味もわからず、若者林先生もしかりだ。教師になった一年 たちが冷やかし囃し立てていたのが、耳目、母親の作るお弁当を毎日持って登校 について、いつの間にか子守歌となってしたそうだ。その母親が脳溢血で急死す いったのではないかと推測されるが、林る。農家での労働、一日働きづめの母親 先生は子守りに出た年頃の女の子の湯文の死はひょっとして、あのお弁当を作る 字の着用は、いっ餓鬼どもに取り囲まれ時間の無理の蓄積にあったのでは、と今 一圭 てまるでスカ 1 トめくりのようにされるでも頭をよぎるのだそうだ。 恐怖にさらされたのでは、とも考えた。 お弁当の思い出は林先生にとっての子 守唄だ。貧しくても苦しくても、暮らし 子守唄の研究家の男性たちの共通点はの中で、自分の人生や生活を大切にして感じられなくなってしまった。子供と社 皆が母親との縁の深さを持っているとい いることを伝えるのが子守唄だからだ。会のつながりに親のほうが無関心でしょ うことだ。それは長寿の母親であろう その林先生も、著書を出版した直後にうか。子供同士が遊ばなければ、唄は出 が、亡くなった母親であろうが変ること母親と同じ脳溢血で倒れる。以後、採譜来ないし、意味を持ちません。 まよ ) 。 に歩くことは叶わない 時代の流れとはいえ、こころを育てる 母親への思いはそれほど鮮明、かっ強 原点は生活の実に些細な中でこそ、大切 烈ではない。むしろ、生活に密着した、 にされるべきなのに : 先生のお庭は色とりどりの花が、強烈 土の匂いの付いた泥臭さと、青臭い乳のな夏の光を浴びて、思い切りよく咲き誇まして、母親は本当に今こそ、唄を歌 においといった懐かしいものだ。その母っている。 うべきでしようね。命の唄は暮らしの中 親の影響をどんな人も何らかの形で受け「この辺りの家も昔あった縁側や広場がからしか唄われません。 ている。 なくなってしまいました。一軒一軒が塀独立した子供部屋、受験戦争、栄養過 たとえ子守唄を唄ってもらったことがを作り、子供の声も遊んでいる気配すら多、その中で過保護では、子供は大人に 。外国人参政権 安易な国籍付与 意見広告
6 日、読売新聞は 1 面で「天洋餃子中「この事実が 7 月の洞爺湖サミットの直月も伏せていたことだ。国民の生命にも 国で中毒 , と報じ、製造元の中国の食品前に外交ルートを通じて日本政府に伝えかかわる食の安全の間題より、北京五輪 会社が回収したギョーザを食べた中国人られていたのに、国民には一切知らされを控えた中国、の外交的配慮が先なのか が中毒症状を起こしていた事実を伝えなか「たことが理解できない」「福田首と指弾されても仕方あるまい」「日本政 た。中毒の原因にな 0 た有機リン酸系殺相は『わが国の捜査当局と情報交換して府が五輪開催前に波風を立てたくないと 虫剤が中国で混入されたことを裏付ける いる状況だ。どういう状況か今申し上げの思惑から、国民の中国食品に対する懸 スク 1 プである。しかも、日本政府はこるわナこよゝ、 ( 。。し力ない』と述べたが、この念を払拭するのは後回しで良いと考えて の情報を洞爺湖サミット直前の 7 月初め弁解も納得できない。ことは人々の命に いたからではないのか」 ( 8 日付産経主 に中国から知らされながら、中国、の配かかわる問題である。政府はただちに事張「中国政府の目線では困る」 ) 慮から、それを 1 カ月も伏せていた。 実を公表すべきだったし、いまわかって「『三次災害』の可能性が一〇〇 % ない スクープした読売は 7 日付社説「『混いることをきちんと説明すべきではないとの確信があ「たのだろうか。中国で暮 入元』はや 0 ばり中国だ「た」で、「中か」 ( 7 日付朝日社説「事実を国民に公らす日本人には『う 0 かり気づかないで 国が最初から非を認めて謝罪し、誠実に表せよ」 ) 食べていた可能性もあるのではないか』 対応していたら、これほど不信感が高ま「相手国との約東を守ることが外交上、との不安もあるだろう。政府はこうした らなかったのではないか」「中国公安省重要であることを否定するものではな不安と疑問にきちんと答えなくてはなら は『生産工程などで混入された状況はなゝ : こゞ、 しオカ国民の安全を守り、安心を確ない . ( 7 日付日経社説「中国はギョー 、従業員の調査でも容疑者は見つから保することは政府の基本的な役割であるザ事件の真相究明を急げ」 ) なかった』と説明してきたが、本腰を入はすだ」「今回は消費者の安心より中国ニ、ースは読売が先行したが、社説は れて捜査したのか疑問だ」と中国側のこ への配慮を優先させたということだろう他紙がポイントをついていたといえる。 れまでの対応を厳しく批判した。しかか。この疑問に、『安心実現内閣』を掲まして、 8 月 2 日に発足した福田改造内 し、事実を 1 カ月も伏せた福田内閣、のげる福田首相は明確に答える必要があ閣が「生活重視」「国民の目線」を強調 批判はなかった。 る」 ( 8 日付毎日社説「福田首相は事件し、「安心実現内閣、を標榜しているだ これに対し、読売以外の各紙は一斉に解明を促せ」 ) けに、食の安全にかかわる情報隠しは大 福田内閣の対応を批判した。 「納得できないのは、政府が事実を 1 カ問題である。 780
回帰ど再生ど 現下の日本人と日本国家は病的状態にある。しかも危機的かなる国家にも、その国家を成り立たしめる根本原理があ 状況に陥っているといえよう。この状況からどうすれば抜け る。それを日本人は「国体」と呼んだ。しかし、現在、国体 出すことができるかを『正論』読者とともに考えていきたい とはまず、「国民体育大会」の略称としてとらえられている ので、この連載を引き受けた。「日本哲学の考究」とうたっ という体たらくだ。 たのは、煩瑣で衒学的な議論をしたいからではない。日本が 「国体 , とは日本国家を成り立たせる根本原理である。愛国 危機的状況から抜け出すためには、思想が必要である。過去心に関する議論も、憲法改正問題も、わが国体に関する認識 の歴史を総体として顧みて、日本人と日本国家とが生き残るを欠いて行われるならば、机上の空論で、時間の無駄だ。北 ための知恵を発見したいので「日本哲学の考究」とした。 朝鮮による日本人拉致問題、北方領土問題、竹島間題、中国 「回帰と再生と」というタイトルを掲げたのは、筆者が復古産毒入り餃子問題などの外交案件を、日本政府がきちんと処 維新によ「てのみ日本をよみがえらせる処方箋が見いだされ理できないのも、政治家と外務官僚がきちんとした国体観を明 ると考えるからだ。「『親日保守』の確立のために」についても 0 ていないからであるというのが筆者の認識だ。現下、日 は、少し後で説明する。 本の有識者にとって重要なことは、わが国体を再発見するこ成 われわれはいま、日本人とは誰であり、日本の国家と社会とである。 論 の特質とは何であるかがわからなくなってしまっている。 正 、 = ~ 日本哲学の考究「親日保守」確立のために 新連載第回忘れ去られたテキスト 作家・起訴休職外務事務官・さとう・まさる 佐藤優 746
以上、国公立学校が主催して神社・寺 よいということになるが、そうした理解もう一つ、衛藤議員の質疑にもあった でいいか」と質したところ、「学校におことたが、「学校において靖国神社や護院・教会などの宗教的施設を訪問するこ ける授業の一環として、歴史や文化を学国神社など特定の宗教的施設を誹謗したとについて、靖国神社や護国神社など戦 り、その活動を圧迫したりするような学没者を祀る神社に限ってはこれを禁止し ぶことを目的として、児童生徒が神社、 教会等の宗教的施設を訪間してもよいも習を行うこともその宗教的施設に対するていた占領下の文部省通達の一条項が、 のと考えている」ので、「靖国神社等に偏見を煽ることになり、好ましくないと教育の現場では占領が終結して五十六年 ついても同様の目的で訪間してもよい」考えるがどうか」という質問にも同様にが経過した今日も有効であると受けとめ られていたという驚くべき実態を前にし と明言した。先の参議院での渡海文科相「好ましくないと考える」と答えている。 て、一人の地方議員と一一人の国会議員が の答弁と同旨であるが、より明確な回答このことは授業で教員が靖国神社につい て一方的に偏った話をしたり、特定の方連携してその是正に取り組み、最終的に となっている。 さらに、そのような目的で靖国神社を向に誘導するような課題を与えたりするは首相の答弁書という形で積年の誤りが止 訪問した際、「靖国神社などの関係者よことなどを戒めるだけにとどまらず、教正された経緯を縷々述べてきた。 訪 国 り、その神社の歴史や由来、参拝の作法科書の検定にも及ぶことは必至である。 何せ「高等学校教科用図書検定基準」 などについて説明を聞くことは間題ない 未だ残る課題とは 亡 の か」と間いかけたのに対しても、「一概の「公民科」には「未確定な時事的事象 にお答えすることは困難」であるとしつについて断定的に記述しているところは つも、原則的には「歴史や文化を学ぶこないこと」と明記されているにもかかわひるがえ「て考えてみると、靖国神社 とを目的 . として靖国神社等の「関係らす、平成十年には靖国神社を「日本の問題は当初はも「ばら神社の国家護持やき 者」から「聴取してよい」との回答が返軍国主義を象徴する施設」と断じた高校首相の公式参拝をめぐる憲法間題として「 論じられてきたのが、中途から″級戦を ってきた。これによって、戦没者の遺影の政治・経済の教科書が検定を通ってい ・一一犯″合祀に関わる外交問題と化し、政治育 や遺書・遺品などを展示している遊就館るのだから ( 「産経新聞」平一〇 3 を見学し、職員から説明を聞くことも可一、も 0 とも、後に当の教科書会社が自の駆け引きの道具とされてきて久しい ( 本来はあくまでも国内間題であって外交幻 主的に記述訂正したけれども ) 。 能になることは間違いない
ですから、私たちがやっていることは ーー条例で、どのような施設を規制対います。十把一絡げに完全禁煙にするの 『禁煙ファッショ』でも『喫煙者イジメ』象とし、どのような規制を掛けるつもりは難しいでしよう。営業権を侵害された でもありません。まして先ほども申し上ですか と訴訟を起こされる可能性もあります。 げたように、私の独断で勝手にやってい 「実はそれがこの条例の一番難しいとこ 公共性の程度に応じて、完全禁煙もあれ るわけでもない。選挙で県民の信任を得ろです。私がいう公共的施設というのは ば一方で完全分煙も認めようといって規 た上で、民主政治のプロセスの中で進めたばこの煙が籠もってしまう、受動喫煙制のレベルを変えたり、段階的な導入と ているのです。 が及ぶ不特定多数の人が出入りする室内いった手法も考えられますし、民間施設 ヘビ 1 スモーカーではありませんでしまたはこれに準じる施設です。オープンは一律に完全禁煙にはできないと思いま たが私自身も十三年前までたばこは吸っェアな場所は煙は分散しますからこうしす。 ていました。ですから、喫煙者の気持ちた受動喫煙の議論からは外しています。 一口に公共的な施設といっても様々で もよくわかっています。吸う人にとって誰が見ても公共的だといえる役所、病す。例えば生命や健康に携わる病院を完 段々吸えるところが狭くなれば勘弁して院、福祉施設、学校などは理解が得られ全禁煙にするといっても、それほど反対 欲しいと感じるのもわかります。しかやすい はないと思います。また博物館のよう し、自宅などのプライベートスペースや難しいのは民間施設です。営業権があに、そこの施設でなければ、用を足せな 屋外までも禁煙にしようということではりますし、急に厳しい規制を掛けられる いような施設もあれば、隣にも似た施設 ありませんし、ましてや個人の趣味、嗜とお客様が減るという不安がある。私たがあり、そこで目的が達せられる施設も 好まで奪うつもりもありません。ただ公ちも営業になるべく影響が出ないよう、あります。いわば代替性といった要素で 共的な室内空間では受動喫煙を防止するかっ受動喫煙の防止が効果的に進むようも左右されます。映画館の場合、そこで ためのルールを作ってみんなで守ろうよな規制を考えているところです」 上映されている映画を見ることができな というのが私の主張なんです。それが、 レストランでもガラスで仕切ったければ、代替の場所はどこか探さないと なぜ、いけないのか。私は不思議で仕方り、分煙を徹底しているところは増えていけない。 これは博物館に近いでしよう ありません」 います。なせ禁煙にこだわる : ・ ね。これがレストランのような業種では 「今よりも受動喫煙対策を一歩でも進めどうか。レストランは近隣に複数の店舗 「民間規制には法的に微妙な面も」 ていくという考え方に立って、条例では がありますから、このレストランでなけ そのような手法も認めていこうと考えてればいけないという事情は映画館よりは 266
状況は好ましくないと考えたからだろ示していたが、一昨年 8 月新日に当時の縮。を求める主張や元米国務長官のキッ シュルツ氏らが昨年 1 月に 小泉純一郎首相が靖国参拝したとき、翌シンジャー う」と前向きにとらえた。 間日付社説「『心の間題』だけではすま発表した「核兵器のない世界を」との提 これに対し、産経の間日付主張「福田 言を取り上げ、かっての核抑止論者の ない . で、「小泉首相は、『級戦犯』に 首相はなぜ参拝せぬ」は、「隣国への配 慮も結構たが、肝心の国民のことをどうついて『戦争犯罪人であるという認識を " 転向。を高く評価した。 考えているのか。国を代表するリ 1 ダ 1 している』と国会で答弁している」「靖そのうえで、「最も心配なのはイスラ なら、ます、国民のことを考えて行動し国神社に『犯罪人』が合祀されているとエルの動きだ」と指摘し、北の核間題に てもらわなければ困る」と福田首相が参の認識なら、そこに参拝するということついては「 6 者協議の結果、北朝鮮は核 に、矛盾があるのではないか」と小泉首開発計画に関する申告書を出したが、検 拝しなかったことを批判し、河野発言に 証作業はまだまだこれからのことだ。申 対しても「あえて、戦没者追悼の場で持相を批判した。 ち出すべきことだろうか。衆院議長の見最近は、靖国問題に加え、戦争責任の告の中に核兵器そのものは入っておら 間題でも、読売は朝日に接近しつつある。す、核廃棄のめどはたっていない」と懸 識を疑う」と疑問を提起した。 念を示した。核廃絶に向けては、「第一 間日付産経抄も「政治家だから、どん に、最強の核保有である米国に方針転換 な意見を述べようと自由である。しかし 北の核に触れない広島市長の怪 してもらうことだ」とし、「米国の『核 その追悼の辞の間にも、靖国神社への坂 の傘』の下にいる日本だが、米国の同盟 道を遺族たちが、戦死した家族に会える 8 月 6 日、広島で回目の原爆の日を国であるオーストラリア、ノルウェ 1 と と信じて汗だくで歩いていることを考え なかったのだろうか。そのことを思えば迎えた。今年は、北朝鮮の核申告 ( 6 月連携し、大幅な核軍縮を次期大統領に促 末 ) を受けて米国が北のテロ支援国家指すべきだ」と日本に外交努力を求めた。 とても遺族の前で言えることではない、 線 定解除の手続きに入り、その期限の 8 月毎日社説「世界は核廃絶の頂を目指査 と河野氏を批判した。 せ」も朝日と同様、キッシンジャ 1 、シ コ ちなみに、首相の靖国参拝に朝日と毎Ⅱ日が迫る中で、この日を迎えた。 ュルツ氏らの提言について「冷戦時代、ス 日は一貫して反対し、産経は賛成の立場朝日社説「核廃絶は夢物語ではない」 3 は、今年 6 月に英国のハード元外相らが歴代大統領のもとで核抑止戦略を担って 8 読売は以前は首相の靖国参拝に賛意をタイムズ紙に寄せた「思い切 0 た核軍きただけに、現実味を帯びて国際社会に 7
北朝鮮の最高権力者の指導のもと 優先的に受験者を合格 に、日本の領土をある目的を持って させる枠が与えられて いたという証言まで出 者を含めれば数百人近い ) の日本人 ていた を北朝鮮へ誘拐し拉致し続けてい 一体これはどういう る、という認識は間違っていないと ことなのか。結局は教 思う。これは挑戦行為そのものであ 員組合も裏で教育委員 ) 、 り、矮小化して考えてみてもテロ国 会とつながっており、 家行為以外の何ものでもない 同じように甘い汁を吸 米欧で同種の事件が起きたら、被 ってきたということで 害を受けた国はどんな対応を取るの はないか。私は大分県 さし絵・飯塚美智子であろうか。領有権を侵害され国民 教員組合も組合枠なる ( 群馬県富岡市着歳 ) の尊厳を踏み砕かれ誘拐・拉致され ものを使って長期にわ たって謝礼を受け取り、教育現場を朝日の報道に続いて各報道機関はた行為に対し、日本のような軟弱対 不正の温床として私腹を肥やしてき県議枠、教委枠、組合枠の存在につ応があり得るはすもない 日朝交渉で北朝鮮は「再調査」を いて鋭く切り込んでほしい。そこま たと思えてならない 大分県教組が組合枠なるものを必で調査をして報道しなければ、大分約東したそうである。行動を起こし 要としたと考えられる背景は本誌九県の教員採用をめぐる汚職事件は膿た訳ではない。横田早紀江氏が発言 されているように、最高権力者が目一 月号「大分県教組の闇の顔」で詳しを出しきったとは言えないからだ。 的を持って拉致した日本人の所在ム く説明されていたが、その後、どの を、北朝鮮のどの組織・機関も把握プ 報道機関も県議枠や組合枠なるもの拉致問題への素朴な疑問 していない、などは誰が信じよう者 の存在について全く報道しなくなっ 自由業・福田茂信 ( 富山市歳 ) か。外交上の言葉遊びとしか言いよ 3 たのは残念であり、また不思議でな 3 3 一つがない らない