第 2 編論文にまとめるまで である . 数学的処理の技術上のことに関しては内外に多くの良書が出ているから , こには説明せす , " まえがき " の所で述べたように ただ " 精密計算以前・統 計学以前・推計学以前 " の基本的なことに関する注意事項だけを次に書くこと にする . 数値計算上の注意 : 実験・観測などの結果をまとめるのに数値計算は付き 物である . それを実行するには次のような事項を注意しなければならない : ( 1 ) 計算法の選択 , ( 2 ) 計算の記録 , ( 3 ) 有効数字の決定 , ( 4 ) 検算 . ( 1 ) 計算法の選択 : ある一つの数値を求めるにあたり , それを計算する 方法が幾通りもある場合が少なくない . また計算のために用いる器械や表も名 種計算器・計算尺・そろばん・対数表その他の特別の表などいろいろである . どういう計算法をどの手段を用いてやるかは計算の種類や必要とする正確度に よって決める . 計算法が不適当だと , 時間・労力を空費し , また不正確な結果 を生ずるから計算法の選択を慎重にやらなければならない . ( 2 ) 計算の記録 : 数字ははっきりと , あまり小さくなく , いつも一定し た書き方で書くようにする . 0 と 6 , 1 と 7 , 5 と 8 などの書き方を注意して まぎれないようにする . けた数の多い数字の位取りの様式も一定にする . 数字 を書き損じた場合にも消しゴムを用いす , 消すべき数字の上に斜線か横線を 1 本はっきりと引き , そのそばに訂正数字を書くようにする . くしやくしゃな消 し方をして , もとの字が見えなくなるようなことをしないこと . 思い違いで , かえって初めの数字の方が正しかったという例がよくあるものである . 十算の順序を定めることも大切である . 計算の性質・方法などを考えてその 十算を何段かに分け , 各段の計算の結果を一々同一表上に適当に配列明記す る . 計算は , たとえばある数値を 2 倍するというような簡単なものでも , その 数値の隣にきちんと書いておくべきで , こうするとあとで誤りの有無を確かめ るのに便利である . こうして , すべての計算の各段階を略さずに書くと , 時には大きな紙面を要 することがあるが , 必要あれば何枚でも紙をつぎ合わしてもかまわない . 紙を 10 ニ = ロ 一三ロ
第 6 編図 表 125 ( 5 ) 表の中の長い文句を縦に組むこと = 表の中では , 見出しまたは文句を縦に書 かなければ収まらない場合がある . 入れるべき文句が全部漢字かかなならば問題ないが , 欧語ばかりか欧語まじりの場合には注意を要する . すなわち , 下から上に読むように書 く ( そうすると , 表を時計の針の回るのと同じ方向に 90 度回転した時に左から右の方に 読めるようになる . このことが横組みの表の中で起こる時は , 第 7 表の例のように , 本 文の文字に対してちょうど逆になる ) ・ ( 6 ) 数値の単位 : 数値の単位は , 数字が縦に並ぶ時は見出しの下 , 横に並ぶ時は見 出しの右に 6 ボで組むのが体裁もよく , 簡単でわかりやすい . ( 7 ) 数字 : 数字は 8 ポを使う . 内容が多過ぎて 8 ボでは収まらない時は , 6 ポも 使う . 数字は小数点の所できちんとそろえる . 縦に同種類の数字がたくさん並ぶ時は , 4 , 5 個おきごとに少しスペースをあけると , 見やすくて便利である . 実験値とパーセ ントなどの換算値をい。しょに書く時 , 実験値同士または換算値同士を比較するのに便 利なように , 換算値だけを太字にし , その上 , 実験値と列を違えて組むと非常に引き立 っ場合がある . ( 8 ) 注 = 表に対する説明のための注は本文の脚注とは別に , 表の下に書く . 注の * , す , 軋などを用いるが , 雑誌によっては a ) , b)' 番号も本文中のものとは区別し , c), あるいは , 1 ) , 2 ) , 3 ) などを用いる場合もある . 本文に対する注とは違い , 原 稿では別紙にせず , その表の下に書く . 各注は一つ一つ別行とし , 注の符号を少し引。 込ませて組み , そのあとに文句を続ける . ( 9 ) 幅の狭い表 : 表の幅が狭くて , その横に半分幅以上の本文が組める場合には そうする . それ以下しか組めない場合には , 読みにくいから , 表を中央に組み左右をあ けておく . 1 べージに収まらない場合 : 長い表でどうしても 2 ページ以上になる場合に ( 1 の は , 続きの表の上方に " 第 5 表 ( 続き ) ' ' とか "Table 5 (Continued)" などと書く . ( 11 ) 表の写真をとること : 表を黒インクで手書きしたり , 邦文あるいは英文タイ プライターで , なるべく濃い目に打ち上げたものを写真に縮写し , これから亜鉛版を作 る方法もある . 特にその表が複雑であ。たり , また , 全体の大きさを適当に変える必要 がある場合には便利である . 最近 , 写真植字技術が発達し , 希望する書体によ。て邦文 字および英文字を同時に組み込むことも可能になってきたが , 専門家の手をかりるため かなりの費用を覚悟しなければならない . (C) 図画・写真 79. 凸版と網目版図画の製版方法にはいろいろあるが , 科学論文に一番広 ここにはこの 2 種類の製版 く用いられているのは凸版と網目版とであるから ,
150 第 7 編特殊事項の表示形式 1800520 , 32423 1 800 520 , 32423 独 1 800 520 , 324 23 へ ) ローマ数字 : ローマ数字 ( I , Ⅱ , Ⅲ , ・・・ ) はできるだけ使わないようにする . 93. 有効数字と誤差実験観測などで得た数値の多くは実験誤差の伴った近 似値である ( 6 , 12 ). だから , たとえば 2.7 m という結果を得た時 , これを 2 で割ったものを書く場合 1.3500 m などと多くの数字を並べても , 終わりの方 の数字は無意味であって , 有効数字だけを書くことを原則とすべきである . た とえば , “ 150 万”という数字は厳密には , 有効数字の多少によって 1. 5x 105 15 x 105 150 x 104 1500 x 103 15000 x 102 150000 x 101 1500000 1 1 / 2 x 105 など種々の書き方がある . 希釈倍数 1500000 倍とか細菌数 435329 個のように 有効数字におかまいなしに , ただ数字を不用意に並べるのなどは不見識である . 測定値などには , 20.5 士 0.21 などと誤差を付記することが多いが , それが 標準誤差であるか確率誤差であるか読者にわかるように明記しておくべきであ る ( 第 8 表 ). 94. 英文中の数の表し方英文の中で数を文字で書くべきか数字で書くべき かについては下に述べるような規則がある . しかし実際上は , 数字で書くべき か文字にすべきか迷うことが多いが , どうしても判断がつかない時は文字で書 いておく方が安全である . 数字の使い方は一つの論文の中では統一されていなければならない . 同じ論 文のある所では文字で書き , ほかの所では同じことを数字で表すというような ことをしてはならない . ( 1 ) 数を文字で書くべき場合 : 次のような場合には数は文字で書き表す . イ ) 明確でない値 , 概略の数や一般的に用いられる数 : three times about tWO hours one hundred years ago ロ ) 文の初めに数がくる場合 : Thirty-two ml of the solution was added. ( なるべくならば数が文の最初にならないよう文章を作り直すべきである . )
11 第 2 編論文にまとめるまで 大きくしたくないために , 小さな字でくちゃくちや書いたり , 補助計算を別の 小さな紙切れの上でやったりするのは誤りのもとである ( やむなく別紙で計算 した時には本計算の紙にその紙切れをはり付けておく ). たとえば , 襯 = ( 24 + 3 が ) 2 の襯の値を計算する時には , 次のように途中の計算も省略せすに明示す べきである ( 対数表を使う場合には別の様式を工夫しなければならない ) : ( 2 十 3 み 2 ) 2 24 十肪 2 3 み 2 20 4 十算の順序 , 段階の分け方 , 記入の順序などをその場合に適したように決め るのに十分注意すれば , あとの計算はあまり頭を使わす機械的にやれて能率的 である . ( 3 ) 有効数字の決定 : 数値を計算する場合は算出される数字が幾けたま で正しいかをいつも決めなければならない . 有効数字にかまわす , ただけた数 の多い数字を並べても無意味である . 有効数字を決定するためには関係誤差 ( または百分率誤差 ) と有効数字との関係をいつも心の中にとめておく必要が ある . ( 4 ) 検算 : 数値の計算をした場合には , 少なくとも 1 度は検算をしな ければならない . 検算の方法は一定していないから問題の性質によって工夫す る必要がある . たとえば , 前とは違った順序ややり方で検算するとか , 別の人 に計算してもらうとか , 計算尺によって得た結果を計算器または対数表を用い てためしてみるとかする . 検算は前の計算を参照しながら行わず , 最後の結果 が出るまではまったく独立に別の紙でやることが必要である . 7. データを表にすること数量的データ解析の第一段階としてデータを表 の形に整えることが大切である . ただし , 解析に役立つ効果的な表を作るのに は十分な練習と工夫とを要する . データをどのように並べたら適当であるかは 場合によっていろいろで , データを横に並べるか縦に並べるかをまず決め , 次 に読み取った順序に並べるか , それとも大きさの順序にするか , またはある群
第 6 編図 表 143 体に線を引かなければならない . これに反し , もしグラフが両変数間の関係を質的に示 すためのものならば目盛はあらくてもよい . 目盛に付けて書き出す数字は 0 , 1 , 2 , 3 , ・・・とか 0 , 2 , 4 , 6 , ・・・とか 0 , 5 , 10 , 15 , とか簡単な系列にすべきで , 不規則なまたは一般的でない数字の付け方をするのはよく ない ( 第 13 図 ). 87. 曲線の引き方とその平滑化曲線を引くにはまず点をプロットする . 点 は先を細くとがらせた鉛筆で打ち , そのまわりを円などで囲んでおく . いくつ もの曲線をいっしょに描く時や , 1 つの曲線上に幾組ものデータを表す時に は , 〇△ロなどいろいろの印を使って点を囲む . 点をフ。ロットしたあとでは , 位置にまちがいがないかどうか十分に検査する . 観察値や測定値を表す点はグラフ上ではっきりと示すべきであるが , 数式か ら計算して得た数値は点で示さないで曲線だけで示すのが普通である . 曲線を平滑にすること : 数値を表す点が非常に広く不規則に分布している 時は , 各点の間を直線で結んでおくよりほか仕方がないが , 普通には点の散ら ばっている中を通り全体内の上がり下がりの傾向に応じながら平滑な曲線を描 くのが常法である . これを曲線の平滑化 (smoothmg) という . このさい , 曲 線は必すしも点の上を通らなくてもかまわないが , 点の上または下にかたよら す両側にほぼ同数の点が分かれていなければならない . そのためには , 曲線の凹んでいる側に腕を置き , 長い鉛筆を使い , 腕に回転半径の働 らきをさせながら軽くさあっとなでるように描く . うまく描けたかどうか確かめるには , 紙を傾けて曲線の主部の延長がちょうど目にはいるようにしてかた目で見るとよい . ただし , この平滑化ということは , 点のずれが小さな実験誤差とか偶然の変 異とかまたはその実験条件下では無視できる原因によるものと合理的に認めら れる場合にだけ適用できるものであって , 無批判的になんでもかでも平滑化し てしまうと , 重大な事実を発見するチャンスを失ってしまうことがある・ 偉大なフランスの熱学者 Regnault は氷の蒸気圧の曲線を水のそれと連続 的のものだと思い , 氷と水のすべての読みをいっしょにして一つの平滑な曲線 を引いたが , 今では , 両方の曲線は 0 。 C においてごく少しではあるが違った 傾斜をもって交わっていることが知られている . 今 Regnault の発表したグ
第 7 編特殊事項の表示形式 ニ ) 最後に点 ( ヒ。リオド ) があるか ? 149 ホ ) 見出しの前に番号を付けるか付けないか , 付けるとすれば体裁はどうするか ? へ ) 中央見出しの上下のあき具合が適当であるか ? ト ) 横見出しの場合 , その次にすぐ文章を続けたのと , 行を改めたのとまちまちにな っていないか ? チ ) 中央見出しが本文の下端にきてはいないか ? ( どう工夫しても , そこにくる場合 には , そのページおよびその向かいのページを 1 行すっ減らすようにする ). なるべく省くように工夫する . 91. 数式の書き方数式は , できるだけ見やすいよう , また印刷上の手数を 区分に 1 段上または下の形式の見出しを付けていないかどうかをよく確かめる . 最後にもう一度従属的な区分に同格の見出しを付けていないか , また反対に , 同格の ロ ) 数式中の文字・記号はイタリック . ただし , 文字の肩や底に付ける小文字は立体 リオドを付けない形式のものもある ). わりに適当の句読点を打っ ( ただし , 文の最後が数式であれば , その終わりにヒ。 イ ) 数式の句読点 : 数式は句・節・文と同様にみなすべきで , 必要に応じて式の終 とする : 十 , Ax 十 Bv 十 C = O T8 十 D 十 Hb = 2 Le などの記号が行の切れ目になる場合 , これを行の終わりに置 くか次行の初めに置くかを統一する . 2 つ以上の数式を続けて上下に並べる時は = の所でそろえるか , または各行の中 央に置くかに統一する . 2 ホ ) 分数は 2 / 5 のようにし , 5 92. 数字の書き方と並べ方 イ ) 一群の小数・帯小数を縦に並べる時には小数点の所でそろえる . 1 以下の小数を書くには , 一位の所に必す 0 を置く ( 0.52 を . 52 としない ). 2 ハ ) 分数の形式・・・・・・例 : とせす 2 / 15 とする ( 植字の手数が省ける ). 15 ニ ) 小数点の打ち方・・・・・・例 : 10.52 ・・・・・・ただし , ドイツ語論文では , 10 , 52 が普通であ る ( 米英式に書く人もいる ). フランスでは , 両形式が同じくらいに用いられてい る . ホ ) けた数の多い数字 : 時と場合により , 次のような種々の書き方の中から適当な 形式を選ぶ . ただし , 年号の場合には , コンマを付けたり間をあけたりしない . としない . ロ ) ニ ) 1800520. 32423 1 , 800 , 520. 32423 1 800 520. 32423 1 800 520. 324 23 英 , 仏
第 7 編特殊事項の表示形式 注意 : 21 から 99 までの基数 : twenty-four ハ ) 数字で書くとまぎらわしい場合 : five 60-watt Mazda lamps 〃序数 : twenty-fourth 分数 : 151 ( 2 ) ( 3 ) one half ( 1 / 2 ) , two-thirds, one-tenth, two pounds and a half (=two and a half pounds) ( ただし , 1/2-inch pipe) 数を数字で書くべき場合 : 測定・観測・換算・統計などの正確な数字 : 5. 6kg , 86 。 C , 35per cent 3 位以上の数 : 203 specimens ( ただし概数は about two hundred specimens のように ) 2 位以下の数でも , そばに 3 位以上の数がある場合 : The readings in those cases were 7 , 35 and 251 respectively. 数字が多く続く場合 : 60 specimens, 56 males and 4 females 小数・帯小数 : ?. 38 0.22 べージ・行・図・図版・巻などの番号 : page 23 , line 5 , figures 23 to 45 , volumes 1 and 2 試験材料・実験などの番号 : patient no. 31 , experiment no. 2 , station 3 日付け・時間 : September 21 , 1973 Cst, d, th を日数の後に付けなくとも よい . コ 21. ⅸ . 46 「表などの中で ] 7 : 00 a. m. 3 : 30 p. m. 数を複数として扱うか単数として扱うか・ 1 以上の数は複数で , 1 以下の数 は単数で扱う ( ただし , 単位の略字には複数形はなく単複数同形 ) : 1 1 / 4 inches one and a half miles 1. 1 meters ( 1. 1 m) 0.5 meter ( 0.5 m) 1 以上の数値でも , それ全体を一つの量とみる時は単数と取り扱ってよいが , 複雑だから , それよりも文章を書き換えた方が賢い・ To each vessel 30 ml of the solution was added. とするよりも Each vessel received 30 ml of the solution. とする . 95. 日本文中の数の表し方日本文中の数字には原則としてアラビア数字を してもよい . 表や脚注などの中では , 概数たとえば約 520 というのを approx. 520 または ca. 520 と 図・図版・表の番号を本文中に書く場合については 75 を参昭
第 2 編論文にまとめるまで は値が規則正しく変動していても , 補外法の適用はほとんど無意味である . た とえば , ある微生物の酸素消費量が 15 。から 37 。までの間では , 温度上昇につ れて非常に規則正しく増加するという結果が出たとしても , もし一方において 40 。近くではこの徴生物の増殖が減退するという事実がわかっていたとするな らば , その温度のあたりでは代謝にも当然異常が予想されるから , 37 。以上に 温度を上げた場合の酸素消費量を 37 。まで測った結果から補外法によって予想 することは困難である . 17. 事象 ( 群 ) 間の数値比較の場合ある事項についての数字を 2 つ以上の事 象や群の間で比較する場合には , 次のようなことについて注意しなければなら ない . ( 1 ) 数値の単位が各群同じ価値を持っているかどうかを確かめること . た とえば , 日本の年間貿易額を調べるのに , 数字だけを見れば第 2 次大戦後非常 に増加しているようであるが , 円の価値が戦前より低下しており , しかもこの 戦後の低下が急激に一度に来ただけで , それ以後一定だったというわけではな いから , 金高だけからは容易に結論を引き出すことができない . ( 2 ) 部類分けをする時の判定の基準が各群一様であるかどうかを検討す る . たとえば , 各国の強盗罪の件数や種類を比較するのにも , 国によって犯罪 の分類法や裁判所での扱い方が違うからそう簡単にはいかない . また , 肺結核 に対する抗結核剤の効果が病気の軽重によってどう違うか研究した結果をほか の人の報告と比較する場合 , たとえ病気軽重の分け方が両者同一 ( たとえば , ごく軽い , 軽い , 中等度 , やや重い , 重い ) であっても , 軽重の程度を決めた 基準が両者同じであるかどうか注意して検討しなければならない . また , 癌患 者数が毎年増加していくような数字を示していても , それは単にこの病気の診 断が年とともにだんだん正確になって , 以前なら不明としたり他の病名を付け たようなものをも多く含んでいる結果 , 実際は減少しているのに , みかけ上増 加しているように見えることがあるかもしれない . ( 3 ) データを集めた方法が同一であるかどうか吟味する . たとえば , A と B 両地方の結核患者死亡率を比較する場合 , もし A における統計が死亡診断書
18 第 2 編論文にまとめるまで と並べ , そのさい幅になんらかの順序が認められるかどうかにより関係をだい たい知ることができる . 相関図表はこのような方法をもっと精密にしたもので ある . かくて , なんらかの関係があることがわかったら次はどのような , また どの程度の深さの関係があるかを明らかにする必要がある . これが相関係数の ばしばおちいりやすい過失を次に述べる . 方や解釈を誤るとかえってとんでもないことになる . その初歩的な , データを統計的に処理することは非常に価値のあることであるが , その使い (C) データ処理に関して犯しやすい過失 役割である . しかしし ないもの , 男女の別 , および父兄の職業 ( 農業・非農業の 2 つに分けて ) の間の関係を ある男女共学の高校でちょうど 1000 人の生徒について , 上級学校進学希望者とそうで かはわからない . いとすぐ気が付くが , 次のような場合にはちょっと見ただけでは正しいかどう 500 人という結果がもし出たとしたら , 途中のどこかに誤りがあったに違いな たとえば , ちょうど 1000 人について男女の性別を調べたところ , 男 550 人女 ある . 検算方法はデータの性質やその複雑さの程度によっていろいろである . 切なのはその数字が正しいかどうかをできるだけ注意深く確かめてみることで 16. 一般的注意 ( 1 ) 検算 : 数値を統計的に処理する前に何よりも大 知ろうと思って調査し , 次のような表にまとめた . 進学希望のない者 661 進学希望のない農家 366 非農家 進学希望の男 565 310 男 男の非農家 586 205 進学希望の男の非農家 205 この表をちょっと見ただけでは数字に誤りがあるかどうかわからないが , 進学希望の男 の非農家 205 というのを鍵にして下記のような細別の数字を順に算出することができた . 進学希望の男の非農家 進学しない男の非農家 進学希望の男の農家 進学しない男の農家 205 90 105 186
X111 次 87. 曲線の引き方とその平滑化・・ 88. 製図上の諸注意・・・ ・ 143 ・ 144 84. 座標軸の選択・・・ 85. 方眼紙の選択・・・ 目盛の選択・・・ 86. 第 7 編特殊事項の表示形式・ 89. 一般的注意事項・・・ 90 ・内容区分の見出し・・・ 91. 数式の書き方・・・ 92. 数字の書き方と並べ方 93. 有効数字と誤差・・・ 94. 英文中の数の表し方 95 日本文中の数の表し方・・・ 第 8 編原稿の仕上げと校正・・・ 101. 原稿の清書・・・ 102. 原稿の点検・訂正・整備・・ 欧文雑誌略名一覧・・ 付録 I 英語論文文範集・ 付録Ⅱ 論文第 1 ページ関係事項・・・ (A) ・ 176 序 ( B ) ・ 178 ⅱ間・ 謝辞・・・ ( C ) ・ 183 材料・方法・・・ (D) ・ 186 (E) 実験の実施・結果・・・ ・ 188 ・ 140 ・ 140 ・ 142 ・ 147 ・ 152 ・ 153 ・ 155 ・ 156 96. 略字・記号についての注意・・ ・ 147 97. 単位および量を表す記号・・・ ・ 147 98. 動植物名についての一般・・・ ・ 149 99. 命名規約・・・ 149 分類学論文における特別の印 100. ・ 150 刷形式 150 ・ 151 159 161 ・ 163 ・ 167 ・ 168 ・ 176 ・ 189 ・ 193 ・ 197 ・ 200 ・ 200 203 校正刷・・・ 103. 校正記号・・・ 104. ・ 161 ・ 161 二一一口 合結 し論 表討要表記 図検 をの献 果果 結結摘文追