233 ようになることを示せ . ö2Ey 題 ″öEy ー E 上式の左辺第 1 項が無視できる場合 , 上式の答は となることを示せ . 工 COS Ey = Eo exp ら 30km の場所におけるポインティングべクトルの平均値く S 〉と電場振幅を求め 6. 人工衛星に積んである出力 1kW の送信機から等方的に電波が出ている . 衛星か 5. 光を完全に反射する鏡が受ける光圧は , 完全に吸収する物体が受ける光圧の何倍 7. 面ぇ = 0 に一様な面密度びで電荷が分布している . これをェ軸に沿って速度一 よ . いえよう . 1831 年の電磁誘導の発見にしても , 電流が磁気を生むのだから磁気 に , 彼は既成の概念にとらわれることなく , 自然の本質に迫ることができたと アラデーは数学や科学の素養に欠けるところが多かった . しかし , それだけ 彼の理解を得て科学研究の道に入った . このような経歴の人であったので , フ 義のノートを添えて実験手伝いにでも雇って欲しいとデーヴィーに頼みこみ , 王立研究所のデーヴィーの公開講義を聞く機会があった . 熱心にとったこの講 けなかった . 製本屋の見習工をしながらいろいろな本を独学しているうちに ファラデーは , ロンドン近郊の貧民の子として生まれ , 正規の学校教育を受 完成したのは , マクスウェル (). C. Maxwell, 1831 ~ 1879 ) である . 道を開いたのは , ファラデー ( M. Faraday , 1791 ~ 1867 ) であり , その理論を 本書で勉強してきた電磁場という場の概念によって電磁気現象を理解する ファラデーとマクスウェル で運動しながら見ると , ぇ > 0 はどのような電場 , 磁場が観測されるか .
132 5. 静磁場 ( 5.27 ) 盟加 = ,uom = goIS とおけば , 式 ( 5.26 ) は磁気モーメント盟加に はたらくトルクの式 ( 5.4 ) にほかならない . うして , 面積 S を囲むコイルに流れる閉電流 / にはたらく力は , 磁気モーメント盟加 = goIS に はたらく力と等しいことがわかった . すなわち , この電流は , 磁場からカを受けるという点では , ' こで , 磁気モ 磁気モーメントと同等である . ーメントの方向と電流の流れる向きとの関係を 頭に入れておこう . このように , 電荷の回転と 磁気とは密接に関係していることがだんだんと わかってくる . [ 問 5 ] 半径 5 cm の円形コイルに 10 A の電流 が流れている . このコイルと等価な磁気モーメント を求めよ . 5. 5 電流の作る磁場 [ 答 : 5 ー 25 図大きなコイル電流を 微小コイル電流へ仮想分割する . この反作用として , 磁 カ = 9.9 x 10 ー 8 Ⅵ市 m ] 磁石の近くに流れている電流には磁気力がはたらく . れる . このことは , 1820 年 , 工ールステッドの実験によって確かめられた . そ 石に対して電流からカがはたらく . すなわち , 電流が磁場を作ることが期待さ の結果によると , 電流が流れている導線の周り においた磁針には , 5 ー 26 図のように導線の周 りを回転するような磁場が生じる . このように 電流の作り出す磁カ線は閉曲線をなしているこ とが , 磁石が作る磁カ線と異なる大きな特徴で ある . 電流の作る磁場を定量的に調べるには , 電流 の微小部分が作る磁場がわかればよい . この磁 0 5 ー 26 図電流のまわりに置 いた磁針の向き
い . 2 電流の場 [ 例題 ] 半径〃 , 区 > のの同心球殼 A , B の電 極の間に比抵抗 p の一様な電解質溶液を満たして ある . 電極間の電気抵抗を求めよ . [ 解 ] AB の間に電池をつなぎ , A から B へ電 解質溶液中を電流が流れるとしよう . まず , 電流線 は A から出発して B へ向かう . その分布の様子は , 系が球対称であるから , やはり球対称である . すな わち , 電流線は半径方向の直線となり , その密度は 方向によらない . そこで電流密度としてはル ( わの みを考えればよい . さて , 半径の球面を電解質溶 液中にとると , この面を通って溶液中を流れる電流は / = 4 2 ル ( の である . 溶液中では電荷は発生消滅しないから , この値はによらない . すなわち 4 尸 である . オームの法則 ( 4.6 ) によれば , これに対応して電場 E イわ = 4 兀尸 が存在するはずである . AB 間の電位差は , これから である . 定義レ = により 93 6 同心球殼電極と電流線 4 ー 10 図 ( 4 . 7 ) 可 1 4 兀 17 となる このように , 電荷保存則を用いて電流密度の場の形をまず求め , それからオ ームの法則によって電場を推定するという場合もある . ここでも , 場の法則を 縦横に使いこなすことが大切である . 電位差 / 抵抗 = 電流という考え方にし がみついていたのでは , 動きがとれないような問題でも , 別の考え方をすれば 途が開ける . [ 問 3 ] [ 例題 ] の場合 , 電解質溶液の誘電率を E とするとき , 電極 A にある電 荷 Q を求めよ . [ 答 : 式 ( 4.7 ) から , D , ( = p ゴ / 4 2. これを半径 ( 4 < くのの球面に
4. 定常電流 88 C の電荷は IA の電流が ls に運ぶ電荷と定義する . しかし , これはいろいろ な理由から単位系をもっともすっきりと構成しようとするために選ばれた約束 である . 電磁気学の体系を勉強する立場からは , 電荷という概念がまずあり , その流れとして電流を考えるということでよい . [ 間 1 ] IA の電流が 1 時間流れた . 運ばれた電荷の総量を求めよ . [ 答 : 3. 6x 103C. IA の電流は容易に流すことができる . 静電気 では IC は非常に大きな量であった . 電流の運ぶ電荷量はかなり大きくなりうる . ] 4 ー 1 図のように点 A を右向きに電流が流れているときに , 正の電荷 ( イオ ン ) が右向きに流れている場合も , 負の電荷 ( 電子やイオン ) が左向きに流れ ている場合もある . 正負両方の電荷が流 れている場合もある . 導線の一部を考え て , 左端ではん右端ではムの電流が 流れているとすると , 電荷の保存則によ りこの部分の電荷 Q の時間変化は で与えられる . 電荷の流れは電場によって引き起こされるから , 定常電流とい うことは電場も , またそれを作る電荷の空間分布も , 時間的に変化しないとい うことである . したがって , ( 定常電流 ) が成り立つ . 静電誘導の場合とは違って導体の 端から電荷の出入があれば , 導体中に静電場が あり , かっ定常電流が流れていることが可能で ある . [ 問 2 ] 3 本の導線が 4 ー 3 図のように結ばれ , 定常電流が流れている . ム = 2.5 A, ム = 4.7 A で あった . / 2 はいくらか . 三主 dt 4 ー 2 図 電荷の変化と電流 ( 4.1 ) ( 4.2 ) 4 ー 3 図 回路の結び目と電流
2.5 静電気工ネルギーと電場のエネルギー Ue = ueSd である . 一方 , 式 ( 2.16 ) に電気容量の式 ( 2.9 ) を代入し ue(r) =—LE(r)2 て書き直すと , = Ed を使っ 57 EOS E の 2 = 2 一 E2 Sd となる . したがって , 2d ue 2 とすればよいことがわかる . もっと一般に , 電場が場所によって変化するよう な場合も , 電場の値が E(r) であるような点の近傍には , ( 2.17 ) 2 で与えられる密度の静電気工ネルギーが分布していることを証明できる . [ 問 2 ] [ 問 1 ] のキャパシターの極板の面積は 1m2 , 間隔は lmm であった . エネ ルギー密度を求めよ . [ 答 : E = 巧イ = 1.0 x 105 V/m. = 4.5 x 10-2J / m3. これは [ 問 1 ] の答を立 = 1.0x 10 ー 3m3 で割った値に等しい . ] このようにして , 静電気工ネルギーは電荷が担っているとも , 電場が担って いるとも考えられる . 静電気学の範囲内ではどちらで考えてもよい . ただし , どちらかで考えるのであって , 両方考えて加え合せたのでは数えすぎになるか ら注意しなければならない . しかし , 後になって時間的に変動する電磁場を扱 うと , 電磁波のように電荷がなくても電場が存在する場合がある . このような 場合でも , 電場はエネルギーを担っていると考えられ , その密度は式 ( 2.17 ) で与えられることがわかっている . このように , 電場がエネルギーを担うとい 担うという考え方で求めてみよう . 球の中心から r の位置では こでは場がエネルギーを [ 解 ] 上に述べた 2 つの考え方によって計算できるが , [ 例題 ] 半径の導体球が電荷 Q をもっときの静電気工ネルギーを求めよ . を勧めたい . う考え方の方がより広い範囲で使えるので , その考え方に早く慣れておくこと
当 2.4 キャパシターと電気容量 53 ように , 孤立した導体というのは , キャパシターの相手の導体が無限遠にある 場合とみなすこともできる . このとき , 無限遠のことを明らさまにはいわない で , CA のことを孤立した導体の電気容量という . たとえば , 孤立した導体球の 電気容量は C = 4 04 である . [ 問 4 ] 地球を半径〃 = 6.4 x 106m の導体球と考えて , その電気容量を求めよ . [ 答 : 7.1 x 10 ー 4 F. 1 F という電気容量がどんなに大きなものかわかる . ] キャパシターの 2 つの極板を電池の正極と負極に接続すると , 正極に接続し た導体には正 , 負極に接続した導体には 負の等量の電荷がたまる . これを図式的 に書くと 2 ー 17 図のようになる . 第 4 章 で述べるように , 電池は両極の間に協 という電位差を作り出すはたらきをもっ ているから , この電位差がキャパシター キャパシター の極板間の電位差と等しくなるまで電荷が移動する . Q = CV = CVe 2 ー 17 図キャパシターの充電 すなわち ( 2.13 ) として , 士 Q の電荷が蓄えられ る . このことをキャパシターを充 電するという . 実用上は , いくつかのキャパシ ターを導線で接続して使うことが ある . 個々のキャパシターの電気 容量が与えられたときに , 全体を ーっのキャパシターとみなしたと きの合成電気容量は次のようにし 2 ー 18 図キャパシターの並列接続 て求められる . まず , キャパシターの正の極板同士 , 負の極板同士を一まとめ にするような接続を考えよう . これを並列接続という ( 2 ー 18 図 ). この場合 , / 番目のキャパシターの電位差を協とすると , それらはすべて等しい . すな
182 6. 電磁誘導 これは , 磁石の作る磁場のエネルギーの式 ( 5.20 ) と一致している . すなわち , 磁石によるものにせよ , 電流によるものにせよ , 磁場が存在する空間には式 ( 6.30 ) の密度でエネルギーが分布している . エネルギーとしては , 磁石や電流 が担うか , 磁場が担うかどちらかを考えるのである . 両方を同時に考えたので は数えすぎになることは , 電場の場合と同じである . [ 問 2 ] [ 問 1 ] のコイルが , = 5 x 10 ー 3m , / = 2 x 10-2m , ル = 4 x 102 , ″ = 3 x 103 のソレノイドコイルであったとする . 4 加を求めよ . [ 答 : が / = 1.6 x 10 ー 6m3 , 加 = しな / = 106J / m3. または , B = 〃 NI, 〃 = 1.1 x 102T. ″。 = B2 / 2 ″ = 1.7 x 106J / m3 ] 電源がなくて , 電磁誘導起電力のみによって電流が流れている場合はどうで あろうか . 自己誘導は電流を流すのを妨げるようにはたらくから , 電流を流す 仕事は外部磁束の e の変化によらなければならない . このとき , 回路の電流の 式は となるから , d の e / を掛けて積分した式は = 沢 / 十ん 沢 / 2 十 - ( ん / 2 ー以 02 ) の。 ( 0 ) となる . 左辺は外部磁束の変化による誘導 起電力のした仕事である . エネルギー保存 則によればこの左辺の仕事はなんらかの機 構により供給されているはずである . 例として , 静止している磁束中をコイル が動く場合を考えよう . 電流 / が流れてい るコイルの微小部分 As には , = IAs >< のローレンツ磁気力が外部に源をもっ ( 6.31 ) L1s 4 磁束密度既からはたらく . この力に逆ら 6 ー 27 図磁場中のコイルを 動かす仕事
8 1. 静電 場 巨視的には連続的とみなすことができる . [ 答 : 個数ル = 4 / e = 6.3 x 109. N/. ル = 1.0 x 10 ー 14 ] 数 NA = 6.0 x 10 四と比較せよ . トに移った電子の個数を求めよ . その値を 1 モル中の原子の個数であるアポガードロ [ 問 2 ] 工ポナイト棒をこすって , 4 = ー 1.0 x 10 ー 9 C の負電荷を得た . 工ポナイ 1.3 電場 2 つの点電荷ク A , のの間には , ク ーロンの法則にしたがう電気力がは たらく . この力は , 2 つの電荷をも つ物体が接触していなくても , 途中 の空間を飛び越えて直接作用する . この考え方では , とが 2 つ存 在してはじめて力がはたらくのであ って , だけが存在している場合に は何事も起こらない . しかし , 次のように考えることも できる . 点 B に電荷のが置かれる と , その周囲の空間にわたって , QB が存在しない場合とは異なる電気的 qB 43 BA 遠達カ qA 電場 ( b ) 電場を介してのカ 1 ー 5 図 状況が作られる . そういう状況にあるとき , 点 A に電荷をもちこむと , そ れに対して電気力がはたらく , というように考えるのである . 一般にある物理 的状況が空間にわたって分布しているとき , 場が存在するという . たとえば , 水槽の中に水の流れがあるときは , 流れの場があるという . いまの場合は , 電 気的状況の場 , すなわち電場 * を考える . この言葉を使えば , 点電荷 電界ということもある . 電気工学では電界という . 明治時代に学問を輸入したことの名残である . ともに , electric field の訳語である . 物理学では電場といい ,
rD ー司 3 BA [ 答 : FAB = QAQB()B ー rA ) / 4 引 rB ー rA13 [ 問 3 ] からにはたらくカ FAB を求めよ . となる . lrA ー rBl は , 距離 rAB である . 4 応 eo rA QAQB(rA 5 ( 1.4 ) BA べクトルを解析的に表わすには , 直交座標軸 ( ェ , 2 軸 ) を設定し , 各方 向の成分を用いるのが便利である . べクトルを rA = ( ェ A , YA, み ) というよう に表わせば , 4 兀 Eo rA ー rBl のようになる . もちろん , lrA ー rB 3 ()A ー YA BA である . [ 問 4 ] 面内の点 A ( 4 , 1 ) に = 2 gC ( 1 gC = 10 ー 6 C) , 点 B ( 1 , 0 ) = 3 〃 C の点電荷がある . FBA の 各成分を求めよ . ただし座標の単位は 如 , みー ZB) 18 。 ( 1.5 ) 1 m である . = 5.1 x 10 ー 3 N, F BA' [ 答 : FBA,x = 1. 7 x 10 ー 3 1 ー 3 図クーロンカの例 のように分布しているかといった問題は , 物質の構造と深く関わっている . 電荷の集りである . 物体にどうして摩擦電気が生じるのか , 物体中に電荷がど んの原子の集りである . したがって , 物体のもつ電荷は微視的には原子がもつ 巨視的尺度では点とみなせるような物体であっても , 微視的に見ればたくさ い . 2 電荷 [ 答 : FBA = 5.4 x 10 ー 3 N, ェ軸となす角度は 18 度 ] [ 問 5 ] [ 問 4 ] で求めたべクトルの大きさと , ェ軸に対する角度を求め図示せよ . N. み = = 0 だから FBA, 考
4 .4 電流の熱作用 ンユーノレ熱 99 過する電荷 / に対して電場がする仕事 , すなわち仕事率ルは , 流れているとしよう . AB の電位差をレ = ーとすると , 単位時間に通 ル = / = R12 である . Ⅳの単位はワット (W) で , 1 W = 1 J/s である . おいて消費されている電力である . ( 4.10 ) これが導線 AB に [ 問 1 ] 特殊合金ニクロムで作った R = 250 の抵抗線がある . 両端の電位差 / = 100 V のとき , 消費電力を求めよ . [ 答 : 400W ] 式 ( 4.10 ) で与えられた電場による仕事は , まず担体を加速する . しかし , 定 常電流でオームの法則が成り立つような場合には , 担体の 運動エネルギー自体は時間的に一定で増加しない . したが って , 受けた仕事と等量のエネルギーが熱となって発生す る . 用いられる . [ 問 1 ] のニクロム線の熱発生率を求めよ . [ 間 2 ] 熱の単位としては 1 cal ( カロリー ) = 4.2 J がよく り , 導線の温度が決まる . 導線の温度が上がるとその電気 発生したジュール熱と , 環境への放熱とのつり合いによ 4 [ 答 : 9.5 x 101Ca1 / s ] 抵抗は増加する . いくとき , 電流値 / はに比例しなくなる . 電場 電 導 環 ー 15 仕事 子 体 放熱 境 執とエネル 図ジューノレ [ 問 3 ] 電球のフィラメントのように導線の温度が環境温度よりもずっと高いとき は , 熱放散率Ⅳ ' は熱放射によりⅣ ' = cT4 である . R = aT として / ととの 関係を求めよ . [ 答 : レ 2 / R = Ⅳ ' から , T = ( 曜 c ) 1 / 5. R = が / 5c ー 1 / 5 レ 2 / 5 / = 心 4 / 5C1 / 5 い / 5 となる . ] 電流が分布している場合には , ジュール熱も電流が流れている領域にわたっ