2 ー 4 行列式 行列式れ次の正方行列ス = ( 丐 D に対して , 〃 11 421 4 れ 1 な 12 な 22 4 れ 2 な 1 れ 42 ” で表わされる数を導入し , 次の行列式とよぶ . スの行列式を , ー川と書く . 次の行列式はれ一 1 次の行列式を使って定義される . ( 12 ペ の々の小行列式といい , M. とかく . また , 小行列式々に ( ー以 + 々をかけたも 定義を紹介した . ) 行列式のからノ行ん列を除いて得られるれ一 1 次の行列式を 2 ー 4 行列式 ージでは , 他の det または ( 2.6 ) のをの余因子といい , Cjk とかく . 定義より , Cjk = ( ー 1 ア + 々 M 余因子 c を使って , れ次の行列式 ( 2.6 ) は , D = 丐 IC れ十丐 2q2 十・・・十の C ・ プれプれ 0 = 1 , 2 , ・ ( ん = 1 , 2 , ・ ( 2.7 ) ( 2. 8 ) のん CI ん十の々 C2 々十・・・十な C この表式をラブラス展開という . と定義される . 行列式の性質 1 ) 2 ) 3 ) 4 ) 5 ) 6 ) 行と列を交換しても行列式は変わらない : い町 = いし 任意の 2 行 ( または 2 列 ) を交換すると , 行列式は符号だけ変わる . ある行 ( または列 ) の要素がすべて 0 ならば , 行列式は 0 である . どの行で展開しても , どの列で展開しても行列式は変わらない . 2 つの行 ( または列 ) の対応する要素が比例しているならば , 行列式は 0 1 つの行 ( または列 ) の各要素を 4 倍すれば , 行列式もな倍になる . である . 7 ) 任意の行 ( または列 ) のすべての要素に同じ数をかけて , これを他の行
22 2 べクトルと行列 2 ) すべての要素が 0 である行列をゼロ行列といい , 単に 0 で表わす . 3 ) 正方行列ス =@D で , すべての非対角要素丐ん 0 半のが 0 のものを対角 行列という . 特に , すべての対角要素魵が 1 の対角行列を単位行列といい , 1 または E で表わす . 4 ) 行列スの行と列を入れかえて得られる行列をスの転置行列といい , AT で表わす . すなわち , = ( 丐 k) ならば , ス T = ( ). 正方行列 A は , ス T = ならば対称行列 , ス T = ーならば反対称行列または 交代行列とよばれる . 5 ) 行列 =@D のすべての要素を , その複素共役 * で置きかえて得 られる行列を , スの複素共役行列といい , で表わす . 正方行列スは , AT = ス * ならば , 工ルミット行列 , AT = ース * ならば反工ル : ◎冗 3 P@恫セーー行列の積 、ツ を使えば , 工ルミット行列はす = ス , 反工ルヾ こなって得られる行列をエルミット共役行列といい , で表わす . ミット行列という . 次の記法もよく用いられる . 転置と複素共役とを同時にお この記法 ト行列は郊 = 一丸 行列の積がわかりにくいという声をよく聞く・少し説明を補足しよう・ ーあるが , 積召は定義されない・また , 積 B と積お鳳がともに存在しても , 例えば , 行列が 3 x 4 行列 , 行列召が 4 x 2 行列ならば , 積 AB は 3 x 2 行列でミ ー積 B が定義されるのは , の列の数と B の行の数が等しいときだけである・ i : ることを意味しない・例えば , 次の A,B はゼロ行列ではないが , B = 0 である . ! : 次のことも注意しておきたい . AB = 0 は必ずしも , またはおがゼロ行列であ : ー「積の非可換性」であり , 量子力学で興味深い役割を果たすことになる・さらに , ー ミ般には AB と BA は等しくないふつうの数の演算と大きく異なるのは , このミ
29 2 ー 4 行列式 0 ー 0 1 0 0 1 0 0 67 0 0 1 十算間違いは誰でもするのだから , 検算をする習慣 ( 特に逆行列等の計算では ) を身につ けたし、 . TO err is human, to forgive divine. 1 「う題 2 ー 4 Ⅲ日日日日日日日ⅡⅱⅡⅢⅢ日日日日日日Ⅲ日ⅢⅢ日 [ 1 ] 次の行列の行列式と逆行列を求めよ・ 3 [ 2 ] 次の行列式を計算せよ・ 4 ー CO っ -1 00 4 ーワ 3 ( 2 ) ( 1 ) っ・ 4 L.0 00 CO 1 ワワ 1 っ 4 1 CO CO 1 宀ワワ -4 1 人一 4 CO ワ 1 8 ( 2 ) ( 1 ) 1 十ェ 1 -1 1 1 1 1 1 7 ー tO 2 1 1 ( 3 ) 2 1 十ェ 4 [ 3 ] 次の行列で , 逆行列が存在するならば , それを求めよ・ 1 2 3 4 5 6 2 3 2 2 4 3 7 8 9 [ 4 ] 次のことを示せ・ ( 1 ) 直交行列の行列式は 1 または一 1 である・ ( 2 ) 直交行列の積は直交行列である・ ュニタリー行列の行列式は絶対値 1 である・ ( 3 ) ュニタリー行列の積はユニタリー行列である・ ( 4 ) べクトル積お xC とスカラー 3 重積ス・ ( xC ) を行列式を使って表わせ・ [ 5 ] 1 十ェ 2 1 -1 1 ( 4 ) 1 十工 3 1 1 1 ( 2 )
27 2 ー 4 行列式 例題 2 ・ 4 2 次 , 3 次の正方行列に対する行列式のの表式を求めよ・また , の半 0 と して , 逆行列亠 1 の表式を求めよ・ [ 解 ] まず , 2 次の行列式 1 2 小行列式と余因子の定義より , について . C11 = ( ー 1 ) 1 + いム 1 = な 22 , C21 = ( ー 1 ) 2 + 14 21 12 , よって , ( 2. 7 ) でノ = 1 とおき ( 第 1 行についての展開 ) D = な 11C11 十な C = なな 逆行列は , D 半 0 として , ( 2. 1 のより , 1 C11 C21 の C12 C22 2 2 C12 = ( ー 1 ) 1 + 2M12 C22 な 1 ー・な 12 な 21 12 12 1 1 22 1 の 1 2 2 2 21 次に , 3 次の行列式 な 21 について・小行列式と余因子の定義から , C11 = ユ 1 1 3 2 3 2 2 3 2 31 な 23 な 32 な 33 な 21 な 23 住 31 な 33 C13 = 43 な 31 な 32 よって , ( 2. 7 ) でノ = 1 とおき ( 第 1 行についての展開 ) D = な 11C11 十な 12C12 十 3C13 な 31 な 33 3 2 3 3 な 11 〃 22 な 33 十な 12 な 23 な 31 十ななな な 11 な 23 な 32 13 21 3 2 逆行列は , 刀半 0 として , ( 2. 1 のより , な 12 な 13 2 2 1 3 1 2 C31 = 31 21 3 3 3 2 23 2 2 な 21 な 23 1 3 11 C22 = 」イ 22 12 1 2 3 2 3 2 33 31 2 2 12 11 12 C33 = 4 33 2 3 2 3 3 2 2 2 21 2 2 2 2 十な 1 3 2 な 12 な 21 な 33 ーな 13 な 22 な 31 3 2 12 2 2 3 3 23
= @1 , ど 2 , 固有値方程式 をつくる・ より , だから , 2 ー 6 行列の固有値と行列の対角化 例題 2.7 実対称行列 =@D が相異なる固有値ス 1 , ス 2 , ・ , んを持っとき , 固有べク レ = 協 4 , トルリ々から作られる直交行列によって対角化されることを示せ・ [ 解 ] 固有べクトルを横に並べて , 行列 スんリ々 なこり々 1 2 2 2 れ 2 0 ( ん = 1 , 2 21 ( 1 ) ( 2 ) ( 3 ) 行列は をみたす・ 0 0 ノ 4 = ( 4 ) の転置を考えると , ん半ス々 0 半めと仮定したので , ( 6 ) より , に巧ノ々 = い巧” 得る・この式の両辺の 0 , 々 ) 成分は , ( 4 ) の左からいをかけた式と , ( 5 ) の右からをかけた式を比べて , レ T = VT い巧 T = い 4 ( ロ ) T = いであるから , まず , は直交行列にとれることを示す・ ( い巧” 0 半々 ) ( 4 ) VT 4 = レ T を ( 5 ) ( 6 ) ( 7 ) AT = , ( 6 ) でノ = 々としたものは単なる恒等式である・したがって , 行列いの対角要素 ( に巧 = ( 妬 ) 2 は任意であり 0 にならないから , 大きさを 1 に選ぶことができる・ よって , ( 7 ) と ( 8 ) より , したがって , ( い巧ヵ 0 = 1 , 2 , ・ ( 8 ) い = ムすなわちは直交行列である・ ( 4 ) の左からいをかけると ,
26 2 べクトルと行列 ( または列 ) の対応する要素に加えても行列式は変わらない . 8 ) 4 おが正方行列ならば , い川 = いⅡ川 = 田Ⅱ川 . 線形独立れ次の正方行列スの行べクトル ( または列べクトル ) をの , 霍 2 , ・ としよう . detA=0 となるための必要十分条件は , 々 1 十々 2 十・・・十々れ ( 2.9 ) となるような , 少なくとも 1 つが 0 でない定数んん ・ , が存在することで ある . 条件 ( 2. 9 ) が成り立っとき , べクトル巧 , ・ , は線形従属 ( 1 次従属 ) であるといい , そうでないとき , 線形独立 ( 1 次独立 ) であるという . 逆行列れ次正方行列 = ( 丐 D の逆行列スー 1 は , 1 = リ = をみたす行 列として定義される . 行列は , 逆行列をもつならば正則であるという . 行 列式 D = det が 0 でないならば , 逆行列が存在し , の余因子 c を使って , C11 C21 1 C12 C22 1 , 2 , れ 1 れ 2 ( 2. 10 ) CI れ で与えられる . c の位置に注意しよう . 特別な行列正方行列スは , 三い * ) T = A ー 1 または = / をみたすとき , ユニタリー行列という . 実ュニタリー行列は直交行列とよばれる . すなわち , 直交行列は , ス T = スー 1 またはス T = / によって定義される . 直交べクトル 2 つの列べクトル れれ があるとき , ( ス * ) T お = の * カ 1 十の * わ 2 十・・・十〃。 * ならば , べクトルスとおは直交しているという . ュニタリー行列や直交行列 の列べクトルは互いに直交している . また , 行べクトルも直交している .
2 ー 6 行列の固有値と行列の対角化 AX = IX 固胥値と固有べクトル " れ行列 = ( の D に対して , 2 ー 6 行列の固有値と行列の対角化 ( 2.13 ) を満足する数スおよび列べクトル x ()* のが存在するとき , スを固有値 , x を 固有値スに対する固有べクトルという . ( 2. 13 ) は , / を単位行列として , いー初 x = 0 ( 2.14 ) と書くことができる . この式を満足する自明でない解 ()* のが存在するため の必要十分条件は , 係数から作られる行列式が 0 , すなわち , D(I) = det()—初 な 1 れ な 2 れ 421 〃れ 1 な 22 ーース 4 れ 2 ( 2. 15 ) ( 2.15 ) はスに対するれ次方程式であり , 固有方程式または特性方程式とよばれ る . 行列の対角化行列ス = ( 丐 D は , れ x ”の実対称行列い T = 川とする . 固有 値 ( ん = 1 , 2 , ・・ , のはすべて相異なる ( 縮退していないという ) として , それに 対応する固有べクトルをとかく , ⑦ = 1 , 2 , ・ ( 2.16 ) を固有値方程式とよぶ . 列べクトルを横に並べて , ( 2. 16 ) ( 霍 1 , 2 , ・ 11 21 れ 1 12 22 れ 2 1 れ 2 れ をつくる . 行列は直交行列で , 佐 1 スは固有値を対角要素とし , 他の要素 はすべて 0 である対角行列となる .
28 2 べクトルと行列 例題 2.5 次の行列に対して , D=detA と一 1 を求めよ . = 2 5 9 3 8 6 [ 解 ] 行列式の計算・ 7 4 1 の = 2 5 9 3 8 6 ー 13 ( 第 1 列での展開 ) ー 13 = 67 このように , 行列式を計算するには , 定義式どおりに行なうよりも , その性質 1 ) ~ 8 ) を使ってできるだけ簡単な形にしてから展開するのが賢い・ 行行 、 1 1 人 第第 X X っ】 00 行行 第第 一 4 -1 -1 0 0 一 5 8 ー 42 , C21 ー 10 , C31 = 43 = 15 , C22 ー 6 , C32 12 これらを ( 2. 1 のに代入して , である・ C11 C21 C31 ー 42 C12 C22 C32 15 67 C13 C23 C33 実際に , この行列が逆行列であることを検算してみよう・ ー 42 一 1 15 3 8 6 67 0 67 0 0 67 ー 10 13 = 1 , C23 = 13 , C33 13 00 1 0 っ 0 っ 0 1 0 0 1 1 0 1 0 1 0 0 67 67 / LO 8 -1 ワ っ 0 1 ワ】一 -0 1 -4 1 人 一 1 67
12 ー 1 , 1 基本的な知識 CO. 方′ ,a ん 行列式の他の定義 順列 ( 1 , 2 , ・・ , のに偶数回の互換をして得られる順列 ( カ 1 ゆ 2 , ・・ゆ n) を偶 順列 , 奇数回の互換をして得られる ( 煽カ 2 , ・・ , カ n) を奇順列という . 符号 6 ( カ 1 カ 2 ・・や n) は , ( カ 1 , カ 2 , ・・ゆ n) が偶順列のとき + 1 , 奇順列のとき一 1 をとるも のとする・例えば , ( 12 ) は偶順列 , ( 21 ) は奇順列であるから , 6 ( 12 ) = 1 , e ( 21 ) ” 1 カ 1 2 カ 2 すべての順列 の = 咆 1 カ 2 ・・・カンな このような準備のもとに , 〃次正方行列 = ( 丐 k) の行列式 D は , 全部で卍個の項がある・この定義に従って , 実際に 2 x 2 行列と 3 x 3 行列 ( ~ と定義される・和は , { 1 , 2 , ・・ , 司のすべての可能な順列についてであり , の行列式を書いてみよう . = 2 の場合 6 ( 213 ) = ( 321 ) = ( 132 ) = = e ( 12 ン 11 な 22 十 e ( 21 ) な な 11 な 22 12 な 21 12 21 = 3 の場合 : 順列 ( カ 1 ゆ 2 ゆ 3 ) は 6 個あって , e ( 123 ) = 6 ( 231 ) = 6 ( 312 ) ー ー 1 ・ な 31 な 32 2 2 な 33 よって , = e ( 123 ン 11 な 22 な 33 十 e ( 231 ンなな 十 6 ( 312 ン 13 な 21 な 32 十 6 ( 213 ン 12 な 21 な 33 十 ( 132 11 な 23 な 32 十 e ( 321 ) な 13 な 22 な 31 な 11 な 22 な 33 - トな 12 な 23 な 31 ヨ - な 13 な 21 な 32 12 21 33 ーななな ーな 13 な 22 な 31 1 1 23 32 12 23 31 行列式を考えだしたのはライプニノッ (). 、Ä,7. Leibnitz, 1646 ー 1716 ) である . のであるが , 1693 年ロヒ。タルに宛て 日本の関孝和 ( 1642 ごろー 1708 ) がそれ このことは , 外国の人名辞典 にも述べられている・ 以前に行列式を発見していたのは確からしい . た手紙のなかにはじめてあらわれた・ 彼は連立方程式の解法から思いついた
24 2 ペクトルと行列 題 2 ー 3 ll ⅱⅱⅱ日日日ⅢⅢⅱⅢⅢⅢ日Ⅲⅱ日Ⅲⅱ日Ⅲ [ 1 ] 次の式を計算せよ・ 十 2 4 3 一 ー 1 12 11 ( 2 ) 2 0 1 ワ朝 3 5 1 6 4 2 5 2 3 ( 4 ) ( 3 ) [ 2 ] ( 1 ) い + 召 ) T = + 召 T , ( 2 ) (AB)T=BTAT, ( 3 ) (AT)T=A, を示せ・ [ 3 ] 任意の実正方行列は , 実対称行列と実交代行列の和で表わされることを示せ・ [ 4 ] 〃次正方行列 = ( 丐 D の対角成分の和を , A のトレースといい , tr(A) とかく・ すなわち , CO ワ 1 00 ワ 1 1 1 1 00 ( 6 ) ( 5 ) tr(A) = な 11 十な 22 十・・・十な , 4 おをともに”次正方行列として , 次のことを示せ・ ( 2 ) tr(AB)= tr(BA) ( 1 ) tr(A + 召 ) = tr(A) + tr(B), [ 5 ] 召ー B = ( なは 0 でない数 , ーは〃次単位行列 ) であるような〃次行列瓦召は 存在しないことを示せ・