アインシュタイン - みる会図書館


検索対象: 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]
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1. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

索引 立体の数字は 5 巻『量子力学 I 』の , 斜体の 数字は 6 巻「量子力学Ⅱ』のページ数を示す ウィーンの放射式 104 運動量をあらわす演算子 209 278 アイソ・スビン アインシュタイン の光量子論 イ 7 び 182 イ 0 / 運動量空間 運動量表示 永年方程式 71 238 184 , 186 , 232 の式 アインシュタイン一ド・プロ 157 アインシュタイ アクセプター アポガドロ数 伐線 13 153 10 , 14 39 イ ン・モデル ーイの式 80 S 行列 328 , 329 n 型半導体 X 線散乱 エネルギー・ギャップ引イ 39 イ 141 , 143 106 エネルギーの量子化 エネルギー準位 107 , 189 , 193 , 195 エネルギー 工ミッタンス MO 法 378 380 85 線散乱 112 アンサンプル イオン 10 イオン化エネルギー イオン結合 10 異常ゼーマン効果 位相因子 223 位置をあらわす演算子 1 粒子近似 3 井戸型ポテンシャル 陰極線 11 ウィーンの変位則 2 7 7 54 128 , 352 106 189 幻 8 LCAO 法 379 ット演算子 235 工ルミ ット共役演算子 236 ト性 23 イ 演算子 99 , 186 , 278 , 237 と定数の積 の固有値 の和と積 2 / 9 222 2 / 9 遠心、カボテンシャル 黄金則 32 / , 323 288

2. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

182 ハイゼンベルクと アインシュタイン 行列力学 ( 6 ー 1 節参照 ) の建設は , ハイゼンベルクによる古典的軌道概念の 放棄宣言からはしまった . しかし , その根拠は電子の波動性ではなく ( コペ ンハーゲン学派の人びとはこの可能性に気づかなかった ) , ポーア理論に現 われる原子内電子の位置や公転周期は原理上観測不可能であり , 正しい量子 力学は観測可能な量のみで書かれるべきだ , というやや哲学的な主張であっ ゼンベルクに語っている . た . 同様の主張は , ートンの絶対時間を否定して特殊相対性理論を建設 したアインシュタインにも見られる . ある夜アインシュタインの自宅に招か れた若きハイゼンベルクは , この偉大な先輩が当然自分の理論に共鳴してく れるものと期待した . 意外にもアインシュタインの反応は冷く , 相対論の場 合に利用した哲学に深い意味はなく , 実際の時間測定法がどんなものかを思 い出すための方便に過ぎなかったというのである . アインシュタインは量子 論の発展に大きな影響をあたえた人であるが , 完成した量子力学が波動関数 を確率的に解釈し , ミクロな現象の因果的記述を放棄したことに強い不満を 抱いたのであった . 確率論はアインシュタインのプラウン運動論にも使われ るが , これは私たちの情報不足を補うためであり , 全知全能の神の眼には , プラウン粒子の運動も惑星の運動と同様に因果的に映るであろう . 一方 , 量 子力学によれば , たとえば図 7 ー 6 ( a ) の輝点が画面のどこに現われるか予測 不可能であり , 神といえどもダイスを振って答をお決めになるほかないとい らしく , 私には神がダイスを投げたもうとはとても思えませんがね , とハイ これはアインシュタインにとって容認しがたい自然観であった うのである .

3. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

80 3 50 1 2 NkB 100 150 ア ( K ) 200 250 図 3 ー 8 銀の比熱 . T → 0 で 0 になる ( 図 3 ー 8 ) . であたえられる . ポテンシャル・エネルギーの平均値も同様に計算され ぞれ独立に計算することができる . 運動エネルギーの平均値はもちろん ( 3.43 ) の形であるから , 運動エネルギーとポテンシャル・エネルギーの平均値をそれ ミルトニアンは , 原子の質量を襯として , ( 3. 13 ) の形になる . これも ( 3. 26 ) いま原子は軸方向に振動しているとすると , 振動のエネルギーをあらわす ことであり , これをアインシュタイン・モデルと呼ぶ . 近似は , 原子がたがいに独立に , しかし同し角振動数で単振動すると考える アインシュタイン・モデル固体内原子の振動を扱う場合 , もっとも単純な —kBT がえられる ( 読者みずから確かめよ ) . ( 3.43 ) に ( 3.51 ) を加えて , 振動エネルギーの平均値は カエ 2 十一〃 ( 3.51 ) ( 3.52 ) 原子は軸方向 , 軸方向にも振動できるから , 1 原子あたりの振動エネルギ ーの平均値は 3 た BT となる . 子振動のエネルギーは したがって N 個の原子をふくむ固体の場合 , 原 E = 3NkBT ( 3.53 )

4. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

108 4 量子論の誕生 固体の比熱アインシュタインが指摘したように , プランクの量子論は固体 の原子振動にも適用できる ( 1907 年 ) . 固体の場合には固有振動のモードは有 限個しかなく , 振動数に上限がある . これをとし , 温度 0D = (hVD/kB) を定 義できる ( デバイ温度 ) . OD 《 T の成立する高温では , すべてのンにたいし kBT 》んであり , ( 4.59 ) は古典論に帰着する . 固体の比熱が高温で古典論と一致す るのは , このためである . T 《 OD では , ん》々 BT を満足するンにたいして ( 4.59 ) は exp { ーんな BT } に 比例して急激に小さくなり , 熱エネルギーに寄与しなくなる . したがって , 上 限ン D の存在を忘れてよい . 低温で問題になるソの小さい振動は , となりあっ た原子の相対変位のきわめて小さい長波長のモードである . 固体を連続体と見 なしてその音波を考えればよく , 振動数と波長の間に ( 4.4 ) が成立する . これ は電磁振動のときと同じ形で , 光速を音速におきかえただけである . 低温における原子振動の熱エネルギーは , 本質的には空洞内の電磁振動のとき と同しように計算され , T4 に比例する . したがって , 比熱は T3 に比例して減 少することになる . このデバイ (). Debye) の T3 法則は実験的によく確かめら れているのである . 光子と光電効果空洞内の電磁波に話をもどそう . 波動べクトルた , 備りの 方向び , 振動数 = ( / 2 訒の固有振動モードに注目する . このモードのエネル ギーが量子化されていて , んの整数倍というとびとびの値に限られるという のが量子論の主張である . したがって , たとえば電磁波が空洞の壁によって吸 収・放出されるときにも , モードのエネルギーは図 4 ー 11 の階段を上下するの であって , エネルギー変化はんを単位にしておこる . アインシュタインはこ の状況をもっと物理的な言葉で表現した . つまり , 固有モードはそれぞれエネ ルギーんんをもっ粒子の集団であり , 空洞の壁がこの粒子を吸収・放出するこ とによってエネルギーが変化するというのである . アインシュタインはこの粒 子を光量子 ( light quantum) とよんだが , 現在では光子 ( ph 。 t 。 n ) という名称が 使われる . 空洞内部は光子の気体がつまっていることになる . ふつうの気体と ちがうところは , 壁によって吸収・放出されるために , 光子の総数が変化しう

5. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

1 う 6 6 粒子・波動の 2 重性 6 ー 5 ド・プローイの物質波 光の場合 = であって , アインシュタインの式 ( 6.21 ) によって光子のエネ ルギーと運動量の大きさの関係に翻訳すると E = ( 6.29 ) となる . 静止質量襯の自由粒子のエネルギーにたいする相対論的な表式 2 1 / 2 E = c [ 襯 2 ド十カ ] ( 6.30 ) と比較すると , 光子は静止質量 0 の粒子であると考えることができる ( このよ うな粒子は光速度で走る . 1 ー 7 節問題 1 参照 ) . ド・プローイは , この静止質量が 0 であるという相違点を除けば , 光子も電 子や陽子におとらず立派な粒子なのだと考えた . その光子が , 一方では波動性 を示すのであるから , 電子や陽子のような物質粒子も波動性を示すにちがいな いとド・プローイは推測した . 波動性の方に重点をおいて , 光は電磁波である というのであれば , 同様に電子も電子波という波動であり , 陽子も陽子波とい う波動なのである . その角振動数のおよび波動べクトルたは , 粒子としてのェ ネルギー E および運動量と , やはり ( 6.21 ) で関係づけられると考える . し たがって , 光の場合の = に代って , ( 6.30 ) に対応する式 が成立する . = c は m2 十々 2 ] 1 / 2 ただし ( 6.31 ) ( 6.32 ) であって , 2 応 / が静止質量襯の粒子のコンプトン波長である . 半 0 の場合 の波動を物質波 ( またはド・プローイ波 ) とよふのである . この 2 重性こそ量子論にとっていちばん基本的な事実なのであるから , ド・プ ド・プローイは一挙に物質全体におしひろげてしまったのである . このようにして , アインシュタインの場合には光に限られていた粒子・波動 の 2 重性を ,

6. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

コーヒー・プレイク XIV 量子力学Ⅱ目次 ハイゼンベルクとアインシュタイン ド・プローイと湯川秀樹 758 ラザフォードとポーア / 2 び 宇宙の温度 88 熱中性子 74 加速器の高度技術 38 ルクレチウスの宇宙論 8 目 次 2 8 9 10 1 1 1 2 1 3 14 量子力学の基本法則 物理量の行列表示 軌道角運動量とスビン角運動量 摂動論 多電子原子 分子と固体 場の量子化 さらに勉強するために 問題略解 索引

7. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

4 ー 8 量子論の誕生 ることである . 109 ートンの粒子説の単純な復活と見るわけにはゆか しかし , これをもってニ ない . 光子のエネルギーがんであるというとき , 振動数りは波動に特有な量 であり , 電磁波の波動性を利用して測定される量である . この粒子・波動の 2 重性は第 6 章で詳しく論ずる . 光子概念の正しさを示す事実の 1 っとして , アインシュタインは光電効果 ( 1 ー 5 節 ) をあげた . 図 4 ー 12 のように金属板 E を可視光または紫外線で照射す ると , 金属内の電子が光のエネルギーを吸収し , 束縛力をふり切って金属外部 に飛び出してくる . これを集電極 C で受け , 両極間に流れる電流 ( 光電流 ) / を 測定する . 図 4 ー 1 2 光電県 . 光 光の振動数レが下限ン 0 = Ⅳ / んをこえたとき , はしめて光子を吸収した電子が金 事関数とよばれる ) があり , 光子のエネルギーんがⅣをこえたとき , つまり 子が束縛力にうちかって外に飛び出すのに必要なエネルギーには最小値Ⅳ ( 仕 あって , レ < レ 0 であればいくら強い光で照射しても光電効果はおこらない . 電 光の振動数ンを変えたとき , 光電流は図 4 ー 13 のようになる . ある下限新が 属外に飛び出すのである . 0 図 4-13 光電流 .

8. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

4 量子論の誕生 110 ン > 新ならば , 弱い光で照射しても光電効果が瞬間的におこる . 波動論が正 しければ , 光の強度は電場の 2 乗に比例するから , 弱い光の電場が単位時間に 電子にする仕事は小さく , 電子がⅣをこえるエネルギーを吸収するには長時 間を必要とすることになる . 振動数ンの光で照射したときに金属外部に飛び出してくる電子の運動エネル ギーの最大値は 1 2 = んレー = ん ( ン一レ 0 ) ( 4.60 ) meVm 2 であたえられる ( 襯 e は電子の質量 , m は電子の速度の最大値 ). 図 4 ー 12 の電 極 EC 間に負の電位差を加え , 飛び出してきた電子を減速する . 光電流が 0 に なったときの電位差を一 Vm とすると , に Vm が ( 4.60 ) の左辺に等しい . 実際 , 測定された eVm をンの関数としてプロットすると図 4 ー 14 のように直線のグラ フになり , その勾配はプランク定数と一致する . 0 下ールー亠 図 4-14 光電子の エネルギー 1. 固体内原子の振動にたいしてアインシュタイン・モデルを仮定したとき , 低温の 比熱はどうなるか ? 振動数がおよそ 1013S ー 1 として , 古典論からのはずれがおこる温 度はおよそいくらか ? 2. 金属 Na,Au,Pt の仕事関数はそれぞれ 2.3eV , 4.9eV , 5.3eV であるという . 光 電効果のおこる光の波長の上限を求めよ .

9. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

1 ー 7 真空概念の変革 つまり , 慣性系 K はエーテルにたいし静止しており , 慣性系 K' はエーテルに たいし速度じで運動していると表現するだけの話で , 在する必要はないのである . 25 ェーテルという媒質が実 のように , K 系のェ , 既軸が K' 系の , z' 軸とそれぞれ平行であり , 軸 結果として光波はどの慣性系から見ても同し速度 c で伝わるのである . 図 1 ー 12 慣性系の関係はローレンツ変換とよばれる新しい座標変換であたえられ , その stein ) の特殊相対性理論の出現によって否定されてしまった ( 1905 年 ). 2 つの このようなニックネームとしてのエーテルも , アインシュタイン (). Ein- が十軸方向に速さて , で動いている場合 ( 1.23 ) これを ( 1.23 ) によって K' 系 → 0 の極限で ( 1.23 ) はガ の波面は c2t2 ーエ 2 ーー 22 = 0 であらわされるが , リレイ変換に帰着する . K 系の原点ェ = = = 0 から一 = 0 に放射された光波 がローレンツ変換である . ただし = てなであって , 者の運動状態に無関係な値をもっている . 実在なのである . 光速度 c は真空の物理特性をあらわす普遍定数であり , 観測 はなく , 電磁波という形でエネルギー・運動量を蓄積することのできる物理的 ものを伝わると考えられることになった . つまり , 真空はもはや空虚な空間で 真空の新しい意味こうしてエーテルの存在は否定され , 電磁波は真空その 図 1 ー 12 2 つの慣性系 . さ。で伝わる . に変換すると御 ' 2 ー 2 ーい一 = 0 となり , K' 系から見ても光波は四方に速

10. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

6 ー 5 ド・プローイの物質波 157 ローイによるその発見は , プランクによる定数んの発見とならんで , 量子論の 発展史上もっとも独創的な業績だったといえよう . なお , 粒子・波動の 2 重性 を象徴する ( 6.21 ) も , アインシュタイン一ド・プローイの式とよばれる . 物質波の回折ド・プローイの着想が正しいとすれば , たとえば電子線を結 品にあてて x 線の場合と同様の回折現象を観測できるはずである . 図 6 ー 13 の ように , フィラメント F から蒸発した電子を陽極 A との間に加えた電圧 V に よって加速し , 結晶 c にあてる . C で散乱された電子を集電極 D で捕え , そ の強度を散乱角の関数として測定すると , プラッグ条件を満足する角度で散乱 強度の極大が現われる . 図 6 ー 13 電子線回折 . この種の実験は , ド・プローイの理論的研究と前後してデビソン ( C. J. Da - viss 。 n ) によってはしめられていたが , 最終的に電子の波動性を確立したのは , ニッケルの単結晶 ( 原子配列が結晶全体にわたって周期的であるもの ) を使って ジャーマー (). H. Germer) とともにおこなった実験 ( 1927 年 ) である . かれらの使った加速電圧は V ' = 75V であり , 電子速度は光速度よりずっと 小さいので , 電子の運動エネルギーにたいし非相対論的な表式 ( が / 2 襯。 ) を使う ことができる . これを加速電圧のした仕事ど V に等しいとおいて運動量の大き さ力を求め , ( 6.21 ) に代入すると , 電子波の波動べクトルの大きさが カ ー [ 2 襯 e ハ勹 1 / 2 カ ( 6.33 )