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検索対象: 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]
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1. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

7 量子力学の確立 186 この右辺がプランク定数に 1 とあまりちがわない数係数を掛けたものだという 事実である . 不確定性原理は , 波束 ( 7.12 ) にかぎるものではない . フーリエ変換でむすび つけられた 2 つの関数の間には , 一方がひろがれば他方がこれに逆比例してち ぢむ , という一般的な関係があるからである . 物理量と演算子以下を座標表示の波動関数とよび , そのフーリエ変換の を運動量表示の波動関数とよぶことにしよう . 両者は等価であり , 電子の量子 力学的状態はどちらであらわしてもよい . ところで , 量子力学における物理量は , 波動関数に作用してこれを ( 一般に は別の ) 波動関数に変換する演算子であらわされることに注意しよう . 単純な 例は電子の位置座標ので , これは座標表示の波動関数明のをのは , のに変 換する演算子と見なすことができる . ところが , ( 7.16 ) の両辺をたで微分し てみればわかるように , のフーリエ変換は は , の万ルエ の ( た , の / DPx ( 2 応力 ) 1 / 2 となる . 運動量表示の波動関数にたいしては , 電子の位置は微分演算子 ( a / ェ ) であらわされるのである . 運動量については事情が逆であって , ( 7. 15 ) の両辺をので微分すると カエの ( カ , , の霞ル ' は , の ( 2 応力 ) 1 / 2 座標表示の波動関数にたいして , 運動量成分は微分演算子 / Dz ( 7.21 ) ( 7. 22 ) ( 7.23 ) であらわされるのである . 例題 2 電子の運動量の平均値にたいし次の公式を証明せよ . dx Dx 〔解 ] 右辺の積分に ( 7.22 ) を代入して ( 7.24 )

2. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

dqs, カ 1 と第 1 十ゆ 1 , 68 3 熱運動の古典論 ・ , 九と丸十ゆ s の間にそれぞれ見出される確率を ・ , qs ゆ 1 , ・・・ , 九 ) 1 ・・・ , ゆ 1 ・・・ゆ三 p ( 9 ゆ ) ゆ p ( 91 , と書き , p を確率密度関数と呼ぶ . ( 3.21 ) の右辺は , 25 個の正準変数をいちい ち書くのがめんどうな場合の略記法である . ( 3.21 ) を相空間全体で加えあわせた ( 数学的にいえば積分した ) 全確率は 1 に ( 3. 21 ) 等しい p ( 9 ゆ ) ゆ = 1 ( 3.22 ) この式の左辺も , 本当は 2s 個の正準変数についての積分である . ( 3.22 ) を p の規格化条件 (normalization condition) と呼ぶ . 力学系の物理量は , たとえばエネルギーがハミルトニアン ( 3.20 ) であらわさ れるように , 一般に相空間の各点で定義された関数ま 91 , ・・ , ゆ 1 , ・・・ゆ , ) 三 ( 9 ゆ ) であらわされる . このような物理量の平均値 ( 期待値 ) をい〉と書くこ とにする . く A 〉は確率 ( 3.21 ) に物理量の値ハ ( 9 , かを掛け , 相空間全体で加え あわせた ( 積分した ) ものに等しい . A ( ゆ ) p ( 9 , カ ) ゆ ( 3.23 ) 基本公式絶対温度 T の恒温槽にひたされて熱平衡にある力学系の場合 , ギブスによると確率密度関数は次の表式であたえられる . p ( 9 , か = 1 ん B7 ' 〃はかりに力学系が孤立しているとしたときの力学系のハミルトニアンであ り , Z は規格化条件 ( 3.22 ) で決まる定数である . に kBT ところで , 恒温槽というのは , そこにひたされている力学系にくらべるとは で , その意味では読者諸君がすでに知っていることである . つまり , ( 3.24 ) は p がポルツマン因子 ( 3.8 ) に比例することを示しているわけ ( 3.24 ) ( 3.25 )

3. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

4 量子論の誕生 1 ( 4.39 ) を代入すればもちろん無限大であるが , 実際には 4 があるいは振動 数 = ( / 2 の関数であって , が大きくなると指数関数的に小さくなるの である . このことは , ( 4.40 ) を図 4 ー 2 のスペクトルと関係づけてみるとわかる . まず , ( 4.27 ) の整数れれれの絶対値が 1 よりはるかに大きいとし , これ にくらべて非常に小さい正の整数」れ , , 」丐 , 」れ , を考える . ( 4.27 ) であたえら れる成分が , それぞれ飜 , = ( 2 応ル ) 」れ , , 」 = ( 2 ん ) 」丐 , 」 = ( 2 応仏 ) 」れ . の幅 をもった小区間にはいる波動べクトルの個数は ( 4.41 ) , たのがこれらの小区間を動いてもり自身はほとんど変化しないと考えて よいから , ( 4.40 ) のたについての和を次のように積分で近似する . 亠町 d たェイ d ( 2 訒 3 た 2d 々 sin 〃イ〃 d ケ・ ( 2 応 ) 3 0 右辺第 2 行はたの極座標た , 久のに変換したものである . がレのみの関数であって , たの方向や偏りの方向びに無関係だとすると , びについての和が因子 2 をあたえ , 〃 , のについての積分が因子 4 応をあたえる . 積分変数をた = ( 2 ツのによって々からレに変換すると くの = 102 ( 4.40 ) 工 Z 2 て ( 4.42 ) 〆の ( 4.43 ) 応 3 0 8 0 レ切 ( の p ( の市は振動数がンとソ十の間にある単位体積あたりの熱放射エネルギーで あり , 〆のをエネルギー・スペクトル密度とよぶ . 図 4 ー 2 のスペクトル強度と〆のとの間には , 次のような関係がある . ( 4.45 ) ( 4.44 )

4. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

た 6 シュレーディンガー方程式とエネルギー準位 189 この形に書いたシ = レーディンガー方程式は一般の力学系にたいして成立する のであって , としてその系のエネルギーをあらわすハミルトニアン演算子 を使えばよいのである . 前章で述べたとおり , E を定数として = は , 黻 ( 7.34 ) が定常状態をあらわす波動関数である . 確率をあたえる 2 = * = ゲいん ( 7.35 ) が時間をふくまないので , 定常状態という名称のふさわしいことがわかる . ( 7.34 ) を ( 7.33 ) に代入して , にたいする時間をふくまないシュレーディン ・ Et ガー方程式が得られる . 〃 95 = 壕 ( 7.36 ) ミルトニアン H の固有値 E にぞくする固有関数であり , 定常 つまり , はハ 状態 ( 7.34 ) にある系のエネルギーは確定値 E をもっているのである . つまり , ハミルトニアンの固有値が系のエネルギー準位をあたえる . ミルトニアンもそうであるが , 一般に物理量をあらわす演算子ハは線形 であることに注意しておこう . , を波動関数 , CI, を複素定数として ( 7.37 ) [ 解 ] c を 0 でない複素定数とすると , ( 7.37 ) により 例題 1 ( 7.25 ) の固有関数は定数因子だけ不定であることを示せ . が成立するのである . ( 1 十 2 ) = CI ハ 1 十 C2 2 的には区別する必要がない . ー 井戸型ポテンシャルシ、レーディンガー方程式 ( 7.36 ) の固有関数が指数関 べたとおり , 物と。とは同し量子力学的状態をあらわすのであって , 物理 となって , 可。も同し固有値にぞくする固有関数である . しかし , すでに述

5. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

4 ー 4 固有振動の重ねあわせ 95 題のいちばん簡単な例である . 平凡解のは ) 三 0 は , 定数 2 の任意の値にたいし , ( 4.14 ) , ( 4.15 ) を満足するが , これでは弦が静止したままで話にならない . 平 凡解以外の解は固有解または固有関数 (eigenfunction) とよばれ , 々 2 が固有値と よばれるとびとびの値に等しいときにのみ存在する . 実際 , 6 を定数として , ( 4.14 ) の一般解はは ) = asin 々ェ + わ c 。 s たであるが , 境界条件 40 ) = 0 を要求 すると 6 = 0 である . さらに〆ん ) = 0 を要求すると , たん = であって , 固有値 は ( 4.8 ) であたえられることになる . 対応する固有関数は 工 ) = asin ( 4. 16 ) これに 0 てない任意の定数を掛けたものも同し固有値に対応する固有関数であ り , 固有関数は定数因子たけ不定である . 1. ( 4.3 ) と ( 4.6 ) の和が定常波 ( 4.7 ) をあたえたが , 差をとればどうなるか ? 固定端 の境界条件が満足されるかどうかをチェックせよ . 2. 周期的境界条件〆ェ + ん ) = ェ ) のもとで ( 4. 14 ) の固有値問題を考えるとどうなる か ? ヒント : 同し固有値をあたえる 2 種類の独立な固有関数がある . 4 ー 4 固有振動の重ねあわせ 波動方程式 ( 4.2 ) は線形であり , 第 1 章で強調したように重ねあわせの原理 が成立する . さまざまなモードについて固有振動を重ねあわせたものが , やは り波動方程式の解である . 両端を固定した弦の場合なら , ことができる . は , の一 この重ねあわせを一般に次のような形に書く 1 び ( 4. 17 ) れ = 1

6. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

た 4 不確定性原理 を波束 (wave packet) とよぶ . 185 一方 , 古典的な波動と同様 , スリットを通ると波動関数は回折をおこすはず である . 数学的にいえば , ぇ > 0 における波動関数を平面波の重ねあわせとして あらわすと , 平面波の波動べクトルはの軸方向の成分をもっことになる . た , の値は 0 を中心として幅」たェのひろがりをもっとしよう . ド・プローイの 式によって翻訳すれば , 電子の運動量のの成分が幅」た = 力」の区間のさまざ まな値をとりうることであり , 」カエが運動量のゆらぎと考えられる . 図 7 ー 7 のように , 回折波の進行方向のひろがりが 0 であるとすると , 」 2 々 sin 〃である . 一方 , 前章の回折格子の話をおもい出してみると , は」の sin 〃ス = ( 2 々 ) で決められると考えてよい . したがって 」ェ・」たェ 2 ksin0 ・ 2 た sin 〃 = 4 両辺に力を掛け , 」た = 力」た工と書くと 」・」カエ 4 力 ( 7. 13 ) ( 7. 14 ) つまり , スリットを通して電子の位置のゆらぎを」にしばると , の軸方向 の運動量のゆらぎ」たが必然的にあらわれ , 両者の積はプランク定数に 1 の程 度の数係数を掛けたものになる . 位置が確定した状態あるいは運動量が確定し た状態はありうるが , 両者が同時に確定した値をもっことはできないのである . これを不確定性原理 (uncertainty principle) とよぶ . 歴史的には , 量子力学の 数学的定式化が一応おわった段階で , ハイゼンベルクがいくっかの思考実験に もとづいて確立したものである . 上の導き方を見てもわかるように , 不確定性原理は電子 ( とかぎらず一般に ミクロな粒子 ) が一方では波動性をもっことに由来する . プランク定数を無限 小と見なせる現象の場合にのみ , 電子を古典的な粒子として扱うことがゆるさ れるのである .

7. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

た 2 電子波の回折 171 つまり , 波動関数は電子波という物理的な波動をあらわす量ではなくて , 電子に関する統計的な情報の担い手なのである . この抽象的な性格を強調する ために , を確率振幅 (probability amplitude) とよぶこともある . 絶対値の 2 乗が確率をあたえるという意味でそうよぶのである . いまは電子の位置につい て述べたけれども , 実は運動量 , 角運動量 , エネルギーなど , あらゆる物理量 に関する情報はすべて波動関数にふくまれている . その意味で , 電子の量子力 学的状態は波動関数によってあらわされるのである . こうして , 結局のところ , 波動関数があたえられたときに , さまざまな物理 量に関する情報をどうやって引きだすかという , 冒頭に述べた第 2 の問題が残 ることになる . これにたいする一般的な回答はデイラックとヨルダンによって あたえられたが ( 1927 年 ) , やや抽象的な話になるので『量子力学Ⅱ』にゆずる . この章では , まず波動関数の確率論的意味づけを詳しく説明し , 次いで , 位置 , 運動量 , エネルギーという 3 種類の物理量について , やさしい具体例を示しな がら , その数学的表現と測定値との関係を説明することにしよう . た 2 電子波の回折 まず , 光波の場合の波動方程式 ( 6.50 ) とちがって , 時間をふくむシュレーデ インガー方程式 ( 6.57 ) は時間について 1 次の微分しかふくまず , その代りに虚 ー 1 をあからさまにふくんでいることに注意しておこう . したがっ 数単位 / = て , この方程式の解である波動関数は一般に複素数である ( 光波の場合の複 素数解は , 結局のところ実数解 ( 6.49 ) を求めるための数学的便法にすぎない ). 一方 , 物理量の測定値は実数であるから , とその共役複素数 * を組みあわ せて作った実数の表式に関係しているにちがいない . そのいちばん簡単な例が 明ド = * である . 前節で述べたように , シ = レーディンガーは , 電子が古典 論の意味での波動であり , 電荷や質量が 2 に比例する密度で連続的に分布し ていると考えた . 電子回折の思考実験シュレーディンガーのこの解釈が正しいとして , 図 7 一

8. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

212 静止質量 26 正準運動方程式 正準形式 59 正準変数 63 正常ゼーマン効果 54 , 292 生成演算子イ 02 , イ 78 制動放射 142 絶縁体 393 絶対温度 5 摂動論 30 イ , 引 0 , 引 0 64 線形演算子 227 遷移速度 323 遷移確率 137 , 320 遷移 114 セルフ・コンシステント ゼーマン効果 54 素粒子論 158 素粒子 15 の測定 素電荷 11 束縛状態 129 , 191 63 相空間 選択則 137 線スペクトル 占拠数 392 46 42 超微細相互作用 357 調和振動子 64 , 279 , 252 のエネルギー準位 直交条件 225 対消滅 , 対生成 26 193 3 イイ ゾンマーフェルトの量子化条件 タ行 134 多重散乱 148 多粒子系の波動関数 短距離カ 117 断熱近似 3 断熱ポテンシャル 断面積 117 中間状態 328 中心力場中の粒子 33 び 28 イ 367 中性子 超関数 長距離カ 13 , イ炻 2 イ 2 121 定常状態 114 , 189 , 2 イ 0 , 釦イ , 引 0 , イな と光子の相互作用ハミルトニアン 電子 2 電気双極子近似イ 05 電気 4 重極子遷移イ川 電荷保存則イ炻 展開係数 2 引 デルタ関数 187 , 2 引 97 デノくイ・モデル デバイーシェラー環 175 デバイ温度 108 デイラックの相対論的電子論 テイラックの記号 2 イ 8 D 線 357 定常波 91 295 電子場の量子化 電磁場の量子化 電磁場の熱振動 電磁場のエネルギー 電子配置 3 イ 9 電子波イ 22 電子スビン共鳴 電子衝撃 131 電子殻 3 イ 9 電子回折 171 周期場中の 磁場中の の生成 イ 0 イ 100 , 398 299 イ 20 398 84 3 ー 2 297 イ / 5 24 33 特殊相対論 同位体 12 伝播関数 3 引 電磁カ 14 電子ポルト

9. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

以下のをミで微分することをダッシュで示すと , ( 7.42 ) は次のような見やすい 194 形に変換される . 7 量子力学の確立 d2 ー d2 の 2 d の 2 ー 2 dx ( 7.45 ) ん d ミ 2 ( 7.46 ) ( 7.48 ) ( 7.47 ) ミ 2 が大きいところを考え , 右辺のを無視すれば , 解は exp [ ーミ 2 / 2 」である . そこで ( 7.46 ) の解を れ " ー 2 をが十り 4 = 0 , と書き , 未知関数の微分方程式に変換する . 予備知識はないとして , 4 を次のようなベキ級数の形に仮定して解を求めよう . これは数学でエルミトの微分方程式とよばれているものであるが , いまそんな ( の = 朝十 c に十ミ 2 十・・・十 c ソ十・・ ( 7.49 ) 例題 1 ( 7.49 ) を ( 7.48 ) に代入して係数 c レにたいする条件を求めよ . 十十 1)( ン十 2 ) c レ + 2 ー ( 2 ソーが c 十・・ 2C2 十い 0 十 [ 6r3 ー ( 2 ーが ] ミ十・・ [ 解 ] 代入した結果は C ン十 2 ( ソ十 1)( ン + 2 ) それぞれ 0 になることである . したがって これがあらゆるミについて成立するための条件は , ミ 0 , 皐 2 , ・・ , ・・の係数が ( 7.50 ) 分母の 1 および 2 を無視できて , ( ,. + 2 な (n) ~ れ一 1 が得られる . この式の右辺は 和である . 偶関数の解に注目してソ = 2 〃とおく . ”》 1 なら ( 7.50 ) の分子の 要する . が大きいときの ( 7.49 ) のふるまいを決定するのは , ンの大きい項の こうして求めた解 ( 7.47 ) がミ→土で有限にとどまるかどうかはチェックを とすれば″は奇関数となる . ー えれば CI , C3 , ・ ・・がであらわされる . = 0 とすれば 4 は偶関数となり , co = 0 をあたえれば , この式によって C2, C4, ・・が順次 co であらわされ , をあた

10. 量子力学 Ⅰ[物理入門コース 5]

178 7 量子力学の確立 と考えることが必要である . このようにケース・バイ・ケースに見方を変える のではなくて , 一貫した立場から電子を扱うことはできないだろうか ? この質問に答えるのが , ポルンにはしまる波動関数の確率論的な解釈であ る . 電子は古典論の粒子と同様に位置や運動量という物理的属性をもっている のであるが , これらの量を測定したときに得られる測定値は確定していなくて , 測定結果について一般に統計的な予測しかできないとするのである . 実際 , 図 7 ー 5 の計数管は電子が F 上のどの点に到着するかを決める位置測定装置であり , 図 7 ー 6 は 1 個の電子の位置測定を何回もくり返した結果を示すものと見ること ができる ( 輝点の数が測定回数 ). 少数回の測定の場合 ( 図 7 ー 6a ) には測定値は ランダムに分布し , 測定結果を理論的に予想することは不可能である . 理論的 にいえるのは , 位置測定をしゅうぶん多数回くり返したとき ( 図 7 ー 6 c) , 電子 がある点の近傍に見出される確率はその点での 2 の値に比例するということ だけである . もっと正確には , 電子の波動関数をの , 既第のとして , 時刻に 位置測定をおこなうと , 位置座標がのとの十 , と十イ既えとえ十の間 にそれぞれ見出される確率は は , 既も窈 2 に比例するのである . ( 7.6 ) 7 ー 1 節で述べたように , この抽象的な性格を強調するために , を確率振幅 とよぶことがある . 電子の波動性は , 確率振幅について重ねあわせの原理が成 立するという数学的・抽象的な形に表現されるのである . 重ねあわせの原理が 成立する結果として , ( 7.3 ) の右辺第 3 項であらわされるような干渉がおこる が , これも確率についての干渉であり , 同し実験を多数回くり返したときに現 われる統計的効果としてのみ観測される ( 図 7 ー 6 c) . これと関連して , 図 7 ー 6 (a) に見られる位置測定の結果のゆらぎ (fluctua- tion) は , 電子が粒子・波動の 2 重性をもっために必然的に現われるものであ って , 測定誤差にもとづくものでもないし , 統計力学の場合のように力学系に 関する情報が不完全であることにもとづくものでもないことを強調しておこう .