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検索対象: ラブ・ユー : 初恋レボリューション
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1. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

☆ 4 ☆そしてよけいなあせつガい ? ゅう その日学校から家に戻るとすぐ、佑はべランダを伝って隣家の光司狼の部屋を訪れている。 だがむろんその部屋の主はまだ帰宅してはおらず、佑は窓を開けて中に人りこみ、主を待っ ことにした。 ン 光司狼がこのべランダ側の窓にカギをかけたことはない。 かけはし おざき せがわ べランダは尾崎家と瀬川家をつなぐ白い懸橋だ。 ュ 尾崎家と瀬川家の間にあった境界板は、佑たちが小さい頃に遊びの途中でこわしてしまって しゅうぜん 亠以来、今も修繕されないままでいる。 初親たちが何を考えていたかは定かでないが、瀬川家の両親が離婚して、父親が光司狼を連れ ~ て出ていった後は、この白い懸橋は残された子供たちにとってますます重要な役割を果たすよ うになっていた。 しようちょう ラ 佑の存在は、そのまま別れわかれになった兄弟たちを結びつける象徴になった。 きずな 今は失われてしまった絆を、佑ならきっともう一度みつけてくれる。 あるじ こうしろう

2. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

202 ( うらやましかった。オレもあんなふうに : ・ ) そこまで考えて、佑は思わず思考を停止させる。 それ以上考えてはいけない気がした。 スタジオのある階に来て、重たい非常扉を押し開ける。 ろうか それでもまだ走り足りなくて、佑は廊下も駆け抜けてしまおうとして。 どんつ日 曲がり角のところで、出てきた人間とぶつかって、佑の軽い体ははね飛ばされてしまった。 「つてて。ご、ごめんなさ」 頭やらヒザやらいろいろ痛くて、さすりながらも顔をあげようとして。 「 : 佑」 聞き覚えのある声に、佑の体はビクッとふるえた。 ドウモウ 低めテノール。獰猛。肉食動物系。 こうしろう 「こ、光司狼」 おどろいて見あげた佑の顔は、あきらかに泣きむしの跡。

3. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

「いやほんとホント。うちの奥さんと娘がそろって地球少年ランのファンでねえ。プリンセ ス・。ハールがからむとなると、また家庭内争議だよ」 「え ? でも娘さんて。ハール派だって言ってませんでした ? 」 「だから奥さんがユー派なんだ。妻と娘の間にはさまれて、僕は立場がなくてね」 「それじやランと同じじゃないですか。うれしいなあ、こんな身近に俺の理解者が」 スタッフの間にドッと笑い声が起こる。 いつのまにか嵐はすっかり撮影スタッフとうちとけ合っていた。 ( ここのところ光司狼に気を取られてて忘れてたけど、そもそも嵐のほうがこういう場所は似 合うんだよね。物おじしないし性格前向きで明るいし、堂々としてて典型的なスタータイプだ し、最近は演技もずいぶんうまくなっちゃって、追っかけの女の子も増えてるみたいだし : ・ ) 嵐の接近を許しながら、水月は頭の中でいろんなことを考える。たとえば。 ( ふん・ : 、慣れてるな嵐のやっ ) ダンサーらしく相手の動きに反応してしなやかにそりかえった自分の体を、嵐の力強い腕が 絶妙な角度で保たせてくるのがわかる。 ハレエのレッスンで女性の体を支えるのに慣れている水月には、自分をあっかうときの嵐の やり方を感じることで、彼がどれだけ女性の体というものに手慣れているかが即座に読み取れ てしまうのだった。 こうしろう

4. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

最終的には、ぼつぼっとでも、光司狼からいろんなことを聞き出して。 光司狼はそうして最後に、嵐に頭をさげて言ったのだった。 「俺じやダメなんだ。嵐、佑をたのむ」 ってオイ。 ふたりそろって自分じやダメダメ発表ってどうよ ? ろうか 嵐と別れて、局の廊下を歩きながら、光司狼は昨日自分に起こったことについて考えず にいられなかった。 →愛したいと思った瞬間、自分を襲ったあの感覚について。 ュ 愛の恐怖。 そうだ、あれは恐怖だった。 初それは、佑への気持ちを自覚したとたん、とっぜん光司狼の中にわきあがってきた。 ~ 佑を抱くことよりも何よりも、すさまじい恐怖が自分に襲いかかるのを光司狼は感じてしま っていた。 たましい ラ 本当の愛に近づいたその瞬間に、自分の魂は愛からもっとも遠い場所に放りだされてしまっ

5. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

きゃー ~ 風さま、ご乱心、 ! とは言え、実のとこ水月だって男の子。 その気になれば嵐の一人くらい相手にできなくもないわけで、この場合、水月も嵐に本気で 抵抗する気はなかったってことかもしれない。 そりや、まあ、ほら。 この人たちこーゅー←関係だったりするわけだし。 「あッ ! ふ : ・つ、ら : ・」 、一部屋のドアをうしろ手で閉めるなり、嵐はいきなりアダルトモードに突人してしまう。 ュ なすべきことをなしたというか。 レ どうしてかここ最近、水月とふたりきりになると、狼に豹変してしまう嵐である。 恋 初満月でも出てるのか狼モード。 こうしろう いやいや「狼」と言えば光司狼のウリであろうから、この際、ヴァン。ハイアモードとでも言 ュ うべきか。突発広告スペース☆ラブ D = ーシリーズには『ヴァイ ( ィアと朝までい 0 しよ』 0 てえ摩訶不思議 ラ ヴァンパイア・ハージョンもございます。お好みの方は・こ家庭にぜひ一冊どーぞ ) オオカミひょうへん

6. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

秒読み開始 ! えっ ? ) 佑、心の中の声とともにその場で急停止。 ごしごし。 足りない。 ごしごしゴシゴシ ! ゅ、由宇ちゃん、ショックはわかるけど、そんなに目工こすっちゃ撮影が・ ン そう。 、一何度も目をこすらずにいられないほどの、いったい何を佑は見てしまったというのか ! ュ 以下次号 ! って書きたくなるフレーズだなあ・ : 。 レ ( どうして ) 恋 初佑は心の中でくり返した。 ( なんでだよ、光司狼 : ⅱ ) ュ ラ 車の中にいたのは、佑も顔を知ってるスポンサーの女副社長だった。 彼女はひとりじゃなかった。 こうしろう

7. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

こうしろう 「え ? 光司狼のパソコン勝手に開いてデータ消すの ? オレが ? 」 小首をかしげて見あげてくる佑の顔。 なんてかわいらしくて罪作りな顔だろうと思いながら、水月はうなずく。 「たのむよ。佑しかたのめる人がいないんだほかの誰にも見られたくない写真なんだよ。ほ んとは佑にも見られたくはないんだけど、佑なら光司狼の性格をわかってるし、あれを見ても 僕のことをキライになったりはしないと思うんだ」 「なに言ってんだよ、水月 ! オレが水月のことキライになるなんて、んなことあるわけねー だろッ ! 」 ン 「うん・ : 、ありがと、佑」 シ自信のなさそうな水月の顔。 ュ こんな水月の顔なんて初めて見る。 レそう思うだけで佑の小さな胸はせつなさにはちきれそうになってしまう。 基本的におせつかい焼きの星の下に生まれている佑だ。 一そうすることは佑の天命みたいなもので、あんまり自然におせつかいを焼くので、焼かれる ほうも自然体に戻ってしまえる。 つまり、すごく楽におせつかい焼かれてしまう自分を認めることができるのだ。 天使体質の佑の瞳は誰をも公平に映し出す。 ひとみ

8. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

☆ 1 ☆そして運命の恋 「オレ」 嵐のひざの上でぼろぼろに泣きながら、佑が言った。 「オレ、光司狼のこと許せねーんだ」 ン 「うん」 、一「でもオレ、光司狼にロきいてもらえねーと死にそうな気分になるんだ」 ュ 「うん、うん」 ル佑の耳のそばで嵐はやさしく答える。 初佑はせつなくてもっと泣いてしまう・ ュ プ ところでここは某局ひかえ室。 時系列をはっきりさせとくと、某局の駐車場で愛のないセックスをしようとしていた光 齠司狼に、佑がトドメの一撃をさした直後。 らん こうしろう ゅう

9. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

水月は自分がひどく怯えていることに気づいて、その未知の感覚にさらに怯えた。 ( どうして ) ふじん いきどお あまりに理不尽ななされように、水月は憤りを感じずにいられない。 らんこうしろう ( 同じ三つ子でも、嵐や光司狼はそんなことされないのに、どうして僕だけいつもこんな目に あうんだ・ ふいに。 どうしようもない孤独が水月を襲った。 ンダレモ来ナイ。 シ僕ハヒトリダ。 ュ 水月はいつだってそうしてきた。 レ 恋ひと 独りでいて、何もかも独りで生み出し、創り、独りでいることを楽しんできた。 一自分のことは自分で助けるしかない。 だれかに頼ろうなんてまちがってる。 ラ 父親も母親もいずれいなくなる。 光司狼が父親に連れてゆかれた日のことを水月は忘れることができない。 おび

10. ラブ・ユー : 初恋レボリューション

あ、だめ ? ゴマかすな ? でもほら、 0 Z —中はスタジオ人れないしー お。 見て見て。 ( とかいさくら話をそらす ) スタジオ外でちょっとした事件、発生。 ろうか 廊下のべンチで佑が撮影待ちしてるところに、光司狼、遅ればせながら参上。 てなわけで王女。ハールとランのキスシーン、本番スタート ! 途中経過 ! フィニッシュ こうしろう