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検索対象: 水の戯れ
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1. 水の戯れ

しゅうゆ うわさ かⅡに出ているシュウという軍師のモデルが周瑜だという噂を聞いたのですが、本当でしよう カ ? ・ いや、あまりにもネーミングがまんまなんで、言われるとそうかな、と納得してしまう んですが ( 笑 ) 。それにサプイベントで出てくる料理人の名前に、そこはかとなく三国志の影 うれ が見えるし ( バショクとリュウキ ) 。だとしたらちょっと不思議で、ちょっと嬉しいかなとか、 思ってしまいました。 ( ところでこんなのこの本のあとがきに書いて、分かる人って何人いる んだろ ? ) はつ。何か気がついたらゲームであとがきが終わってしまいそうですつ。おそるべし『幻想 水滸伝』 ( コナミさん、Ⅲ出してくださいねっ ) 。いやもう、終わりますから。 この本が書店に並ぶのは四月だそうです。多くの人が、新しい生活をスタートさせる月です ね。皆さまに、暖かで優しい風が吹くことを祈っています。 次がいつで、どんな風が吹くのかはまだわかりませんが。もしあなたさえよろしければ、ま たお会いしましよ、フ。 如月末春一番を窓越しに眺めながら 朝香祥

2. 水の戯れ

きゅっと、シェリア 1 クはロを結んだ。 「で、でもお。アラインを止めたのは、。ュサだって望んでたことじゃないですかあー 「何だ、それ ? 俺はそんなことひとつつも」 「でもつ。私を急がせたのはユサですー。預言が終わってからでよかったなら、昨夜、急ぐ必 要なんてなかったですう。ュサが私に、夢見が何かを話してくれたんじゃないですか」 さえぎ シェリアークはユサの言葉を遮って、一気に喋った。 「ジオルドの時だってそうでした。ュサは自分の体で剣を止めてまで、あの人の呪を壊そうつ てした。ち、違いますか」 しんと時間が過ぎる。ュサは無表情で彼の肩で息をしている姿を見ていた。が。 「あれは契約だからだ。ばけ 冷ややかな = 言で否定された。息を一つつき、ユサは目を閉じる。 「眠い。お前一少し黙ってろ」 「え 1 つ。そんなあ、まだ話したいこといつばいあるんですよお私」 れすかんと肩透かしを食らわされた形になって、シェリアークは相手が病人だということを忘 のれて抗議するが。 「俺はない」 いちげんもと これもまた一・言の下に却下された。 しゃべ

3. 水の戯れ

252 「てめえはつ、お使い一つ満足にできねえのかよっー ュサの雷は、想像の一一割増しくらいの鋭さときっさだった。 はやわざ 「だあってー、すごおい早業だったんですよお。あれって思ったときにはもう、なくなっちゃ っててー さまた 日の位置は高く、部屋の中は明るい。昨夜ここに戻ったシェリアークは、ユサの眠りを妨げ ないようにと起こすのをやめ、目が覚めるのを待っていたのだった。おかげで声のインパクト は昨日より格段の差である。 昨夜叩き起こして報告すれば良かったと、今更のように後悔した。同じ無能よばわりされる にしても、も、っちょっとは当たりは柔らかかっただろ、フに。 「てめえなんぞに任せた俺が、ばかだったよ。ったく・ : 」 どさっと、ユサはべッドにあお向けになった。身体の方は声ほどには回復していない。 「俺は身体張って水を取り返したってーのに、てめえはー 「すみませえん」 やしろ 「預言まで止めて。これしゃ奴らのために、お前を社にやったよーなもんだ」 「あうー べッド脇の椅子に座ったシェリアークは、しよばんと肩を落としうつむいた。 「すみませんー

4. 水の戯れ

248 きんき 「禁忌は、やっちゃいけないですよー。アラインはユェシャンの巫女なんですから、村と村人 やしろ もうりよう のために生きなきゃねえ。みんな、社は月の結界があるってわかってても、必死に魍魎から社 を守ろうとしてたんですよー。ひょいって立ち寄った奴のために命壊すなんて、みんな怒りま すよお ? じゅ アラインの閉した目が、彼を見る。シェリアークは手のひらの中の、小さな呪の石を示し 「これ、返していただいても平気ですかあ ? 巫女の : : : その、印をとっていっちゃうんです けど」 「それは、もちろん。どうぞお持ち下さい。その呪はここではいかなる力も使われておりませ んでした。なくても不都合はありません」 アラインはにこりとほほ笑みかけた。 も、つり・よ、つ 「村を魍魎より救い、川を鎮めて下さった方に、お借りしていたものをお返しするのは当然の ことです えんりよ 「そうですか、よかったあ。しゃあ : ・ : ・遠慮なくう」 手の中の石を軽く握り、シェリアークは立ち上がった。 「えーと、では、先に帰らせていただきますねえ。ュサのこと、心配なんでー」 頭を下げた彼が扉に手を掛けたところで、アラインはあ、と声を上げる。 しず

5. 水の戯れ

232 「よかったですねえ、長。これでゆっくりと、ごはんが食べられますう」 ばかんと、間があった。 「あのあの、もしよかったら、またスフレ作ってくださいー あれすつごくすつごく美味しか ったですう」 シェリアークは村長ではなく彼の妻に、にこにこほほ笑んで頼む。 誰かが、堪えきれすに吹き出した。するとまるでそれが合図だったかのように、そこここで 笑いが起きる 「スフレだってー、スフレ ! 何かサイコー、それつ サーザは身を折って、我慢できないといったふうに笑い転げた。 「あのー、私なにか、変なこといいましたかあ ? おろっとして周囲を見回すシェリアークに、ロムスの妻が満面に笑みを浮かべて一一一一口う。 「今日は無理だけどね。明日、レモンのスフレとフルーツのタルトを作ってあげるよ。セイ うれ 「わ、わっわっわっわっ ! ありがとうございますう ! 嬉しいですー も、つりよ・つ さくこくもっこ まきたいまっ 魍魎騒動は村の柵と穀物庫を一つと準備してあった冬用の薪と松明とをだめにして、終焉を こら お しゅうえん

6. 水の戯れ

ゆる ュエシャンの脇を巡るヌーチアン川は、森を抜けたところで緩やかに方向を変え、東へと向 かう。その北側に、大陸の南半分では随一と言われるジュアンの王都があった。 広大な森林地帯の北の端に開かれた巨大な都には、北に王の住む城が城壁で仕切られ、その 周囲にやはり城壁に囲まれて王城に仕える高位の者の居住区があり、官庁の建物が整然と並 せき び、南面に市街に開かれた形で、窓口でもあり関でもある役所が設けられている。 王都の道路は広くとられ美しく舗装され、大型の馬車でも充分余裕を持って通ることができ 市街の西と東にはそれぞれに市場が立ち、店々が並ぶ。ジュアン王都は他の国との行き来 も盛んで、市場に並ぶ品々は実に多彩であり豊富であった。 れ 戯しかし。 にぎ 水 隣国ナイアスとジュアンの一番の違いは、王都の大きさでも高級感でも市場の賑やかさでも 王都に住む王様のお抱え術士のこど

7. 水の戯れ

さっさと連れてってくれ、うっとうしい うんざりとユサはった。 「だあって、居づらいでしよおやつばり。何かあの後、村長はみんなに責められたみたいなこ と、聞きましたしい。申し訳なくてー 小声で話しながら、一一人は薄闇が支配する村の道を歩いていた。 いただき しっとりとした空気が、身体にまとわりつく。見上げれば、月の宿る山の頂は静かに空にあ やしろ った。何ごともなければ、今日はサーザが山の社まで案内してくれるはずだったのだが、それ ももうない。 もうりよう 「だいたいユサってば、どうしてあんなこと言ったんです ? 魍魎を元から断つなんてー あざけ うかが ちらっと隣を窺ったシェリアークは、ユサの顔に嘲りを多分に含んだ冷笑が浮かんでいるの を目にする。 「お前、ばか ? 」 かあっと、顔が熱くなった。心底からばかにされていると、わかるから。 「わ、わ、私はっ 「マジで自然の調和がコケはしめたって、思ってるわけ ? うなず もちろんです、とは、頷くことができなかった。あまりにも、ユサが自信たつぶりで。 はいかい 「何もなくて魍魎が昼間つからのたのた徘徊するなんて、あるかよ。もしこの剣が目覚めたか

8. 水の戯れ

わかった。 「何してんのよ、あんたってば。あんなふうに食事の席を立ったりして。まだデザートもきて なかったのに」 「 : : : んなの、俺の勝手だ。ちゃんと、『ごちそうさま』はしただろー すきま くぐもった声が、シーツの隙間から漏れる。 「それに、サーザだって途中で出てきてるしゃないか」 うっと思い、サーザは顔をしかめた。怒鳴ってやりたい気持ちを、それでも抑えて訊く。 いらいら 「ねえ : : : どうしたのよ本当に ? このところずっと、本当に苛々して。らしくなさすぎよ」 サーザはべッドの脇に、そうっと腰を下ろした。 つきつぎ 「月嗣の儀式が、どうしたっていうのよ ? アラインさまからその話が出てから、すっとあん た変だわ。妙に思い詰めたみたいに、おかしくなったのー 返事はない。 つくも 「 : : : 私のこと、本気で次代に選ばれて浮かれてるって、思ってるわけ ? 月守りの巫女にな るから、偉ぶってるとか」 れ 戯やはり何も答えはなかった。アドルは顔の下に置いた枕を、強く抱え込む。サーザはぐっと きっ 水 拳を握りしめ、屹と彼に向き直った。 「言っとくけど、私、浮かれてなんてないからねつ「巫女を担うの、どうしようって。不安

9. 水の戯れ

「いつまで食ってんだよお前。さっさと来やがれ」 「え、え、え、でもまだデザートが」 「ばか。これ以上ここにいると、連中に追い出されるぞ尸昼間助けてやったっての、ばちばち 全部忘れ去られてるみたいだしな」 そう言って強引に立ち上がらせ、ユサはシェリアークを引きするようにして連れだす。 「ちちちちちょっと待って下さいよお。それってユサだけしゃないですかあ。ュサが変なこと 一一一一口うからでー、私は何も言ってないししてないのにつ。デザート楽しみにしてたのにいい、 ) い。明日つから、食べられないんですよお私。ュサああああっ れんこ 恨みがましくデザートと連呼するシェリアークの声を、彼は完全に無視していた。 「アドル、アドル入るわよ」 しようだく 返事がないのを承諾だと決めて、サーザはアドルの部屋の扉を開く。明かり一つ灯さすに、 うつぶ アドルはべッドの上に俯せていた。 「アドル かたわ 彼女は彼の傍らへと足を運び、震える肩に手を当てる。そうすると、彼がびくりとするのが

10. 水の戯れ

「な : : : なんですってえ ! 誰がっ・ 満面を朱に染めて、サーザは息を詰めた。怒りのあまり、声もないといった感じで。全身が わなわなと震える。 なだ どうしよう、とシェリアークは田 5 った。こういう状態の女の子を宥めるのは、術士の技では 不可能なのだ。 「ばっかじゃないのつ卩あんた。あったまきたー」 だめだ、もう。 爆発を予感して、ンエリアークは目をつむる。けれど。 「いつまでうだうだやってんだ ! てめえらは。さっさと来やがれ」 サーザが何かを一一一一口うよりも、何かをするよりも早く、ユサの怒鳴り声が割って入った。 「日が暮れちまうだろうが ! 」 森を抜けたところで、こちらを振り返ってもろに不機嫌そうに、青い目が見ている。 「右か、左か。とっとと一一一一口えっ 「右ですリュサさま , サーザは大きく一つ深呼吸をしてから、ロに手を当てて呼びかけた。 さ′、もん 「右に曲がって下さい。そうしたら、すぐに村の柵門が見えてきます」 うなず きびす ュサは頷くでもなく、そのまま踵を返して右に曲がる。シェリアークは、アドルを抱えてさ