300 最初はちがうところに立っていても、いっか同じ場所に立てるかもしれない。 最初はちがうものを見つめていても、いっか同しものを見つめる日が来るかもしれない。 いっかという永遠の日を夢みて、ばくたちは出会い続ける かいさくら 花衣沙久羅です。こんにちは & はじめまして。 『全寮制男子校物語 ! 』は前回の【初恋篇】に続き、【蜜月篇】に突入しました。 なんか思ってた以上に蜜月度の高い巻になっちゃいましたが、いかがでしたでしようか ? しかも気がついたらものすごいイキオイでページが増えてって、途中からもうど、フしよ、つか あせ と焦りました。み、蜜月篇だから ? ( つまりそーゅーシーンが盛りだくさん・ : と、得意技 ? ) 久々に三〇〇頁を越える超大作になりました ! ( 笑 ) あとがきのスペースもごくわずかー はるか てなわけでコンパクトにまいりましよう ! ますはみなみ遥先生 ! 前作に引き続き、お忙 しい中、六人もの少年たちの美麗なイラストを本当にありがとうございました。 ・あとか医、

コハルト文庫 花衣沙久羅の本 《蒼》シリーズ 蒼のソナチネ / 蒼のプレリュード 蒼のラブソディ / 蒼のノクターン 蒼のアリア / 蒼のルフラン / 蒼のトッカータ 蒼のカデンツア / 蒼のスケルツォ 《ラフユー》シリーズ ラブュー / わくわくドットコム びかびかドットコム ヴァンノヾイアと朝ま下 初恋レポリューション 《工デン》シリーズ 少年たちの創世紀 / 明日への翼 《恋愛少年》シリース 星の彼方のラヴマシ 愛と死のラヴメカニ きみがほしい ~ Wish さくらのリプロデュース・クラ 伝説ーレジェンドー 孵化ーインキュべーショ、 きみが魔法使い 全寮制男子校物語 ! 【初恋篇】 全寮制男子校物語 ! 【蜜月篇】 丁 / 藤川覚 (Turtle カバー絵 / みなみ遥 装

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全寮制男子校物語 ! 【蜜月篇】 花衣沙久羅 ( OBA [ T - SER 5 集英社 0

301 あとがき かずし そのみなみ遥先生によるドキドキの表紙は、今回、和士とレキになりました。わあい ) あきひさ イチオシキャラアンケートでは理久と共にトップをいってるのがこのレキなんですが、私の うれ 頭の中でも理久とレキはダブル主人公というイメージが強いので、なんだか嬉しかったです。 よかったら今回の蜜月篇をお読みになった後のイチオシキャラもメールしてやってください ませ。 ( メアド↓samansa@sakura-kai.com/ イチオシカプリもお待ちもーしあげます。 携帯用ホムペも盛り上がってますのでそちらでも。 ( ぎ三 //www.sakura ・ kai.com/imode/) 前回、初恋篇のあとがきで出したクイズの答えはこの本の中にあります。見つけてやってく もっ ださいね。当選者発表はプレゼントの発送を以て替えさせていただきますのでご了承下さい。 きずな 六人それぞれの気持ちをこんなふうにしつくり書いていってると、どうもこの物語って絆の 物語かもと思い始めました。恋の絆だけしゃなくて、もっといろんなふうにつながろうとする 人の心がすれ違って、誤解の嵐を巻き起こしたり、初めてふれる人の心にびつくりしたり。 次回の『全寮制男子校物語 ! 』もそんなふうに始まります。心のキズナの青春物語。 セイシュンって恥すかしーけどウレシイな。そんなカンジになれば良いなと思ってます。 はなさきがわ それではまた今宵、花咲川の橋の上でお会いしましよう。 二〇〇三年七月 花 衣 久 羅

コバルト文庫 く好評発売中〉 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ま花衣沙久羅 ◆イラスト / みなみ遥 ◆生徒会が多大な権限を ◆持つ男子校、菜の花東 ◆と桜花。何かと対立す る両校の間では月に 度の「海賊の日」に激 しいノヾトルか展開され る。菜の花東に入学早 々久に白羽の矢が ! ? 全寮制男子校物語 ! 【初恋篇】 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

同じ頃。 ごとうしずか 雑居ビルの屋上から真昼の繁華街を見下ろしていたレキたちの父親・後藤静は、一人のなっ かしい訪問者を迎えていた。 あまりになっかしい顔だったので、しばらく声もなかったほどだ。 篇先に声をかけてきたのは、仕立ての良いスーツに身を包んだその男のほうだった。 に「久しぶりだな、静。 声だけはまるで変わりがない 校静はひとつの確信と共に息をのみ、やがてその男の名を口にした。 「ナにしのみや 男「西ノ宮・ : ! 」 制 寮 全 ごロ かずし 「あんとき花咲川で泣きすぎたからかな。今はもう和士のこと考えたって、涙とか一滴も出ね えや

篇 月 なかじよう すぐそばで中条の激しい息づかいが聞こえている。 どくんどくんと自分の心臓が血液を送り出す音と重なって、それはまるで自分の呼吸音のよ 語 校うに身近に感じられる。 子 男 つないだ手は今にも火傷しそうな熱さに包まれていたが、放す気はなかった。 寮今ではもうどちらがその手を放さずにいるのか、わからなくなっている。 ふたりは手をつないだまま、暗い夜の森を駆け抜けていた。 「てつ」 理久が叫んだ。 「来い ! おまえは俺が守る ! 」 次の瞬間、満月の森は蜂の巣を突いたような大騒ぎになった。 ド 1 ル 「花姫が逃げたぞ ! 「追え ! 逃がすなーツー # 0 0 7 やけど

レキ。 この愛しき存在。 「結局、僕は捨てられたんだな」 「あ ? 」 そ、フしてレキたちが去っていった後。 何やら恐ろしい響きの言葉を耳にした気がして、菱田はたちまち体を硬直させた。 道場は今やふたりきりで、その恐ろしい響きの言葉を洩らした張本人は、この世のものとも びぼう 思えないような凄まじい美貌の持ち主だ。 菱田は今、あらためてその事実に気づかされていた。 篇それまで戦いの相手だという目しか向けていなかったものが、保護下に置くと決めたことで 蜜 今さらのように細かな部分まで明白になって菱田の前に迫ってきていた。 美貌。・ : 美貌だって ? 校「あー、榎本 : ・ 男「いいんだ。同情はいらないよ」 寮「や、そうしゃなくて」 「荷物を取ってくる。運ぶのを手伝ってくれる気は ?

「レキ、いつまでもそのままでは風邪を引くぞ」 バスロープ一枚の無防備な姿でソフアに沈みこんでいるレキに、和士が視線を移す。 だがそのときには、レキはだいぶサミシイ気持ちになっていたので、すぐには和士の言葉に 反応を返せなかった。 「おいで」 篇そう言って片手を差し伸べられても、レキはちょっとのあいだ拗ねたまま、ソフアの上で両 はひざをかかえこんでいた。 「レキ ? 」 語 校和士にはレキの気持ちが透けて見えているようだ。呼びかける声がやさしい 男「ちえつ」 寮レキは勢いよくソフアを跳ね降りて、リビングの角めがけてばたばたと駆け出した。 いつだって次の瞬間には許している。 「和士 ! 「失礼する」