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検索対象: 氷の王 : 鉛姫2
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1. 氷の王 : 鉛姫2

161 氷の王 気地なしのあんたに」 「意気地なし ? 私が ? 私は戦場でヴァレリアを何人もーー」 「お黙りなさいな」 ピシャリとスウノーリアは言い、ヴラムスのロは縫い合わされたように閉じた。 「戦で敵を殺すことが勇気ではないわーーまあ、そのようなことは今はどうでもよきこと。約 束の話だったわね。そこいらに座るといいわ」 彼女はヴラムスを追い払うように手を動かし、自分は寝台に腰を下ろした。 「あたしはシンシアと約束をしたの。全てを終わらせ、この地に平和をもたらすと。それに必 要なことはなにかしら ? さあ、考えてーーそう、あんたが思っているとおり。それは、ヴァ レリアがいなくなること。そうすれば、とりあえず、終わりの見えない戦はなくなる。人のお こす戦まではあたしは知らないけれど。まあ、人が引き起こす分には、長くても四、五年とい ったところでしようよ。それは、あんたが処理をすることね」 「できるのか、そのようなこと」手近の丸椅子に腰を下ろし、ヴラムスは訊いた。「あー、私 が言っているのは、ヴァレリアのことだが」 「できるわ。ラジスティアを天に還し、残ったヴァレリアの戦士を地に封じる」 「どのように」 「精霊界にある槍を使うの。詳しい使い方をあんたが知る必要はないわ。知ったところで人に やり かえ