ら発病した人はくるぶし、膝、股と、身体の中心に向かって関節が壊れていくのが典型的な パターンで、やがて関節の軟骨が溶けてなくなり、骨がずれたり、骨と骨がくつついて棒状 になり曲がらなくなってしまう。これが慢性関節リウマチである。 「進行は人によって違いますが、いい時期と悪い時期が交互にやってくるのが特徴です . 関節が壊れる前は、運動療法やカルシウムを含むバランスのとれた食事と、患部を温める などの基礎療法を行う。これは早く始めれば始めるほど効果がある。 関節が壊れ始めたときには、抗リウマチ剤の薬物療法を行う。「薬の効果には個人差があ ります。だから、医師の指導のもと早く自分に合った薬を見つけ、それを長く飲み続けるこ とが大切です」と、内田医長は語る。場合によっては手術を行うこともある。 ところが、どんなリウマチ治療を行っても効果がない悪性リウマチがある。これは、肺や 心臓などの内臓にも発症して死に至る恐れがあるもので、リウマチ患者の約一〇 % にこの危 険性がある。ただし、患者の約一〇 % ぐらいは進行が止まって治ってしまう。 気「とにかく、効果のある基礎療法は早く始めること。それにはやはり早期発見が大切です。 科ただし、男性の高齢者や子供のリウマチは早期に見つけづらい傾向がありますので、十分に 形注意してください 整 手や足にちょっとでも″異常〃を感じたら、放っておかずに専門医の診断を受けることで ある。
このような生活環境のほか、親から受け継いだ体質も大きく関係しており、アトピー性皮 膚炎の患者の家族を調べると、アレルギー疾患を持っている人が高率で発見される。 五十二歳のサラリーマンがアトピー性皮膚炎で来院したので、家族にアレルギー疾患をも ぜんそく っている人がいるか調べると、父親が喘息、息子がアレルギー性鼻炎、そして本人はじんま しんと結膜炎になったことがあった。 アトピー性皮膚炎は二十一歳のころに急に現れ、首に出た軽い湿疹は年月とともに全身に 広がったという。アレルゲンを調べてみると、ダニ、スギ花粉、卵白、大豆、小麦、米など いろいろな物が複合していた。 「彼には、減感作療法というアレルゲンに身体を慣れさせる方法を用いました。週に一、 回通ってもらい、少量のアレルゲン抽出液を注射したのです。減感作療法では、アレルゲン 抽出液の注射一一十回を一クールとして治療を行い、 普通は一クールで効果が出てきます」 このほか、アレルゲンを遠ざけるやり方もある。 気 「患部に直接軟膏やクリームを塗る方法も行っています。効果的なのはステロイド剤ですが、 ギそれ以外にビタミン軟膏や抗ヒスタミン軟膏も使います」 レ さらに、昔から効果があるとされている海水浴が、医療の現場でも治療法の一つとして取 ア り入れられている。副作用の少ない治療法を一千万人の患者が待ち望んでいるが、現状では、 じっくり腰を据えて治療にあたることが大切である。 なんこう
事をした後は胆嚢の筋肉が収縮を起こすので痛みも激しい。また、胃部不快感、右肩のこり、 背中の痛み、右上腹部の圧迫感など、胃の病気とまちがえるような症状が出ることもある。 「治療は、結石を衝撃波で砕いたり溶解剤を投与したりという方法をとりますが、ときには 胆嚢の除去も行うこともあります」 コレステロール結石は食事の洋風化で増えている。もちろん、原因はコレステロールのと り過ぎなので、脂つばい物が好きで肥満ぎみの人は要注意である。不規則な生活を送りがち の人も十分な注意が必要だ。食事の間隔があくと胆汁が胆嚢にたまる時間が長くなるため、 コレステロールなどが沈着して結石ができやすく、ストレスや運動不足も胆嚢の働きを抑制 する原因となるからである。 さらに、コレステロール結石を持っている人はガンになる確率が高いことがわかってきた。 「胆嚢のポリープが一 5 以上になるとガンになる確率が高くなりますが、腹部超音波 ( エコ 気 埔↓検査をしても、胆石が邪魔になってなかなか発見しづらいのです」と、山川教授は説明 深する。実際、長い間コレステロール結石を患っていた患者が、突然胆嚢炎を起こしたので切 関開手術をしたところ、そこにガンができていた、というような症例は数多い 満「胆嚢にできたガンは、気づいたときには進行ガンであることが多いーという。もちろん、 肥満の人が必ず胆石を患うわけではないが、結石をつくりやすいのはまちがいないので、ま ずは食生活の改善から始めたいものである。
4 そのため、抗うつ薬や精神安定剤をも使うものの、治療のメインはカウンセリングであり、 本人のみならず、母親にも受けてもらうことが大切だ。 「当院では、母親がもう一度子育てをやり直す〃再養育療法〃を行っています。具体的にい いますと、①母親と患者は抱き合って眠る②入浴時には母親が患者の身体を洗う③歩くとき も患者に母親の衣類や身体の一部を触れさせる、といったことです。最大のポイントは、母 親に子供の気持ちが読みとれるように練習させ、子供が母親の愛情を感じて甘えられるよう にすることです」 という安定した気 「その結果、十分な愛情を感じた患者たちは、″もうやせる必要はない〃 持ちになり、摂食行動の異常が改善されるのです」 そして、見落とせないのが父親の役割である。仕事、仕事で家庭を顧みない父親に代わっ て母親が父親役もこなしている家庭では、両親が協力して母親が父親に頼り、母性を十分に 発揮できる環境をつくることが大事。母親の愛情が子供に十分注がれる環境づくりが摂食障 害の予防になるし、母親の愛情で満たされて治った場合は再発の心配はなくなるのである。
アメリカからである。″ストレス〃に対する意識が根づいてきた今では、心身症の中でも非 常に患者の多い病気となった。 治療は心理的なケアと薬剤療法、食事療法が施される。 「薬剤療法では、整腸剤と精神安定剤を症状を見ながら使います」 あるとき、林院長は患者の一人に、「薬というのはお守りなんです。だから、あまり広げ てはご利益が薄くなりますよ。ポケットに入れておいて、ひどくなったときに使うようにし てください , といって整腸剤を渡した。 一週間後に再来院した患者を診察すると、もうすっかり治ってしまっている。 「薬はどれだけ飲みましたか ? 」と聞くと、患者は、「先生があまり広げるなといわれたの で、全然飲みませんでした。ほら、このとおり」と、先週渡した薬をポケットから取り出し て見せたという。林院長は、「いざというときには薬があるという安心感が、薬に頼ること なく病魔を振り払ってしまったのです」と分析する。 食事では、胃の動きを抑えるために、刺激の強い食べ物は避ける。さらに、タバコは腸の 動きを高めてしまうので、腸の弱い人はやめるべきである。このほか、精神統一でストレス が解消できるので、太極拳や気功法などを試してみるのもいいそうだ。 ストレスを取り除くことをはじめ、ふだんの生活でこれらのことに注意をしていれば、過 敏性腸症候群を予防することができる。
初台関谷クリニック 空の巣症候群 関谷透院長 毎日かむなしい軽うつ病ー子育て以外に生きがいかないことに病根が 軽症うつ病はうつ病と症状が同じではあるが、その程度が軽い。神経症のような身体症状 ( 頭痛、腹痛、疲労感 ) が表に出てくることから「仮面うつ病」ともいわれている。 〃心の病気〃の診断、治療で有名な初台関谷クリニック ( 東京・渋谷区 ) の関谷透院長は、 「入院、外来患者で見ますと、軽症うつ病の患者さんが約一三 % にものばり、確実に増加し ています」という。これは世界的な傾向で、 ( 世界保健機構 ) の統計でも全人口の三 5 五 % にのばっているという。 「ときには、本人さえ自分が軽症うつ病であることを自覚することなく、突然、自殺という ような最悪の結末にも暴走しかねません」 から 軽症うつ病の中でも″お母さんの病気〃といわれている「空の巣症候群 . の患者さんのケ ースを見てみよう。 子さんは五十五歳の専業主婦。長男は海外勤務で長女は結婚し、家では夫と二人っきり。
ノ 46 関東逓信病院 三叉神経痛 湯田康正顧問 耐えがたい顔面の痛みは薬物療法よりも神経プロック治療が効果的 ある日突然、まぶたや目じり、口元、小鼻、こめかみから口元への斜めの線上などに、針 さんさ で刺されたような痛みが走る。これが、″痛みの王様〃三叉神経痛の始まりである。 「焼け火ばしを突っ込まれてかき回されるような」「電流が走るような」という患者も多い 「痛みは徐々に発作のように繰り返します。そして、風が当たっただけでも耐えがたい激痛 を感じるようになるのです」とは、関東逓信病院 ( 東京・品川区 ) の湯田康正顧問 「進行の度合いはさまざまで、発症年齢は四十歳代半ばから五十歳代半ばまでがピークです。 患者さんはなぜか女性に多く、男性の約一・五倍にもなります」 中高年に患者が多いのは、三叉神経痛の原因の八〇 5 九〇 % が、血管が神経を圧迫するこ とで起きるためである。血管はもともと神経の上に乗っているのだが、血管に弾力のある若 いころは、さほど神経を刺激することはない。だが、年をとるに従って血管は硬くなり、神 経を刺激する度合いも高くなる、というわけである。
「腎臓内に石があっても、ほとんど症状がないので発見されにくいのです。目で見える血尿 や熱を出すか定期検診などで偶然に、といった形で発見されることも珍しくありません。症 状がないからといって放っておくと、ガンなどの原因にもなってしまいます」 痛みは、座薬を入れたり患部を温めたりして緩和させる。また、一〇 x 六側以内の小さ な石なら、一一 5 三 2 の水を飲んで排出させる方法をとっており、だいたい半年以内に尿とと もに自然排出される。トイレに何度も行きたくなり、行ってもスッキリしない膀胱炎のよう な症状があったらこれが石が落ちる寸前の合図である。 「石が尿と一緒に排出されたら、患者さんに持参してもらって石の成分を分析し、再発の危 険性などをチェックします」 尿管に落ちない大きな石は、手術による除去をはじめ、皮膚に穴をあけて管を入れ、石を 砕いて吸い出す「 ( 経皮的腎切石術 ) 」や、超音波を当てて石を砕く「 ( 体 外衝撃波結石破砕術 ) ーなどの療法が用いられる。 「尿路感染が強いときや石の大きさや形、腎臓機能の状態によっては、すぐに石を取らなけ ればなりませんので、手術療法で治療を行います」 結石は痛風などの病気とともに発病する″ぜいたく病″なので、予防はバランスのいい食 事をして水分を多くとること。とくに、カルシウムのとり過ぎは結石の大きな原因となるの で要注意。そして再発防止のためには、これまでの一・五倍は水分をとることが望ましい
た、性分泌液も不足するため、セックスに痛みが伴う。さらに、関節が痛むことも多い 「国内に、五十万 5 百万人の患者がいるといわれていますが、症状の重さにかなり幅がある ため、気づいていない方が多いのです。それに、シェーグレン症候群に対する認識の低さも あるので、実際の患者はもっと多いでしよう」 と、坪田助教授は指摘する。 この病気は患者の九〇 % 以上が女性で、それも更年期、あるいは閉経後の女性がかかりや すいという特徴がある。 「自分で自分の身体を壊してしまう自己免疫疾患です。しかし、どうしてそうなるのかはよ 気くわかっていません。もちろん、どうして女性に集中するのか、それもわかっていません」 病 だから、完治させる治療法はない。しかし、病気と仲良くやっていく方法はある。 多 「目が乾燥しないようにこまめに目薬をさしたり、人工の唾液を用いたり、セックス時には 性 女クリームを使ったり : : : 要は乾燥した状態をつくらないようにすることです。加湿器を使っ 破て、部屋の湿度を高めたりするのも効果的です . 有完治させる治療法がないということだけでなく、シェーグレン症候群に対する知識を持っ 性た医師の少ないのも大きな問題となっている。 シェーグレン症候群の知識を持った医師に正しい診断を受けることが、治療のためには最 も大事なことである。
ガン性疼痛 末期ガンの痛みを取り除くために最良の神経プロック療法 末期ガンのあまりにつらい痛みから患者を解放するための治療として、 >=o ( 世界保健 機関 ) の定める治療法が主流になりつつある。まず、弱い抑炎鎮痛薬であるスタートレを投 与し、これで効かなければ強い鎮痛薬に切り替え、そして最後にモルヒネなどの劇薬を使用 する、という三段階のステップを踏んで治療をする。 「しかし末期ガンとなると、そういった療法も効果が薄かったり、意識障害や合併症などの 副作用が起きたりといういろいろな問題が残り、〃患者さんの苦痛を除く〃という医療の原 点とはほど遠いものになりがちでした。神経プロックは、この問題を解消する最後の、そし て最良の方法です」 順天堂大学医学部付属順天堂医院 ( 東京・文京区 ) 麻酔科の宮崎東洋教授は話す。宮崎教 授は、ペインクリニックの第一線で年間百一一十人余りの患者に神経プロックを行っているが、 その中の一人、膵臓ガンの手術を受けた六十二歳の男性のケースでは、膵臓ガンそれ自体の 順天堂大学医学部付属 順天堂医院麻酔科 宮崎東洋教授