緊急行動 総則 エンジンが冷却し、漏れた燃料が蒸発するまで機体から離れる。 幻負傷を占し、応急手当をほどこす。負傷者を楽な状態にする。機内から負傷者を運び出す とき、特に背中の負傷や複雑骨折が認められる場合は注意する。 ③風雨を避ける。臨時のシェルターを設け、必要であれは直ちに火を起こす。寒いときには、 温かい飲み物をつくる。 ④定期的に緊急無線連絡を行ない、他の信号用資材を準備しておく。 6 リラックスして、不時着のショックから立ち直るまで休養する。本格的準備や計画は、あと まわしにする。 ⑥休養後は、遭難者を組織化して、各人それぞれの任務を与える。食糧と装備は一括して、責 任者を一人置く。雨、直射日光、雪、風、冷気、害虫から身を守るためシ = ルターを準備する。 燃料となりそうなものをすべて集め、最低一日分を備蓄する。水源を探す。動物や植物食を探 す。 ⑦対空遭難信号を準備して、空から見つかりやすいようにする頁 " 信号法。の項参照 ) 。
極寒地移動を指一小されていない限り現場にとどまる。 野営地は機体からあまり離れていないところで、シェルターや薪になる木のあるところがいい 異常な状況は例外として、北国の旅行経験と適当な装備がない限り冬季にクロスカントリー を試みてはならない爺頁参照 ) 。機体から離れるときは、移動方位を示す標識をのこしてお ノ \ よ、つにす・る。 砂漠機体から離れないのが最彙。 脱出を試みて体力を消耗するよりも、機体の陰にとどまり、しっとしているほうが水はなく ても長続きする。 救難点まで容易に達する自信があって、飲料水が十分あるときのみ移動する 熱帯上空から機体や信号が見にくいジャングルに墜落したときは、空地まで移動したほうが 熱帯ではシェルター、食糧、水が比較的に入手しやすい たいていのところこト日ゞ ( / , 力あり、人里に導いてくれる。 適当な装備、準備、常識があれば移動に成功するはすだ爺頁参照 ) 。 どのような場合でも、周囲の状況を適確に判断し、決して無理をして移動しないようにする ことか大切だ。
めて、筏は運ぶか下流で改めて組み立てるようにする。出発前に連水陸路を探してみる。昜万 士二卩 .. 6 によっては、筏にローフをつないで白皿を流しながら岸を歩くこともできる。この場合、荷物 は筏から降ろして運ぶ。 極寒地極寒地での移動には困難や危険がともなうばかりか、たいてい骨折り損に終ってしま う。冬または夏でも、移動は危険なところから安全な場所へ、寒い谷間からややしのぎやすい 丘の中腹へといった移動にとどめる。それよりもエネルギーをシェルターの建設、認識の容易 な救難標識の設置に注ぐ。前述の移動を試みるときは、慎重に準備をして適切な装備を携行す る。吹雪や寒風の中の移動を避けて、野営をして風がやむまで体力を温存する。風がなくても、 絶対に必要でないかぎり、視界が悪いときには移動をしてはならない。 このほか、冬は寝袋、ハーカ、ミット ( 手袋 ) 、かんしきまたはスキー、マクラック ( エスキ モーのプーツ ) を携行する。夏は蚊帳と駆虫剤、着替え ( とくに靴下 ) 、シュ ーパックを携打す・ る。夏冬いすれの場合も、足の乾燥をたもっこと。 移動に役立っ補助装備をつくる。ャナギの枝、航空機の点検板、小さな金属板、座席のシー トまたは金属管などからかんしきがつくれるし、支索や操縦索は帯ひもやハーネスの代用にな る。機室ドア、カウリング、爆弾倉ドアなどは橇になる。また、パラシュートのキヤノピー ( 天 蓋 ) からロープもっくれる ( 各ラインごとに四五〇ポンドⅡ約一一〇〇の張力がある ) 。 そり
労するかもしれない。偏流を少なくするために、後部の重量とバランスがとれる石を見つけて 前部の重しにする。幅一・五ないし一一 E の乾木で頑丈な筏をつくるには、長さ三ないし三・五 E で直径一五から一一〇の丸太があればよい。丸太をワイヤー、支索、樹皮や草で綯うナワと 木くぎで束ねる。また、筏を組みあげる前に丸太の浮力をテストしてみる必要がある。大木は 組むのに骨が折れるばかりか、重すぎて筏に向かぬことが多い。ちょうど必要とする大きさの 若木は、森林の縁か川の土手にある。 小型で使用に耐えるポートを、若木で組んだ長円形のフレームに防水布をかぶせて、つるで 結びつけるようにしてつくることができる。装備をひとつにまとめて、こばれ落ちても浮くよ 、つにしておくとよい。 布地または小枝でシェルターをつくり、太陽熱、寒気、雨などを防ぐようにする。一一〇ー三 〇 E のワイヤー、ロープまたはつるを筏につけて係留索あるいは小さな自皿での減速索にする。 浅瀬で筏を押し進める竿と、深いところで使うオールを準備する。 川を下るのは明るいうちだけとする。岸から離れす、いざというときに急いで上陸できるよ うにする。単独で筏に乗るときは、眠りこまぬよ、 2 をつける。障生惕、自皿、滝を監視する。 各皿や滝の音は、かなりの距離から聞こえるほか、水しぶきや霞も見える。各皿の突破や峡谷 潜入を強行せす、遙か上流で上陸して偵穴」行なう。通過が困難だと判断したら、装備をまと 21.5
だ。折れ重なった骨が一直線になるまで引っ張る ( 他の手足と比較してチェックする ) 。次いで 局部をしつかり固定する。固定用の副木は、自作しなければならない。ャナギの枝を編んだり、 他の堅固な材料を使ってギブスをつくることができる。一時的な間に合わせに装備の一部や衣類 を固く巻いたものを副木に、柔らかい材料をパッドとして使える。副木は、患部の上または下 方の関接にとどくものでなければならない。 脱臼を矯正するには、そっとだがしつかりと引っ張る。 単独の場合、骨折や脱臼の手当ては複雑で困難になるが、重力で牽引効果をうることもでき るので不可能なわけではない。手首または足首を、木のまたや同しように固定したものの先端 に縛りつける。こうして体重をかけながら引っ張ることで、脱臼 ( または骨折 ) を手当てする ことができる。この手当てをはしめる前に、副木を準備しておく。 捻挫包帯を締めて捻挫した部分を休ませる。局部を冷やして腫れを防ぐこともできる。腫れ がひいたら ( 六ないし八時間でひく ) 、局部を温湿布すると痛みが和らぐ。患部を高くする。も し捻挫した手足を使わなけれはならないときは、患部を副木または頑丈な包帯で固定させる。 骨折がない限り、捻挫した手足は使うことができる。 伝染病予防傷がよく見えるよう必要なだけ衣類を切り裂く。指先や汚れた物体で傷に触れぬ ように注意する。蛇に噛まれたときは傷口を吸うこともあるが、それも救助者のロ中に傷やた
移動 総則 ( 準備 ) 移動を開始する前に頁に記述したすべての要因について考える。慎重に計画を立 てて、万端の準備をする。出発前に、敵地でないかぎり、左記の情報を遭難機にのこしておく。 ・移動を開始した日時。 ・どこを目指して移動したか。 ・移動ルール。 ・遭難者の状態。 ・どのような補給物資を所持したか。 携行物資は多すぎないようにする。冬の極寒地以外は、一一五 5 三〇ポンド ( 一 で必要なものは携行できるはす。できるだけ多目に携行すべきはマッチまたはライター、ロウ ソク、コンパス、地図、救急キット、ノート、鉛筆などを防水容器に詰めるほか、マチェッテ または大型ナイフ、水、食糧、信号鏡、サングラス、時計、小びん入りの石油、銃と弾薬、ワ イヤまたは支持索、替え靴下など。 ソクがつくれるほか、シェ ハラシュート収納袋またはカンバスやパラシュート地などで、 208
「道なき道を歩け歩け / 」という歌の文句があったが、サバイバル状況 下て移動する場合は、慎重な判断と用意周到な準備を欠かせない。
くすなど。火口は、芯まで乾燥したものでなけれはならない。 これにガソリンを数滴加えるか、薬莢の火薬を抜き取ってふり かけると着火しやすくなる。火口の準備ができたら、後日使用 分を防水容器に入れておく 火口を入手したら、風を避けたところで火を起こすわけだが、 左記の点火法を試みるといし ( 火打ち石と打ち金 ) マッチがない場合は、これが最も容易蠻 で信頼のできる火起こしの方法。防水マッチ・ケースの底にと りつけてある火打ち石を使う。その火打ち石がないときは、た たくと火花の出る硬い石を探す。もしそれが打ち金で壊れたり 傷つくようだと捨てて、新たに探す。準備ができたら乾燥した 火口の上に手をかざして、ナイフの刃または鋼材を利用した打グ ち金で鋭く、こするようにして下向きに火花が火口の霙に降 り注ぐように打ち下ろす。その直則にガソリンを数滴、火口上 にたらしておくと着火しやすい。このとき安全のため、顔面は 横にそらせておくようにする。こうして火口がくすぶりはしめ 火打ち石と打ち金による点火航空撚 * 吏用例 図 7 即席ストープ 芯を吏ってオイル 又は月副方を利用
火の起こし方 総則暖房、乾燥、信号、調理、熱湯殺菌などのため火を起こす必要が生する。その火を起こ すには、実験済みの左記の方法にしたがうといい あまり大きく火を起こさないこと。小さな火のはうが燃料も少なく、始末が容易なうえ集熱 効果もいい。寒中は、一箇所で大きな火を焚くよりも、小さな火で取り囲むほうが遙かに効果 がある。 暖房の準備暖房をする場所は、注意深く準備する。落葉、小枝、コケ、干草の類を取り除い て、草むらや森林に火が移らないようにする。地面が乾いているときは、固い土がむき出しに なるまで表面をこすりとる。雪、氷または湿った地面で火を起こすときは、丸太か平らな石を 上台にする。 熱を吸収し、火を風に吹き消されないようにするには熱をシェルターへ導くと同時に風防と もなる反射板を利用する。岩や丸太の壁に対面する位置で火を焚く。料理用の火は丸太また は石でかこみ、熱を隹市させ料理鍋をかけられるようにする。 たきつけと燃料ほとんどの燃科は、マッチで直接点火するわナこま ) 、 ( ( ( し力ない。火口、たきっ け、燃料を必要とするのがふつうだ。このうち火口は非常に細くして乾燥した材料で、火花や
総則不時着時に多い負傷は裂傷、打撲後骨折、脳震盪、内火物負傷者は、横たわら せておく。人事不省の負傷者は、うつ伏せの姿勢で顔面を横に向ける。頭部負傷者は仰向けに して、頭部は水平にするか枕を与える。負傷者の扱いは慎重にする。ショック症状の有無を見 きわめる。負傷者は暖かい状態にする。 短期間内に医者の手当てが望めぬときは、最初の手当てで出来るだけのことをする。大事な のは死を防ぐこと、負傷者の移動を準備すること、本人または仲間の重荷を軽くすることなど。 自分の傷を自分自身で手当て出来るようにしておかなければならない。傷は軽いこともあれ ば、早期治療をほどこさないと命取りになることもある。こうした負傷の場合、簡単で一時的 な手当てでは無意味なことがある。生きながらえるためには、思い切った手当てがほどこせる よう準備しておかなけれはならない。 出血傷口に殺菌パッドを当て、手で押さえるかしつかりと包帯を巻く。 出血が止まらぬときは、骨折なしと判断したら腕または脚を高くする。 止血器は手足が複雑骨折したとき、傷口から血が激しく出るとき、包帯の圧力では不十分な ときにだけ使う。止血器は、上腕や脚の傷と心臟の間にあてがう。止血器は出血が止まるまで、 止まらぬときは切断手術が終るまで使用を続ける。患部は、できるだけ温かくする。 救急処置