佐藤修一 - みる会図書館


検索対象: 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った
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1. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

最初の殺人 ? また捜査が進むにつれて、佐藤修一さんの死にまつわる疑惑も深まりつつある。 まず、一九九五年六月、アナリエ容疑者と結婚していた佐藤修一さんが行方不明に なった際、八木容疑者が知人の男性に、利根川に架かる特定の橋の下流で遺体を探す ように詳細に指示をしていたことが判明してきたのだ。その橋とは、本庄と伊勢崎を つなぐ坂東大橋だった。 第調べによると、八木容疑者はその知人男性に遺体発見の場合には一〇〇〇万円の報 殺酬を支払うことを約東した上に、橋への詳しい道順を教え、「橋の欄干でほこりが取れ 険ている部分があるから、そこを起点に下流を探せ」と指示したというのである。男性 玉は実際に指示どおり遺体を捜しに出かけたが、発見することはできなかった。捜査本 部は、八木容疑者がなぜ佐藤さんが利根川で水死していると考え、具体的な場所まで 一挙げることができたのか重大な関心を寄せ、関係者から詳しく事情を聞いている。 第 また佐藤さんが、八木容疑者の勧めで保険に加入していたことも分かってきた。八 木容疑者の長男 ( 三一歳 ) が、埼玉新聞の取材に対して、その事実を明らかにしたの

2. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

安田生命 県民共済 全労済 簡易保険 二四億円七社 これまでの捜査で、八木容疑者らが佐藤修一さんをはじめとした人たちに掛けてい た保険の内容も、徐々に判明しつつある。そのすべてではないが、週刊ポストは二〇 〇〇年四月一四日号で、その内容を詳しく報じていた。整理しておこう。 0 佐藤修一さん分 日本生命 契約年月九〇年一二月一日保険金額五〇〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月九一一年一二月一日保険金額五〇〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月九二年五月一日保険金額八〇〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月九三年五月一日保険金額五〇〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月九三年五月一日保険金額五〇〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月九二年一〇月二四日保険金額八〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月不明 保険金額四〇〇万円受取人・アナリエ 契約年月不明 保険金額一〇〇〇万円受取人・アナリエ

3. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

0 アナリエ・サトウ・カワムラ容疑者 一八歳のとき、ダンサ 1 として初来日。その後、何 度が出入国を繰り返したが、八木容疑者が経営してい た「レオ」に派遣されたのがきっかけで、八木容疑者 の愛人となり、本庄で暮らすようになった。現在、「マ ネキン」のママ。 九〇年一〇月に無職の佐藤修一さんと結婚。佐藤さ んは九五年六月一四日、水死体で発見され、保険金約一一億八〇〇〇万円が支払われた。 その後、九八年七月には元塗装工の川村富士美さんと偽装結婚。川村さんは森田昭 さんが死亡した翌日の九九年五月三〇日に体の異常を訴えて病院に入院、一時重篤な 症状に陥った。彼に掛けられていた保険金は一〇億一二三〇〇万円だった。 日本に在住している期間が長い ( 一五年以上 ) 割には日本語が下手である。インタ り・ゅ、つ 4 つよ、つ ビューに対する受け答えも、決して流暢なものではなく、どちらかというと森田容疑 者に通する、汚い言葉が目立った。 じゅうとく

4. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

が、それを断ったために、このようなことを実行されたものと考えられる 彼には、総額一〇億円を超える高額な保険が掛けられている。 0 森田昭さん 九七年五月に森田考子容疑者と結婚、森田姓を名乗る ( 旧姓関 ) 。 「マミー」の厨房で働いていた。店の閉店後は、用意されていた自分専用のポトルか ら、朝まで浴びるように酒を飲むのが日課だったといわれる。 九九年五月一一九日、衰弱が進行し、原因不明の急死を遂げた。なお、森田昭さんの 遺体は現在も、冷凍保存されているという。 当然のごとく、森田さんにも森田考子容疑者らを受取人として高額の生命保険が掛 けられていた。 0 佐藤修一さん アナリエ・サトウ・カワムラ容疑者の前夫。九〇年五月から、自殺したとされる九 五年七月まで戸籍上はアナリエ容疑者と夫婦だった。八木容疑者の長男が経営する人 材派遣会社を介して鉄工所に勤務していたが、八木容疑者に借金があり、給料はほと

5. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

んどもらえなかったらしい。それなのに連日連夜、八木容疑者が経営するスナックで 朝まで大量の酒を飲まされ、衰弱が進んでいったようである。 そして九五年六月一四日、利根川で水死体になって発見された。遺書があったため、 自殺と認定されて約二億八〇〇〇万円の保険金がアナリエ容疑者に支払われた。 それにしても尋常でないのは、八木容疑者に関連する人たちが大勢、死去している ことである。 うわさレベルのものも含めると、その数はなんと総勢一〇名以上にも及ぶ。列挙す 程ると次のようになる。 の・九五年六月八木容疑者から借金のあった佐藤修一さん ( 四五歳 ) が利根川で水 取 死。自殺と断定され、二億八〇〇〇万円が支払われた。 詐 険・九七年夏男性 ( 四〇代 ) が群馬県下久保ダムに車ごと飛び込み自殺。八木容 保 疑者に借金があったといわれる。 一一・九八年三月元運送業の男性 ( 五三歳 ) が埼玉県加須市で首吊り自殺。八木容疑 第 者からの借金を苦にしていた。 芻・九八年一二月八木容疑者のもとに出入りしていた男性 ( 三八歳 ) が首吊り自殺。

6. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

【埼玉保険金疑惑の経過】 九五年六月一四日 九八年九月 九九年五月二九日 五月三〇日 五月一二〇 5 三一日 六月二日 七月二日 〇〇年一二月二四日 四月一五日 行田市の利根川導水路で佐藤修一さんの水死体が見つ かり、後に妻のアナリエ容疑者に約三億円の保険金が 支払われた。 建脇保さんが「 ( 八木容疑者に ) 殺されそうになった」 と本庄署に上申書を提出。 森田昭さんが変死。 川村富士美さんが一時重体に。 八木容疑者の自宅などを被疑者不詳の殺人未遂容疑で 家宅捜索。 八木容疑者の別荘を殺人未遂容疑で家宅捜索。 産経新聞の報道で疑惑表面化 公正証書原本不実記載、同行使容疑で八木容疑者ら四 人を逮捕。 四容疑者を起訴。さらに四容疑者を殺人未遂容疑で再 逮捕。

7. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

変わりはないが、 最初からその目的で構成された身内、妻や義娘である。荒木の事件 トリカプトの では娘が二人死んでいるが、妻の連れ子で彼には血のつながりはない。 事件にしても、ターゲットは保険金を生むための配偶者である。 しかし、ここに至って血のつながっている係累を保険金目的のために、殺害する事 件が発生した。 まず、群馬県桐生で一〇歳になる実子の次女を、二〇〇〇万円の保険金のため殺害 功した鬼のような父親が現れ、続いて東京都足立区で、実の母親を三五〇〇万円の保険 懿金を入手するため、殺害した息子。 は極め付きは、まだ記憶にも新しい九九年九月に発覚した長崎・佐賀保険金殺人事件 事である。一六歳の高校二年生、前途ある彼に掛けられた三五〇〇万円の保険金は、哀 険れにもその子の命を奪ってしまった。 せそして、今回の、埼玉保険金殺人疑惑。八木茂容疑者には、これらの事件がすべて な 参考になっていることだろう。今回の疑惑の前兆は、すでに八五年の佐藤修一さん水 三死自殺事件に表れているとはいえないだろうか 第 そうだとすると、和歌山ヒ素カレ 1 事件などより前に計画されていたことになる。 彼は、和歌山の事件で、毒物に対する立証の困難さを知り、かえって自信を持ったの

8. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

埼玉保険金殺人疑惑 23 第一章 埼玉保険金殺人疑惑の構図 公正証書原本不実記載、 同行使の疑いで逮捕・ 起訴後に、川村富士美 さんに対する殺人未遂 容疑で再逮捕。 ハ木茂容疑者 ( 5 の 金融会社「国友商事」経営 武まゆみ 容疑者 ( 32 ) アナリエ・サトウ・ カワムラ容疑者 ( 34 ) 森田考子 容疑者 ( 38 ) 98 2 偽 婚 の 疑 約 3 億円の 保険金を解約 8 ・結婚 7 5 装 装 婚 婚 の の 疑 疑 保険金 保険金 1 億 76 圓万円 10 億 33 圓万円 ( 末払い ) ( 未払い ) 保険金 約 3 億円 ( 既払い ) 元会社役員の 元パチンコ店店員の 元塗装工の 無職の 建脇保さん 川村富士美さん 佐藤修一さん 森田昭さん ( 49 ) = 当時 ( 45 ) = 当時 ( 61 ) ( 38 ) 99 年 5 月 30 日 95 年 6 月 14 日 99 年 5 月 29 日 一時重体 水死体で発見 . ツし

9. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

つかった佐藤修一さん ( 無職、当時四五歳 ) の生命保険三億円を、男性の″妻〃とし て受け取っていたとされることについても、「捜査を視野に入れてやっていく」と話す にとどまった。実は県警は森田さんが死亡した九九年五月の段階で、すでに被疑者不 詳の殺人未遂容疑で八木容疑者の自宅などを家宅捜索していた。それから約一〇か月 を経ての逮捕となったわけだが、それほど長期間の捜査となったことについて質問が 飛ぶと、本田課長は次のように語ったのだった。 「堅実な捜査をして、 ( 浦和 ) 地検とも詰めを図った。難しい捜査だった」 桶川女子大生殺害事件など、埼玉県警の失態が続き、マスコミの取材合戦が過熱す る中での捜査だけに、 かなり慎重にならざるを得なかったのかもしれない。しかも、 これは薬物が絡む殺人事件。容疑者の自白は極めて難しいし、体内に入った薬物も証 拠として残りにくい。それを織り込んで、使った薬物の鑑定、殺意の実証など証拠を 固め、最高裁までいく覚悟で捜査に当たる。これが県警と浦和地検の基本方針だった。 そして三月一一六日、捜査本部は四容疑者を身柄送検した。午前一一時、八木容疑者 は本庄署の二階からの裏階段を捜査員に抱えられるようにゆっくりと下りてきた。こ れまで報道陣への連夜の「有料会見」で見慣れたス 1 ツ姿から上下トレ 1 ナーの姿に 変身、オールバックの髪も乱れていた。階段を下りてくる八木容疑者は途中、報道陣

10. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

長男は本庄市内で人材派遣会社を経営しており、佐藤さんは九〇年ごろから同社で 勤務していた。 長男の話では、佐藤さんからアナリエ容疑者と入籍したことを知らされたとき、「ア ナリエ容疑者が日本の在留資格を得るために、形式上の入籍をした」と思い、八木容 疑者の指示だと感じたという。 佐藤さんはアナリエ容疑者と入籍後に、保険料が月額約四万円の生命保険に入った と聞き、その理由も聞いたという。そのとき、佐藤さんは「マスター ( 八木容疑者 ) に老後のために入った方がいいと言われた」と答えたという。 そして、「佐藤さんは死亡する数か月前から疲れが目立った。食欲がなく、唇は紫色 になり、言動もおかしくなった」と語った。 さらに川村さんについては、「雇い主だったが、結婚は全然知らされていなかった。 男性からは扶養控除の申請もなかったし、男性の保険が掛けられていたことも報道で 知って驚いた」と話している さて、佐藤さんの死によって支払われた約三億円の保険金の流れにも、捜査のメス が入りつつある。