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検索対象: 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った
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1. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

昨年九月ごろには、元建設作業員の男性 ( 四八※注Ⅱ建脇保さん ) が「薬で殺 されそうになった」と本庄署に届けた。元建設作業員にも金融業者と親しい人物 を受取人とした約三億円の保険が掛けられていたが、その後間もなく解約された とい , っ 元店員は金融業者が借りていた本庄市内の住居に住み、元店員と作業員の妻は、 金融業者が経営する飲食店で働くなどしていた》 ◆一九九九年七月一七日 《 4 年前にも男性水死 本庄保険金疑惑妻に 3 億円支払い 本庄市の保険金疑惑で、四年前に同市内の無職男性 = 当時 ( 四五※注Ⅱ佐藤修 一さん ) " が水死し、保険金約三億円が妻の外国人女性 ( ※注ⅱアナリエ容疑者 ) に支払われていたことが十六日までに分かった。 この外国人女性は現在、五月末に一時重体となった本庄市内の無職男性 ( 三八 ※注日川村富士美さん ) の妻になっており、この男性には妻を受取人として約十 億円の保険金が掛けられていた。本庄市では、この無職男性が重体になる前日の

2. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

《本庄市内の金融業者の知人の元バチンコ店員が多額の生命保険金を掛けられた 上に昨年五月、本庄市内の自宅で変死した保険金殺人疑惑に絡み、県警捜査一課 と本庄署はニ十四日、金融業者と男性の妻らが共謀し、保険金目的で男性を偽装 結婚させていた疑いがあるとして、公正証書原本不実記載・同行使容疑で、金融 業者と男性の戸籍上の妻ら女性三人の計四人を逮捕した。四人は容疑を否認して いる。県警は同日、金融業者らによる保険金目的の殺人、殺人未遂事件の可能性 が強いとみて、本庄署に捜査本部を設置、事件の全容解明に全力を挙げる》 「本庄の金融業者逮捕ーの見出しで始まるこの記事が、埼玉新聞の紙面に掲載された のは二〇〇〇年一二月二五日のことだった。 一九九九年七月一一日、産経新聞が一面トップで《薬物 ? で保険金殺人》、さらに翌 一二日の夕刊でも《保険金殺人疑惑埼玉の金融業者すでに 3 億円受領》と報じて以 来、週刊誌、テレビのワイドショ 1 などが派手に報道合戦を続けてきた「埼玉保険金

3. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

保険金は名義上の受取人であるアナリエ容疑者に支払われたが、捜査本部は、その うち二億八〇〇〇万円を八木容疑者が受け取り、うち約三〇〇万円で金融会社「国友 商事」を設立、約七〇〇〇万円を本庄市内の証券会社を通じて株の購入に充てたと見 ているのだ。ただし、その後、株価が急落、数千万円の損失を出していたという。 一方、アナリエ容疑者は残りの約二〇〇〇万円を受け取り、うち二〇〇万円をフィ リピンの家族に送金。残りの大半を本庄市に隣接する児玉郡児玉町内にある武まゆみ 容疑者の住宅を購入するという名目で、武容疑者に支払っている。だが、所有権の移 転はいまだに行われていない。 第そして、佐藤さんが残したという遺書にも疑惑の目が向けられている。 殺遺書には「東京の金融業社から激しく借金の催促をされ、精神的に追い詰められた」 険などと書かれており、自殺として処理される大きな理由となっていたが、捜査本部が 玉改めて手紙を調べたところ、筆跡が本人のものと違う可能性が高いことが分かってき たのだ。つまり、あらゆる状況証拠が佐藤さんもまた保険金殺人の被害者であること 一を示しているのだ。 第

4. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

そして、埼玉新聞がこの事件を最初に報じたのは、九九年七月一三日のことだった。 その記事を再録しておこう。 ◆一九九九年七月一三日 《男性 3 人に保険金十数億 県警 1 人はなぞの死、捜査へ 多額の生命保険を掛けられていた本庄市内の元バチンコ店従業員の男性 ( 六一 ※注森田昭さん ) が今年五月、自宅で死亡していたことが十ニ日までに分かっ た。男性には妻 ( ※注日森田考子容疑者 ) や知人の金融業者 ( 四九※注ⅱ八木茂 容疑者 ) “本庄市居住 " が受取人となった約四億円の生命保険が掛けられていた。 男性の遺体に外傷がないことや現場の状況などから、県警捜査一課と本庄署は死 因に不審な点があるとみて本格的な捜査を始めた。 県警の調べによると金融業者の知人で、約十億円の生命保険を掛けられていた 同市内の別の無職男性 ( 三八※注ⅱ川村富士美さん ) が五月末、原因不明の体調 異常を訴えて病院に入院し、一時重体となっていた。 ( 中略 )

5. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

埼玉新聞としてのスタンスは、九九年一二月末の記事にまとめられた。 ◆一九九九年一ニ月三〇日 《追跡四本庄保険金殺人疑惑 一変した静かな街 異例の「有料会見」マスコミ報道過熱 今年七月、県北の静かな街が一変した。本庄市内に住む金融業者 ( 四九 ) が、 多額の保険金を掛けた知人に薬物を飲ませ、殺害した疑いがあると一部で報じら れたからだ。各マスコミが本庄市に殺到。人口六万人余、県北の街の名が全国に 伝えられた。 昨年七月には、和歌山市の毒カレー殺人事件が起きていた。殺人、詐欺などで 逮捕、起訴された元保険外交員が知人に多額の保険金を掛け、食べ物にヒ素を混 入して殺害しようとしたとされる事件。まったく同じ構図に、「埼玉のカレー事件」 と大きく報じられた。金融業者の店舗周辺の路上には、都内ナンバーのハイヤー やテレビの中継車が数珠つなぎで止まった。新聞、雑誌、テレビとさまざまな報 道メディアの記者が入り乱れて取材。ニュースを聞いて駆け付けたやじ馬が、夜

6. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

本庄署長が、やや緊張気味に発表を読み上げた。 「本日、本庄署に本庄市内の金融業者らによる保険金目的殺人・同未遂容疑事件捜査 本部を設置いたしました。なお、偽造結婚で金融業者ら四名を逮捕いたしました。逮 捕罪名は公正証書原本不実記載・同行使であります」 捜査本部の前につく名前を戒名と呼んでいる。この戒名を見て、記者たちの胸のな かには「おやっ」という思いがよぎった。確かにこの事件は世間では保険金目的の殺 人容疑事件ということになっている。マスコミで疑惑が浮上してから約一〇か月。マ スコミの関、いは、いっ県警が強制捜査に踏み切るか、ということだった。それにして いきなり捜査本部の戒名が「保険金目的殺人・同未遂容疑事件ーとは。 しかも、逮捕容疑は偽装結婚に絡む公正証書原本不実記載・同行使。「これだと弁護 士は、別件逮捕を厳しく追及するだろうな」と思った記者も多かったに違いない。し かし、この戒名こそ捜査側の長い裏付け捜査への自信を示したものと受け取れた。さ らに、偽装結婚は保険金殺人に密接に関連している問題でもあった。会見に同席した 県警本部の本田忠男捜査一課長は「 ( 殺人容疑についても ) 当然視野の入れている。本 件の関連事件とみており、別件逮捕ではない」と明言した。 八木容疑者ら四人の逮捕容疑は次のようなものだった。

7. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

再速捕 浦和地検は二〇〇〇年四月一五日、森田昭さんと川村富士美さんに掛けた保険金の 受け取りを目的として偽装結婚をさせていたとして、八木容疑者と三人の女性容疑者 を公正証書原本不実記載・同行使の罪で、浦和地裁に起訴。翌四月一六日、本庄署の 捜査本部は四人を再逮捕した。逮捕容疑は川村さんに多額の生命保険を掛け、市販の 風邪薬を大量にのませて殺害しようとしたとする殺人未遂だった。四月一六日、日曜 日の午後五時から約一時間、殺人未遂容疑での再逮捕を受けた捜査本部の記者会見が、 本庄署の食堂で開かれた。加藤久夫・本庄署長が用意した発表を読み上げた。 「本日、金融業者ら四名を保険金目的殺人未遂容疑で再逮捕しました。被害者は被害 当時本庄市内在住の < 男 ( * 注Ⅱ川村富士美さん ) である。被疑者四名は共謀の上、 知人の < 男を殺害してその生命保険を騙取しようと企て、平成一〇年五月ころから平 えんげ 成一一年五月下旬ころまでの間、総合感冒薬を同人に大量に嚥下させるなどして、右 給合感冒薬の長期過剰服用による薬害により同人を殺害しようとしたが、平成一一年 五月三〇日未明、同人が居住付近病院に保護を求め、通報により駆け付けた警察官に へんしゅ

8. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

長男は本庄市内で人材派遣会社を経営しており、佐藤さんは九〇年ごろから同社で 勤務していた。 長男の話では、佐藤さんからアナリエ容疑者と入籍したことを知らされたとき、「ア ナリエ容疑者が日本の在留資格を得るために、形式上の入籍をした」と思い、八木容 疑者の指示だと感じたという。 佐藤さんはアナリエ容疑者と入籍後に、保険料が月額約四万円の生命保険に入った と聞き、その理由も聞いたという。そのとき、佐藤さんは「マスター ( 八木容疑者 ) に老後のために入った方がいいと言われた」と答えたという。 そして、「佐藤さんは死亡する数か月前から疲れが目立った。食欲がなく、唇は紫色 になり、言動もおかしくなった」と語った。 さらに川村さんについては、「雇い主だったが、結婚は全然知らされていなかった。 男性からは扶養控除の申請もなかったし、男性の保険が掛けられていたことも報道で 知って驚いた」と話している さて、佐藤さんの死によって支払われた約三億円の保険金の流れにも、捜査のメス が入りつつある。

9. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

た店員が問い質すと、「うちの女の子がしよっちゅう痛がるので必要なんだ」と説明し 尾 ) い、つ 店員は言う。 「派手な服装で羽振りのいい会社の経営者のようだった。女性従業員のために必要な ので買ったのだろうと思い、大量に販売した」 八木容疑者が薬を買ったのは、このドラッグストアばかりではない。別の薬局の店 員はこう証言する。 「 ( 八木容疑者が風邪薬などの購入に訪れたのは ) 複数回と記憶しているが、警察がレ シートを調べた結果はそれよりも多かった」 殺ちなみにその店の近くには、八木容疑者がよく立ち寄る知人の家があった。 金 険 一方、武容疑者は九九年初めごろ、本庄市内のドラッグストアを訪れ、棚に陳列し 玉てあった風邪薬を数か月分購入。不審に思った店員が問い質すと「お客さんに頼まれ た」と説明したという。 一武容疑者はその薬を小瓶に分けて保管。森田さんや川村さんに「栄養剤だ」などと 第 言って、夜と昼、一回あたり一〇錠以上ずつ飲ませていたのである。 その様子は「マミー」にいた別の男性客も目撃している。そして、こう証言している。 ただ

10. 埼玉「生命保険加入」血も凍る全手口 八木殺人疑惑人はこうして狙った

9 プロローグ つもりなのだろう。「いや、知っていた」ということ、つまり殺意の立証こそが、本庄 の埼玉保険金殺人疑惑では捜査陣の大きな課題となった。 カレー事件の持っ特性は、物的証拠が乏しいだけではない。すべては、女性被告が 画策して実行した点にあり、事実は彼女の胸の中にしか存在しない 現在進行中の裁判で、林真須美被告は依然、警察での取り調べのときと同様、頑な にヒ素カレ 1 事件の起訴事実を否認し続けているといわれる。 真実は、神のみぞ知る。いくら優秀な裁判官でも神にはなり得ない。 だが神以外にも、本当のことを知る人間がいる。それは林真須美被告本人だ。彼女 の胸を切り開いてみれば、真実がうかかい知れるだろう。 しかし、それも現実には不可能だ。 現在残されている数少ない物的証拠、関係した第三者の証言、これらを総合してい き、事実関係を突きとめてゆく困難さは、私たちには想像もできないことといえよう。 和歌山の事件が、埼玉や長崎・佐賀の事件工作に大きな影響を与えているはずだが、 この辺りの考察については章を改めて述べる 本庄の事件に関して、 逮捕の >< ディがいつになるのか かたく