256 過去は、そのひとの行動や習慣に大きな影響を与えます。 うむ ファラ・ ハンとサフィア・レ 1 ナの違いは、過去の有無であり、恋する心の有無でした。 腰を持たず、ただ一人、見知らぬ世界にいるファラ・ ハンと、帰るべき家があり、好縁 者や友人のたくさんいるサフィア・レーナ。他人に囲まれ、心細いぶんだけ、ファラ・ つねみがま は何事に対しても、常に身構えています。そして、恋を知るファラ ・ハンは『女』であり、 恋を知らないサフィア・レーナは、恋に鳩れる『少女』なのです。 本質は同じでも、違ってみえたのは、そのため。ディーノが愛したのは、その本質を持っ 乙女なのですから、サフィア・レーナこそ、彼の求めた女性に邯いはありません。 さてさて。次回からのシリーズ作品の宣伝だ D えーと、リクエストありがとう、おまた せしましたということで、引き続き、今度はレイムが主役のお話を始めます D プラバ・ゼータ外伝「金色の魔道公子」、第一巻タイトルは『氷中の琥森』です。 発売日変更の可能性があるので、ホワイトハ ート発売日チェックをどうぞよろしくー 最後になってしまいましたけれども。 こうだんしゃ この作品を出版してくださいました講談社様。 たんとう 担当の小林様。プームは去ったろーに、次もファンタジー作品で、お世話かけます。 じゃ せわ

講談社 X 文庫ホワイトハート 一流星香の作品 プラバ・ゼータ しようかん 、 , ①聖女の招喚 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 、、時の宝珠″を正し , 世界を滅亡 おとめ つばさ から救う , 翼を持つ乙女ファラ・八ン。 魔道士たちの力により , 聖地クラシュ ケスに伝説の乙女が具現する。聖戦士 たちの世界救済冒険ロマン開幕Ⅱ まほうじん 2 天空の魔法陣 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ファラ・八ン , ティーノ , レイム , シルヴプン。 4 人の聖戦士は『眠り』 から目覚め , 自分たちの使命を知った。 な , すぞれの心の中には , 不安と薯 疑惑が渦巻いていた。そんな時・・・。 亘平行神話 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 世界救済のため王都を旅立つ聖戦士 たち。しかし , 彼らの行く手には , 大きな困難が待ち受けていた。魔道の ふうど 封土モルミエナ領で , 聖戦士たちが 目にし , 耳にしたものは・・・・・ヨ ? せいじよ 不空のな 片山

講談社 X 文庫ホワイトハート 一流星香の作品 プラバ・ゼータ はりいろめいきゅう ー第玻璃色の迷宮 い引 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ーっめの宝珠を手に入れた聖戦士たち は , 次なる宝珠を探して , 先へと歩を 進める。しかし目前には , 新たなる 敵が待ち受け , 次から次へと聖戦士 たちに襲いかかってくる・・ やみいろ まどうし 日闇色の魔道士 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 強運と実力で大ピンチを見事脱し , 次なる目的地へと向かう 4 人の若き どろ 聖戦士たち。泥の都 , 当炎の都市。 ひさんきわ 悲惨窮まりない魔道の封土が , ファラ・ 八ン一行を待ち受ける・・ ツ第ノ , , の時空 げんえい じくうじゅ : 。第を日幻影の時空樹 山 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ せいじよあかし 聖女の証である片翼をもきとられ , 意識を失う天界の乙女。シルヴィンの , レイムの , そしてティーノの叫びが ファラ・八ンに届くことは , ニ度と ないのか l? 世界救済ロマン完結編日

・ティーノ ・サフィア・レーナ るろう りやくだっ せいれいもり 流浪の孤児に生まれ、路奪を生きる術と精霊守の民を率いる精龍王ザイフリート しゆらおう , 」うしやく してきた孤高の修羅王。世界救済の際、と公爵リカルドの妹で、に赤い龍珠を持っ もに戦った天界の聖女ファラ・八ンの人間精龍姫。世界を守るため、黒魔道士の手に せいりゅうひめ 体を求めて旅立ち、ついに精龍姫サフィア・よって分断された亡き兄の龍珠を奪回すべ りゆっしだっかい きおく レーナと巡りあ一つ隴珠奪回にむ精龍姫く旅に出る。世界救済時の記憶を持たない を守るため、精霊魔道士たちとともに箱舟が、心、容姿とも天界の聖女ファラ・八ンに 」乗 0 、、芹 0 0 、《 000000 ~ 0 = = 0 。《 00 = 《 0 」 0 」 0 〔 う。しかし、その実力と確固たる存在感を、自らの血の運命を知りながらも、雄々しく 公子ロワールに妬まれて : : : 一しいティーノに惹きつけられ、葛藤する。 物紹介 ねた

230 サフィア・レーナの言うそれは、紛れもなく天界の野の誣腰。 「背中に白い翼があるわたしは様なの。わたしじゃないのに、わたしなのよ。そう、 きっと、今ここにいるわたしがあそこにいて、あの旅をしても、同じことをしていたと思う わ。あれが夢でなかったら、あなたはもう一人のわたしに、先に逢っているのね」 恋を知っていた天界の聖女の心は、恋を知ったサフィア・レーナの心と重なり、記憶は夢 ハンの心と記憶 としてすべてサフィア・レーナに渡された。サフィア・レーナとファラ・ は、一つにがった 「ああ。黒魔道の術にちたお前を目覚めさせるまえから、俺はお前を知っていた。ずっと お前を愛していた」 こう しんく おとめ 愛する乙女をしつかりと腕に抱き、優しく表情をくつろげたディーノの胸から、真紅の光 となった静のかけらが抜け出た。龍珠のかけらは、驚き見つめたサフィア・レーナの 胸に、あっという間もなく吸いこまれた。 ひた、ほうぎよく サフィア・レーナの御の宝玉が、再び完全な龍珠の存在を示す、真紅の輝きを放った。

講談社、文庫ホワイトハートー 流星香の作品 プラバ・ゼータ外伝◎精龍王 ひめぎみ 、を①赤い塔の姫君 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 天界の聖女ファラ・八ンと同じ心、 蓉萎を持つ乞安を求め、王都を出発 したティーノは、いばらに覆われた 赤い塔を目指すが・・・。銀芹の戦士の ロマン・アドベンチャー開幕Ⅱ ぎんふ せいせんし 2 銀芹の聖戦士 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ついに探しあてた麗しの乙女サフィア・ レーナは、世界救済時の憶を、い。 さい持っていなかった。一度は絶望に うちひしがれるティーノだが・・ヨ ? 評評イ評イ評イ評評イ評イ評イ評イイ評イ評イ評評イ評イイ製 片山怒 イラスト 3 熱砂の城壁 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ りルっし一のだ - ) 力、、、 精霊守の願いをこめた、龍珠奪回の 箱舟が飛びたった。厳選された日人の メンノヾーとともに旅立つサフィア・ レーナとティーノは・・ヨ ? せ、、まし、、もり はこぶね

168 くや で向かうには、時の奔流のなか、あまりにも遠かった。 「すまない : わ 何もできない自分自身に怒りながら詫びるディーノに、抱きしめられ、すがりながら、サ フィア・レーナは自分が悪いのだと、小さく首を振った。 うなばら かんしよう ひりゅう つばさ 海原に白い砂浜をもっ環礁を見つけた巨大な飛竜は、ゆるやかにそちらに翼を向け、高 度を落とした。 咽を噛み殺し、一度きつく唇を噛んだサフィア・レーナは涙に濡れた目を開ける。 わたしが、ファラ 「・・ : : 世界を、守りたかった : ・ ・ハンだったなら、絶対に負けな かった : きっと世界は守れたのに : すがたかたち 守れた者と、守れなかった者。同じ姿形を持っていたというのに、あまりにも違う力。 悔しさにわななくサフィア・レーナの涙をぬぐってやり、ディーノはしつかりと胸に抱く。 「俺は、お前のほうがいい たとえ世界を守れなくても。誰に負けてしまっても。愛しあうことを許されず、消えてし まう天界の聖女よりも、人間として存在するサフィア・レーナのほうがいい。 どきりと胸を高鳴らせ、サフィア・レーナは驚いてディーノを見た。 聖女の身代わりなどではなく、自分自身が、この男に愛されているのだと、はっきりとわ ひょうかい かった。冷たい氷塊のように胸の奥にわだかまっていたものが、解けて消えた。 せいじよ ほ ん り う と

ディーノの胸にすがり、顔を伏せたサフィア・レーナは、家を恋う少女のように泣いた。 サフィア・レーナが行きたいのは、城。黒魔道師バリル・キハノが現れるまえの、 せいりゅうおう クロシェの花園。精龍王、兄リカルドが生きていて、ダイアナが笑っていて、小さな少年 のロワールが小鳥とれながらお城の庭を走りまわっていた、あの日。世界滅亡が危惧さ れ、野ファラ・ ハンをしての世界救済伝説を知らないサフィア・レーナにとっては、 ほんの数日前の、あの幸せだった日に。 こうしやく 一人のただの乙女として、 亡くなったザイフリート公爵の妹でもなく、精龍姫でもなく、 誰にも不可能な我がままを言い、サフィア・レ 1 ナは泣いた。 身体にを預かる精龍姫、そして由緒正しき名門たる公爵家の姫君として、サフィ しゅうたい うやま ア・レーナを敬い、大切に扱ってくれる者たちの前では、とてもできない醜態だった。ど んな家に生まれようと、何を持っていようと、ただの女として見てくれるディーノの前だか みずか らこそ、泣けた。サフィア・レーナは、そうあらねばならないと自らを律し、強がるのに 覇すっかり疲れていた。 守られたいとすがりつき、小さく震えながら咽を漏らすサフィア・レーナを、苦しくな 華らないよう注意しながら、ディーノは広い胸にかく包みこむように抱きしめた。 サフィア・レーナが求めるのならばなんでも与えてやりたい、願いならばどんなことでも えてやりたいと望むディーノだが、サフィア・レーナの行きたい場所は、この巨大な飛竜

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