斉藤 - みる会図書館


検索対象: シナリオ 2016年4月号
35件見つかりました。

1. シナリオ 2016年4月号

エヴェレスト神々の山嶺 愕然とする工藤と滝沢 登山用品を積み込んでいる。それを手工藤「お前な、少しは遺族の気持ちってもん 深町、シャッターを切る。 伝っているヒマラヤトラベルの社員、斉を考えろ」 工藤、ワゴン車に乗り込む。 ファインダーの中で、宙に舞った井岡と 深町が、大きなザックを脇に置いて、エ深町「 ( 縋るように ) 工藤さん」 船島が、岩盤に叩きつけられる。 藤と立ち話をしている。 工藤「 ( 眉をひそめ ) お前だってもとは山屋 深町「このままじゃ帰れません。写真集に使 だろ」 井岡と船島、斜面を転がり、さらに下方 う押さえの分を撮らなきや : ・・ : 」 全員、ワゴン車に乗り込む。 の雪原に落ちて見えなくなる 工藤「写真集は出ないそうだ」 ワゴン車が走り去る 深町「そんな」 路上に、深町と大きなザックだけが取り 夢中でシャッターを切り続ける深町。 斉藤、ネパール人の運転手に、 残される。 立て続けにシャッタ ] 音 斉藤「 ( ネ ) 道路は混んでないだろうな」 深町、舌打ちする。 運転手「 ( ネ ) 大丈夫です。今日は渋滞して 6 カトマンドウの神々 ( モンタージュ ) いません」 8 カトマンドウ・市内 ( 1993 年 6 月 ) 斉藤、工藤の前に来る。 広場に市が出て、人で賑わっている ハシュバティナート寺院の川縁で荼毘に斉藤「準備ができました」 人にぶつかるようにして、大きなザック一 付された遺体から煙が立ち上っている 工藤と斉藤、ワゴン車に向かう。 を背負った深町が歩いている 深町、工藤を追う チベット仏教の寺院で、祈りを捧げる深町「工藤さん、何とかなりませんか」 薄暗い路地裏を歩く深町。 0 、、日 人々 : 滝沢「深町 ししカ減にしろ」 蚤しげな男が、声を掛ける。 小さな金属の皿で多くの祭火が揺れてい 深町「この遠征隊に参加するために、あちこ男「 ( 英 ) ハシシ、ハイクオリティ」 る ちから借金しまくったんだ。どうしても写 深町、無視して通り過ぎると、今度は、 真集は出したいんです」 カンデル・ガナシアム ( Ⅱ ) が現れる 鮮やかな原色のヒンドウー教の神々 : 工藤「ふたりも犠牲者が出たんだぞ」 ガナシアム「 ( 英 ) チェンジ・マネー ? 」 e 『ネパールカトマンドウ』 深町、ガナシアムを相手にせす歩き去る 工藤「よく平気でシャッターが切れたもんだ 7 ホテル・表 な」 リキシャが行き交う雑踏を、大きなザッ 滝沢と隊員たちが、暗い顔でワゴン車に深町「それが俺の仕事ですから」 クを背負って、あてもなく彷徨い歩く深

2. シナリオ 2016年4月号

深町「・ : たフィルムが発見されれば、エヴェレスト マニ・クマール「 ( 英 ) 百八十ドル : 百五十ドル」 登頂の歴史が根底から覆ります。世紀の大 深町、そのまま立ち去る。 発見じゃないですか ! 」 9 同・商店街 ザックを背負った深町が来る 深町「 ( 笑って ) あのカメラがマロリーのも のだったとすればな」 『サガルマータ』の店頭に、古道具が雑レストラン・店内 ( 夜 ) 然と置かれてある。その中に、日本の山 民族音楽が流れるレストランのテープル斉藤「可能性はあります。深町さん、そのカ 席。 メラを買わない手はありませんよ」 岳関係の本がある 古本を手にしようとした深町、脇に置か 深町が斉藤に、英語の山岳雑誌を見せて深町「 : : : 」 いる れてある古いカメラに目が止まる。 雑誌には、エヴェレストに挑んだ時のマ 何か引っかかるものを感じ、手に取って カトマンドウ・商店街 眺める ロリーの写真が載っている。その手には、 深町が来る 昼に見たものと同じカメラがはっきりと 蛇腹式で、レンズはひび割れている 『サガルマータ』の店頭に置かれたカメ カメラに fVEST POKET KODAK 写っている。 ラを手にして、深町が店に入って行く。 AUTGRAPHIC 』という機種名。 深町「ヴェスト・ポケット・コダック・モデ ル : : : 192 4 年、マロリーがエヴェレサガルマータ・店内 店の主人、マニ・クマール・チェトリ ストに持って行ったのが、このカメラだ」 薄暗く狭い店内に、仏像、密教の法具、 中古の登山用品から古本などが雑然と置 ( ) がやって来る。狡猾そうな雰囲気斉藤「本当に、これと同じカメラだったんで かれてある。 の男である。 すか ? 」 深町、マニ・クマールに金を渡す。 マニ・クマール「ナマステ」 深町「間違いないー 斉藤、雑誌から目を離して深町を見る マニ・クマール「 ( 英 ) はい。確かに百五十ドル 深町「 ( 英 ) このカメラはいくら ? マニ・クマール、金をポケットにしまい、 斉藤「深町さん。エヴェレストで遭難したマ 以下、 ( 英 ) はすべて英語のセリフ。 ロリーは、頂上を踏んだと思いますか ? 」 カメラを新聞紙で包んで深町に渡す。 マニ・クマール「 ( 英 ) 二百ドル」 深町「 ( 英 ) レンズにひびが入っている」 深町「さあな : : : 」 深町「 ( 英 ) このカメラはどこで手に入れた ? 」 マニ・クマール「 ( 英 ) だから二百ドル。本斉藤「もし登っていれば、そこで記念撮影しマニ・クマール「 ( 英 ) そんなこと、いちい ち教えられませんよ。あの店はロが軽いっ 当なら五百ドル以上の品物ですよ」 たはすですね」 ていう評判が立ったら商売あがったりです 深町「だろうな」 深町「 ( 英 ) 高すぎる」 からね」 深町、カメラを置いて帰ろうとする 斉藤「 ( 興奮して ) 登頂したマロリーが写っ

3. シナリオ 2016年4月号

理店とも契約していません。直接来た仕事 だけ受けているんでしよう」 夜のタメル地区を行く深町と涼子。 羽生を探す深町と涼子 ( モンタージュ ) 人やリキシャが行き交う雑然とした路地。 商店街の路地を、深町の姿を探し求めて 深町「ほかに手がかりは ? 」 斉藤「ありません」 深町と涼子が、登山用品屋の店頭で、店 歩く。 深町「そうか : ・・ : 」 主に何か話を聞いている 主人、首を傾げる。 斉藤「ともかく徹底的に探しましよう。きっ レストランバー・店内 ( 夜 ) と見つかりますよー 登山者のサインが壁中に書かれた店内。 深町と斉藤の話をよそに、涼子は、カト 登山用品を買いに来た地元の男に、深町 涼子と深町が、ネパール料理を食べてい る。 マンドウの人々の営みを眺め続けている と涼子が訊ねている 深町「 ( 英 ) ビカール・サンという男に心当涼子「私たち兄妹は幼い頃に両親を失いまし た」 同・広場 男たちが、四角いポードを囲んでサイコ 男、知らないと首を振る 深町「確か、羽生さんも : : : 」 ロ博奕に興じている。その中に、ガナシ 涼子「ええ、同じ境遇です。私たちにとって一 アムも混じっている 炎天下のカトマンドウを歩く深町と涼子。は、家族のような存在でした」 深町と涼子が来る。 涼子、流れる汗をハンカチで抑えながら深町「・ : 歩く。 男たち、怪訝そうに深町を見る 涼子「兄が死んだ時、いろんなことを言われ ました : : : でも、兄は決して羽生さんを恨 深町、一ドル札を取り出して、男たちの んでなんかいません。あれは事故だったん 手に握らせながら、 カトマンドウ・広場 ( 夕方 ) 広場を、歩き疲れた深町と涼子が歩く。 です」 深町「 ( 英 ) アン・ツェリンというシェルバ 涼子、訴えるよ、つに深町を見つめる を探している。居場所が分かったら教えて深町「疲れたでしよう。ずいぶん歩きました 嶺 から : ・・ : 今日はも、つこれぐらいで : ・・ : 」 深町「 : : : ( 軽く頷く ) 」 山 くれ」 の 深町の前に、ガナシアムが来る 涼子、胸のペンダントを見る。 涼子「兄は羽生さんを心から尊敬していまし 々 神 た」 ガナシアム「 ( 英 ) 僕がきっと見つける。見涼子「大丈夫です。もう少し探してみましょ ス 斉藤が店に入って来て、 ーテンに声を つけたら川ドル払ってくれ」 レ 涼子、真剣な目で広場を行き交う人々の 掛ける。 ヴ深町「 ( 英 ) 「いいだろう」 中に、羽生の姿を探し求めている 斉藤「 ( ネ ) どうだ、息子の具合は ? 」 ガナシアム「 ( 英 ) 本当だな。約東だぞ」 深町「 ( 涼子を見つめて ) ・ バーテン「 ( ネ ) もらった薬で熱が下がりま 深町「 ( 英 ) ああ」 4 冖 /

4. シナリオ 2016年4月号

した」 下さい」 深町「特別な人だったんですね」 斉藤、ハーテンに軽く手を上げて、深町深町「 ( 英 ) 羽生は、どこにいるんだ ! 」 涼子「え ? のテープルにやって来る アン・ツェリン「 ( 英 ) 羽生丈二という男の深町「羽生さんです」 斉藤「深町さん。トレッキングッアーのガイ ことは忘れて下さい」 涼子、本心を見抜かれて一瞬動揺するが、 ドから、話を聞けました」 アン・ツェリン、立ち去る 冷静になって、 深町「・ : 深町、アン・ツェリンを追いかける。涼涼子「兄を失ってから、ひとりになった私を 斉藤「アン・ツェリンは最近、市内の登山用 子も続く 支えてくれたのは、羽生さんだけでした」 品店に出没しているそうです」 リキシャが走って来てふたりの行方を遮深町「 : : : 」 涼子「羽生さんは ? 」 る。やり過ごして進もうとするが、今度涼子「羽生さんは、私にとって一番大切な人 斉藤「現れるのはアン・ツェリンだけです は反対側からも来る。 でした」 深町「・ : ・ ( 涼子の想いを感じている ) 」 カトマンドウ・路地裏 ( 翌日 ) 広場 登山用品店「ガネーシャ』の看板 深町と涼子が住宅に囲まれた広場に出て ホテル・表 ( 翌朝 ) 来る。 深町と、トルコ石のペンダントをした涼 深町と涼子が、ホテルから出て来る 子が歩いて来る。 しかし、すでにアン・ツェリンの姿はど そこにガナシアムがやって来る こにもない。 ドアが開いて、ザイルなどの登山用品を ガナシアム「 ( 英 ) 見つけたぞ。日本人、川 背負ったアン・ツェリンが出て来る。 深町と涼子、雑踏に佇む。 ドル払え」 深町、アン・ツェリンの前に走る 深町「 ( 英 ) 川ドル ? 」 深町「 ( 英 ) 羽生にーービカール・サンに会 遺跡の塔 ( 夕方 ) ガナシアム「 ( 英 ) アン・ツェリンの家が分かっ わせてくれ ! 」 大きな遺跡の塔がある たよ。昔シェルバをしていた男から聞いた 遅れて涼子も来る その途中の階段状になった石段に、深町んだ」 アン・ツェリン、驚いたような目で涼子 と涼子が腰を降ろしている 涼子「・ : のペンダントを見つめる。 眼下に、カトマンドウの街並が広がって いる 涼子と深町、怪訝そうに顔を見合わせる アン・ツェリン「 ( 英 ) 岸涼子さんですね」 涼子、羽生を想いながら、カトマンドウ 涼子、いきなり名前を呼ばれて驚く の風景を眺めている アン・ツェリン「 ( 英 ) その石を大切にして 深町、そんな涼子を見つめている 山間の道 雄大なヒマラヤの山脈 月沿いの道を、ミニハンか走って行く。 8 3 」

5. シナリオ 2016年4月号

用人と奥様が不義密通してないのに疑いを ていたのが今教えていただいている村井さ有安観たことはあったんですけど読んだ かけられて、だけれどもいよいよ死ななく だゆき先生です。文字で面白かったものを ことはなかったです ちゃならないという時に、使用人から「好映像にしても面白いということは、脚本に 黒沢映画観たのと違いました ? きです」と告白されて世界が変わってしまする時に、面白さのコアみたいなものを取有安読んでいてもちろん映像も浮かぶん う。オセロのように白から黒へパッと変わ り出して、それを再構成しているというこ ですけど、映像だけじゃなくて、作中の人 る、そういう物語を書きなさいと言われま と。それが、すごく面白く思えたんですね たちが自然に生活しているので、生活音と した。 村井先生の世界に引っ張り込まれて、そこ か最後の船が行くボッポッポっていう音と だいきようじむかしごよみ 加藤原作は近松の「大経師昔暦』です。 から脚本に興味が湧きました。作品ありき かも、聞こえるかのよ、つ。シナリオってこ 図書館にあるので、興味があれば読んで下というところから脚本に入ったので、シナ 、ついうものなんだと、今思い出してもトリ さい。原作より脚本のほうが上です。原作 リオの無駄のなさみたいなものにも感動し ハダが立つような。「音が聞こえる」とい のちょっと苦しい展開を非常にうまく消化 ていて。先ほども自己紹介の時に言ったん うのを上下巻通して思いました。 してまとめてあります。もちろん、原作も ですけど、脚本はシンプルさが小説なんか黒沢荒井 ( 晴彦 ) さんが言うのは、よく 素晴らしいのですが、それをさらにもっと と比べてすごく強く出る形態だなと。この 小津小津 ( 安一一郎 ) というけど、 ( 功績は ) 良くした脚本です。溝口さんが、その脚本『日本名作シナリオ選』はそういうところ野田 ( 高梧 ) なんじゃないかと を素晴らしい映像にしています。傑作とい を洗い出して見せてくれる。すごく勉強に 加藤脚本作りに関してはやはり野田さん なりました。 うのは、そうやって全員が最高の仕事をし かリードしてたんじゃないかなという気か ないと生まれないということなのでしよう黒沢特に気に入った作品ってありまし します。野田さん以外の小津作品、例えば ね 黒沢有安さんは ? 有安作品で言うと「東京物語」がすご かなり趣が変わります。斉藤さんも脚本の 有安初めて脚本自体に触れたのは三年ほ く好きなんですけど、 ( 全体的に ) 父と子、 名人ですから、大変巧みなシナリオですが、 ど前です。本格的に勉強してみようと脚本親子の関係を描いたシーンが印象に残った やはり野田さんの方が小津作品という臭い に興味をもったのは、京極夏彦先生が原作 ので、人間同士の絆みたいなものを描くお が強く感じられます もうりようは一 ) を書かれているアニメの「魍魎の匣』がキッ話が、しつくりくるのかなと。作品じゃな それから、シンプルで感心したという意 カケです。面白く分厚い小説を読んでいて、 くてアレなんですけど、テーマのほうが印 見もありましたが、そういう感覚は脚本を これを映像にするにはどうするのかと観た象に残りました。 書いてる人ならではのものです。脚本を書 時に、アニメでもすごく面白く再構成され黒沢『東京物語』はこれまで読んだこと いたり読んだりしたことがない人が読むと、 ていた。そのアニメのシリーズ構成をされ はなかった ? 何かぶつきらばうなイメージになります 「風の中の牝鳥』は斎藤良輔さんですけど、 9-

6. シナリオ 2016年4月号

近 ) を示す。 長谷「ところが羽生さんは、うっとりした目 長谷「ここだ」 で、頂上直下のウォールを見上げていた 長谷が帰った後の室内のエヴェレストの 深町「・ : 模型。 長谷「ここで、遠征隊のキャンプ設営や荷揚深町「 : : : 」 心ここにあらずという顔の深町・ げに明け暮れていた時 長谷「 : : : ぞっとしたよ : : : その時の彼の顔 涼子と宮川も、気持ちが高まっている は今でもはっきり覚えている」 涼子「私、向こうに行きます」 深町、驚いて涼子を見る 貶エヴェレスト・ oq 付近 ( 1985 年 ) 荷物を背負った羽生と長谷が登って来る。 深町、食い入るように長谷を見つめてい 涼子「羽生さんを探しにカトマンドウに行き る。 羽生、足を止めて、エヴェレストの山頂 ます」 を見上げる。 深町「長谷さん。彼は、向こうで何をしよ、つ宮川「なあ、深町 : : : 羽生丈一一とマロリーの 羽生「気持ちいいだろうなア、ここを真っ直としているんでしよう ? カメラ。これほどおいしいネタはねえな」 ぐ登ったら : : : 」 長谷「山だ : : : どこでどんな暮らしをしてい 長谷、冗談だと思って、笑い顔で羽生を ようが、羽生丈一一は山屋だ。ほかの生き方宮川「ここまできたら、お前も行くしかねえ 見る なんてできるわけがない : だろ。金なら会社が何とかする」 だが羽生は純粋な目で山頂を眺めている 長谷、模型を見て黙り込む。 深町「 : 宮川と長谷、怪訝そうに顔を見合わせる。 岳遊社』・編集室 ( 1993 年月 ) 長谷「きっと何かとてつもないことを狙ってミニバン・車内 ( 一ヶ月後 ) ( 19 9 3 いる : : : 羽生丈二にしかできないことを 長谷、深町、涼子、宮川が模型を囲んで 年月 ) 車窓に、原色に彩られたネパールの街並 宮川、怪訝そ、つに模型を指差しながら、 深町、長谷を見て驚く 宮川「南西壁のルートは、イエロー 模型を見つめる長谷の目は、昔の登山家 後部座席で、街の風景を眺める涼子。神 沿って、こう迂回して頂上に向かうんで だった頃のように鋭く、煌々たる光を と人間が共存する街のエネルギーに圧倒 されている 放っている しよう。 ( 指差して ) ここを真っ直ぐ ? 」 長谷「ここは、ほとんど垂直の壁だ。しかも、長谷「羽生丈二という男の中には、何か鬼み 涼子の隣には深町。運転席にネパール人 ポロポロと岩が剥がれる。とても人間が登 たいな恐ろしいもんが棲みついているんだ の運転手、斉藤が助手席。 れるようなところじゃない」 斉藤「トレッキングのガイドをしているよう 深町の心に、長谷の言葉が突き刺さる ですが、アン・ツェリンも羽生もどこの代 4 -0

7. シナリオ 2016年4月号

月刊シナリオ′ックナンヾー 7 月号 - コ 「超高速 ! 参勤交代」 ( 土橋 章宏 ) 「あいときばうのまち」 ( 井 上淳一 ) 「いのちのコール 5 ミセス インガを知ってますか、」 ( 南木顕生 ) 8 月号 「つぐない、新宿ゴールデ すリオ… 本皿泉 ドいて 治ねじめ彩木 ) ン街の女 5 」 ( 佐藤稔 ) 「こつばみじん」 ( 西田直子 ) 「ミスタ 1 エース」 ( 丸内敏 「斬る」 ( 新藤兼人 ) 「剣」 ( 舟橋和郎 ) 「ある殺し屋」 ( 増村保造 石松愛弘 ) 月号日 「海を感じる時」 ( 荒井晴彦 ) 「舞妓はレディ」 ( 周防正行 ) 月号 「 NIJYU ・ GO 」 ( 柏原寛 すリオ 9 月号 司大川俊道岡芳郎ハ セべバクシンオ 1 ) 「ネオチンピラ鉄砲玉びゅ 、・」 ( 西岡琢也 ) 「尻を撫でまわしつづけた 男痴漢日記 5 」 ( 加藤正 人 ) 「紙の月」 ( 早船歌江子 ) 「花宵道中」 ( 鴨義信 ) 「滝を見にいく」 ( 沖田修一 ) ■ 2015 年 1 月号 「百円の恋」足立紳 广ンナリオライダーにと「て シネマとは何たったのか 圏等ハセへハクシンオー - コ第ー物、 シすリオ 貶月号 第 ( 「荒神」丸山昇一 「プロデュース」丸山昇一 「さよなら歌舞伎町」荒井一 晴彦中野太 「深夜食堂」真辺克彦 嶋健作松岡錠司 「新幹線大爆破」小野竜之 助佐藤純彌 さよなら歌舞伎町 第井・中太 真産 小健 ー第を第 ツ人′ 当」出弋 ~ , ~ 兄弟。 第広を 2 月号 ロテュース山第一 1 14 ー -

8. シナリオ 2016年4月号

3 月シナリオ 8 週間講座晉 映画「あやしい彼女」 映画「世界から猫が消えたなら」 映画「エヴェレスト神々の山嶺」 映画「僕たけがいない街」 吉澤智子 岡田惠和 加藤正人 後藤法子 シナリオの基礎技術こそがプロをうみます。 平成 28 年 3 月 29 日 ( 火ト 5 月 24 日 ( 火 ) 毎週火曜日 ( 全 8 回・週 1 回 5 / 3 休み ) 昼の部午後 1 時半 ~ 3 時半 夜の部午後 6 時半 ~ 8 時半 ☆欠席の場合は、フォローシステムがあります。 ☆シナリオワークショップもあります。 会場シナリオ・センター青山教室 ( 地下鉄銀座線・千代田線・半蔵門線「表参道」駅・下車 3 分 ) 受講料入学金 3 , 000 円授業料 22 , 000 円計 25 , 000 円 ( 教材費・税込 ) ※お問い合わせは、 URL:http://www.scenario. CO. jp メーノレ scenario@scenario. CO. jp 〒 107 ー 0061 東京都港区北青山 3 ー 15 ー 14 シナリオ・センター S 係へ。 TEL 03 ー 3407 ー 6936 FAX 03 ー 3407 ー 6946 シナリオを シナリオ・センター 学びたい人のための 青山・表参道

9. シナリオ 2016年4月号

いなや、迷わずすぐに購入したはずです。 データが正確ならば高一の終わり、十六歳 の頃です。及川少年の目当ては、当時決定 的な大傑作として評価されまくっていた 『家族 5 』ではなく、『の・よ 5 』の方でし 中学生になったあたりから、スピルバー グ周辺のあれこれや『セーラー服と機関 銃』やら何だかんだに浸るうちに、「どう やら自分は他の何よりも映画という表現形 式が好きらしい」と自覚し始めてはいまし 、それはあくまでも「観る人」の気分 で、自分が「創る人 , になれるとは、思っ ていませんでした。曖味な言葉使いで恐縮 ではあるが、でもこれが当時の実感だった ので書きますが、映画とはとても「大き 「の・ようなもの』という映画があったこ 思い返してみると、僕が人生で初めて読 な」もので、しかし多分自分は大人になっ とを、ここ二十年程の僕は、すなわち脚本んだ脚本が、『の・ようなもの』だったの ても「小さな」人間でしかないだろうから、 を書いて金銭を得る立場になっていろいろ でした。もう三十年以上も前のことです。 きっと創る側には辿りつけないだろう、と あって今に至る僕は、基本的に忘れていた 制年の三月 ( 時期の記憶は曖味なので、 ヌーベルヴァーグ以降のあれこれやピンク のです。 今ネットで調べたデータです ) に角川文庫やロマンポルノにもまだ無知だった少年は、 しかし本誌三月号掲載の脚本を読み、実から、同じく森田芳光脚本による『家族そう思い込んでいたのでした。 は僕は無自覚にこの作品になかなかの影響ゲーム」のシナリオ本が出版され、おまけ けれど程なくして、記憶がやはり曖味だ を受けていたことに今更ながら気づかされ、として『の・よ 5 」の脚本も掲載されてい が多分高一の頃、僕はとある二本の映画を またこの作品独特のチャーミングさについ たのでした。で、これも忘れていた記憶の観て、自分も映画を創る人になれるかも、 て語ってみたくなったので、あれこれ書い 蓋が開いて久々に思い出したんだが、当時というかなりたい、 とい、つ力なる、とい、つ てみようと思います。 の僕はそれが新刊書として本屋に並ぶや方向に思い込むことになっていったのでし ターヒ リレーエッセイ 連載 ~ シナリオの宝石箱から ~ ■第 2 1 回 及川章太郎 『の・ようなもの』 「の・ようなもの」 は 981 年 NEWS コーポレイション ) 脚本・監督 : 森田芳光 出演 : 秋吉久美子伊藤克信尾藤イ サオでんでん小林まさひろ大野貴 保麻生えりか

10. シナリオ 2016年4月号

Ⅱ『日本名作シナリオ選』を読む 日本シナリオ作家協会からこのほど発刊された『日本名作シナリオ 選』上下巻。昭和八年の「盤嶽の一生」から昭和五十三年の「鬼畜」 まで日本映画の歴史に刻まれる名シナリオが収録されている。この 本が編まれたーっの目的はシナリオを学んでいる人たちに読まれる ことにある。そこで、各シナリオ・スクールや大学で勉強中の方々に 本書を読んだ感想を語ってもらった。 【出席者】 50 音順敬称略 有安由希 ( 映画美学校 ) ー田ネ貞・了、 ( 日本脚本家連盟ライターズ・スクール ) 小田康平 ( シナリオ・センター ) 近藤希実 ( 日本映画大学 ) 山舟朮、 ( 日本大学大学院芸術学研究科 ) 山口智しと ( 日本シナリオ作家協会シナリオ講座 ) 加藤正人 ( 日本シナリオ作家協会 : 代表 ) 黒冫尺ク了、 ( 司会 ) ( 日本シナリオ作家協会 : 出版委員会 ) 上 ( 題字佐藤啓幽装丁鈴木大 ) 読んで何を思ったか 黒沢初めてお目にかかる方が殆んどです ので、それぞれ自己紹介をしていただきな がら、読んだ感想をいただけますか ? 田さんからお願いします。 小田大学三年生の小田と申します。まだ シナリオ・センタ 1 に通いだして半年くら いなんですけど、自分がこの本を読んで感 じたのは、今の映画はなんとかハッピーエ ンドで終わりたいという感じの中で、決し てハッピーエンドじゃないんだけど、、いに 残るというか、そういうシナリオだったな と 岡田ライターズ・スクールから参りまし一 サチコ た岡田禎子と申します。初めは清水曙美先 生にご指導頂いておりましたが、清水先生 が亡くなられまして、その後、尾崎将也先 生の下で勉強させて頂き、今三年くらいに なります。読ませて頂いて、ほんとにパ ワーのあるシナリオだなと思いました。女 性なので女性目線で読んでしまうんですけ ど、この時代生きた女性たちと今とはかな り違う。シナリオの中の女性たちは自分の 感情のまま、愛を信じたら突っ走るみたい な感じがあって。今の女性は、頭で一日一考 えてしまう気がする。その辺で人間的な魅