われらが背きし者 新刊案内に表示した発売日は小社出庫日です 1 0-2016 圏国ロ ジョン・ル・カレ 上岡伸雄、上杉隼人訳 8 2 の 恋人たちの一度きりの豪奢なバカンスが、 ロシアン・マフィアを巻き込んだ疑惑と 円 》むをる 望てす欲望の渦巻く取引の場に ! 政治と金、 8 売 3 発 のべ弄愛と信頼を賭けた壮大なフェア・プレイ 彼す翻をサスペンス小説の巨匠ル・カレが描く、 体 5 極上のエンタ 1 ティンメント。 本・ 〈物語と日本人の心〉コレクションⅢ 河合隼雄が、ユング派分析家資格取得論 8 文のテーマとした日本神話の意味と魅力 を、わかりやすく語る。世界の神話・物 0 売 語との比較の中で、日本人独特の心性の発 神話と日本人の心 16 艤日 深層にせまり、現代社会の課題を探る。 体 ( 解説“中沢新一 ) 晩年の主著、初の文庫化。 河合隼雄 / 河合俊雄編 ( 全六冊 ) 本圧引・ ◎心楽しく実りゆたかな世界の扉をひらく 子どもにとってよい本との出会いがいカ 8 に大切か、よい本を選ぶ基準とは何か、 多彩な作品を取り上げて詳しく説き明か 0 売 一一一一浦す。長年にわたり児童文学・児童図書館発 児童文学侖 に関わる人々の厚い信頼を得てきた名著 18P 8 体 2 1 リリアン・ I ・スミス / 石井桃子、瀬田貞一「渡辺茂男訳が、いま文庫版で甦る。 ( 解説。斎藤惇夫 ) 本田・ 何故、僕广選んたま 映画「われらが背きし者」 10 / 21 ( 金 ) TOHO シネマスシャンテ他 , 全国ロードショー ! 0
◎「家族にはそれそれ他人にはいえない秘があるもんさ」 す トランペット で 日 庫 ジャッキー・ケイ / 中村和恵訳 出 社 売◎古今の名著を使って考える、哲学の「筋トレ」 有名な古典の一節に触れ、それを 発 こ 使って考える哲学入門。短い対話 し 高校倫理の古典でまなぶ 学 で問題をつかみ、平易な解説を読 表 みながら考える。コラムや論述法 開 8 分 のアドバイスも。 1 ではモンテー 8 内 哲学トレーニング 案 ニュ、アリストテレス、デカルト 2 0 2 2 書 刊 1 人間を理解する 新 などを使 0 て人間について、 2 で売 ー 2 社会を考える 9 9 般発 はプラトン、カント、ロールズな 1 」各一日 ( なおえきょたか氏は、東北大学大学院教授 ) どを使って、社会について考える。体 9 劇 直江清隆編 四本い国・ ◎誰もが知っているのに、理由は謎だった ! なぜ鏡の中では〈左右〉が反対に見えるの頁 か ? この問題はプラトンの昔から数多円版降 くの哲学者や物理学者の挑戦を退けてき 9Jo 図判籍 o 以 ・鏡映反転 た。二〇〇〇年以上も謎でありつづけた弡 R 田 ー紀元前からの難問を解くー 難問を、科学的な分析と実験によ 0 て解劇明 高野陽太郎 ( たかのようたろう氏は、東京大学名誉教授 ) 決する。〔電子版には附章を追加収録〕本国紛価 * 好評既刊 電子書籍版 配信開始 人気のトランペット奏者ジョス・ ムーディが死んだ。遺体が露わに O 3 した驚愕の事実にマスコミは大騒 説 ぎ。混乱する息子、追いこまれる加 妻 , ーーそれぞれに辿り着いた〈本製 o 馮国発 8 一外 日 当〉の〈彼〉とは ? 恋と愛とセッ クスと音楽、そして家族の物語。 本国紛・ 一 11 ロ
〔訳者解題〕著者の呉叡人氏は中央研究院台湾史研究所副研本の読者向けに補足が必要と判断した部分について〔〕を付 究員。台湾大学政治系卒業、シカゴ大学で政治学博士の学位して補ったことを含めて、訳稿について著書自身による確認 を取得。かって本誌に「賤民宣言ーー或いは、台湾悲劇の道を経ている。 表題の「黒潮」は、二〇一四年春のヒマワリ運動で台北の 徳的な意義」 ( 『思想』第一〇三七号 ) を寄稿したことがある。 近年における日文の論稿として、「台湾ポストコロニアルテ街頭を呑み尽くした五〇万近い人びとの流れをあらわす隠喩 ーゼ—APartisanView( 『ワセダアジアレビ、ー』第一八号 ) である。同時に、反権力の政治的象徴でもあり、台湾の歴史 を東アジア史、世界史との相関関係において把握しようとす など」がある。 る立脚点をも示す。 本稿の初出は、ヒマワリ運動にかかわる論文集 ( 林秀幸・ 本稿は、ヒマワリ運動の経過を微視的に追ったものではな 呉叡人主編《照破 , ーー太陽花運動的振幅、縦深與視域》左岸文化、 く、この運動の深層に横たわる国家と社会の関係構造を長期 二〇一六年 ) である。のちに、著者の単著 ( 呉叡人《受困的思想 台湾重返世界》衛城出版、 = 〇一「年 ) に再録された。翻訳的視野から検証したも 0 である。「資本 0 不均等発展」「買弁 にあたっては中文版をベースとしなからも、著者自身による資本」などオーソドクスなマルクス主義史学を思わせる用語 英文版 ( 未発表 ) を参照して補訂した部分もある。その他、日を用いているものの、著者の立ち位置は、むしろマルクス主 黒潮論 台湾ナショナリズムとヒマワリ運動の歴史的・政治経済的分析 呉叡人 訳Ⅱ駒込武
の記録も保存している。英国やフランスはもとより韓国も日本に比。へて数倍の規模である。 一九九四年から開始された米国議会図書館の電子図書館事業ではアメリカンメモリー ( アメリカの歴史がビジ ュアルに見て勉強できる ) が有名であるが、規模的にはが進めているユ ーロピアーナがシステム概念と規模、 内容の豊富さにおいて最も挑戦的なものであろう。これはの文化と科学のこれまでの遺産に誰もがアクセ スし、各国・各民族の文化や歴史を理解できるシステムを構築することを目的として始められたもので、 現在の二〇〇〇以上の機関が参加している。各機関はそれぞれの持っ遺産をデジタル化したデータベース を持ち、それらを結んで一か所からどのデータベースにも簡単にアクセスできるようにしたものである。現在 四〇〇〇万点近くの資料を横断的に検索し参照できるようになっている。資料の内容はテキストのほかに、写 真、映像、スピーチ、音楽など多種多様である。人文学の宝庫といってよいだろう。アーカイプには実用的な 葉 ものもあり、グーグルマップやストリートビューなどはその典型である。 の このような世界の状況に遅れないためにも、日本におけるデジタルアーカイプ活動を振興し、これらの整備 想 思と活用について国家戦略的観点から議論し政策提言をすることが大切であるとして、有志が集まって二〇一四 年、「アーカイ。フ立国宣一言」を取りまとめた ( 文献参照 ) 。この活動を国として積極的に推進す。へきであろう。す でに東京大学の美馬秀樹准教授の研究室では、雑誌『思想』の一九二〇年代から二〇〇〇年頃までのすべての 記事を画像データのみならずテキストデータの形式でデジタル化しており、どういった課題をどの時代に取り 上げてきたか、またそれらが時代を下るに従ってどのように論じられたかといった知の構造全体の変化をコン ピュータによる自然一一 = ロ語処理技術で可視化している。このようなアーカイブを用いた分析法がこれからの人文 学研究の一つの手法として明確な位置付けを得ることになるだろう。 ここで少し将来のデジタルアーカイプのことを考えてみよう。最近のコンビュータによる自然一一 = ロ語処理技術 は非常に発達しており、テキストの中から重要語を抽出してテキスト群の自動分類をしたりできるし、各資料
1 10 バ ) 」による分節作用。言葉の分割線を引くことによって 「名」が付き、名がつくと個々のものとして独立する。区切り のない真相にコトヾ、、ゝ ノ力分割線を人れ、区切りの世界を創り出し、 それを実体と思い込ませる。井筒の用語法で言えば、「無分節 の存在リアリティ」がコトバによって分節され、「語の意味形 象的差異性によって」、「分節態 ( 意味分節・存在分節 ) 」が見せ かけの実体性を得てしまい、無分節のリアリティが隠れてしま 、つ。そこで、コトヾ ノの分節態から解き放たれれば、もともとの 「無分節のリアリティ」が現われてくる。『起信論』の言葉では、 ただ しゃ・ヘっ 「一切の諸法は唯妄念に依りてのみ差別あるも、若し心念を離 るれば則ち一切の境界の相無なればなり」 ( 岩波文庫、二五頁 ) 。 私たちの意識の対象として現われるすべてのものは、妄念によ って、個々に独立して存在しているように見えるが、表面の 「心念」を離れることができれば、「一切の境界の相 ( 分節態 ) 」 は存在しない ( 同右 ) 。 ( 9 ) 井筒はこの出来事を、宗教的言辞で言えば、「隠れた神」 は「顕われた神」にならずにはいられないことと言う ( 井筒、 四〇頁 ) 。同じことを、鈴木大拙は「真如はなぜ神秘的な超越 性の世界に留まり続けず、様々な不幸が我々に押し寄せている この地上へと降りてきたのか descend on earth 」と言い換え ている。そして、この問いは知性では解決できず、最高の悟り に達して初めて実践的に解決される人生の意味に関わる問いで あるという (Daisetz Teitaro Suzuki. 0 ミ一ミ、斗ミ B 旁ミ . Open Court. 1907. 佐々木閑訳『大乗仏教概論』岩 波文庫、二〇一六年、 p. 113. 一一一六頁 ) 。 ( 川 ) 以下、西田幾多郎の著作からの引用はす。へて、新版『西田 幾多郎全集』 ( 岩波書店、二〇〇二ー二〇〇九年 ) により、巻数 と頁数を記す。 ) Daisetz T. Suzuki. op. cit., pp. 100 ー 10L 九〇ー九一頁。 ( ) 正確には『起信論』には「離言」「依言」の術語は登場し ない。『起信論』は前者を「言説の相を離れ」と語り、後者を 「言説に依って分別すれば」と語るのみである。しかし法蔵の 『義記』をはじめ、多くの註解書、現代語訳 ( 例えば岩波文庫 版 ) 、そして井筒もこの術語を使う。 この図の原モデルとして井筒は、村上専精『起信論達意』 ( 哲学書院、一八九一年 ) に言及している。 (ä) 玉城は『起信論』が私たち自身の心を口 門い、「私たち自身 の心を問うことが、そのまま大乗の世界の開示になる」という。 重要なのは、私たち自身が「衆生心」であるという点。衆生心 とは私たちが現に生きている現実の心である。現実の心から出 発し、その心を究明することによって大乗の世界を開示しよう とする ( 玉城康四郎『大乗起信論の根本問題 , ー、本論の理解と 批判を含めて止観の実践に及ぶ』、関口真大編『止観の研究』 岩波書店、一九七五年 ) 。なお、井筒は「衆生心」について 「一般大衆の心とでも訳せそうな」と興味深いことを書き残し ている ( 井筒、五九頁 ) 。 ( ) 」 20 、 0 、 S Discoz 、 rse 0 the ミミ g ~ the 」、、ミ . p. 59. ( ) 井筒が語る「荘子の「無」字を三つ重ねた独自の表現」は 以下を指すと思われる。「有なる者あり。無なる者あり。未だ 始めより無あらざる者あり。未だ始めより夫の未だ始めより無 あらざるもの有らざる者あり」 ( 金谷治訳『荘子』斉物論第二、 岩波文庫 ( 第一冊 ) 、六五ー六六頁、一九七一年 ) 。「無」に対し て、そもそも初めから「無」は「無い」、さらにその先に「初
新刊案内に表示した発売日は小社出庫日です 10-2016 ・ 9 月日発売黒潮論・ ・呉叡人 加月号本体 85 。円 2 ー台湾ナショナリズムとヒマワリ運動の さ ◆年間購読料 10 、 000 円 本体 14 。。円歴史的・政治経済的分析ー 思想聟号 しだ ( 税込・臨時増刊号を除く ) ◆年間購読料概算 22 、 200 円ジ 1 クムント・フロイト論 ・十川幸司 《特集》 9 ・から朽年 ー第三章ヒステリーから強迫神経症ヘー = 送ケベックにおける間文化主義的なライシテ 9 ・Ⅱから中東の宗 西田哲学と「大乗起信論」・ : 西平直誰が「正しい」かを競う戦い 派対立へ : ・酒井啓子 ーその誕生と試練田ー ー井筒俊彦『意識の形而上学」を介して割ー アルカイダからイスラーム国へ・ ・保坂修司 ・伊達聖伸 生活域に浸透するテロリズムの脅威・ : 首藤信彦 霊性論・ ・若松英輔 ポスト 9 ・Ⅱからからポスト・スノーデンへ : ・井桁大介 ー第三章内村鑑三と日本的霊性ー エドマンド・ ークと帝国の言語・ : 苅谷千尋 スレプレニツアで考えたこと : : 長有紀枝 ー「第九報告書」 ( 一七八三年 ) をめぐってー 【思想の言葉】 ・長尾真 「語り」に耳を傾けてーー分岐点を前に・ : 熊谷晋一郎 福祉番組の制作現場から相模原事件を考える・ : 熊田佳代子 読 8 施設で生きるということ : : 有薗真代 ・ 9 月日発売安全保障技術研究推進制度と共同研究協定 2016 年参院選ーー政治的貯金の使い途をどうす : 谷口将紀十築山宏樹十金子智樹十高宮秀典 望月衣塑子る ? 無魂企業は企業にあらず : ・ : 浜矩子 【科学ー 本体 1333 円防衛産業をめぐる状況・ 松村博行〈インタビュー〉象徴天皇と「生前退位」 : ・ : ・長谷部恭男 話振 ◆年間購読料概算 17 、 280 円 韓国シベリア抑留者たちとの対話 : 小熊英ニ 【新連載】 〈対談〉「模範郷」を読むーーー東アジアの時間と「私」 も特集“安全保障と学術 ドローンで見る大地のいとなみ・ 小山真人 : ・リービ英雄 x 温又柔 : 金石範 一海の底から : ・ 日本軍「慰安婦」問題解決運動史第 1 回パイオニア 小以正念場に差しかか 0 た軍学共同・ = ・ = 池内了【連載】 たちの肖像 パラサイトの惑星 : : 李娜榮、訳梁澄子 小澤祥司 す公軍事研究に対する科学者の態度 : ・ : 小沼通ニ ー地球生命系をあやなす寄生生物たちー 永遠の一日第 1 回避難者たちの団地で : : : 七沢潔 自死は、向き合える第 1 回「事故物件」高額補償はな 深読み ! 「せいめいのれきし改訂版」 = ぜ起きるのか : : 杉山春 : 大浜啓吉 環学問の自由とは何か 真鍋真 ・一一以後の科学リテラシ ! : 牧野淳一郎 い割七三一部隊】戦争と学術を考える原点として三 み図 環境と公害囂 ・常石敬一東京電力原発事故の情報公開 : : : ・木野龍逸 ・和月 % 日発売 本体 12 。。円 ◆年間購読料 1 年 5000 円、 2 年 9000 円 ・ 9 月 % 日発売 小さな文学にとって〈世界文学〉は必要か ? 9 ー 1 月号〔隔月刊〕 鵜戸聡 第巻 / 第 4 号 本体 27 。。円 経済研究 オリジナルなき翻訳の軌跡・ ・藤井光 本体 19 。 5 円 ・月日発売 世界文学と東アジア : ・橋本悟 ◆年間購読料概算 8230 円 特集世界文学の語り方 秋草俊一郎 述語としての「世界文学」 = ・ 現代フランス文学におけるギリシア“ラテン 第巻 / 第 4 号 ・ベネディクト・ゴリョ 近年近代日本における漢文または漢籍の叢書につ文学の遺産・ 数学 はすいて・ ・和月日発売 本体 945 円 ・上原究一超アカデミック・ノヴェルの誕生・ : 土田知則 読ま ◆年間購読料概算 4084 円 購し中村真一郎における王朝の発見 : : : 戸塚学【文学のひろば】・ ・富原眞弓 コンピュータ第 ・福田美雪【連載小説】 定開かれたパンテオン : のお ソフトウェア〔〕 誌て「父の娘」のノーベル文学賞 : ・桐野夏生 ・中丸禎子日没 ( 第二回 ) : ・ ・和月日発売 本体 180 。円 ナチス占領下の「世界文学」 : ・ ・奥彩子 ◆年間購読料概算 7780 円 ◆ 文学。 世界
新刊案内に表示した発売日は小社出庫日です 1 0-2016 一橋大学経済研究叢書 大蔵官僚支配の終焉 山口ニ郎 国勢調査と日本近代 日本の政策決定過程において、かっての大蔵省はいか . 佐藤正広 なる役割を果たしたのか。著者の鮮やかなデピュ 1 作。 一九二〇年の「第一回国勢調査」を中心に、統計調査 978 ・ 4 占 973R9 よ判・本体 5400 円技術の導入、実践、定着の歴史的位置づけを行う。 978 ー 4 占 9730504 ー 7 <LO 判・本体 7200 円 ク宣旨試論 ッ 宣旨の本質・起源 0 再吟味を通じて、律令公文書制度原経済学 る。 978 ー 4 ー 097305C99 <LO 判・本体 9000 円 ¯) ・・コンラッド / 岡敏弘、中田実訳 標準かっ必須のツ 1 ルである動学的最適化モデルを、 表計算ソフトを駆使してわかりやすく学ぶ教科書。 日本中世境界史論 978 ー 4 占 9730505 ー 4 <LO 判・本体 6200 円 付村井章介 波ド 受中世日本の国境を、境界人の豊かな活動空間としてと 日らえた著者の、多年にわたる境界研究の集大成。 978 、 4 占 973059 , 6 <LO 判・本体 8800 円 女性と人間開発 ー灣在能力アプローチー マ存在の一義性を求めて マーサ・ O ・ヌスパウム / 池本幸生、田口さっき、坪井ひろみ訳 ードウンス・スコトウスと世紀の〈知〉の革命ー 南アジアの女性たちへのフィールドワークを基に、「人 山内志朗 間の善き生き方とは何か」という哲学的課題に答える。 謎と発見に満ちた中世への旅。スコトウスが記した転 978 ー 4 占 9730506 ー一四六判・本体 7000 円 回への一歩を探照灯として、中世思想の本丸に迫る。 978 ー 469730502 、 3 <LC) 判・本体 7000 円 ン 一橋大学経済研究叢書 オ マクロ安定化政策と日本経済グロトバル空間の政治経済学 浅子和美 サスキア・サッセン / 田淵太一、原田太津男、尹春志訳 ゼーションと国民国家との緊張関 マクロ経済政策の理論的整理と、政策パフォーマンス進行するグローバリ の検証から、政策の成果と役割を明らかにする。 係を、グローバル・シティーのマイノリテイから分析 978 ・ 4 占 97305036 <ID 判・本体 6500 円 . する。 978 ー 4 占 9730507 ー 8 四六判・本体 6000 円 0 2
なくなった「父親の中学」を「きちんと卒業した」という証明を要はなくマゾヒズムにあることが明確になる。父親の死に対す 求していた ) 。そしてそれが叶わないと分かると、彼は分析にる罪悪感という観点から、この患者のマゾヒズムを理解する は来なくなった。 ことには明白な限界がある。この限界を正確に認識しておく ことは、この患者の病理の理解だけではなく、治療において この患者の最初の空想 ( 自分が女性から虐められる ) は、サデも重要な意味を持つのである。 イズム的な要素の強いものである ) 。フロイトが「欲動と 欲動運命」で示した能動性から受動性への三段階の変換を参本論で、私たちはフロイトの倒錯の問題系を、両性性の問 照するならば、ここにはサディズムの反転としてのマゾヒズ題系と欲動論の問題系に分け、フロイトが強迫神経症理論を ムが生じている。しかしこの時点では、曰の段階におけるもつばら後者の問題系に沿った観点から構築したことを示し、 「新しい他者」は出現していない。 ところがこの空想は、彼さらにはそこから一歩踏み込んで、強迫神経症が同じく後者 が父親に対して抱くことになった罪悪感の影響により、別の の問題系に属する倒錯の形態としてのサディズム、マゾヒズ 空想へと変化する。それは美しい女性が ( 不特定の ) 男性に虐ムと類縁性を持っことを論じた。ところで、フロイト理論に められているという空想であり、彼はその女性にナルシス的おける倒錯の問題を考えるさいに躓きの石になるのは、フロ に同一化し、強い快感を得ている。この空想には「 ( 不特定イトはこの二つの問題系の探究を生涯にわたって平行した形 の ) 男性」という新たな他者が出現している朝。つまりこので行い、二つの問題系を統合的に取り扱う理論を構築しなか 空想の受動性は、サディズム ( 能動性 ) の反転ではなく、まさ ったという点である。この二つの問題系の出現を年代的に明 しくマゾヒズムの受動性なのである。 確にするのも難しい。両性性の問題系が優位にあるのは、フ 以前の論考⑩で、私たちはこの患者の強迫神経症と倒錯 丿ースの影響が大きかった初期から、初期ドーラ論が書かれ の共存を、幼児のセクシュアリティと成人のセクシュアリテた一九〇五年頃を経て、ファルス中心的な編成がピークに達 イという観点から捉え、この患者が基本的には強迫神経症のした「幼児期の性器的編成」 ( 一九二四年 ) 、さらに「フェティ 病態であり、患者の空想に出現している倒錯的要素を ( 罪悪シズム」が書かれた一九二七年頃である。そして欲動論の問 感によって装飾された ) 幼児の多形倒錯的な性現象として理解題系は、『性理論三篇』が書かれた一九〇五年、そして一九 した。しかし、フロイトの肛門欲動論を改めて検討して、こ 一五年と一九二〇年代にピークを迎えている。しかし実際、 の症例を見直すなら、この患者の病理の中核が強迫神経症でこのような区分には無理があり、多くの時期において、二つ
67 黒潮論 社会の意思 ( w = I) は産出したのである。 「新しく点火された火は、すでに消えた灰燼さえも燃え上が らせることができる」 ーー楊華『黒潮集』 四六判上製毎月日発売 谷 9 8 田中英道著 天平に咲く占典文化 四国一篇に切随、、一房一 恣に威勢を振ふ 長宗我部元親・盛親 書 天平に華咲く「古典文化」 平井上総著土佐から戦国の世を動かした父子と、ア駆猷「 続・「やまとごころ」とは何か 長宗我部家の領国経営の実像を描く。 3500 円ウ % 飛鳥・奈良期に生まれた日本文化の根源を探る。 ネ 3500 円護邉洪基衆智を集むるを第一とす 0 0 税 田中英道著瀧井一博著明治国家の「知の造形者」。知られざる 6 格 3 5 0 0 円 2800 円◇ 2 刷東大初代総長の生涯。 〒正価 ①「やまとごころ」とは何か ( 1 ) ゲルナーは、一九六四年にナショナリズムと産業化にかか わる著名な議論を提起した。後になって自分の議論をより精緻 化して『ネーションとナショナリズム』を一九八三年に刊行し た。 GeIIner ( 1964 ) と Gellner ( 1983 ) を参照。 ハンナ・アーレントは、「資本主義の最終段階ではなくプ ( 2 ) ルジョアジー階級による政治支配の第一段階」として一九世紀 後半に勃興した帝国主義を定義した。このような見解に基づい て、 ーヴェイは、この時期 ( 一八七〇ー一九四五年 ) を「プル ジョア帝国主義」の時代として定義した。 Harvey ( 2005 「 2003 」 ) 】 42 ー 49 を参照。 ( 3 ) 「示差的な吸収」 ( d ミ erent incorporation) は、戦前の日本 帝国の早期的な帝国主義的拡張と領土的併合の形式を描くため に著者が用いた概念である。この概念にかかわる詳細な分析と この示唆的な吸収がいかに台湾ナショナリズムを引き起こした のかという点については、 Wu ( 2003 ) chapter 2 を参照。 ( 4 ) 一連の手稿は一九五四年から五五年にかけて執筆されたも のの、三三年後になってようやく歴史家張炎憲と翁佳音の編輯 により出版された。連 ( 1988 ) を参照。この段落の引用部分は、 六〇ー六一、八七頁。 ( 5 ) 政治学者ィアン・プレマーは、この多極的システムを「 ゼロ世界」と呼び、国政政治体制が強大な権力の拡散という条 件のもとで指導的な中心を構成することができない時に産業的 な先進国の集団を意味するや (-) という従来の発想は意味 を失うと論じた。 Bremmer ( 2012 ) を参照。 ミネルヴァ日本評伝選
ークが、ディヴィッド・ヒュームらの議論の産物である政生じた政治闘争へと視点を移動させる。この引用に続く文章 治経済学の言語を活用し ( 、社会や変化を記述したこと、 も、在ベンガルの他のヨーロッパ商人に対する影響が紹介さ そしてバークがインドにおいて、土地財産所有者が中心に織れるにすぎない。銀は勤労を刺激する媒介物ではなかったの り成す階層秩序のみならず、ヨーロッパと同様の商業社会をか。この政治経済学的な説明の放棄が興味深いのは、『第九 見出し、好意的に評価している点は注目に値する。 報告書』よりも数年前ではあるが、べンガルの銀枯渇問題が、 他方で、銀貨の流人が止まり、それがべンガルから持ち出当時の中心的な議論の一つとして政治経済学者の関心を集め されること 銀貨の枯渇ーーーによって、どのような事態がていたからである。例えば、東インド会社から依頼を受けて 生じたとバ ークは記述したのか。次の引用で興味深いのは、 『べンガル鋳貨論』 ( 一七七二年 ) を執筆したジェイムズ・スチ 困窮する経済状態への記述が少ないことである。 ュアートは、貨幣不足への積極的な対策の必要性を訴え、貨 幣の流通速度を高めることを提案した。また、船員としてべ クのインドに 国内〔インド〕に流通する媒介物〔通貨〕が枯渇した。貨幣不ンガルに渡ったアレグザンダー・ダウ 足はすでにべンガルで実感されていた。カーシーム・ア関する情報源の一人であるーーーも含め、紙幣を発行する「銀 ン (Cossim と一 Khan 東インド会社従業員が近年擁立し行」の設置について議論した ( 四 ) 。このように広く論じられ た太守であり、最近追放された ) は、権力の座にあった短い間 た貨幣不足に端を発する諸議論をバークが知らなかったとは 語 に、あらゆる強奪の手段を尽くして、この国を枯渇させた。考え難い。そうであるならば、貨幣不足問題にこれ以上立ち 人ろうとしないバ ークの態度は、彼の政治経済学の一つの特 国彼は抗争の最中、膨大な財産を持ち去った。その額がいく 帝 らだったのかについては様々な計算があるが、三〇〇万ポ徴であるはずである。その理由は幾つか考えられる。べンガ ク ンド以下でないことは確かである。貨幣が枯渇し、また相ル内部の経済状況そのものを分析し、それを改善しようとす 互に連続して急激に起こった三つの革命によって混乱したる彼らと、この問題をーー少なくとも『第九報告書』におい この国は、その目標を、新たに退却してなんとか生きながてはーープリテンとインドの問題というスケールで見たバ ークに好意的に らえるのではなく、あらゆる面で心機一転し、人材を新しクでは、記述の濃淡があって当然である。 くすることに置いた。 (NR. 224 ー 225 ) 解釈すれば、貨幣不足問題は、帝国の範疇においてのみ解決 ともいえよ、つ。し 可能であり、インドの地域問題ではない、 ここでバークは政治経済学的な説明ではなく、それによってかし批判的に見れば、彼は、経済現象を貨幣流通量や速度と 39 工ドマンド