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検索対象: 思想 2016年 第9号
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1. 思想 2016年 第9号

(originally published. Parisiis: Apud Nicolavm Bvon. 1625Y Hildesheim 】 Georg Olms. 2006. Lib. I. Cap. I (IX). (XVI), pp. 6. 12. Hugo Grotius. 0 ミ the Rights VT 、ミミ P き 2. an abridged translation by William Whewell. Cambridge: J0hn W. Parker. 1853. B. I. Chap. I (IX, 2 ). (XVI, 3), pp. 4. 7. John Eb ききミき . Libri Septem. Londini: Richardus Bishopius, 1640. Lib. I. Cap. II. p. 35. Cap. X. p. 121. Rosenblatt. s きミ e E g S C ef pp. 141. 147. 172. Toomer, Y02 ミ Selden, vol. II, pp. 490.491. 502. 504. ( ) Nelson. The よミ Rep ~ 、ミ p. 13. ( 肪 ) lbid.. p. 150 n. 74. e ミミ E ミ 0 ミ . 3 vo 一 s.. Londini: Typis Jacobi Flesheri. Pros- tant apud Cornelium Bee, 1650 ー 1655. ( ) Nelson. The ミ R ミミ pp. 14 ー 15. ( ) グロテイウスとセルデンは自著のなかでヨセフスやマイモ 的円 の円 や円 理円 、円 の円抜 ン 数 家 0 と本 デ で 学著の 基 2 レ 例 ス斗 * 水 り . に とハ既 。 0-0- 区 0 ワ・ 百 近検ク訳の めを敏る再イ スッ年の ズ 雄リロ百係 0 〔文 , = 感経〉一会方→ 生直野助 見多 に扶 杉ア」の波命な 「神 : 噛社論硲キ一 ギメ 学使 革的テ岡北一 考組盾理一一 会 イヨし 数の ス公セ な と 共 なル のの 草 単デ 一フ成 特 立肱勁 孤深 他る フ形 ぐって」、『イギリス哲学研究』第三五号、二〇一二年、一四〇 ー一四九頁。 ( 3 ) Prior. "Hebraism and the problem of church and state in England," pp. 41.44. ( 引 ) とはいえ、歴史的に見れば、ヘレニズムとへプライズムは 古い時代からずっと相互に干渉し合い、混じり合ってきた。例 えば、シリアのセレウコス朝のアンティオコス四世 ( 在位前一一 一五ー一六一一 l) がエルサレムのギリシア化を強制するが、それ 以前からエルサレムではギリシア化が進行しており、大祭司た ちはギリシア語名を有し、古代イスラエル人のギリシア文化へ の傾倒やギリシア的生活様式の実践があった。秦剛平『マカべ ア戦己 ユダヤの栄光と凋落』上巻、京都大学学術出版会、 二〇一五年、三ー六頁。 ( ) A. P. d ・ Entréves. ~ ミミ、ミトミ 0. London: Hutchinson. 1970. p. 25 ( < ・・ダントレーヴ『自然法』久保正幡訳、岩波書店、 二〇〇六年、二三頁 ) 。 ) Hugo Grotius, De 、 e belli ミを c libri 洋 es, 2 vols. 一三ロ こ けいそう

2. 思想 2016年 第9号

湫石の愛した絵はがき 岩波書店 / 新刊 中島国彦・長島裕子編 なかじまくにひこ氏は、早稲田大学名誉教授 ながしまゆうこ氏は、早稲田大学非常勤講師 弟子や友人・愛娘・全国の読者から届」 いた絵はがきを、漱石は大切に残して いた。小説の感想、旅先でのスケッチ、を 見舞い、年賀など魅力的な絵はがきの数々か ら、作家の人柄と交友のあらたな側面が浮か び上がる。オールカラー。翻刻・解説付。 ◎文豪の素顔に迫る魅力的な回想録を新装版で 妻の目に映じた亡き夫、夏目漱石。 苦楽を共にした者のみが知る、結頁 婚生活二〇年のエピソード、人 2 間・漱石の姿が、温かで率直な語ん円書 漱石の思ひ出 函 o 図 ー附漱石年譜ー りで生き生きと蘇る。漱石没後一製 0 記発 〇〇年を機に、旧かなづかいの単判 4 伝日 行本を、美麗な装いで新装復刊。 夏目鏡子述 / 松岡譲筆録 本・ ・東京・日本近代文学館にて、「漱石ー絵はがきの小宇宙」開催。 2016 年 9 月四日 ( 土 ) 5 ⅱ月日 ( 土 ) 観覧料 200 円 ◆「小生は人に手紙を書く事と人から手紙をもらぶ事が大すき」 ・内田雄太郎 ・寺田寅彦 B6 判・並製カバー・ 144 頁本体 1500 円 978 ー 4POP23732 ー 1 C0095 [ 対象 ] 一般・図書館 [ 分日本文学評論・随筆・その他 ・ 14 日発売

3. 思想 2016年 第9号

ト CO ミミ ~ ミ、ミ s ミ . Bourgois. 1999. p. 49 sq. 『至高性』 湯浅博雄・中地義和・酒井健訳、人文書院、一九九〇年、五七 頁。ナンシー『無為の共同体』西谷修・安原伸一朗訳、以文社、 二〇〇一年、三四頁以下〕。 ( ) この点については、「隠喩の退引」 ( 『ポエジー』一九七八年 第七号 ) で—・デリダが開拓した、退ー引の可能性を参照され たい〔「隠喩の退ー引」庄田常勝訳、『現代思想』一九八七年五 月号、一二月号。「隠喩の退隠」藤本一勇訳、『プシュケー 他なるものの発明—』、岩波書店、二〇一四年〕。 ) Cf. Jean ・ Luc Nancy, 犬 La juridiction du monarque hégé・ lien 》 . in 0 に e 、ト 0 = q ミ 2. (2) 0 e 、 le ト 0 ミ e. マ 131 ー 132 〔リオタール「カントによ る政治的なものについての研究への序論」。なお引用冒頭の 「行為遂行文」の原語は la performative だが、これは『文の抗 争』での用法と同じものと思われる。同書巻末の用語索引から 該当箇所を参照できるが、その中でもあきらかに形容詞として ではなく実詞として用いられているのは以下の箇所。 Jean ・ 世界思想を遠望する視座から 日本近代の文化と学間の淵源を問いなおす ! の の 的 治 政 石川九楊著作集 【既刊】 谷 9 8 見失った手ーーー状況論 Ⅱ日本の文字斈論 【続刊ラインアップ】 三つの文字からなる日本語 日本語とはどういう言語かーー言語 房藤 日 0 その不思議さに切り込む独創的論考 ! Ⅳニ重言語国家・日本ーー国家論 > 漢字がつくった東アジアー・東アジア物 ( ア科 u_ 序『日本の文字 「無声の思考」の封印を解く』Ⅶ筆蝕の構造ーー書字論 Ⅵ書とはどういう芸術か・ー・・書論ウ - 市 % ( Ⅷ書の風景ーー作品論 「万葉仮名でよむ「万葉集」』 Ⅸ書の宇宙ーーー書史論 、不 3 『ひらがなの美学』 別巻—完本・一日一書 <LO 判上製カバー装・表紙布クロス・特製美麗貼函入凡例 / 解題 別巻Ⅱ中國書史 別巻Ⅲ遠望の地平ーー未収録論考 各巻平均頁・各巻 9000 円【刊行中・内容見本呈】解説佐伯順子 全九巻・別巻三巻 ( 全十ニ冊 ) Francois Lyotard. Le ミ 4 、 4 Minuit. 1983. pp. 187. 206. 『文 の抗争』陸井四郎・小野康男・外山和子・森田亜紀訳、法政大 学出版局、一九八九年、二六六、二九五頁〕 . ) 7 ト p. 161 〔エティエンヌ・ ルクス」〕 . ( 6 ) ジャック・ランシェールの発表「労働者の表象、あるいは 見つからない階級」が行われた回。 ) 一九八二年一月一八日〔クロード・ルフォールの発表「民 主主義という問題」が行われた回〕に開かれた会で発言したジ ャック・デリダは、チェコスロヴァキア当局による拘禁の状況 について注意を喚起していた。。 テリダは特に倫理政治的な身振 りと ( プラハの哲学者達による抵抗の支援、彼らの抵抗は人権 の尊重を要求し、主体、人格、個人の自由等々の哲学に基づい て表明されている ) 、そのような哲学素を脱構築する必要性に 従う哲学的な仕事を一致させる際の困難を強調した。

4. 思想 2016年 第9号

文芸・評論作品選 岩波書店 / BOOK ガイド ◎対話としての日中文学アンソロジー完結リ ( 〔編集〕 一全 5 巻 ' 、張競 村田雄ニ郎 「〔編集協力〕 ~ 飯塚容・及川淳子 王雪萍・小野寺史郎 燾篠崎美生子・鈴木将久 年 0 2 9 3 7 ー 9 4 4 ・全巻の構成合判・、製、本体各。。 8 円 3 侮中と亢日 の ら重え 中 すべてをさらけ出す戦火の中に結ばれた極限的 日 な日中関係を、金子光晴、武田泰淳、謝冰瑩、 一巓共和の夢膨張の野望 茅盾、小林秀雄らの作品に見る。 978 ・ 4 0272236 18 9 4 ー 19 2 4 会と品位 出解作説 日清戦争によりカ関係が逆転した日本と中国に 19 4 5 ー 19 71 が理の 断交と連帯 あって、旅行や留学、革命への提携を経ながら 中にり 両国互いの認識はいかに変容していったのか。 過去と未来が折り重なって戦後の日中関係が築 日か余「 にい篇ジ 梁啓超、郭沫若、勝海舟、宮崎滔天、孫文、吉 かれていく過程を、堀田善衞、竹内好、謝冰心 978 ー 4 ) ・ 027224 ー 7 野作造らの作品から見る。 978 ・ 4 き 722 ; 巴金、開高健らの作品に見る。 学両 . ン 9 2 -5 ー 9 3 6 9 イっ 1 ー 6 蜜月と軋み 2 敵か友か 争だ原 戦争へと傾く日中間で、相互理解が深まりつつ多極化する世界の中で相互理解をもとめ境界を 戦 1 ねる も歪んでいく様子を与謝野晶子、芥川龍之介、 往遠する作家の姿を、司馬遼太郎、山崎豊子、 978 ・ 4 ま 627222 ・ 3 余華、閻連科らの作品に見る。 978 ・ 4 6272254 魯迅、胡適らの作品に見る。 すィ / イ 0

5. 思想 2016年 第9号

岩波書店 / 新刊・既刊・重版 結婚願望や貧乏生活、あるいは故郷沖縄 のなっかしい風景やビキニ核実験を描い たものなど、推敲に推敲を重ね、ユーモ円 アにみちた、滋味掬すべき詩を書き続け 0 た沖縄の詩人山之ロ貘 ( 一九 0 三ー六一 (I) のエッ 65 高良勉編 体 センス。一五二篇を精選。 本緑 本体 640 円 本体 84 。円俳諧大要 〈青六一一三ー六〉 4 占 9336236 ー 5 C0 一 98 〈緑一三ー七〉 4 占 93 一 0 一 37 ー 5 C0 一 95 庫開売演劇についてーダランべール、の手紙 正岡子規 文再発ルソー / 今野一雄訳 本体 600 円 6 熊他三篇 本体 780 円卍 ( まんじ ) 〈赤三ニ三ー三〉 4 ー 8 ー 323233 ー X 8 一 97 〈緑五五ー四〉 4 ・ 8 ・ 3 一 0554 占 CO 一 93 フォークナー / 加島祥造訳 谷崎潤一郎 平和主義のもとで軍事研究を忌避してき 池内了・小寺隆幸編 ( 、 た日本のアカデミズム。そのありようが、 8 安倍政権のもとの安保法制転換と軌を一円 7 売 にして、変わりつつある。大学に侵食し 0 碩発 「兵器と大学 つつある軍事研究の現状と、研究者の抵観日 ーなぜ軍事研究をしてはならないかー 体四 抗を報告する。 本 < ・ 大学の教育研究に対する政府の介入はな 広田照幸・石川健治・橋本伸也・山口ニ郎ぜ問題なのか ? 憲法学の石川健治、歴 刊 史学の橋本伸也、政治学の山口二郎、教円圏 評 3 、 育学の広田照幸が、国立大学の式典での頌 学間の自由と大学の危機 国旗掲揚・国歌斉唱に関する文科大臣の 5 ワ観 体 要請を手がかりに考える。 本 < 5 好評既刊 ◎日本のほんとうの詩は、貘さんからはじまるー 山之ロ貘詩集 しけ、っちさとる氏は、科学者 こでらたかゆき氏は、京都橘大学教授

6. 思想 2016年 第9号

ポイエーシス叢書 67 反原子力の自然哲学 暗黒の大陸 佐々木カ著 ヨーロッパの 20 世紀 近代科学思想が生誕した 17 世紀ヨーロッパ科学史を専門とする著者が、恩師トーマーク・マソワー著 マス・クーンの「歴史的科学哲学」の延長上に、遠くギリシアに始まリ、 17 世紀のデ中川瑞穂・谷龍介訳 カルト、ガッサンディ等の原子力研究を踏まえて「文化相関的科学哲学」の学問的 かってヨーロッパは未知・未開の プログラムを構想する。フクシマの原子力発電所事故の悲劇を受け、荘子・司馬遷 大陸を「暗黒大陸」と呼んだ。しか を先蹤として、機械論的自然観に代わる東アジア的自然哲学構築に挑戦する雄大 しヨーロッパ大陸の 20 世紀は進 な試み。専門的学問的検証を経て、危険な原子力エネルギー神話の虚妄を撃つ ! 歩・繁栄につねに彩られた成功と 3800 円 必然の物語だったのたろうか政 ポイエーシス叢書 66 治、経済、社会、民族、福祉、性な オヘラ戦後文化論 1 ど多角的な視点から分析、時代の 肉体の暗き運命 1945-1970 暗部と栄光 を正当に位 小林康夫著 置づけ、ヨ ーロッパ現 表象文化論の旗手のひとりとしてフランス現代思想や文学をその探究の主軸に据 代史を語リ えてきた著者が坂口安吾、野坂昭如、石川淳、吉本隆明、田村隆一、大江健三郎、 直す必読のお - 三島由紀夫、土方巽、唐十郎、寺山修司らを通じて、みずからの出自と青年期まで 歴史叙述。 の体験を同時代日本の文化的ありように折り重ね、戦後直後から 1970 年までの戦 2200 円 後文化をダイナミックに論じる。 ネま未來社 〒 112-0002 東京都文京区小石川 3 ー 7 ー 2 tel. 03 ー 3814 ー 5521 www.miraisha.co.jp 好評 2 刷 出版図書目録無料進呈いたします☆ ☆ ※価格は税別 ことはの思想家人物から マーガレット・トマス著中島平三総監訳 0 <LO 判 312 頁本体 t0<00 円十税 ・古今東西の人物が集う、燦たる「ことばの饗宴」 言語の研究や言語学の進展に貢献のあった人物、プラ 、つ J 0 トンやアリストテレスから世宗大王、チョムスキー キャメロンなど現代までの人を選び解説。【 8 月新刊】襾 新 0 6 0 日本語大 ( 【上・下 2 分冊】 区 7 宿。「 佐藤武義・前田富祺黌代表 新 2 判 2456 頁本体 75000 円十税 都沼 ・グローパルな視点から日本語学・言語学の成果を集大京 成する約 3500 項目。全見出しに英文を付す ことはのおもしろ事典 中島平三編 判 324 頁本体 7400 円十税 ・ことわざや広告等の身近な素材から説き起こし、一 の多彩さ・深さを、楽しみながら学ぶ全章。 現代科学史大百科事典 太田次郎総監訳 桜井邦朋・山崎昶・木村龍治・森政稔監訳 判 936 頁本体 27000 円十税 ・現代科学へ至る自然についての知識の成長と分 6 00 余の大項目で解説。地域的視点も盛り込む 世界はなせ争うのかし 福田康夫 / ・シュミット / ・フレーサーほか一 <IO 判 320 頁本体 1850 円十税 ・各国の元首脳と宗教指導者たちが平和や普遍的へ ついて議論したサミットの記録

7. 思想 2016年 第9号

が〔政治と宗教の二つの権力の間の分裂という〕悪とその治療薬 (lemaletlereméde) をよく認識しえた唯一の人である、彼は ワシの双頭を再び一つにし、すべてを政治的統一へ連れ戻すこ とをあえて唱えた。この統一がないかぎり、国家も政府も決し てよく組織されることはないであろう」。〕 ( 引 ) ミ . や 469. 〔同前、一九二頁。「呪いにかかっている 人々」とは、排他的で不寛容な宗教の信者を指すと考えられる。 ルソーは、「それぞれの市民をして自分の義務を愛さしめるよ うな宗教を市民がもっことは、国家にとって実に重要なことで ある」と言うが、市民宗教は、「主権者がその項目を決める。へ き、純粋に市民的な信仰告白」であって、「それは厳密な宗教 の教理ではなく、それなくしてはよき市民、忠実な臣民たりえ ぬ、社交性の感情 (sentiments de sociabilité) 」として定義さ れる。市民宗教の唯一の「否定的教理」は「不寛容」であると して、ルソーは次のように言う。「〔ロックのように〕市民的不 寛容と神学的不寛容とを区別する人々は、私の意見では間違っ ている。この二つの不寛容は分けることができない。呪われて いる、とわれわれが信じる人々とともに平和に暮らすことは、 できない。彼らを愛することは、彼らを罰する神を憎むことに なるだろう。彼らを正気につれ戻すか、迫害するかが絶対に必 要である。宗教的不寛容が認められているところではどこでも、 それが〔結婚など〕市民的生活に何らかの影響を与えずにはおか ない。「 : : : 」排他的な国民宗教が存在せず、もはや存在しえな い今となっては、市民の義務に反するものを何も含まぬかぎり、 他の宗教にたいして寛容であるようなす。へての宗教にたいして、 寛容であるべきだ。しかし、「教会の外に救いなし」と叫ぶ者 があれば、誰でも、国家から追放される。へきである。そういう 不寛容な教理は、神政政府の下でのみ通用するが、それ以外の ところでは有害である」 ( 『社会契約論』前掲、一九二ー一九四 訳注 〔 1 〕『社会契約論』ジ、ネーヴ草稿と同じ一七五五年夏から五 六年春の間に執筆されたとされる。 〔 2 〕 jus bellum 、、、 s bello は「開戦法規 / 交戦法規」と 訳されることもある。 〔 3 〕同じことをルソーは「戦争の目的と効果は敵国の consti- tu ( 一 on ( 国制 ) を変更させることにある」 ( PDG. p. 79 ) と表現して いる。ルソーの戦争論の慧眼な読者である憲法学の長谷部恭男 は constitution を「憲法」の意味に読みかえ、「戦争とは主権 に対する攻撃であり、社会契約に対する攻撃である」、「戦争と は国家と国家の間に発生するものであり、敵国の憲法に対する 攻撃という形をとる」と一一 = ロう ( 『憲法とは何か』岩波新書、二〇 〇六年、三九ー四〇頁 ) 。日本近現代史の加藤陽子は、戦争の 、つろこ 目的は相手国の憲法を変えることにあるという「目から鱗」の 長谷部版ルソー ・テーゼを使って、太平洋戦争におけるアメリ 力の最終目的が天皇制を柱とする日本の「国体」を破壊するこ とにあり、なぜ戦勝国が敗戦国の憲法を書きかえるという事態 が起ったかを説明している ( 『それでも、日本人は「戦争」を選 んだ』朝日出版社、二〇〇九年、四〇ー四六頁 ) 。 〔 4 〕 Michaél Prazan, トミミミ s. き e 、」、ミ き ~ 、 j 恩 0 ミ se. Seuil. 2002. Cf. M. Prazan. 公 Des Japonais n0 104. 」 uillet ・ aoüt 2002.

8. 思想 2016年 第9号

新刊案内に表示した発売日は小社出庫日です 9-2016 ◎ヒッグズ粒子発見や超弦理論は何を語るか 彼方の銀河から太陽系、地球、人間、そ 8 れらを造る分子、原子、極微の素粒子。 宇宙には多様な存在と運動形式がある。 0 売 宇宙の統一理論を求めて それらを統一的にとらえようとしてきた 2 発 ー物理はいかに考えられたかー 人類の情熱と思考を描く。ヒッグズ粒子 1 6 体 3 風間洋一 ( かざまよういち氏は、立教大学数理物理学研究センター研究員 ) 発見や超弦理論のもつ意味を語る。 本圧・ ◎一九九 0 年代の「アジア回帰」から浮かび上がる現在日本とアジアの間ではポップ・カルチャ ーはどのようにして出会い、日常化して トランスナシ旱レ・イ、一。 ノア、な欲望と内向き 0 ナシ。ナリズ《と 0 危 0 発 ーポピュラー文化がアジアをひらくー 14 日 うい関係をあぶり出した先駆的研究が、 5 ( 0 体 3 4 ( いわぶちこういち氏は、モナシュ大学教授 ) 最新の論考を加えて蘇る。 岩渕功一 本圧叨・ ◎「心」なんて一般的なものはないー 「意識」や「心」とはいったい何だろう か ? なぜ私たちは実在していると感じ るのか ? 古くからの哲学の難問に著者円 改訂版オ 独自の独在論と言語哲学・分析哲学のア 20 プローチから挑む。講義形式で好評の単 体 3 ( ながいひとし氏は、日本大学文理学部哲学科教授 ) 行本版の内容を全面的に改訂。 刊永井均 本圧引 既 - 好◎カメラとペンを通して沖縄の心を見つめる旅 豊かな風土に寄り添って独自の文化・伝 統をはぐくみ、戦争の傷跡や基地の悲劇 を背負いながらも、おおらかに生きる沖 0 6 一口縄の人びと。復帰以来その魅力を撮りつ 沖縄若夏の己憶 づけてきた著者が、沖縄への熱い想いを 体釦 大石芳野 ( おおいしよしの氏は、フォトジャ 1 ナリスト ) 綴る珠玉のフォトエッセイ。〔カラー版〕本

9. 思想 2016年 第9号

〔 1 〕 R きミ、をミミも . 16. 邦訳五三頁 ( 「マルクス主義は、 現代の乗り越え不可能な地平である」 ) 。 〔 2 〕ミも . 16. 同右、五四頁。 〔 3 〕以下を参照。 Hannah Arendt. The ミざミミミミ・ 旁ミ . Harcourt Brace. 1966. 邦訳前掲書。 〔 4 〕 Cf. Claude Lefort. 公 La question de la démocratie 》 . in Le 、ミき、 0 ミざミ . マ 82. クロード・ルフォール「民主主義と いう間題」本郷均訳、『現代思想』一九九五年一一月号、四八 頁。 〔 5 〕カール・マルクス『ヘーゲル法哲学批判序論』真下信一訳、 国民文庫、一九七〇年、五四頁。 〔 6 〕 Hannah Arendt. ミミミき 0 、きミ Leben, Pi- per, 1981. 7. Auflage. 199 ドや 55. 邦訳『活動的生』、六九頁。 著者たちはこの著作名を挙げる際、既に存在していたフランス 語訳ではなくドイツ語版の Vita act 一 va を採用しており、引用 文のフランス語も既訳とは異なるため、ドイツ語版を参照して いることは間違いない。参考までに英語版とそれに対応するフ ランス語訳、日本語訳の該当箇所を示す。 ( 英 ) e ミ Co ミミ 0 ド The University of Chicago Press. 1958 こ 998 p. 56. ( 仏 ) Co ミ 4 ミ 0 、 'ho ミ e 0 e. Calmann ・ Lévy, 196 尸 1983. p. 96. ( 日 ) 『人間の条件』志水速雄訳、ちくま学芸文庫、 一九九四年、八三ー八四頁。 〔 7 〕 Cf. CEuvres Co ミト一 2 . Tome VIII. p. 291 sq. 『至高性』邦 訳書、八九頁以下。 〔 8 〕 Cf. Pierre Clastres. トき c co ミ、 e = E 、ミ . e c s ミ、、 0 を e をミミ . Minuit. 1974. 『国家に抗する社会 政治人類学研究』渡辺公三訳、書肆風の薔薇、一九八七年水 声社、二〇〇二年。クラストルは「政治的なもの」について同 書の第一章と第一一章で集中的に論じている。特に同邦訳、二 三頁以下では「すべては政治的である」という本論文の問題と も共振する問いがみられる。加えて、二八、三一、二五二、二 五四頁などの記述も参照されたい。 〔 9 〕 Le 、ミミ du ト 0 ミミ . p. 87. センターにおけるルフォー ルの報告「民主主義という問題」をめぐる議論 ( 前掲訳書では 訳出されていない ) の際、リオタールはその分析の現象学的前 提が惹起する問題を指摘している。すなわち「実体的主体」へ と「体内化された」社会に対立しながらも、「我々」という前 提が維持されている、という問題である。ルフォールはたしゝ に人民、国民、個人等々の同一化の極が存在することは認める が、それらは現働化されるためにあるのではないと応じ、民主 主義特有の未規定性を指摘している。 川 Jacob Rogozinski. A double tour (introduction 5 一・ on ( 9 logique de Marx). in Le 、ミき、 0 = をミ . pp. 57 et 67 ( ジャ コプ・ロゴザンスキ「二重廻しで厳重に ( マルクスの存在ー論 理への序論 ) 」 ). ロゴザンスキによる表記では nombreux uns となっている。この表現の出典にあたる箇所でマルクスは以下 のように述べている。「一つはもつばら多くの一つとしてのみ 真実のあり方を有する。述語、本質がその現存の諸圏を一つ一 つのうちに汲み尽くすなどというためしはなく、多くの一つの うちに汲み尽くすのである」 ( 『ヘーゲル法哲学批判序論』、邦訳 四六頁 ) 。当然ながら、他の訳者は別の表現を充てている。例 えば以下のフランス語訳では multitude d ・ individus, beaucoup d'individus が採用されている。 Cf. C ュミ d きト 0 ミ e

10. 思想 2016年 第9号

の影に隠れ、ほとんど注目されてこなかった。 盟・交渉・条約などを含む」 ( 第四編第九章「結論」 ) 。 ところが近年、「戦争は社会状態から生まれるということ」 私はルソー学者の永見文雄とともに二〇一二年のルソー生 と「戦争状態について」の二つの草稿が、『戦争法の諸原理』誕三〇〇年記念シンポジウムを準備する過程で、憲法学者の としてルソーが構想していた著作の一部をなすまとまった論長谷部恭男がっとにルソーの戦争論の今日性を指摘している 考であることがプリュノ・ベルナルディとガプリエラ・シル のを知り、ぜびこのテーマをシンポジウムで取り上げようと ヴェストリーニの草稿研究で明らかになり、その批評校訂版思った。同氏は英訳版の「戦争状態論」に依拠してではある が二〇〇八年にパリ のヴラン書店からプレーズ・ が、『憲法と平和を問いなおす』 ( ちくま新書、二〇〇四年 ) の ら四人のルソー研究者の解説論文を付して出版された ( 2 ) 。 第七章「ホップスを読むルソー」と『憲法とは何か』 ( 岩波新 『戦争法諸原理』 PrinciPes d き g ミ、、 e という表書、二〇〇六年 ) の第二章で実に的確にルソーの戦争論の要 題は、『社会契約論』 ( 一七六二年 ) の副題「国制法諸原理」諦をまとめている ( 4 ) 。 ホッブズは自然状態を「万人の万人に対するたえざる闘 PrinciPes du 、 0 ト 0 新ミ、 e ( 3 ) とシンメトリックな対称をな す。『社会契約論』が人民の一般意志の表現である法によっ争」として描き、絶対的主権国家のみが人間間の戦争状態に て統治される共和国の形態を論じた理論書だとすれば、『戦終止符を打っことができるとしたが、ルソーはそれを逆転さ 争法諸原理』は「戦争」の定義から始め、主権国家間の関係せ、戦争の原因は自然状態にあるのではなく、主権国家の登 を「戦争状態 (étatdeguerre) 」として分析し、戦争を抑止場こそが国家間関係を戦争状態におくとした。戦争は国家と 争 戦 しうる平和の条件を原理的に考察した未完の書である。 国家の間に起こるのであって、人間と人間の間に起こるので る 事実、ルソーは『社会契約論』の第三編第一五章の注で、 はない。戦争は敵国を成り立たせている国制 (constitution) を お 「私はこの書物の続編において、対外関係を論じるとき国家破壊することが目的であって、人間を一人も殺すことなくそ 想 間連合 ( confédérat 一 on ) に触れることになるだろう」と「続の目的を達成することができる。 編」を予告しており、巻末でははっきりと「戦争法諸原理」 二〇一二年九月に中央大学と日仏会館の共催で開いたシン 政 を中核とする国家間関係論のプランを述。へている。 ポジウム「ルソーと近代ーー・ルソーの回帰・ルソーへの回 の 「国制法 ( dro 一 ( を一三 que ) の真の諸原理を確定し、それに基帰」でルソーの戦争論を担当してもらう。へくフランスから招 レ ハコフェンである。こ づいて国家の創設に努力したあとで、残された仕事は国家を聘したのが、本論文の著者プレーズ・ その対外的諸関係によって支えることである。この問題は、 の時のバコフェン報告「ルソー、戦争に関する政治的理論」 万民法、貿易、戦争法 ( dro 一 ( de la guerre) と征服、公法、同は、永見・三浦・川出編『ルソーと近代』 ( 風行社、二〇一四