社会契約論 - みる会図書館


検索対象: 思想 2016年 第9号
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1. 思想 2016年 第9号

( 0 岩波書店 2016 編集者吉川哲十発行者馬場公彦印刷所精興社 Printed in Japan 発行所東京都千代田区ーツ橋 2 ー 5 ー 5 岩波書店電話 ( 「思想』編集部 ) 03 ー 521 4055 http : //www. iwanami. co. jp/shiso/ 田 巻 1 著作に加え、吉野日記を含む貴 巻 2 5 巻重な新資料を多数収録した、近 0 吉野作造選集 , 日本史史料 全別代日本政治思想研究の必携資料 松尾尊兊・三谷太一郎・飯田泰三編判 歴史学研究会編 <LO 判 978 ー 4 ー 8 ー 73C44 一・・ 5 本体円 古代石上英一資任編集 朝鮮論付中国論三 978 ー 4 占 97304 一甲 4 978 ー 4 ー 8 。 730427 ー 9 ク—政治と国家 978 ー 4 ー 8 ー 730442 ー 2 清水靖久解説 松尾尊兊解説 本体 0)000 円 本体 DOOO 円り 本体円 中世村井章介責任編集 ッ 97 甲 46973C443 ー 9 0. 2 デモクラシーと政治改革間社会運動と無産政党 3 近世「臂装 本体円 97 甲 4 占 973C4290 978 ー 46973042 甲 6 松沢弘陽解説 プ 本体円 本体 0000 円 978 ー 4 ー 8 ー 730444 ー 6 ・近代宮地正人責任編集 本体円 ド 3 大戦から戦後 ~ の国内政治Ⅱ開国と明治文化 97 甲 469730445 ー 3 978 ・ 46973D429 。 3 -. -0 店 本体 6400 円 現代小林英夫責任編集 坂野潤治解説 松本三之介解説 本体 OLOOO 円 本体 DOOO 円 ヘーゲル全集・ マ 4 大戦後の国内政治肥随筆 三谷太一郎解説 飯田泰三解説 本体 0)000 円 上下加藤尚武訳、、′ 本体 98 。円自然哲学 ( 上 ) 97 甲 4697304795 <ID 判本体 O)IOOO 円 大戦期の国際政治日記一〔明翦ー大正 2 〕 ( 下 ) 978 ・ 46973047 一・ 2 <l.n 判本体 DLDOO 円 978 ー 4 占 973C423 ー一 97 甲 46973043 一ー 6 飯田泰三解説 北岡伸一解説 ヘーゲル全集・ー 7 ー 8 本体 0)000 円 ン 本体—0 、 000 円 物担中下武市健人訳 大論理学 ( 上 1 ) 9784 占 973C472 ・ 9 <LO 判本体 INOOO 円 オ 6 大戦後の国際政治 4 日記一〔大正 4 ーリ 978 ー 469730424 ー 8 978 ー 469730432 ー 3 ( 上 2 ) 97 甲 4 占 973C4736 <LO 判本体 7000 円 酒井哲哉解説 松尾尊兊解説 本体 7500 円 本体円 ( 中 ) 97 甲 46973C474 ・ 3 <L.n 判本体 (NOOO 円 ( 下 ) 97846973C4756 <LO 判本体 OOOO 円 7 中国論 ヘーゲル全集 4 ー 5 978 ー 46973D433 占 狹間直樹解説 三谷太一郎解説 本体 11 、 000 円 阯田 2 金子武蔵訳 精神の現象学 ( 上 ) 甲 069 04 ・ 7 <ID 判本体 15 、 OOO 円価 ( 下ー ) 97 甲 4 占 973C477 ・ 4 <LO 判本体 r—O 、 OOO 円 8 中国論 書簡・年譜・著作年表ほか 示 97 甲 46973D434 ・ 7 ( 下 2 ) 978 ・ 4 占 973C478 ・一 < 5 判本体 14 、 000 円表 松尾尊兊解説 本体 (NOOO 円 ( * オリジナル本の下巻を二分冊としております ) 価 定 一劇物財物 本体円 978 ー 4 ー 8 ー 73C425 ー 5 本体 0000 円 978 ー 46973C426 ー 2 978 ー 4 ー 8 ー 73C42 一ー 7 別巻 15 今井清一解説 二〇一六年九月五日発行 雑誌 04203 ー 09 4 9 1 0 0 4 2 0 5 0 9 6 4 0 1 4 0 0 ISSN 0386 ー 2755

2. 思想 2016年 第9号

は、宗教と法に関し、それぞれが歴史的に発展させてきた独ったと思われる元 ) 。国家と教会の関係や教会統治の問題を 自の制度を持つ。古代イスラエルの先例は、独自の制度の保共通の課題としたホッ。フズとセルデンは、前者は政治哲学、 持と諸国家間の統合・連携の間題を抱えるこれらの国家にと後者は歴史研究とアプローチの仕方は異なるが、へ。フライズ って、地域の慣習や歴史の問題を乗り越えた「第三の道」をム復興という時代の流れに棹さし、ともに古代イスラエルの 提供するものともいえたのである ( 当。 このような課題を背諸制度に注目して、『リヴァイアサン』と『サンへドリン』 景に持っセルデンとホッブズは、とくに古代イスラエルにおでそれぞれ独自の処方箋を提示しようとした。とくに両者に ける「破門」に着目した。というのは、一六四〇年代後半か共通して見られるのは、自然法を重視した点である ( 幻 ) 。と ら一六五〇年代初め、国家と教会の関係についての討論 ( ウ ころが、二人が提起した自然法の内容は全く異なるものとな エストミンスター会議 ( 一六四三ー四九 ) や議会において ) は、とり わけ聖職者の破門する権力を焦点としていたからである。ウ そこで本稿では、この時期のイングランドのヘブライズム エストミンスター会議は長老派牧師が支配的であったが、少復興を概観し、ホッブズとセルデンがヘブライズムのなかか 数の平信徒を含み、そのなかにセルデンがいた ( し。本論でら何を抽出し 、いかなるエラストウス主義的議論と自然法論 論じるように、セルデンは「霊的管轄権というようなものはを構築したかを検討し、両者の特徴を明らかにしたいと思う。 ない。すべては政治的管轄権である」と述、へ、破門は政治的 ニ自然法とヘブライスム 管轄権下の人的制度であると主張している ( じ。 ヘブライズム復興とエラストウス主義 一六四〇年代後半から五〇年代初めというのは、ホッブズ が『リヴァイアサン』を執筆・出版し、またセルデンが『サ 西洋思想の二つの柱はヘレニズムとへ。フライズムといわれ ン ンへドリン』を出版した時期と重なっている ( じ。セルデン る。一四世紀から一六世紀にルネサンス、すなわちギリシ レ の序文によれば、『サンへドリン』は古代イスラエルの「サア・ロ ーマの古代文化復興が起きたが、ルネサンス後期から セ とンへドリン ( 最高法院 ) 」の歴史を探究した二巻本の作品とし宗教改革期には、へ。フライズム復興が展開した。キリスト教 プて一六三八年ごろに完成していたが、破門の歴史と理論 ( 大徒のヘブライズムはむろん中世にもあったが、復古運動とし ホ部分がキリスト教徒間のもの ) を大幅に加筆し ( 第一巻の三分の一 l) 、 て大きく花開いたのは宗教改革期であった。したがって、こ 結局三巻本で出版した。セルデンは、ウ = ストミンスター会の時期のキリスト教徒のヘブライズムは、とりわけプロテス 議や議会での経験から、長老派への反駁を意図した加筆を行タント地域で発展し、ユトレヒト同盟諸 = こ屮 . トイツ、イン つ、」 0

3. 思想 2016年 第9号

国際政治的思想は際限なく区別なく全地上を包括する介人 介人主義への急転がしばしば文字通りにくり返された。西 要求となる ( じ。 半球の神話はまったく際限のない干渉で終わる。アメリカ の汎介入主義が示すところのあらゆる基準と限界の廃止は グロ アメリカの「特殊な権益」としての「西半球」の特質は、 ーバルなだけでなく全体的でもある。それは国内事項、 それが自由な政治体制の固有の圏域であるという道徳的・政社会、経済、文化状況にも関与し民族や国家をも貫通する。 治的主張にある。したがってモンロ ー・ドクトリンに基つく 他の政府の差別化が合衆国政府の手におかれるようになれ アメリカと新大陸の旧大陸からの「自立」日「孤立」は、ヨ ば、合衆国政府はその政府に反対して国民へと呼びかけて パの古典的国際法における「中立」とは似て非なるも 国家戦争を内戦へと転化する権利をもっことになる。かく のである。従来の「中立」が主権国家間の紛争処理の一方法 てアメリカン・スタイルの差別化された世界戦争は全体的 でグロ としての戦争と交戦権をーー戦争に対する正邪の評価をしな ーバルな世界内戦となる。一見するとありそうにな い無差別的戦争観をーー前提とした上で、交戦国とその戦闘 い西の資本主義と東のポルシエヴィズムとの結合の秘密も 行為に対する第三国の不介人を原則としているのに対して、 ここにある。いずれの側からも戦争はグロ ーバルで全体的 道徳的価値評価を背後に潜ませているアメリカの「孤立」は、 となることで、これまでのヨーロッパ国際法の国家間戦争 ひとたび事情が変われば無際限の介入へと転化する。合衆国 から世界内戦へと転化するのである朝。 政府は「地上の世界の裁判官の地位に座して、あらゆる民族 とあらゆる圏域のす。へての間題に介人する権利を引きうけ 大統領ルーズベルトによる中立から参戦への転換は、そう る」だろう。かくしてモンロー宣一言以来のアメリカ合衆国のした動揺に最終的な決着をつけることになった。それは同時 外交は「孤立」と「介入」の間を揺れ動くことになる。 に、古典的なヨーロッパの無差別的戦争観からーー何らかの 形で「正しい戦争」と「不正な戦争」とを区別しようとする すでに第一次大戦の一九一四ー一九一八年の間にウイル 差別的な戦争観念への転換、限定され枠付けされた主権 ソン大統領の政策はこの両極の間を何の前触れもなく揺れ国家間の戦争から世界大の内戦への転化でもあった。 動いて、最後には一九一七年の初頭に突然、介人主義の方 3 東西対立と歴史の一回性 向へ転じて世界戦争になだれ込んでいった。この度の〔第 二次〕世界大戦でも同様に、厳かに宣誓された中立から汎 それでは第二次世界大戦の終結は、いかなる秩序をもたら

4. 思想 2016年 第9号

表象 ( 呈示ミミ 3 一 len 〕 ) することができると想定される、自己みせる太陽王の超越的で栄光に輝く至高性は、ただ。フルジョ への関係である。このような関係は例えば、ルフォールにとア権力、商品経済、近代国家、等々の確立に巻き込まれ、隷 って政治的なものの定義、および「社会的なもののそれ自体属するという形でしか決して生じなかったということでし への顕現」としての政治的なものをめぐる彼の問題意識の根た〔 7 〕ーー同様のことは適宜変更を加えた上で、より古代的 底にある。 な至高性についても言わなければならないかもしれません。 以上の三つの規定が、バタイユが至高性〔主権〕と呼んだもその上この観点からすると、ポリスについて、ローマの創設 ンナ・ のの内でその他の規定と結集するということはありうるでしについて、何が起こり、何が起こらなかったのか、ハ よう。そしてもしこの至高性という語が政治的なものの本質アレントに問、 尋ねてみる必要もあるでしよう。同様に、 に関わる規定を取りまとめているのだとすれば ( その際政治的我々の一人が昨年話題にしたヘーゲルの「君主」は、政治的 なものは、単にその名に値する国家に要求される特徴ではないどこ なものの哲学的根拠づけの極地において、決して生じなかっ ろか、むしろ政治的なものによってすべての人がそれぞれ差し向け た竈場を持たなかった〕至高性へと向かって極限まで張りつめ られる至上の目的Ⅱ終焉と見做されている ) 、その場合、政治的たカ ( とこのカの断絶 ) について証言するものです ( リ。またそ なものの退引は至高性の退引に他ならないのです。 の至高性の「来る。へき」場所はまさにそれが生じなかったた それはともかく、このような退引によって何かが現れる、 めに謎めいたままであり、究極的には固有化しえないままな あるいは何かが解放されるのです。少なくとも我々は、どう のです。またルフォールが示しているような民主主義の本質 ノスタルジー やら引き退いたらしい何かを郷愁に駆られて慨嘆せよとい もまた、同様の「非ー場〔 non-lieu 〕」ないし「非ー生起〔 non ・ っ規則に従って考えようとはしていません ( 「大いなる失敗」と avoir-lieu 〕」を伴わずにはいません。 退 いう審判に同意しておきます ) 。この退引が政治的なものの争点 これまで述べてきたことからは決して、生じなかったもの のを新たなものとして描き直す〔、 e ・ぎ ce 、〕ことを可能にし、さを引き起こす〔場を与える〕ことが目下肝心なのだ、といっこ もらには要求するはずだという仮定のもとに間いを立てている ことにはなりません。仮にそう考えるとしたら、あたかも政 的のです ( リ。 治的なものを引き退いた状態から抜け出させることができる 斑そしてまずは、引き退いた何かはおそらく実際には決してかのように ( あるいは政治的なものの退引が単なる隠遁・引退・退 生じなかったということが出発点です。他ならぬバタイユが却〔 retraite 〕に過ぎないかのように ) 考えていることになります。 示したのは、万人に対して皆に共通する至高性を現前させて退引から「抜け出す」必要はなく、政治的なものがおそらく

5. 思想 2016年 第9号

岩波書店 / 新刊 →翆経済研ー別冊日本の経済発展と金融Ⅲ本古典文学大上田秋成集 てで 中村幸彦校注 寺西重郎 いの 日本経済の発展過程と金融現象との関連を論理的かっ 「雨月物語』と「春雨物巴の代表作一一篇に加えて、随 っす にま 筆「胆大小心録』を収録。上田秋成作品集の決定版。 実証的に解明し、新たな金融理論を構築した大著。 容し 978 ー 469730495 ー 8 <LO 判・本体 6200 円 978 ー 4 ー 0973048 甲 7 <LO 判・本体 10 、 000 円 内た す作 一橋大学究賃金と労働と生活水準 ま製 日本古典を大男菅家文草菅家後集 ー日本経済史におけるー世紀ー で後 斎藤修 川口久雄校注 ん文 約三世紀にわたる賃金、労働時間、休日のデータを分道真の漢詩文集一一篇を収録。醍醐天皇に献上された「菅 組注 りこ 析し、日本人の「働き方」の変化を明らかにする。 家文草』、左遷以後の作品を収めた「菅家後集」。 取た 978 ー 4 占 97304993 <LD 判・本体 5800 円 978 ー 4 占 9730496 、 5 <LO 判・本体 11 、 000 円 にま 刊 始モダン・エコノミックス 5 復すい 企業の経済学 るまさ 日本古典文学大愚管抄 よりだ付青木昌彦・伊丹敬之 癶現代産業社会の企業行動そのものを対象に、なぜ企業岡見正雄・赤松俊秀校注 乍 承久の乱前夜、あるべき世のあり方を世人に説くため イが了日はそのような行動をとるのかを解明した画期的な書。 に、歴史叙述そのものを問い直した史論書。 見こ 978 ー 4 ー 0973049 一占 <LD 判・本体 4100 円 て 978 ー 4 占 9730497 ー 2 <ID 判・本体 8400 円 サ外を月 やと 9 モダン・エコノミックス 国際金融 文装る 浜田宏一 日本古典文学大系曾我物 日々刻々変化する国際金融情勢をわかりやすく解説し、 ごが要 市古貞次・大島建彦校注 ( んど 同時にその背後にある論理を解明するテキスト。 ドせほ 曾我兄弟の仇討ち物語は、多くの芸能者たちによって ンま間 9 4 ・ 8 ・ 7 0 甲 7 <LD 判・本体 4200 円語り継がれ、後代の文芸に絶大な影響を与えた。 マり週 978 ー 4 占 9730498 ー 9 <10 判・本体 7200 円 デわ 4 ン変 ~ 日本古典文学大系平話 = 曲集田田 オと 2 横道萬里雄・表章校注 は本・に でルで 現行曲・番外曲の名作を収める決定版。上巻には、観 店ナま 阿弥・世阿弥の能、元雅の能を、下巻には、禅竹の能、 書ジけ 信光・長俊の能などを収録。 波リ届 岩オお <LO 判田 97 甲 4 占 973049 甲 4 本体 7200 円 国 978 , 4 占 9730494 上本体 7400 円 2

6. 思想 2016年 第9号

って診断され、不安や落胆、睡眠障害や人間関係の変化など事実、サンスティーンとテイラーは、人々の主体的判断力を を経験したという。こうした実態に照らすと、乳がん検診を促すためのアーキテクチャーを提案してもいる。例えば、現 促すパターナリズム政策は、必ずしも人々の厚生を改善して行の住宅ローンや携帯電話、あるいは自動車保険などの料金 いない。プローグらは、乳がん検診のパンフレットに、 こうプランは、複雑な体系をなしていて消費者が自律的に判断す したす。へての実態を明示したうえで、検診を受けるかどうかることは難しい。そこで政府は例えば、携帯電話各社に対し を市民に主体的に判断してもらう。へきだと提案しているて、料金の設定は規制しないが、利用状況や価格計算式に関 する情報を一年に一回公開するように義務づける、という法 「 Ploug. Holm and Brodersen 20 に」 ( 2 ) 。 情報を公開して主体的な判断を促すというこの発想は、主律を施行してはどうか「 Tha 一 er and Sunstein 2009 】 145 2009 【 220 」。 体化型のリべラリズム政策と呼びうるだろう。ところがこう このような情報が与えられれば、顧客は携帯電話会社 した政策は、必ずしもうまくいかない。有名なある実験によの料金プランを比較して、適切に選択するためのインセンテ れば、レストランのメニュ これは「 0 < ( 価格 イヴを与えられるにちがいない。 ーにカロリー情報を提一小すると、 ダイエットしている人はカロリ ーの高い料理を選ぶ傾向にあの記録・評価・比較 ) 」の利用を提案するものであり、消費者 るという「 Downs. Loewenstein and Wisdom 2009 」。これに対しに有益な情報を与えて自律的な選択能力を高めるための政府 判てカロリー情報を提示せず、選択のアーキテクチャーによっ介人であるといえる。この他にもテイラーとサンスティーン ムてカロリ ーンの手数料 ーの低い料理を選択しやすいようにすると、ダイエは、住宅ローン会社に対して、ローン本体とロ ットしている人もしていない人も、カロリーの低い料理を選を区別して情報開示するように義務づけることや、クレジッ ナ 一ぶ傾向がみられるという。この実験結果から分かることは、 ト会社に対して、一年間に発生したす。へての手数料の内訳と タ 合計金額を記した年次報告書をハードコビー版と電子版の両 人は適切な情報があっても合理的に行動するわけではなく、 ンむしろ情報を与えずに選択の枠組みを変更したほうが本人の方で提出するように義務づけることなどを提案している。ま ア た彼らは、さまざまな施設に対して有害化学物質についての 厚生を高める場合があるということである ( 3 ) 。 タ リバタリアン ハターナリズムは、こうした情報のもっ逆詳細な情報を開示させる法律 ( 「有害化学物質排出目録制度」 ) を 説的な効果を考慮して、追加的な情報を明示すべきかどうか評価してもいる。情報公開によって、企業は悪い風評を避け について臨機応変に対応するにちがいない ( 4 ) 。 リバタリアるべく、環境に配慮するようになると期待しうるためであ る ( 5 ) 。 パターナリズムは、情報の提示を認めない立場ではない。 1 1 1

7. 思想 2016年 第9号

105 ホッブズとセルデン 0 。堕落と復興の近代中国仏教仏教と心理学の接占 浄土心理学の提唱 日本仏教との邂逅とその歴史像の構築 藤能成編著 エリック・シッケタンツ著 去われわれが知る「中国仏教」は日 日本人に最もなじむ心理学、「浄 土心理学」の提唱 / 浄土教を基 軸とする日本人の心を解明する。 これまでにない画期的な一冊。 叩教史研究の視座とその前提を問 い直す。 五、〇〇〇円 + 税 一一、八〇〇円 + 税 Origins 0f Government," PP. 437 ー 447. Toomer, 70 、ミ Se ミ . vol. II, p. 506. ( 町 ) Toomer 、 02 S ミド vo 一 . II. p. 506 n 107. ( 4 ) Rosenblatt. R ss ミ ~ E ミミミ ) S C R P. 211. ( 的 ) Sommerville. "John Selden. the Law of Nature. and the Origins Of Government," pp. 443 ー 444. ( 浦 ) 梅田『ホッブズ政治と宗教』一九五ー一九六頁。ホップ ズの自然法論に関しては、梅田『ホッブズ政治と宗教』一二 八ー一四七頁、梅田百合香『甦るリヴァイアサン』 ( 講談社、二 〇一〇年 ) 第二章で詳しく論じているので、参照されたい。 ) Thomas Hobbes, トミ ) 斗ド ed. Noel Malc01m, 3 vo 一 s.. vo 一 . 2. Oxford: Clarendon press, 2012. p. 418 ( ホッブズ『リヴ アイアサン』水田洋訳、全四巻、岩波文庫、一九五四ー一九九 一六六頁 ) 。 ( 祀 ) Hobbes. ト e ミド vol. 3 も . 1058 ( 四、一一〇ー一一一頁 ) 。 ) Hobbes. トミ & . vol. 3. p. 1060 ( 四、一一 (ä) Rosenblatt. E g S C R06 PP. 4.9. 近代中国仏教 ' 中国広」は日本人が第いた慮・だった ( 浦 ) レイモンド・・シェインドリン『ユダヤ人の歴史』人江 ー二二四頁。 規夫訳、河出書房新社、二〇一二年、二二三 Rosenblatt. s きミ e E ミミト S C P. 162. ( 浦 ) むろんこの時点で十分な形で寛容が実現したわけではなく、 周知のとおり、反ユダヤ主義は二〇世紀になっても根強く続く ことになる。しかしながら、・ネルソンは、ヘブライズム復 興がエラストウス主義と寛容を接合したとし、初期近代の寛容 思想は、国家と教会の分離の欲求からではなく、むしろ圧倒的 にこれらを統一しようという努力から生まれたと主張する。っ まり、寛容は世俗化の過程と国家と教会の分離の過程から生じ たという従来の理解に対し異議を申し立てるのである。ネルソ ンが従来型解釈の最近の典型的例として挙げるのは、マーク・ リラである。 Nelson. ミ Rep ミ pp. 4 ー 5. 88 ー 89. 178 n 1 and n 2. Cf. Mark Lilla, The S 、ミ b0 GO ト・ e = を 0 ド Po ミ s , and the ミ 0 ~ 一 New York: Vintage B00ks. 2008 ( マーク・リラ『神と国家の政治哲学ーー政教分離をめぐ る戦いの歴史』鈴木佳秀訳、出版、二〇一一年 ) 。世俗 - 仏教と心理学、の 接点浄土心理学の提階〕一理 〒 6 -8153 京都市下京区正面通烏丸東入 Tel.075-343-0458 Fax. 075-371-0458 info@hozokan.co.jp 新刊メール配信中 / 税別お買上 15 国 0 円以上送料無料 /

8. 思想 2016年 第9号

とノュミットは一一 = ロ、つのである ( 召。 る。他の人間に対して絶滅手段を用いる人間は、その生け 贄、客体となる人間を、道徳的にも絶滅するように強制さ 結政治的思考の自立性 れていると考える。相手方を全体として犯罪的、非人間的、 シュミットは一九六八年に「政治的思考家としてのクラウ すなわち、全体的な無価値と宣言しなければならない。し ィッツ」という小論を発表している ( 。ヴェルナー からずんば自分自身が犯罪者および非人間となる。価値とゼヴ ハールヴェーグ (Werner Hahlweg) によるクラウゼヴィッツ文 無価値の論理は、そのまったく絶滅的な帰結を展開し、そ してますます新しい、ますます深い差別化、有罪化、価値書の新編集を機縁に書かれたこの小論は『パルチザンの理 論』のたんなる余滴ではない。一八一二年二月にプロイセン 貶化を強行し、す。へての生活価値のない声明を絶滅するこ がナポレオンと同盟条約を結んだ時点で書かれたクラウゼヴ とにまでいたる ( 四。 ミットはこう述。へている。 ィッツの建白書について、シュ 相手の完全な殲滅を可能にする絶対的絶滅手段の想定する 一八一二年の建白書は、グナイゼナウが一八〇八年八月 敵は、完全に無価値な存在、存在そのものが否定されるべき と一八一一年の意見書で示した政策の枠内で書かれている。 存在となる。かくして絶滅そのものが「まったく抽象的およ 問題は、慎重で決心の付かない国王をナポレオンとの戦争 び絶対的となる。絶滅は、もはやまったく敵に対しては向け に動かすことであった。この意見書はその名前をそれが構 られず、周知のごとくそれに対してはいかなる犠牲も高くな めい最高の価値を表面上客観的に達成することにのみ奉仕する築される三つの『告白』からと。ている。プロイセン将校 は大胆にもナポレオンとの生存闘争を告白する、まずは むからである。現実の敵対関係を否定することによ 0 て始めて、 ス 「あふれる心と感情の言葉から」、第二にはいかなる不安に 絶対的な敵対関係の絶滅活動のための道が開かれるのであ モ も惑わされない政治的理性の根拠から、ナポレオンはプロ ノる」 ( ) イセンの不倶戴天の敵 (unversöhnliche Feind) であり、決し 地人類はすでに「現実的な敵」の否定から「絶対的な敵」そ て降服することで和解することはできないと主張する。第 なのものの絶滅への道に踏み出しているのではなかろうか。そ 三に、軍事的情勢の計算に基づいて、究極的に、絶望的な れは革命的内戦の論理のもたらす絶対的な敵対をこえた、は 希望に基づいて、人民の武装蜂起が期待されるというので るかに深刻な敵対関係、いや敵対関係そのものが表に出ない、 ある ( 。 価値と無価値の論理をもって行われるそれに転化するだろう

9. 思想 2016年 第9号

間は聖書によればただ陸地だけなのです。 史的に一回きりの真理である以上、世界史的な観点から新た な問いが問われうるし、間われなければならない。それでは キリスト教の立場から見れば、人間の住み処は大地であっその新たな間いとその応答とはいかなるものか、先の対話者 て、海ではない。最後の審判の後の世界においては海は存在のロを借りて、シュミットはこう述べている。 しない。 私としては新たな呼びかけは成層圏を越えないと思って 聖ヨハネの黙示録第二一章ではこう述べています。我は います。解放された技術は人間を新たな空間〔圏域〕に開く 見たり、新たな天、新たな大地を、すると最初の天と最初というよりはむしろ閉じこめると考えます。現代技術は有 の地は没落し海はもはやなかったと。お聴きになりました 用だし必要です。だがそれが今日呼びかけに対する回答で あることからは遠いのです。それは絶えず新たな、一部は か ? 海はもうなかったのです ! 浄化され清らかにされ た大地には大洋はない。罪と悪とともに海も消滅する。こ それ自身によって引き起こされた必要を満たすだけです。 その他の点ではそれ自身問題とされていて、そのこと自体 れが新約聖書の結論です。モーゼの第一書の創造説から聖 ヨハネの黙示録まで、聖書は陸地と海との対立を含んでい すでに応答ではないのです。 : : : 新たな圏域、そこから新 るのです ( 週。 たな呼びかけが出てくるところの圏域はしたがってわれわ れの地球の上に見いだされるのであって、そこから離れた 宇宙の中には見つからないのです。解放された技術を囲い 大地と海との対立と、罪と悪の象徴としての海の消滅こそ、 キリスト教の救済論の結論だというのである。 込むことに成功したもの、それを縛り付けることに成功し たもの、それを具体的な秩序に従えたものが今日の呼びか ミットの究極的な立場、キリスト教的救済論の立場が そのようなものであるとするならば、イギリスによる海洋へ けへの回答として与えられているのです、解放された技術 の決断に対する評価にも限定が付されていることは明らかで を月や火星へと着地させる手段で追求するものよりもで す ( 引 ) 。 あろう。イギリスによって始められた産業革命と技術進歩は、 への応答として評価されねばならないし、ま 世界史的な問い た海洋と大地との戦いの敗者としてドイツはその世界史的な解放された技術そのものからは新たな挑戦とそれに対する 敗北をいったんは受け人れるとしても、そうした決断が、歴答えは出てこない。おそらくは技術による宇宙空間への脱出

10. 思想 2016年 第9号

107 ホッブズとセルデン 七、三〇一ー三〇二頁 ) 。 ( ) Hobbes. ト e こミ、 . vol. 3. pp. 910. 91 ド 920 ( 三、 ( ) Hobbes, トミド vol. 3. pp. 804. 806. 818. 820. 822 ( 三、 、二四二ー二四五頁 ) 。 ( ) なお、破門に関するホッブズの見解は、『リヴァイアサン』 ラテン語版 ( 一六六八年 ) の付録第二章「異端について」にも見 出すことができる。『リヴァイアサン』ラテン語版では、主に 異端問題を扱う付録三編 ( 第一章「ニケア信仰箇条について」、 第二章「異端について」、第三章「リヴァイアサンに対する幾 つかの反論について」 ) が付け加えられた。ラテン語版の執筆時 期は、一六六四年から一六六八年の間と考えられているが、一 六六〇年代後半から一六七〇年代の初めにかけて、ホッブズは のちに死後出版されることになる異端に関わるいくつかの諸著 作、『異端とその処罰に関する歴史講話』、『ビヒモス』、『哲学 者とイングランドのコモン・ロー学徒との対話』、および『教 会史』を書いている ( 梅田『ホッブズ政治と宗教』九六頁。 ) 。 局橳鹿島徹、越門勝彦、川口茂雄編 リクール読本 大 このうち『教会史』は一六六四年までに執筆されたという見解 もあり (Patricia Springborg. "Hobbes ・ s Historia Ecclesiastica: lntroduction. Hobbes. History. Heresy and the Universities. in Thomas Hobbes. 、 0 、 Ecclesiastica, Critical edition. in- clu ding text. translation. introduction. commentary and note s. by Patricia Springborg. Patricia Stablein and Paul Wilson. paris: Hono み Champion. 2008. p. 94. ) 、『教会史』の執筆は、 『リヴァイアサン』ラテン語版の翻訳および加筆と重なってい るか、あるいはそれ以前の可能性もある。 ( ) Mortimer. ミ so 心 Re = を 0 the English Re き一ミド p. 132. ( 的 ) Selden, De 等ミ d Lib. II, Cap. X. pp. 435. 437. Cap. XVI, pp. 697 ー 698. Lib. III. Cap. III. pp. 5 ー 6. Sommerville, "Hobbes. Selden. Erastianism. and the history 0f the Jews, pp. 170. 176. Rosenblatt. R ミ ~ E 、 ~ g S C R p. 161. ( R) Hobbes. トミ . vol. 3. pp. 636. 668. 736. 738. 740 ( 三、 っ DCN ま。のた円訳るカ待わ円 す魅 , ら 3 90 訳の生塔そし 集平 , 義 関も作あ北 4 ムで字と括》知 , スジ初どわ主 に最著を。段幻 作ナ一を 3 雄サ期ス金ム総 よ。 0 義ン年ンのサを 辞のい貌髄九 剛著、ユイレ稿オる 異 1 井進べ青ラ史ン想巻ス 修評高全真区 藤シヴコ原すス 的批名にの田 代築てい派代 0 レ ~ 贔急—者第【著差 ルン現構しつ学千 頭会義経。 歴史物語の解釈学で知られる第一級の哲学者が残し監ナ 他コ後ののを 著的立 、初社主治典ペソの脱と。ル た膨大な仕事をテーマごとに掘り下げ、その驚くべき 代国福政古ニンと践訳一 7 イ学→卉 多面性を一望のもとに概観する、最高の執筆陣によるン ウ学成 年英幸のの ・ヨこ集実完工 8 ラ哲次アた。ク・レ 本邦初の読本。主要著作解題とキーワード解説、略年カ む論なのイ c{—l 囲た大代滅書ジ 二ヴっ刊テ書ア 叢哲の 四れ最時不読試的望す 譜も付す。 <IO 判・並製・ 416 頁 / 3400 円日レ 2 第工行公の《 uj