い記を公然とはとらないし、アジアについてリントンに献金すると、クリントンと会 買って読み、 podcast を聞き、雑計の瑩 の外交政策でも、トランプは共和党と全った後に声明を出している。あるいはま 事を読むのである。 トランプ支持者の層は、職を失い、あく違ったことを言っている。そして共和た共和党の右派 ( 例えばネグロポンティ ) るいは未来に職を失うかもしれないと恐党主流はこういう本気かどうか分からなも共和党のネオコン ( 例えばウォルフォ いトランプの発言と、そして彼の大げさウィッツ ) もトランプではなくクリント れている。それは国境を越えてメキシコ からやってきた安い労働力が我々の職をなテレビ的政治スタイルを嫌悪していンを支持すると言う。トランプは共和党 主流に嫌悪され、共和党の多額献金者は 奪うからだ、と短絡的に理解し反移民にる。 二人の元大統領であるブッシュ親子クリントンに向かい ( その代わりにトラ なる。経営者が安い賃金の人間が欲しく て高い賃金の白人アメリカ人を見捨てては、トランプを選ぶことが明らかな共和ンプは支持者から少額の献金を集めてい いるのだが、その仕組みについては分か党の党大会に出席しない声明を出したる ) 、共和党右派もそしてネオコンもク ク ろうとしない。トランプが共和党大会でし、元共和党大統領候補のミッド・ロムリントンに向かう。ついにヒラリー・ リントンは、トランプ以外の共和党に支 大統領候補に選ばれたのは、トランプがニーも党大会に出席をしないと言った。 開拓したそれまでは隠れていた共和党のつまり共和党のエスタブリッシュメント持される共和党大統領候補者になった 勢力、共和党内でも顧みられていなかつはトランプが嫌いで、トランプとその支と、冗談としてではなく真面目に言われ た。へシミスティックな人々がトランプを持者も、エスタブリッシュメントとエリるのである。トランプはある演説で、私 は二つの敵とたたかっている。一つはク ートが大嫌いである。 支持したからである。それはある意味で リントンであり、もう一つは共和党の私 反共和党勢力であった。トランプの主張コンピュータなどの電子機器メーカー 。ハッカードのメグ・ホへの反対勢力である、と言っていた。 は、これまでの共和党の主張と異なってのヒューレッド・ いる。共和党は大企業を保護する政策をイットマン 0@0 は、経営者としてだけ とるが、トランプは低所得者の保護とウではなくて共和党からカリフォルニア州大統領選挙は終わった オール街への規制、金融規制を言う。ま知事選挙に立候補したことのある政治家共和党の全国党大会は七月中頃に行わ た保護貿易主義的であり、それは共和党でもある。彼女はこれまで多額のお金をれトランプが党の大統領候補となり、そ の政策とは違う。共和党は反移民の政策共和党へ献金してきた。しかし今回はクの直後に民主党の全国党大会があり、ク

室謙二 すでに大統領選挙は終わった まず最初に、私の立っている場所を言スのどちらを大統領選挙の候補者に選ぶる。一体全体、私たちの運動はなんだっ ったほうがいいと思う。 かの選挙では、私はサンダースに投票したのかと、民主党に騙されたように感じ た。もっとも私たちの投票が、候補者をたのであった。 私は日本生まれだが、いまではアメリ カ市民権を持ちアメリカに住んでいて、 最終的に決定するわけではない。党役員さて私はすでに彼らのように若くはな だから大統領選挙を外から見ている人間や上下両院議員で構成する特別代議員といが、その世代とともにサンダースを支 ではなく、大統領選挙に投票する人間でいうのがあって、これが大きな力を持っ持して、彼にお金を送り、彼に投票し た。しかしここで議論があった。サンダ ある。そして私は住んでいるカリフォルているから。 ニア州で民主党支持であると登録してい ーニー・サンダースが、民主党の大ースは特別代議員を押さえていないの る。これは共和党支持であるとも、第三統領候補を選ぶ投票で多くの一般民主党で、民主党の大統領候補にはなれないだ 党を支持するとも登録できる。登録した支持者から票を得ても、すでにクリントろう。だとしたらクリントンに投票し からと言って、選挙の時に登録した党のンが事前に特別代議員の多くの支持を取て、十一月の大統領選挙に向かってみん 候補者にしか投票できないということはり付けているので、彼には勝つ見込みがなでヒラリー・クリントンを押すように ない。しかし民主党の大統領候補者を選少なかった。サンダースを支持する運動したほうがいい、という立場があり ( 親 ぶ事前の選挙に投票できる。今回のヒラに参加していた若い人たちは、後になっしい友人の立場はそうであった ) 、別の リー・クリントンとバーニー・サンダー てこういう仕組みに苛立ち怒ったのであ立場は、こちらが私たちの立場であった

近づく。それがどのようにクリントンをの中で力を持っ可能性を、多くのアメリ大統領選挙まで二カ月はある。日本の読 変えるのか ? 献金を受ける、支持を受カ人に明らかにしたことである。ヒット者がこれを読んでいる時点からも、アメ けるということは、当然に彼女の大統領ラーもムッソリーニも、まず議会制民主リカの大統領選挙は一カ月ほど先だろ としての行動に影響を与えるであろう。 主義の枠の中で力を得たのである。そのう。だから私がここで書いていること 民主党大会の直後に、クリントンに投後に独裁者になる。それを引きながら今は、細かいところは事実によってひっく 票するように支持者を説得したサンダー回のトランプの大統領選挙を論ずる文章り返される可能性もある。しかし私は、 スは、報道によれば、自分が大統領候補もあったし、いま世界中で起こっているこの文章で書いた大統領選挙の大きな枠 になろうとした時の「革命」を持続する議会制民主主義制度内の右翼の台頭を、組みは変わらないと思っている。私が根 と言っている。それが民主党内部にもっトランプと並行して論じた文章もあっ本的に間違っていたとしたら、私はこの と左派的な動きを作り出そうとするものた。 文章を読み返して、どこが間違っていた なのか、その外に作ろうとしているのか 最後に、私はドナルド・トランプ氏にのかを検討して反省しないといけない。 ( むろけんじ・評論家 ) はわからない。これはクリントンの共和感謝したい。彼のおかげでアメリカ政治 と文化の見えにくかったところが、私た 党候補化と無関係ではない。 しかし今回のトランプ騒ぎの一番の教ちに見えたのであるから。しかし今これ 訓は、ファシズムが議会制民主主義の枠を書いている時点から、十一月はじめの 館 ~ 親鸞思想の再発見善光寺の 現代人の仏教体験のために 歴史と信仰 藏一 田代俊孝著 牛山佳幸著 去仏教は、悩んでいる人のためにあ る。回心とは、体験である 善光寺が「庶民信仰の寺ーといわ 悩み多き現代人のために、「仏教 れるのはなぜか。関連史料をよ み直し、新たに描きだす決定版善の 叩体験、という救いの道を明らかに する。 善光寺史。 一、七〇〇円 + 税 ニ、五〇〇円 + 税当 発あ 回心駅気体驗てめを 〒 -8153 京都市下京区正面通烏丸東入 Tel. 075-343- 58 Fax. 075-371- 図 58 info@hozokan.co.jp 新刊メール配信中 ! 税別お買上 15 ′网円以上送料無料 /

が、できるだけサンダースに票を集め彼の足を引っ張るのではなくて、支持者る。 て、サンダースが負けても彼の政治的左たちはその「失言」に大いに喜び、喝采『ヒルビリーの哀歌』の著者もまたヒ 派の意見をクリントンが無視できないよしたのであった。 ルビリーの出身で、イエール大学のロー うにしようということであった。私たち トランプは「本当のこと」を言っていスクール ( 法科大学院 ) を卒業しているが、 はクリントンの政治的立場を、それほどる、私たちが言えなかった「本音」をは彼は家族の中で大学院はもとより四年制 信用していないのである。 つきりと言っている。彼らはそうメディ大学にいったはじめての人間であった。 その民主党が誰を大統領候補にするかアのインタビューに答えていた。 『ヒルビリーの哀歌』は、数週間ニュー ヨーク・タイムス・ベストセラーのハ で争っている時に、共和党でも同じよう ドカバ に各候補の争いがあり、そこではかってヒルビリーの哀歌 ー・ノンフィクション部門一位で は大げさにぐ候補で当選とは関係ない トランプの支持者は、高校卒までの白あった。つまり、一体このトランプの支 と思われていたドナルド・トランプが他人男性を中心としている。アメリカでの持者たち、あるいは今のヒルビリーはど を引き離し勝ってしまった。その間にト言い方では、ワーキング・クラスとロー ういう人間たちのなのか ? とニューヨ ランプは「失言」とでも思われる言葉をワ ー・ミドルクラスである。この層はい ーク・タイムスを読むような知識層も思 繰り返し言っている。ところがその「失まアメリカ社会で、自分たちは誰からもっている。また雑誌「ニューヨ 1 カー」 言」が彼の力を失わせるどころか、いよまったく顧みられていないと感じて、未にも「トランプの支持者とはどんな人間 いよ彼の支持は確実なものとなっていっ来に関して一番ペシミスティックな層でか ? 」という長い記事が載っていた。 私は日本の友人に、めちゃくちゃなト た。ほとんど毎日と言っていいほど、昨ある、と『ヒルビリーの哀歌』 (HiIIbiIy 日はトランプはこう言った今日はこう言 E 一 e ) を書いたバンス ( J. D. vance) は、 ランプがどうして人気があるのか説明し ったと報道されて、それは日本でも報道ニューヨ 1 ク・タイムスの Podcast 「トてくれと言われたが、それは私にも分か されただろう。その「失言」をいちいちランプに投票する人を理解する」で言っらず、いや分かっているとも言えるがそ あげたらキリがない。それは人種差別とている。この場合、ヒルビリーとは洗練れは言葉の上だけのことかもしれないの 傲慢さと自らの二重規範を背景にした発されていない田舎者というけなし言葉でで説明に躊躇したが、アメリカのインテ 言であったが、それらが「失言」としてあるが、それはトランプの支持者と重なリもそれを理解できないので、この本を

リントンが大統領候補として選出されことである。持っていただけではなく、 地が悪かった。 た。民主党の大会は初日にミッシェル・ クリントンの演説が盛り上がると、一斉民主党の大会が終わって、一時は近づ オバマの感動的演説があり、二日目にはにと連呼した。会場ていた ( ある調査では逆転した ) クリント ビル・クリントンの、私は a girl( ヒラリ のプラカ 1 ドとかの連呼ンとトランプの差は広がっていった。そ 1 のこと ) に会い恋に落ち、やっと付き合は、明らかに事前の準備があったわけしてニューヨーク・タイムスは「大統領 えるようになり、結婚を申し込んで三回で、まるで共和党大会の演説のようであ選挙はすでに終わった」という記事を載 目に承諾を得たというプライベートな話った。トランプの演説では、聞くものがせた。民主党大会以来のあらゆる世論調 から始まる政治演説でヒラリーを持ち上自然に << ! ! と声を合わせ査では、クリントンとトランプのは差は げ、三日目はバラック・オバマの演説でて叫ぶのがいつものことで、それを民主縮まらずに場合によっては広がってい 「ヒラリーは私より大統領の素質がある」党が盗んで演出したのである。それはトる。ここに至れば、もはやトランプが逆 という演説であった。そして四日目にクランプに反対する共和党支持者をクリン転するチャンスはほとんどない。クリン リントンの登場となった。 トンに投票させようということだろう トンが大統領になるチャンスは八十数。ハ ーセントで、ト一フンプがなるチャンスは このときに驚いたのは全国から会場にが、かなり作為的な愛国主義であった。 集まった民主党の活動家たちが、手に手多くの民主党支持者と同じように、私た十数。ハーセントであるといくつもの調査 にというプラカードを持っていたちもまたこの作為的愛国主義を見て居心は言っている。私にはまだ十数。ハーセン 。円 をわの円 年めつに人っい題だ円 説 解 訳晩をニもャた問問 親変惑 3 ジ 人 哲たどたとダいをう組 母風魅 画 訳 ロ 9 庸いなれとユに」いり た ~ る 苗 ソ 9 喜て性さ言の年性と取 ン ト早 さウ起 話集集各「り 名しヤな緒ア晩 トきノ 民第第第 皮防巻 ュ編の文勃にまをの編決の話話話 一ダ端ャ加ガ乃デ自炳に のド杤」擡本民民民 マ訳代ニ読スたっ親レつ物 哲リ 0 演たにず現すす 最 駐小〈 2 3 4 L.0 10 0 現のぐの収家て直が特ダ匪イ作 a 子篇追のてが助り冒表勿第ド学興よで展の纂 0 つのお 人類の明 2

トあることが脅威であるが。数日前の Z て、あの言葉は暴力を意味していないともはや勝ち負けの問題ではない ニュースは「ト一フンプを越えて二弁明した。アメリカにおいては憲法修正何らかの事故、何らかの大事件が起こ 〇一六年の以後の共和党はどこに向かう第二条 ( 一般人がガンを持っ権利 ) は信仰のった場合は、まだトランプにチ・ヤンスは のか ? 」という特別番組をやっていた。 ような面があり、共和党支持者、またトあるが、そのチャンスは非常に小さい。 つまりこの異様な大統領選挙は、すでにランプ支持者の中では特にそれが強い。 そして勝ち負けが終わって、いま何が残 終わっているのである。 ( 全米ライフル協会 ) は多額のお金をつて何が見えているのか ? しかし、トランプにはチャンスはほと使いトランプ支持はもちろん、ガンコン まずトランプの支持者たちがいる。ト んどない、ということになっても扇動家トロール反対の議会ロビー活動を活発にランプの支持者は『ヒルビリーの哀歌』 としてのトランプの勢いは衰えない。ト行い、ガン愛好者を右翼政治的立場からのバンスが言ったように、「アメリカ社 ランプは、クリントンが大統領になった煽り立てている。クリントンは修正第二会で、自分たちは誰からもまったく顧み ら憲法修正第二条 ( 人民武装権 ) を廃止す条を廃止するとは一度も言っていないられていないと感じて、未来に関して一 る。そうなったら我々は自分たちをガンし、そのつもりもないはずだ。虚偽の事番。へシミスティックな人々」である。そ で守れなくなる。修正第一一条を支持する実でもって人々を煽り立てる扇動家の側の人々は選挙後も残り、負けたことによ 人々よ、お前たちはクリントンに対して面が、最も明らかになった瞬間であっ って再び誰からも顧みられていないと感 何かすることがあるだろう、と演説した。トランプの政治演説は、オバマとかじ、未来に関していよいよペシミスティ ( 0 クリントンのように聞く人に対して整然ックになるだろう。しかしトランプの扇 これはこれまでのト一フンプの扇動の中と説得するものではない。トランプの演動によって浮かび上がったその層は、少 でも最悪である。事実と異なることを言説はリビングルームとかカフェでの仲間なくとも私たちに見えるようになり、ト って、次に暴力を示唆する。このこと内の放談スタイルであり、彼の支持者たランプ以外の政治がその人々を助ける可 で、がトランプのキャン。ヘーン・ ちには整然とした政治演説よりずっと好能性は残っている。 オフィスから事情を聞いたというニュー ましいのである。しかしこの場合、演説もう一つ、共和党候補者としてのヒラ スが側から流れた。トランプ側はは放談というより扇動であった。 リー・クリントンがいる。共和党がクリ —が接触してきたことはないと言っ ントンに近づき、クリントンも共和党に

= アリティの葛藤を描く自伝的ドキ = メンタリー映画『メッカ私もちょうど塀をまたいで両側で足をプラブラさせながら座っ の罪人』を発表して話題になりました。大家さんたちの周りにていたら、突然めまいに襲われた、という感じでしようか。 —の笑顔と抱擁に見送られて後部座席の扉を閉めました。私 もそういう人々がいるのでしよう。とにかく私はすぐに彼らと 意気投合し、観光はそっちのけでア。ハートに人り浸り、甘すぎの出自を知ったら、このおじさんはなんと言うかな。呆れるか て食べられたものではないアップル。 ( イを一緒に作ったり、恋な、怒るかな・ : なんていうのは単なる自意識過剰。少なくとも 愛談義に花を咲かせたりと、計画とは大分違う休暇を過ごした黙っているうちは、私の出自も生き方も、おじさんの関心外で のでした。彼らがなぜ豚肉を食べないのかは聞きそびれましたす。「空港ですね。航空会社は ? 」。静かで、丁寧で、媚 。「世俗的だが一部の戒律は守る」ユダヤ教徒なのかもびも拒みもしない優しい声でした。私はアラビア語で答えたい しれません。他の戒律はともかく豚だけは食べないというムス衝動を押し殺し、英語で答えました。ちょっぴり寂しかったけ リムやユダヤ教徒は多いし、また豚肉を食べない信者が必ずしれど、彼を守っている境界線をいたずらに動かしたくなかった のです。それが彼に対する、私なりの敬意の証でした。 も「ハラール食品」しか食べないわけではないのです。 出発の日、がタクシーを呼んでくれました。次の行き先は「ムスリムの人国を規制し、メキシコ国境に塀をつくる」と 。ヘルーです 0 「自分より大きな旅行鞄」は、北半球用の夏服と主張するトランプ氏が正式に米大統領選の共和党候補に決まり 南半球用の冬服が詰まっているからなのです。が車まで運んました。や仲間たちは怒っているでしようが、逆説的に言え でくれた鞄を受け取りトランクに人れたのは、アラブ系の初老ば、彼こそこの不可解な時代に相応しいアメリカ大統領なのか の運転手さんでした。服装ゃあごひげから、彼が厳格主義的ムもしれません。あの運転手さんや、香歩さんもおっしやるよう スリムであることは明らかです。磨き上げられた上半身のほとに「社会の土台を支えている」多くの移民たちが生きにくい国 んどが露出されるビリビリのシャツを着た私の友人と、敬虔にならないことを祈るばかりです。 で保守的なおじさんを絵に描いたような、うちの親戚にも一人ニ = ーヨークの民泊と言えば、実は南米から舞い戻った際、 はいそうな私の同胞。別々の世界に住む二人の間に、ほんの一もうひとつ大事な出会いが私を待っていました。厳格な正統派 瞬だけ、私のスーツケースという接点が生まれてまた消えるのユダヤ教徒を父に持っ女性作家です。これもいっか香歩さんに を、境界線上の住人である私は不思議な気持ちで見守りましお話ししますね。 ( もろおかカリーマエルサムニー・著述家・アナウンサー ) た。「どっちつかず」を英語で「塀をまたぐ」と表現しますが、

ヨーロツ。ハ諸語の、ラテン語を祖にもっ ( 英語なら ) 「グラシ 図書号目次 ック」という単語に「古典」という字をあてたのは、明治の日 「古典」について冷静に逸身喜一郎 本人らしい。もともと中国語の「古典」にはクラシックに相当 楽園の向こう側 福嶋伸洋 する意味はない。しかし古典そのものは中国にもある。むしろ 小説のサバイバル 稲垣伸寿 一書物は時間を超越してつねに中国社会の求心力とな 0 てきた。 いっぽうヨーロツ。ハでは「クラシック」ということばでいっ九〇年代の若者たち 島田潤一郎 2 喜 たい何が指示されたのか。その変遷の過程をたどれば、古典とユネスコと多文化主義革命 ~ ダ一・ド炻 すでに大統領選挙は終わった室謙一一 身され重要視された書物の変遷ーーそれはまた社会の変遷でもあ る・ーーが見えてくる。規範とされる書物群 ( カノン ) は、あるい に メキシコ滞在日記 色川大吉 は規範そのものが、空間と歴史に制約をうけている。 「ノグチ・ヨシコ」誕生まで川崎賢子弭 古い書物を読まずして新しい書物が書かれるべくもない。と 師岡カリーマ・ 冷 4 はいえ「古典は時の試練を経てきた人類共通の宝である」「古境界線上のプルース エルサムニー 典は民族の淵源である」といったもっともらしい発言を鵜呑み て 英雄の死 佐伯泰英 にしてよいか。このふたつの発言にしてからが、普遍性とナシ 人い 夫婦喧嘩の文化 柄谷行人 ョナリズムという衝突する要素を含んでいる。 高村薫 日本学術会議にたまたま集まった専門分野を異にする一二人お祭りのあと の有志で一冊の本 ( 『古典について、冷静に考えてみました』 ) を作っ木を見て森を見ず ? 三浦佳世 書 てみた。みな「古典文化と言語」分科会の連携委員ではある 罪と恋 若松英輔 が、たがいに話す対象がどこまで同じなのか、自明としている 墓地の詩いろいろ 池澤夏樹 古典概念は本当に自明なのか、を確かめてみたかった。 4 こぼればなし ともすれば古典は声高に称揚されがちである。しかしまずは 古典なるものについて、いくつもの視点から、冷静に、考えて十月の新刊案内 みよう。どうそ私たちとご一緒に。 ( いつみきいちろう・西洋古典学 ) ( 表紙解説伊知地国夫 ) ( カット西沢貴子 )

トの作成においても衝突した。カリブ海 界遺産リストへの申請に利用できる要因スト登録がもっ市場価値は、ユネスコが になる。この場合も日本は、欧米中心だ認めたがらない不都合な事実だった。文諸国の連盟は、ユネスコの審査を経ずと った分野に非欧米諸国を代表して割り込化遺産を脅かす観光客の増大という問題も各国が登録したいだけ登録できるリス トにするよう主張した。日本はこの時も むくさびの役を果たした。とはいえ、革はユネスコの会議で取り上げられはした 命的なほどの平等化を日本の文化官僚はが、「文化」を純粋なものと見なす理念保守的立場から「傑作」リストにすべき 目指してはいなかっただろう。フランスあるいは幻想は維持されたままであっと訴えたが、最終的には、申請・審査を こ 0 経るという限定をつけつつも、普遍的優 革命における穏健なジロンド派のよう に、王を処刑せずに国家変革を目指す立奈良会議の十年後、日本に再び集まっ秀性を条件としない「代表的なリスト」 場、すなわち世界遺産の基礎にあるオー た専門家は有形・無形文化遺産の扱いをという妥協案に落ち着いた。こうして、 センティシティーと普遍性の概念そのも融合させるよう訴える「大和宣言」を発最も価値の高い文化遺産を保存するとい のに疑義を唱えるつもりはなく、自国の表し、さらに十年後の二〇一四年の会議うこれまでの博物館モデルから、各文化 遺産を認めさせたかっただけであろう。ではオーセンティシティーの概念をさら伝統の事例を「種」として存続させるノ しかし、すでに扉は大きく開かれ、過去に拡大するよう訴えた。日本はこの革命アの方舟に近いものになったのである。 こうしてユネスコ参加国は会議やガイ の革命同様、根源的で過激な主張が次々のロ火を切ったのだが、これらの会議で と台頭することになる。 は日本側の発言はむしろ保守的であっドライン改正のたびに、より開かれた文 化遺産概念へと進み、予期せぬ結果も生 一九七二年の条約以後、世界遺産へのた。 登録は所有国にとってステータスと観光二〇〇三年、無形文化遺産のリスト化むことになる。その顕著な例が各国の料 収人において高い価値を持っことが明白を開始することが決まり、ユネスコは新理の登録であった。フランスが率先し となったので、世界遺産を多文化主義的しい領域に突人する。「自然及び万物にて、二〇一〇年に「フランスの美食術」 観点から理解することは、とりもなおさ関する知識及び慣習」まで含むこの定義を無形遺産に登録申請した。ュネスコの ず正義をグロ ーバルに再分配する動きででは候補は無数になり、甲乙をつける基遺産保護は脅かされている文化が対象な もあった。しかし、膨大になる一方のリ準も難しいため、ユネスコ参加国はリスので、フランス料理が優れているという

していた。その基金集めのファッショ という多彩な経歴の持ち主ーと紹介する。 る。近年の調査では、ユル・プリンナー 『王様と私』の主題歌「 ShalI We ン・ショーに出演した」と。より積極的 Dance? 」をはじめ、数々のミュ はウ一フジオストックの生まれとされる。 ージカにまた主体的に関わろうとしたと読め 両親、祖父母の出自をたどると、ドイツルの名曲を残したリチャード・ロジャ 1 ・ハマースタイン二世のコ山口淑子は、はじめての渡米にあた 系スイス、ロシア、イルクーックの先住スとオスカー 複数の取材に答えて、アメリカで会 民族、プリャートなどなど、こみいったンビが、「修行中の新人女優である私にり、 文化と血を承けているともいう。彼は眼をかけてくれた」、中国を舞台にしたいたい人としてエレノア・ルーズヴェル トと。ハール・バックのふたりをあげてい 『王様と私』のシャム王の役で一九五二「大地」でノーベル文学賞を受賞した。ハ ール・バックに紹介してくれたのも彼らる。エレノアは、三十二代米国大統領と 年にトニー賞を受賞した。「彼が、駆け してニュ ー・ディール政策によって大恐 出しの私をしばしばエスコートしてくれで、「私が中国で生まれ育ったバック・ たのは、同じオリエンタル ( 東洋系 ) としグラウンドを知って、彼女に引き合わせ慌後の経済立て直しをはかり、日中戦争 て気が合ったからだろう」 ( 『李香蘭私のたものらしい」 ( 『李香蘭私の半生』 ) と、時には蕗介石の国民党政権を支援したフ 半生』 ) というのが、山口の解釈である。 自伝は語る。どこかしら、彼女自身は受ランクリン・ルーズヴェルトのファ 1 ス トレディーであった。一九四五年四月に ふたりの経歴をみると、「オリエンタル動的であったかのような文体である。 ( 東洋系 ) 」というにとどまらず、共振すこれに対してドウス昌代『イサム・ノ夫に先立たれた後、一九五二年まで米国 るところがあったかもしれない。彼は大グチーー宿命の越境者』 ( 講談社、二〇〇の国連代表を務めている。山口淑子は自 戦中、 O> ( 戦時情報局 9 ま e war 〇年 ) の記述ではすこしニュアンスが異分を成長させてくれる人との出会いに貪 ・バック欲だった。知遇を得てエレノア・ルーズ lnformation) においてナチ占領下のフラなる。「淑子は尊敬する。ハール ンスに向けたラジオ放送のアナウンサー に北京語でインタビューする機会を得ヴェルトの私宅を訪ねている。高い目標 をつとめていた。ュル・プリンナーも、 た。。ハール・、ハックは戦後、アメリカ兵を掲げて実行に移す山口淑子の行動力が 山口淑子も、二十世紀の情報戦に動員さのアジアでの落とし子を引き取る施設うかがわれる。あるいは渡米前に周到に れたハイプリッドな才能だったのであ「ウエルカム・ハウス」を設置して活躍根回しをしていた結果、実現した会見か