児童文学 - みる会図書館


検索対象: 図書 2016年8月号
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1. 図書 2016年8月号

三瓶恵子 来年はアストリッド・リンドグレーンないほど多い。 ウェーデンの児童文学というと、『長く 生誕一一〇年。最初の作品が出版されて 一九六五年に国立財団として設立されつ下のピッピ』や『ニルスの不思議な から七〇年が経った今も、人気は衰えなた児童書研究所 ( Ba 「 nb 。 k 。デきミ e ( ) があ旅』 ( セルマ・ラーゲルレ 1 ヴ ) を思い浮か い。日本でも『長くっ下のピッピ』 ( 岩波り、 児童・青少年文学に関する情報の提べる日本の読者には驚かれるかもしれな 書店 ) をはじめ、多くの作品が翻訳され供と、その分野の研究の支援や周知を目い。二〇一五年に刊行された児童書の傾 ている。 指している。その一環として、前年に国向について、 "Bokprovning2016" を参 スウェーデン国内ではリンドグレーン内で出版された児童書を分析し、その考に、児童書研究所が例示する本を具体 の作品にかぎらず児童書は人気が高く、 傾向などを、毎年春に、「本の品評会」的に紹介しながら述べたい。 数も多い。一一〇一五年には新版および復 ( B 。 kp 「。 vn 一 ng じで発表している。 刻版のタイトルを数えると、二〇八九冊わたしはスウェーデンに住むようにな ここ数年 ) スウェーデンの児童文学に の児童書が出版されたが、その半数以上って三〇年以上になる ( 『人を見捨てないはいじめや自殺未遂など暗いテーマを取 がスウェーデンの作家の作品だ。児童文国、スウェーデン』岩波ジ = ニア新書 ) 。毎り扱うものが多く、その傾向が年々ます 学は重要な地位にあり、作品についての年、「本の品評会」のセミナーに参加し、ます強まっている。そして一五年の特徴 論評や議論も、日本とは比べものになら最近の傾向を見てきた。その内容は、スは暴力であると、児童書研究所は分析し ピッピの国の児童文学に広がる「暴力」

2. 図書 2016年8月号

大人に贈る子どもの文学 日の沈む国から 新刊案内に表示した発売日は小社出庫日です 8-2016 ◆私たちがいま、直視すべき日本社会の実相 他 の そ 円 本 日 本の楽しみや慰めなくして子ども時代を生きのびることは 6 9 分 できなかったという著者は、児童文学研究者となり、優れ [ た作品や評論の翻訳に情熱を注いだ。子どもの文学の価値 ノ 7 書 猪熊葉子 カ図図売 いのくまようこ氏は、を明らかにして大人たちに知ってもらいたい、 と願い続け製引 児童文学者 上圓般発 て六〇年。子どもに向かって書く作家たちの真髄に迫り、 幸福を描く多様な物語の世界へと読者を誘う。 四国・ 他 の そ 円 0 O 論 2 評 ー政治・社会論集 本 日 国内的文脈と国際的文脈の「戦後 , のズレ、「災後」と「戦後」の共存という事 ~ 紛 加藤典洋 態が、この社会の新たな問題を考えるための指標として浮上している。『敗戦後一 力とうのりひろ氏は、 文芸評論家 論』「戦後入門』と刺激的な議論を展開してきた著者の、災後日本社会論。 製売 →発 四・ ◆人生を新たな目で見直すために 9 月囲日発売 4

3. 図書 2016年8月号

読む人・書く人・作る人 パスカルの『パンセ』 書斎の片隅に三木清の『。ハスカルに於ける人間の研究』 ( 岩波 図書晒号目次 書店刊 ) がひっそりと鎮座している。昭和七年に発行された第 。ハスカルの『。ハンセ』 塩川徹也 四刷である。戦後の核家族の走りであった我が家に本はほとん 也 数学を学び直す人びと 中村滋 どなかった。その中で亡父が大事にしていたこの本は異彩を放 っていた。父は昭和十年前後の大学生であったが、文学や哲学ピ , ピの国の児童文学に広がる「暴力」三瓶恵子 徹 〈対談〉 真鍋真 を専攻したわけではなく、経済学部を出て民間企業のサラリー ダーウインの肩に乗って渡辺政隆 マンとして一生を送った。『。ハンセ』をひもといた形跡はない あの頃 石坂和子 し、子供時代に。ハスカルの名を父の口から聞いた覚えもない。 しかし息子が実学に背を向けて。 ( スカルにのめりこむのを心配出版創業者たちの物語 ( 上 ) 円満字一一郎 「死んだらどこへ行くのかと嘆くな、 しながらも、父はどこかで喜んでくれていたような気がする。 色川大吉 塩 ア 1 ナンダよ」と釈尊は戒める 『。ハンセ』は宗教と哲学の古典中の古典だが、。ハスカルがそ チャイナドレスのアメリカ川崎賢子弭 のような題名の本を書き残したわけではない。それは、彼の残 師岡カリーマ・ オリープの海に浮かぶ した未完の原稿類を関係者が編纂して〈書物〉に仕立てたもので ・ハタ 1 の孤島に思うことエルサムニー あり、三世紀半に及ぶ刊行の歴史の中で変貌を重ね、その変貌 2 016 年のヒロシマ高村薫 は今なお続き、いっ終わるともしれない。読者は不完全で脈絡 リアリティ 1 センサ 1 は働いているか三浦佳世 の見えにくいテクストを前にして最初は途方に暮れるだろう。 墓石に刻まれた暗号 若松英輔 しかし、ひとたびそこに響き渡る。ハスカルの呼びかけに心を動 柄谷行人 かされると、人間。ハスカルと彼のメッセージに何とかして近づ双系制と原遊動性 斎藤美奈子 きたいと希うようになるに違いない。そうだとすれば、翻訳者文庫解説を読む幻 に課された使命は、原典の字面と著者の意図の両方を踏まえ、 封印された船、あるいはうつろな舟池澤夏樹 4 読者のためにパスカルとの人格的交流の可能性を開くことであこぼればなし ろう。このたび拙訳で岩波文庫に初登場した『。ハンセ』 ( 全三 八月の新刊案内 冊 ) がその使命に少しでも貢献できればと願っている。 ( しおかわてつや・フランス文学 ) ( 表紙解説伊知地国夫 ) ( カット高橋好文 )

4. 図書 2016年8月号

ご用済みのご蔵書をお譲り下さい 古書全般案内書から趣味、肉筆類まで 正しい評価でのお引取りにつとめております。 多少によらずお間合せ下さい。 ☆取扱う古書 ・哲学、思想、キリスト教、西洋古典、仏教 ・東洋西洋史、近代現代史、社会科学、伝記 ・辞事典、言語学、書誌、雑誌、近代文学研究 ・美術 ( 画集、評論、随筆、図録雑誌、版画入本 ) ・映画、演劇、写真集、音楽、陶芸、趣味 ・明治から昭和 40 年頃までの小説、詩集、句歌集、 署名入本、著名作家の肉筆類、限定本 ・外国文学の明治からの翻訳、研究書、作家論 ・全集、叢書、各分野の個人全集、岩波他の文庫 ・文科系の英独仏、ギリシャ、ラテン語の洋書 ・明治前の和本、唐本もご相談下さい。 都内・地方ともご都合に合わせお伺いします ・地方からのご送本は「着払い」をご利用下さい。 ・当店のご案内は筑摩書房「ちくま」もご参照下さい。 info@tamurashoten.com 田村書店 〒 101-0051 千代田区神田神保町 1 ー 7 谷 03 ( 3291 ) 0563 ー 4 03 ( 3295 ) 0039 本号合店 定 さ 抱月全集複刻日本図書 0 8 冊三万円下 論 0 協合 本評田 秋聲全集臨川書店冊ニ万円相 版・業組 定本佐藤春夫全集臨川書店冊十五万円ご初集下商同 8 の全籍協 店 生田春月全集複刻飯塚書房冊三万五千円 期 , の会書商 月初等家委古術 上林暁全集増補決定版筑摩書房四冊八万円ら こ和書作都美 オ昭文本都京京 坂口安吾全集筑摩書房絽冊八万円し ・古日京 東東東 ま 正・代 大岡昇平全集筑摩書房幻冊六万円 大物近 ざ ・摺 国書刊行会肥冊十万円 定本久生十蘭全集 治・書 1 福永武彦全集新潮社冊三万八千円カ明本術町 籍 , 版学保 福永武彦全作品新潮社Ⅱ冊ニ万円書等・系神 た紙本文田四 安部公房全集新潮社冊十四万円し 色写の神部 ま ・の等区 大江健三郎全作品新潮社肥冊ニ万円 簡で学田書 子規全集講談社冊四万八千円書ま誌代古 ・期書千 日夏耿之介全集河出書房新社 8 冊四万円要稿初・都 不草治学京幻 小野十三郎著作集筑摩書房 3 冊ニ万五千円御 ( 町語東 類 ~ 本 学芸書林片冊四万五千円 全集現代文学の発見 筆代日引 日本児童文学大系ほるぶ出版冊一万五千円入肉古・ 8 っ 0 買目家 ( 学一 少年小説大系 三一書房芻冊五万五千円圭日書名籍文 古扱豪典本 1 ※状態に少々難の有る物もございます。 文古日〒 詳細は小店にお問い合わせ下さい 新着古書案内

5. 図書 2016年8月号

岩波書店 / 新刊・既刊・復刊 一人気絵本を 米国版オリジナルサイズで再刊 こモセ たモセ みーシ けの図る海 し家自ワ買 かリル やリルを日がと賊 まの家ニ物 、ス彡求、あきと わスゞ っ屋用とを めおつに宝 た根飛ぶし しセヨ うセヨ てひた昼箱 らに行っに ゆンス 訳ンスきめらごを ? 穴機か町 んダリ ダリたさ ? はほ をでつへ たツン ツンらまんつ あよたで ク文 ク文 ? が大のて けそらて 助雨合い ての ? 絵 訳 そんなときどうする ? そんなとなんいうっ つ B5 判変型・上製・ 48 頁 B5 判変型・上製・ 48 頁 つ 本体 1000 円 本体 1000 円 978 ー 4-0 1 1 1257 ー 3 C8798 978 ー 4 ー開・ - ⅱ 1256 798 【対象】 3 ・ 4 歳から 【対象】 3 ・ 4 歳から ・・ 4 日発売【再録】 ・ 4 日発売【再録】 ・やぎと少年 ノーベル文学賞作家による ユダヤのお話 7 編 . I.B. シンガー作 / 工藤幸雄訳 / モーリス・センダック絵 きと歩 ・ 4 日発売菊判・上製カバー本体 2000 円 4-0 旧 10 7 ー X 097 【対象】小学 5 ・ 6 年から ◎おどろきと発見がいつばいの物語 第 62 回 さかさ町 青少年読書感想文 全国コンクール課題図書 ( 小学校中学年の部 ) F. エマーソン・アンドリュース作 / ルイス・スロポドキン絵 / 小宮由訳 リッキーとアンは , 汽車の旅のとちゅう , くさかさ町〉で一泊するこ とになりました . 何もかもがふつうと反対 ! ゆかいな空想物語 . A5 判・上製・ 96 頁本体 1400 円 97 田純 16 0-0 C8097 【対象】小学 2 ・ 3 年から ヵ、さ町

6. 図書 2016年8月号

あの頃 『寺山修司からの手紙』を読んで 夫と妻は長いこと同じ時間と空間を生手紙』 ) を読むと、文学論もあるが、恋を学生時代を勝手に造られても居心地が悪 きていても、同じ考えを持っているわけ語った手紙も多い。 い。複雑な思いにかられた。 ではない。我が家のように、夫がほとん寺山、山田は書いた当事者なので良いやがて私も消え去るが、その前に遥か ど家にいる場合でさえそうだ。日常生活が、書かれている他の人間ーー私やさなる昔、遠い過去の記憶を少し書いてみ にあって、夫にとってはささいなことでんは、ただ一方的に語られるのみ。本人ることにする。 しかなくとも、妻には我慢できないことの意思やそうするにいたった決心など、 や重大なこともある。その反対の場合もなにもそこには表されていない。山田、 大学人学当時は、まだ終戦から一〇年 あるだろう。また、何処の夫と妻でも、寺山は手紙で気持ちをかなり吐露していと経っていなかった。かなり世の中は落 お互いの過去の出来事をすべて知っているが、それぞれが本当の心情をすべて相ち着いてきてはいた。やっと着るものも るわけでもない。 手に語っているのだろうか。語りたくな食べるものも苦労せず手に人る時代にな ある日、夫の山田は「寺山との書簡集いことはあるだろうし、自分で認めたくっていた。その少し後、「もはや戦後で がでるよ」と私に言った。それだけだつないこともあるだろう。現に当時の寺山はない」と経済白書は言う。 た。私は山田、寺山の一一人が文学を語りさんは、私との真実の状況を手紙で山田昭和一一九年四月、早稲田大学の人学式 合ったものかと思っていた。ところが、 に語ってはいない。私の当時の心の中はは大隈講堂で行なわれた。一度では新人 刊行された本 ( 山田太一編『寺山修司からの誰も知らない。今更と思うが、私たちの生は人りきれず、式は二回に分けて行な ) 石坂和子

7. 図書 2016年8月号

にモテない子どもでした ( 笑 ) 。 んだことがないのか幻」と驚かれちゃっが好きだったんです。それで何となく、 それが、高校生になって、将来を考えて。その足で大学の生協へ行って『種の動物の生態学の方へ進もうかと思ってい たんです。で、進化関連の本を読んだ たときに、地理とか地学とかを勉強した起源』を手に取りました。 大学院生の頃から翻訳もしたりする ら、研究や調査を大義名分に、いろいろ ご存知のとおり、『種の起源』は絵がり、 な所に旅行に行けていいな、と思って大一枚しか人っていないし、原文は非常にようになりました。・・グ 1 ルド 学では地学科に人ったんです。 読みにくい本です。だから、正直、ただ (StephenJayGould) などの、むしろダー 渡辺ちょっと不純な動機だったんで何となくいろいろなところをつまみ食いウイン以降の本を読んで「すごい、こう いうことができるんだ ! 」と思ったので すね。 して読んだのが最初でした。 でもそのときに、これも正直に言うす。『種の起源』を先に読んでいれば、 真鍋そうなんです。最初は秩父の 両神村 ( 現・小鹿野町 ) のあたりの地質調と、ビーグル号に乗ってどこか、今まで古生物学に進んだかもしれないですけれ 査をやったのですが、一年間、海外に行皆が行ったことのないようなところへ行ども ( 笑 ) 。 ってみたら、何かすごいものを発見でき ける奨学金をいただいて、カナダのサス カチュワン大学へ行くことになりましるんじゃないか、人生変わるんじゃない博物館での発掘 渡辺僕は大学院生の頃、自分の目先 た。本当はカナディアンロッキーとかへか、という非常に単純な発想で、「ダー 行きたかったんですが。それで、大学ウイン、素敵だな」と思いました。それの研究よりも、世界の最先端の面白い発 を卒業したら教員採用試験を受けようかで、自分も大学院で古生物学の勉強をし見に関心がありました。一番わくわくし てみようかなと田 5 いました。 たのが恐竜ルネッサンスーー恐竜研究の な、と思っていました。 転機は留学先で、化石の専門家になり 渡辺さんは『種の起源』 ( 光文社 ) の新世界に生じた一連の。ハラダイム・シフト に接したときです。あの台風の目と たくて一所懸命勉強している大学生や大訳をされていますが、いかがですか。 学院生に「何で化石の研究をしたい渡辺特に決定的なことはないのですなった研究室に行かれたんですよね。 の ? 」と聞いたときのことです。「進化が、高校時代から進化に興味がありまし真鍋そうです。六〇年代後半になる を知りたいからだ」と言うとともに、 た。進化を勉強するには地学か生物。地と、恐竜は鳥に進化したんじゃないか、 「お前はダーウインの『種の起源』を読学には縁がありませんでしたが、生き物という昔にあった説が復活してきまし

8. 図書 2016年8月号

りから一目置かれ、勉強もよくできるのを始めた。下宿先の娘との淡い恋、文選た。 だが、父は没落士族の放蕩者で、一家はエの同僚が語る、共産主義の思想。多感そこへ手を差し伸べたのが、主婦之友 母の内職でなんとか暮らしているというな青春を送る中、ある日、印刷工場が火社だった。雑誌『主婦之友』に第一一部を 連載してくれ、というのである。そこ ありさま。中学進学の望みを抱くが貧し災に見舞われる・ さゆえにかなえられず、呉服屋の丁稚に書籍として出版された『路傍の石』で、有三は構想をもう一度、練り直し、 は、ここで終わっている。少年少女向け第一部の最初から書き直した『新篇路傍 なってこき使われることになる。 やがて、母の病死を機に、呉服屋を脱の文学全集では、次野先生と再会したとの石』の連載を、一九三八 ( 昭和一三 ) 年 一一月から始めたのだった。 ころでおしまいにしているものも多い。 走して一人で上京。しかし、東京でも、 ところが、一九四〇 ( 昭和一五 ) 年七月、 下宿屋の小僧をさせられたり、葬式で香確かに、後半に印刷工場が出て来るもの 典をだましとる手伝いをさせられたりの、 " 出版業界小説〃という感じはしな文選工の同僚が共産主義の思想を語り始 と、少年の苦労は続く。そうして、よういだろう。しかし、実は、『路傍の石』めたところで、問題が生じる。内務省の 検閲によって、書き直しを命じられたの やくありついたのが、原稿に合わせて活にはまだ続きがあるのである。 ぶんせんこう である。それを不満とした有三は連載を 字を選び出す「文選ェ」の見習いの仕 事。印刷工場に住み込みで働き始めた吾『路傍の石』成立の経緯は、複雑であ打ち切り、主婦之友版の『新篇路傍の 石』は中絶してしまったのである。朝日 一は、ここでも先輩たちのいじめに遭る。 う。しかし、そんなときに、高等小学校この作品が『朝日新聞』に連載された新聞版の『路傍の石』第一部と比較する の恩師、次野先生に再会。先生の援助にのは、一九三七 ( 昭和一一 l) 年の一月からと、物語全体の約四分の三まで進んだ時 よって商業学校の夜学に通えることにな六月にかけて。ただ、それは「第一部」点でのできごとであった。 った吾一は、うれしさのあまり、涙を流であり、山本有一二としては、しばらく休戦後になっても、有三は『新篇路傍の んだ後に「第一一部」を書き継ぐ予定だっ石』を書き継ぐことはなかった。書籍と すのだった。 時は流れて、一九〇八 ( 明治四一 ) 年。た。しかし、新聞社は、第二部の連載開して刊行された『路傍の石』は『新篇』 晴れて文選工になった吾一青年は、下宿始になかなかゴー・サインを出さなかつの方であり、中絶のままの形になってい

9. 図書 2016年8月号

岩波書店 / 主要企画・既刊 漱石ー 没後百年 感な記プ で仕念ッ 裸の漱石に迫る , き掛のク るけ新デ ほほ原稿 本 ーと装ザ そのまま版 / 冊物版イ 0 旨五 . 0 、 英 満字第 小ち組一 人石 ( 0 変を図に c 中 2 悦で刊 6 、び、行 0 を緻百 巴円体密年 M 新 漱石ー絵はがきの 付版 小宇宙 や式る視和一斎 すにぎし九藤 い改なたの一 ーー「小生は人に手紙を書く事と . 人から手紙をもらふ事が大すき」 - ー 新めい解通五ニ し、地説称年郎 【主催】日本近代文学館【特別協力】岩波書店 い難位ででに 【編集委員】十川信介・安藤宏・中島国彦・長島裕子 版解を、親刊豊 とな保今し行 岩波書店が所蔵する 300 通もの漱石に宛てた絵はがき し語っもまさ田 を , 初めて公開します . あわせて , 漱石の自筆絵はが てに。英れれ実 きや , 文学館蔵の漱石資料を展示します . 今は漢和、た増 2016 年 9 月 24 日 ( 土 ) ~ 11 月 26 日 ( 土 ) 日注字辞熟本補 のを・典英辞 / 休館日 : 日曜日・月曜日第 4 木曜 ( 10 月 27 日 . 1 1 月 24 日 ) 読施かの 1 1 月 3 日 . 23 日の祝日は開館 者すな芻 一日本近代文学館 2 階展示室 にな遣典 〒 153-0041 東京都目黒区駒場 4-3-55 おどいと TE し 03-3468-4181 注 京王井の頭線・各駅停車「駒場東大前」駅 ( 西口 ) 下車 7 分 る読現てを藤 ( 渋谷駅から約 1 5 分 ) 。み代揺重英 200 円 ◆ 1 0 月刊 既刊 祖父江慎 ブックデザイン 驪、。日本近代文学館 2016 年度秋の特別展い鬮 入館料 21

10. 図書 2016年8月号

など、決まりがうるさかった。それに反一人は私の母。もう一人は祖母。この祖少し経ち、家で針箱を出すのに押し人 抗して規則を破るということまではしな母は実際のところ父の姉で、私には伯母れを開けた。隅に手紙が数通、置かれて かったが、窮屈だった。 にあたる。この伯母夫婦は一人っ子を三いた。見ると寺山さんからの手紙だっ 女学校には上に四年制と二年の短大が歳で亡くしていたため、弟の私の父と母た。我が家の親達に「通信の秘密」 あり、大半の卒業生はその上の大学に進夫婦が養子縁組をしたのだ。三人目はや娘宛の手紙を勝手に開封してはいけない 学したはずだ。ごく少数の人が就職しはり叔母。親めいた人が三人いて、しか など通用する訳がない。我が家に限 た。その大学は、外部の試験日に内部かも誰も子供を成人するまでに育てた経験らず、当時の親達はそんなものであっ らの進学組も同じように受験するシステがない。親たちは過剰に心配し、そこでた。その手紙は寺山さんにお返しした。 ムだった。その試験の当日、私は朝、起育てられる私は大変である。しかも私は しかし、ある日、クラスの男子が言っ きなかった。 : ホイコットしたというわけ呼吸器が弱く、冬にはよく寝込んだ。そた。「寺山は俺の女に手を出すなと言っ だ。そこで、一つだけ願書を出していたれでなおのこと過保護になる。 てます。そうなんですか ? 」 早稲田を受験するほか仕方ない状態にな 私はなんとかしたいと、自由な空気を冗談じゃない。私は彼を捕まえていっ っ ( 。 求めて共学に入ったのに、やはり不自由た。「何でそんなことを言うの ? 」彼 だが、早稲田入学前に、私にとって不だった。 は照れくさそうに笑っていただけだ。 利な事が起きる。人学前年か、人学の年 私は、とにかく束縛されない大学生活 に、新聞で学生の無理心中事件が報道さ人学式当日、私の前に姿を現した寺山を送りたかった。親からもフリーに、友 れたのだ。我が家の親達には心配の種がさんから、その後すぐ手紙を頂いた。だ達とも自由に過ごしたいだけだった。し 増え、私にとっても余計な縛りが増えるが、私はそのような気持ちには応えられかし、寺山さんはどうもそれを理解しな ことになった。家から言われた。人学しない、友達ということなら良いが、恋愛かった。彼は自分に都合良く、親がうる ても、クラブに入ってはいけないと。 感情はないと伝えている。これから四年さいので、私が素直に気持ちを表さない 何故、そのようにうるさいのか、それ間同じクラスで過ごすのだから、はっきと決め込んでいたようだ。彼の心が事実 は我が家の特殊な事情による。私の家にりしておきたかった。なるべく穏やかを受け人れるのを拒否していたのかもし れないが・ は一二歳まで母親的な女性が三人いた。 に、何事もなく過ごしたいと思った。