女性 - みる会図書館


検索対象: 小説推理 2017年1月号
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1. 小説推理 2017年1月号

同じことを、わたしは四回も聞いていたの「柏原さん ? 大丈夫ですか ? 」 え ? か。それなのにちっとも覚えていない 女性が、心配そうに顔を覗き込んでいる。 なに、じゃあこの人は精神科の女医ってこそれから女医はわたしに様々な図形を見せ「あの、すみません、そろそろ帰ってもいし と ? て連想するものを答えさせたり、空欄のあるですか ? ー わたしは慌てて部屋を見回す。が、普通の文章を読ませて、空欄に当てはまりそうな一一 = ロ「帰る : : : って」女性は首を傾げた。「どこ 事務室といった様子で、病院という感じでは葉を答えさせたりした。 へですか ? 」 ガし わたし、おかしくない。 「うちです。すぐ買って来てって言われてた 「ここは検察庁の中です」 普通だってことをわかってもらわなくちのに。お母さん、怒ると怖いから」 わたしの戸惑いを察したように、女医が言や。 女性は何も一言わず、じっとわたしを見つめ った。ケンサッ ? ちょっと待ってよ、精神だからどんな質問にも、丁寧に、一生懸命ている。その表情に一瞬憐れむような色が宿 鑑定だとか何とか、さっきから意味不明なん答えていった。 ったが、すぐに事務的なものに戻った。 だけど。 単調なやり取りを続けている間に、おや、 「鑑定は以上です。お疲れ様でした」 「わたし、どこもおかしくないよ ? と疑問が湧く。 女医はそれには答えず、腕時計を見て言っ この女のひと、誰 ? 気がつくと、格子扉の中の、一汚い部屋にい どうしてわたし、こんなつまらない遊びをた。 してるの ? 「十分から一一十分程度ですね」 いつの間に。それに何故 ? 「何がですか ? 」 あ、ヤバ おろおろしていると、壁に書き込んである 「あなたが記憶を保っている時間です。実わたし、お母さんに買い物頼まれてたんじ自分の名前が目に留まった。 憶 は、簡易鑑定を行っているという説明は、すやない。 わたし自身の文字だ。 一三ロ の でに四回しています。忘れてしまうまでの時カレー作ろうと思ってたのにルウがなかっ ということは、初めて来たのではないの ? ス 間はまちまちで、十分の時もあれば一一十分ほたって、試験勉強してたのにお使いに出され混乱しながらも文章を読み進めていく。腕ガ たんだ。 どの時もあるようですねー に書いてあるメモも見よという指示に、シャ 四回。 早く帰らなくちゃ。 ツの袖口をまくって読んだ。 す

2. 小説推理 2017年1月号

その頃の彼女に言わせると、ぼくは夢の中と思う。実はこの一一十数年間のなかで、たつようになり、慣れない刃物で指を切らないか でも炭を切っていたらしく、隣で寝ているたひとつ、親方に褒められたことがある。弟ヒャヒャしているのだろう、狙いを定めては と、右手だけがピクン、ピクンと動いていた子入りして間もない頃、 ダン ! また狙いを定めてはドン ! と鉈を そうだ。休みが無い内弟子のぼくがどうやつ「お前、良い手をしているな。親父は手がか振り下ろしているので腕は疲れても、一日に て彼女と付き合っていたか、機会があれば書 っこ悪い奴はだめだと言っていたが、お前は半俵も切れない者もいる。こちらは誰でも入 門させたいわけではないので、辛いのはわか かせていただくが、とりあえずは炭を切る話大丈夫だな」と。 を続けたい。 親方の手も大きくて綺麗だ。手を綺麗にしっているが、たまに隣に座って、いつも通り とにかく毎日、毎日炭を切っていた。これておくというのは、良い作品を創るうえでタタタタタンと高速で切ってみせて「こうす からもそ , つだろ , つ。 も、社会で生きていく上でも、大切な心がけるんだよ。と一一 = ロうくらいだ。半日見ていても 五感が大切とか、手の感覚が大切などと言だと思う。 工夫もせず手を動かすべースが落ちてぼんや っておいて何なのだが、独立してからは、手 りしている時間が長くなってくると、そろそ 術用の薄いゴム手袋をして炭切りをしてい 最近は、刀装具を造る勉強の為にと、たまろ潮時だな、と思う。 る。いつも真っ黒な手をして、どこにでも出にお手伝いに来てくださる金工さんもいる不思議な事に、女性は帰るころには切り方 かけて行き「これが刀鍛冶の手だ ! ーと言っし、いずれは弟子を取って、炭切りをさせるも上達して「楽しかったです。また来たいで ている人もいるが、それで良い仕事をしていようになるかもしれない。 す ! [ と朝より元気になって、ほんとうにま る人をあまり見たことがない。修業中は素手実は今まで、弟子入り志願の若者がやってたやって来たりする。 チ で炭を切ることが必要な理由もあるのだが、来る度に、一日炭切り体験をさせてみるのだそういえば美大の陶芸科の教授が、 ウ 手は大切にしなくてはならないと思う。手にが「やる気はありますー・何でもやります ! 「最近はさ、実習用の粘土を載せたトラック衫 ム はその人の生き方や人間性が出ている。独立と言っていられるのは、はじめの 1 、 2 時間が着いた時、率先して重い荷を運んだり、汚 チ ウ すると、いつでもどこでも、鍛冶屋の手でうだけで、だんだん元気が無くなり、手も動かれ仕事や現場指揮をするのは女子学生だよ。 ろうろするわけにはいかなくなるのだ。それなくなってくる。夕方、後片付けをする頃に男子学生はぼーっとして邪魔になるか、女子テ に、そんな手で女性と手を繋ぐっもりなの ? は「考えが甘かったです」と意気消沈して帰学生に使われている」と話していたなあ。 0 さもありなん : ・ 2 ( 三月号につづく ) ぼくは刀鍛冶にしては綺麗な手をしているって行く。マスクをした顔は炭で隈取りした

3. 小説推理 2017年1月号

「誰 ? リアへと駆け寄って、手刀で拳銃を叩き落とないと言われました」 し、肘でユリアの腹を一撃した。ュリアがロ「良かったですねー 岐子の後から、小田切ルリ子がやって来 と、顔を出したのは、何とさっきのヨーグを開け、声もなく倒れる。 」 0 唖然としている浩枝に、 ルトの女性だった。 お役に立 「車を駐車場へ入れてたので。 ュリアがカウンターの上のナプキンをつか「もう大丈夫ですー って良かったです」 と、その女性は言った。 んで、手にした銃を隠す。 「あなたは : 「本当に、あなたがお父様に頼んで下さった 「ヨーグルトの者ですが」 。今ごろ、主人も私も殺されて と、その女性は言った。「こちらでヨーグ「小田切様に頼まれた、あなたのボディガーおかげで : いたでしよう」 ルトを買っていただけないかと : : : 」 ドです」 。まあ ! と、浩枝は言った。 と、バッグから、ヨーグルトのびんを取り「小田切さんが : ーーー明るい日射しが、病院の廊下に差し込 出す。 「早く救急車を」 んでいた。 「そうだわ ! 「いらないわー と、ユリアは苛々と、「行って ! こっち浩枝は店のカウンターの電話へと駆け寄っ浩枝は病棟の廊下に作られた休憩所にい た。 , 夫、仲田伴治は、弾丸が心臓からわずか は忙しいのよ ! 」 にそれて、助かったのである。 「さようですか : 「父も喜んでますー と、女性はちょっと頭を下げて、「失礼し〈こんにちは〉 と、小田切ルリ子は言った。「代りに父の 頭の中に聞こえた。浩枝は振り返ると、 ました」 「まあ、まなみちゃんし と、扉を閉めようとした。 知り合いの息子さんとお見合すると承知した橋 る 川田岐子に手を引かれて、まなみがいたずのでー その瞬間、女性の手にしたヨーグルトのび 架 「まあ , んが真直ぐにユリアに向って飛んだ。びんはらつぼい笑みを浮かべている。 「でも。断るつもりですけど。お見合さえす悪 ュリアの額に当って、ユリアは痛みによろけコ」主人、いかがですの ? 」 れば父の顔が立つんですー と、岐子が訊いた。 その女性はバッグを落とすと、ダダッとユ「ありがとうございます。もう危い状態では「いい方ならーー」 こ 0 一」 0 一 J

4. 小説推理 2017年1月号

十津川警部 仙石線殺人事件 ・あらすじ・東日本大震災の津波で、女川に係留されていたホテル入院していた。捜査が進むと、被害者のモデル時代の状況が判明し 「グズマンニ世」が沈没した。五年後に海底で船体が発見され、所てきた。その後、プラチナを現地から仙台警察署に、仙石線の快速 有していた藤井観光により引き揚げが実施された。その船内から藤列車で運ぶことになった。運搬途中の陸前赤井駅で爆破事件が起き 井観光社員の柏原恵美の遺体とニ億円相当のプラチナが発見されたが、プラチナは無事、仙台警察署に保管された。そんな中、清心 た。柏原の調査を命じられた若宮康介と恵美の妹・美紀は現地に赴院で起きた事件の容疑者、小西大介の遺体が松島海岸で発見され き、宮城県警の吉川警部に事情聴取を受けた。その後、美紀は仙石た。連絡を受けた十津川は仙台で捜査を進めるうちに、陸前赤井駅 線の車内で何者かに命を狙われ、吉川警部が捜査にあたった。一の爆弾事件は陽動作戦ではなかったかと考えた。東京に戻った十津 方、奥多摩湖近くにある清心院という病院で、殺人未遂事件が発生川は、引き揚げ委員会メンバーの身辺捜査に着手した。 し、十津川警部が捜査に着手した。被害者の柿沼玲子は記憶喪失で 十津川は、想像力を広けていった。 第亠ハ章最後の戦い せん せき せん さっ じん じ けん 平成一一十一一一年三月十一日金曜日、東日本大震災が起きた。大地震 のあとに、巨大な津波が襲った。 そのため ( 岩手や宮城の海岸は、大打撃を受けた。その前日の三 月十日、女川の沖に浮かぶホテルとして「グズマン一一世号」が存在 していたが、そのホテルに、一一億円相当のプラチナが、トランクに 入って預けられていた。 責任者は、ホテルを経営している藤井観光の女性課長、柏原恵美 呉事務所Ⅱ画 ろう 西村京太郎 にしむらきよう 412

5. 小説推理 2017年1月号

た。助かったよー 「彼は探偵の黒崎リュウジさん。以前は警視だが黛は驚くこともなく、八神の顔をじっと R 「仕事ですからー 庁きっての腕利きの刑事でしてな」 見つめた。 「クールなところがまたいいじゃないか」 赤いドレスに身を包んだ美しい女性だつ「何だよー 五十代半ばの社長は私の肩をポンポンと叩 た。長い黒髪が綺麗だ。顔立ちも端整ではあ「別に。あの黒崎の部下にしては、悪くない くと、恰幅のいい体をあちこちに移動させったが、鋭い眼光と凜々しい眉が気の強さをわねって思っただけですわ」 「はあ ? て、周りにいる人々に私のことを紹介した。感じさせた。どこかで見た顔だ。 増えていく名刺には政府要人や大会社の重「知ってますわ。所轄の刑事だったんでし「また会いましよう」 役、弁護士などの名前があった。努めて明るよ」 黛は八神の髪を軽くなでると、私に一瞥を まゆずみ く対応はしたが、心は晴れない。理由はわか「え ? 彼をご存じでしたか。黛さん」 くれて去って行った。社長はヘこへこしなが っている。この依頼と同時期に進んでいた若 うなずいた彼女の口一兀には笑みがあった。 ら、何度も頭を下げていた。 松沙雪との交際が思わぬ形で失敗したからだが目が笑っていない。そのまなざしと黛と「何なんすか、あの女。いかにもお嬢様 : いう姓で確信した。やはり彼女は : みたいに気色悪いしゃべり方して。あんなの あれから沙雪に再アタックしたものの、結「探偵ですか。ただし腕利き : : : というのはリアルでもいるんですね : : : っていうか黒さ 果は見事に撃沈、アドバイザーの城戸まどかどうかしら」 んのこと知ってるみたいだったけど、知り合 の一 = ロう通りだった。女は切り替えが早い。 社長は黛と私を交互に見渡した。私は彼女いっすか」 ただこういう場で明るく振る舞えるだけのの視線に耐えきれず、フロアに視線を落とし 私は答えることなく、ウイスキ 1 に口をつ 材料もあった。一人の女性にお見合いを申した。 けた。初めて会ったのはもう十五年近く前、 込まれたのだ。こちらが申し込んでばかり「お姉さん。文句でもあんのかよー 彼女はまだ中学生だったはずだ。 で、女性側から申し込まれたのは初めてだ。 八神がレフェリーのように割って入った。 「彼女は黛ホールディングス総裁の孫娘、黛 にいな 実はこのパーティーの後、夕方に会う予定に「俺は傍にいるからよくわかる。黒さんはマ新菜さんだよ」 なっている。 ジですげえし。俺が知ってる功績だけでもい 戻って来た社長が私の代わりに説明した。 つばいある 「お嬢さん、ちょっといいですかな」 黛ホールディングスは準ゼネコンの黛建設を 社長は一人の若い女性を呼び止めた。 八神は私が活躍した事件を列挙していく。中核とする巨大企業グループだ。その会長は

6. 小説推理 2017年1月号

伝統工芸 印鑑にはそれそれ印相があります。これ は人相や手相・家相と同様にたいへん大き 開連印鑑とはいったいどんなものなのか ? ます印材。自然の生気ある材質で、象牙、 な意味を持つ相です。しかし印相の場合、 水牛、つげの 3 つから選びます。次に印画。丸型が吉、夫婦の場合は夫が大きく妻が 小さくするのが原則です。事業や環境などによって夫婦が同寸の場合も可。印の大 軽視されがち。ですから凶相印を平気で法 きさは以下のようにするのがベスト。男子実印・銀行印は直径 15mm 丸、認印は 12mm 丸ないし llmm 丸。女子実印・銀行印は直径 13.5mm 丸。認印は llmm 丸がよいでしよう。 的手続きにも使っているのがよく見うけ 字体は印章文字として発達した八方てん書を用います。このほか姓名、生年月日と られます。このように無頓着では問題です の関係なども考えあわせ、おっくりいたします。実印には姓名全部を彫り、銀行印・ 認印には姓を彫るのが原則です。女性の場合、実印・銀行印は名のみでも可。 ね。そこで、原田商会印相研究所では「開 運印鑑」をおっくりになることを、お勧め しています。当所の印鑑はすべて印相彫刻 ( 個人印 ) 研究一筋の雅峰先生の鑑定書付。 1 本 1 本 ていねいに仕上げた、「開運印鑑」です 女子実印 男子実印 1 .5 cm 丸 1 .35cm 丸 個人印の単品価格◎鑑定料付値段 ( 黒牛皮ケース付 ) 実印の長さは 4.5 師丈、銀行印、認印の長さは 6cm 丈です。 ( 実印 6 師丈に変更可 ) 男子実印・銀行印好実印・断印男子認印男女認印 印 材 1. m 丸 1.3 m 丸 1.2cm 丸 1 .1 師丸 特上 23 , 800 円 22 , 80 円 19 , 000 円 1 4 , 300 円 高級本象牙 並 18 , 100 円 17 , 100 円 13 , 300 円 9 , 500 円 高級芯持本黒水牛 7 600 円 6 , 700 円 5 , 700 円 4 , 800 円 会社印 ( 1.8 師実物大 ) 高級本つげ 6700 円 5 , 700 円 4 , 800 円 3 , 800 円 社印の価格高級本つげ印 12 , 400 円 生まれ年と印材の合性表 高級芯持本黒水牛印 21 , 900 円 1.8cm 丸 X65 丈高級本象牙印 38 , 100 円 合性の印材星の名 あなたの生まれ年 黒牛皮ケース付 高級本象牙特上印 47 , 600 円 象牙・つげー白水星大正 7 昭和 2 ・ 11 ・ 20 ・四・ 47 ・一平成 2 ・ 11 ・ 20 ・四 こ黒土星ク 15 元・ 10 ・ 19 ・ 28 ・ 37 ・ 46 ・ 55 ・ 64 彡元・ 10 ・ 19 ・ 28 象牙・黒水牛 皮高 c 黒水牛・つげ三碧木星 14 彡 9 ・ 18 ・ 27 ・ 45 ・ 54 ・ 63 9 ・ 18 ・ 27 黒水牛・つげ四緑木 ・ 62 8 ・ 17 ・ 26 黒水牛・象牙五黄土 げ 象牙・黒水牛六白 ・ 24 ー 2.5 象牙・黒水牛七赤 4 ・ 23 、 cm 黒水牛・象牙八白 3 ・ 22 象牙・つげ九紫 12 ・ 21 0 6 ・ 0 印 印相法に合理 材から 0 生まれ年の星をみ 【ります。 たとえば昭和 5 年 よっ。 1 .5cm 丸 X4.5cm 丈 ( 女子は 1 .35cm 丸 X4.5cm 丈 ) セット実印 銀行印 1 .2cm 丸 ><6cmÉ 3 本入ケース ケース付 ) 認印 1 . lcm 丸 x6cm 丈朱肉付き 牙 \ 30 , 500 黒水牛 \ 11 , 400 象牙 \ 29 ! 500 黒水牛 \ 10 , 500 本セット 実印 1 .5cm 丸 X4.5cm 丈 ( 女子は 1 .35cm 丸 X4.5cm 丈 ) ケース付 ) 銀行印 1 .2cm 丸 X6cm 丈または認印 1 . lcm 丸 X6crn 丈 牙 \ 23 , 800 黒水牛 \ 8 , 600 象牙 \ 22 ! 900 黒水牛 \ 7 , 600 幸運を呼ぶ開運印鑑 開運印鑑の例 印 印役 号実締 社取 会表 印 代 社 印 会号行 0 鑑定付でこの価格 女子銀行印 男子銀行印 1 .5 cm 丸 1 .35cm 丸 男子認印 1 .2 cm 丸 男女認印 1 .1 cm 丸 ☆ 鶩ハガキ、ファクス、インターネットで ! ! ハガキ みください。代金は開運印鑑の鑑定書が届いてから印影を確認後、代金引換にてお支払いくださ 前金でお申し込みの方は、代金より一割引き致します ( 特別セット商品は適用外です ) 。前金お支 、方法は、注文書同封の上、現金書留にて御送金ください。 電〒金 話番本た印刻 品発送は受付日より約 2 週間です。お急ぎの方は、至急とこ記入ください。 1 週間位で郵送致します。 番号額ヤは、氏月 府 原 ※送料無料 ( セット商品は別途 500 円・税抜 ) 。 ・当研究所では、訪問販売は一切しておりません。 ′ト田 .- 、、伊※表示価格には全て、消費税は含まれておりません。 私勢※破損、誤字の場合のみ無料で交換いたします。 小材本、り職説商 雅峰先生鑑定彫刻 説セ認が業推△ 印相彫刻研究家ー級鑑定士 箱四 推氏質ッ印生 18 十 号 係名旨 電話 ( 甲府 ) 055 ( 233 ) 8049 ( 代 ) FAX 055 ( 235 ) 4601 http://www.805harada.com ☆資料・バンフレットご希望の方は無料てお送りします。◎取得した個人情報は商品発送のほか、当社の案内の目的以外には利用いたしません 原田商会印相研究所山梨県甲府市伊勢 1 - 4 -15

7. 小説推理 2017年1月号

うひあーーー宇宙まで 飛んじゃった 0 でもこれもまた 幸せ 0 0 俺は遠慮する わがままはも - つい って大変だな いや何をされても 嬉しいんだから 最終的には幸せ なのか なワケあるか キ プあナ ク レとオ 「痴人の愛』 か イのミ 1924 年 3 月から 6 月まで「大 ら 阪朝日新聞」で連載し、中断 ひ 後は、雑誌「女性」にて連第 最 : ム去 と 載。 25 年改造社より単行本 高のら 刊行された。当時の妻をモ . で一れ と デルにしており、自身も 「私小説」と呼んでいた。 ナオミは「ナオミズム」という言葉が生まれるぐら い、小悪魔的な女性であった。 願 谷崎潤一郎 ( 1886 年 ~ 1965 年 ) っと 東京生まれ。東京大学国文科中退。同人誌「新思 潮」を創刊。同誌に発表した「刺青」などを評価さ つ れ作家に。通俗性と芸術性を高いレベルで融合させ 寝 た純文学は国内外で評価が高く、「文豪」「大谷崎」 る と称された。 次は純情な 女が出てくる 小説が読みたい 巧 5

8. 小説推理 2017年1月号

関へと走った。ドアを開けると、そこに立つるー・刑事さんが私を撃とうとしてーーー」 片岡が銃口を向け、引金を引いた。 「刑事 ? 」 ていた女性と危うくぶつかりそうになった。 弾丸が、仲田の胸を貫いた。 浩枝はそう聞いてハッとした。「もしかし 「キャッ ! 」 て、片岡っていう刑事 ? 」 「あ、ごめんなさい」 浩枝は浅い眠りの中で、突然胸に鋭い痛み立っていたのは、作業服みたいなものを着「そうです ! 」 た、中年の女性で、肩からさげた大きなバッ「あなたはーー」 を感じて飛ひ起きた。 どうしたの ? 「桐山エリ子です , グには〈ヨーグルト〉の文字があった。 安達直子が話していた、桐山の娘とは、こ 「あの : : : 」 と、思わずロ走った。 でも、何の傷も「すみません、私、〈ヨーグルト〉の配達の子か。ーー人フは片岡が追って来るかもしれ 胸を手で押えていた。 ガし 員でして。こちらでヨーグルトを取っていたない。 「こっちへー でも、確かに : だけないかと思いまして : 浩枝たちは集会所へと走った。ーー持って と、その女性は言った。 何かが眼前に残像のように浮かんでいた。 コ J めんなさい ! 今、急いでて、それどこいたキーホルダーに、鍵が付いている。 倒れる人影。ー、ー逃げる人影。 浩枝は〈図書室〉のドアを開けると、 その周囲に、一瞬、見たことのある風景がろじゃないの ! 「ここでじっとしてて。誰も来ないわ。 「あ、そうですか、すみません」 浮んで消えた。 浩枝は玄関の鍵をかけると、急いで階段をと言った。 「今のは : 確か、この団地の外、よくお昼を食べに行駆け下りた。団地のエレベーターはのんびり「あの : : : 銃声がしたんです。あの人、撃た れたかもしれない」 く喫茶店のようだったが。でもーーーどうしてしていて、足の方が速い。 「あの人 ? 」 団地の中を駆け抜けようとして あんな場所を見たのだろう ? 「仲田さんです。私が撃たれそうになるのを 首をかしげはしたが、今は迷っているとき突然、走って来た女の子とぶつかりそうに 助けて・ : ではない、と思った。あの胸に感じた鋭い痛なった。 「仲田ですって ? に みは、ただごとではない。 「助けて下さい ! 」 浩枝はケータイと鍵をつかんで、急いで玄と、女の子は浩枝にすがって、「殺され直子が言っていた。夫が、エリ子の保護者 115 悪夢に架ける橋

9. 小説推理 2017年1月号

いのは母だとわかっても、かばってやりたく 柏原家の隣に住む婦人が言っていたことを ' 話、パン屋でのバイトの話などを、聞かれる なってしまう。それが家族の条件反射ではな思い出す。 ままに話した。 おがわ 、、 0 し , 刀 ー、・・・・・・多少の物音がしても、余計なことに首けれども、ポーイフレンドの小川君のこと それなのに光治は、麻由子の殺人をすんなを突っ込まないことにしたんです。 は黙っておく。小川君とは、受験が終わった り受け入れた。間違いではないのかと、警察介護生活には、奈落の底のような闇があら旅行に行く約束をしている。いくら親に に食ってかかってくることは一度もなかつる。その闇が、柏原家を支配していなかった「女友達と一泊する。と言ったって、カレシ た。悲しんではいたが、彼の口から出たのはと、どうして言えよう ? ものわかりの良さの存在があれば絶対に疑われる。だから小川 「罪を償わせたいという言葉だけだ。 そうな、忍耐強くて優しそうな夫の言動に、君のことは、クラスの仲良しグループ以外に 麻由子の罪が事実だとしても、そして心か騙されていたのかもしれない・ : は絶対の秘密なのだ。 ら罪を償わせたいと思っていても、せめて当どうして柏原家には高い塀がめぐらされて「では柏原さんは、現在高校生だとおっしゃ 番弁護士くらいは頼むのが自然だろう。記憶いるのか ? るんですね ? ー 障害を持っ麻由子が、留置場生活で不自由な どうして防音性の高い壁や窓を用いているプレザー姿の女性が聞いた。 思いをするのは明らかだ。逮捕後すぐに弁護のか ? 「うん。でも早く大人になりたいです 士を雇っていれば、裁判官に勾留を延長しなあの瀟洒な邸宅で、いったい麻由子は光治もっともっと大人だったなら、すぐにでも いように意見書を提出するなど、阻止する活にどう扱われていたのだろうか , ーーー 小川君と結婚できるのにな。 動もできたはずだ。そのことを新聞記者出身 「なるほどー の光治が知らなかったはずがない。 目の前の女性が、クリップポードに何かを 普通なら、全身全霊をかけて守ってやろう 書きつけながら頷いている。 とするのではないか。 わたしは小さな事務所のようなところにい 「ところで、今あなたはここで何をしている それなのに、なぜ ? て、丸い椅子に座っている。 かわかっていますか ? 」 夫婦円満たったと周囲や担当医は信じてい 目の前には地味なプレザーを着た女性がおわたしは素直に首を振る。 る。けれども家の中での柏原夫婦のことは、 り、わたしの生い立ちや生活の様子などを聞「検察官からの指示、またあなたの同意によ 誰も知らない。 いてくる。両親のことや通っている高校のり、簡易の精神鑑定を行っているところで

10. 小説推理 2017年1月号

かかった。 隠し通してきたが、全く予想外のところに田代は一兀教師。数年前までは学習塾を営ん 「やつばり黒さんじゃないっすかー 落とし穴が待っているとは : もういっそでいたが、認知症になった妻の介護に疲れ、 私は振り返る。そこには相変わらず茶髪にのこと、すべてをばらしてしまえと悪魔がさ首を絞めて殺したと自供した。 サングラスを載せた八神がいた。 さやく。だがすんでのところで私は開き直っ「俺が知りたいのは、田代がどうやって黒さ こ 0 「どうしたんすか ? こんなところで , んの目を欺いて青酸カリを持ち込んだのか、 八神は新菜に気に入られたのか、あれから「あの女性、実は捜査機関の人間なんだ」 それだけですよ。どんな魔術を使ったんです よく呼び出されているようだ。 八神は目を瞬かせた。 かねえ」 「渋谷署の事件を調べていてな」 「捜査機関 ? 確かにそうだ。あの時からずっと分からず 思い切りデートだったが、まあいいや。 「沢木麗子って言ってな。切れ者の女検事じまいだった。い クし考えていると、八神のス 「そうなんすか ? さっき女性と一緒だっただ」 マホに電話がかかって来た。 じゃないですか。恋人かなって思ったんで声 「マジっすか , 「うわ、またお嬢様かよ」 をかけられなかったんですけど」 「ああ、彼女から渋谷署の事件について八神は電話で新菜と言い合いをしていた 鈍器で頭を殴られたような衝撃があった。色々、情報収集をな」 が、やがて諦めたように通話を切った。 唇がかすかに震えている。油断していた。 一一年前に麗子は札幌にいたのだが、八神に「あ、黒さん、すみません。彼女、いちいち 見られているとは思いもしなかった。今の服わかるはずもない。ふう : : : どうやらうまくうるさくて。それじゃあ俺はこれで」 装はいつもよりカジュアルでオシャレ中年し誤魔化すことができたようだ。 一人になった私は当時の状況を思い出す。 てるし、デートと考えるのが普通だ「 「俺も渋谷署の事件について、調べているん被疑者が自殺することもあるので、こちらも 八神はいぶかしげな表情を浮かべている。ですよ」 警戒してボディチェックは念入りにしていた よく考えてみると、知られて問題なのは婚活八神はいまだに私がミスをしたことに納得つもりだ。どこに青酸カリを隠し持っていた であって女性との交際ではない。付き合ってできないらしい。もう少し詳しく教えてくれのかいまだにわからない。ましてや、留置場 いるとそのまま認めればよかったのに、事件と一一一一口うので、私は説明した。 では服を脱がして調べるのだ。だが : たしろけんさく を調べていると言ってしまった。 「被疑者の名前は田代憲作。当時六十七歳 ーー可能性が、一つだけある。 ーーく、こんなところで終わるのか。 術ではない、一つの推理が頭に浮かんだ。